JPS6336424Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は変速機のコントロール装置、詳しく
はコントロールレバーと、該レバーのシフト動作
を変速機に伝達するシフトケーブルと、セレクト
ベルクランクを介して前記コントロールレバーの
セレクト動作を変速機に伝達するセレクトケーブ
ルとを備えた変速機のコントロール装置に関す
る。

（従来の技術） 従来この種変速機のコントロール装置は、例え
ば実開昭58−2122号公報に記載されているごと
く、コントロールレバーを車両静止部材に２つの
第１及び第２軸を介して前後左右方向に揺動可能
に支持すると共に、前記第１軸側に前記レバーの
前後動操作により前後方向に揺動してシフト動作
するシフトアームを取付け、該シフトアームにシ
フトケーブルを接続する一方、前記第２軸側には
側方に延びる軸杆を突設し、かつ前記車両静止部
材に前記軸杆の先端部を受入れる長孔をもつブラ
ケツトを回動可能に支持して、このブラケツト側
にセレクトケーブルを接続するセレクトアームを
取付け、前記軸杆とブラケツトを介して前記コン
トロールレバーの左右動操作を前記セレクトアー
ムに伝達してセレクト動作を行うごとくしてい
る。

斯くして前記コントロールレバーを前記第２軸
を中心として左右方向に揺動操作させることによ
り、前記軸杆を介して前記ブラケツトを上下方向
に揺動させ、これに連動して前記セレクトアーム
を前記レバーと同方向に揺動させて、該セレクト
アームに接続するセレクトケーブルでセレクト動
作を行うごとくなし、このセレクト動作後、前記
コントロールレバーを前記第１軸を中心に前後方
向に揺動操作することにより、前記シフトアーム
を前後動させて、該シフトアームに接続するシフ
トケーブルでシフト動作を行つて、変速機を任意
の変速段位に変速するごとくしている。

ところで前記公報のものでは、２つの第１及び
第２軸を介してコントロールレバーを車両静止部
材に支持するごとくしているため、構造が非常に
複雑化する問題があつたのである。

そこで特開昭59−36829号公報において、前記
コントロールレバーの下端部に球状部を設け、該
球状部を介して前記コントロールレバーを前記車
両静止部材に前後左右方向に揺動可能に支持する
と共に、前記コントロールレバーの下端部にシフ
トケーブルを接続して、前記レバーの球状部を中
心とした前後方向への揺動操作により前記シフト
ケーブルを介してシフト動作を行うごとくなす一
方、前記球状部の側部から軸杆を突設し、かつ前
記車両静止部材に前記軸杆の先端部を受入れる長
孔をもつブラケツトを支持し、このブラケツトを
介しセレクトケーブルを接続して、前記レバーの
球状部を中心とした左右方向への揺動操作によ
り、前記軸杆を介して前記ブラケツトを上下方向
に揺動させ、このブラケツトに連動する前記セレ
クトケーブルの押引操作によりセレクト動作を行
うごとくしたコントロール装置が提案されたので
ある。

（考案が解決しようとする問題点） ところが前記従来のコントロール装置では、そ
の何れもが前記コントロールレバーのセレクト動
作時に、前記軸杆が前記コントロールレバーの揺
動操作に伴い上下方向に揺動する関係上、前記ブ
ラケツトと軸杆との連結部において、該軸杆が前
記ブラケツトに対し前後方向にスライドするので
あり、従つて前記軸杆のスライドを吸収すべく前
記ブラケツトには必ず長孔を形成する必要があ
り、また前記ブラケツトと軸杆との間には、該軸
杆の円滑なスライドを補償すべく樹脂などのブツ
シユを介装させる必要があつたのである。

従つて前記各コントロール装置では、長孔を形
成したブラケツト及び該ブラケツトの長孔に介装
するブツシユなどを必要とし、また該ブツシユを
前記軸杆に支持するための支持構造を必要とした
りして、部品点数が多くなるばかりか、全体構造
が複雑化するのであり、しかも前記ブツシユは長
期使用に伴い摩耗するため、該ブツシユと前記ブ
ラケツト間にガタが生じたり、また前記ブツシユ
と前記ブラケツトとの間で打音などが発生する虞
れがあつたのである。

本考案は以上のごとき問題点に鑑みて考案した
もので、その目的は、部品点数が極めて少なく、
簡単な構造で確実にシフト動作とセレクト動作と
を行い得る変速機のコントロール装置を提供する
ことにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記目的を達成するために、コントロ
ールレバーの下端部に球状部と、該球状部２の径
方向に突出する連結ロツド５を設け、該ロツド５
の遊端部に球体８ａを摺動可能に嵌合すると共
に、車両静止部材３側に前記球状部２を収容して
前記コントロールレバー１を首振り自由に支持す
る支持体４を設ける一方、前記セレクトベルクラ
ンク６に挿通孔７を形成し、該挿通孔７に、前記
連結ロツド５の遊端部に摺動可能に嵌合した前記
球体を包含する包含部材８ｂを設け、前記コント
ロールレバー１を前記セレクトベルクランク６に
連結したのである。

（作用） しかして前記コントロールレバーによる変速機
の変速操作時には、前記レバーを前記球状部を中
心に左右方向に揺動操作することにより、前記球
状部から延びる連結ロツドを介して前記セレクト
ベルクランクを上下方向に揺動させ、該セレクト
ベルクランクに連結したセレクトケーブルを押引
操作してセレクト動作を行い、またこのセレクト
動作後に、該セレクト位置において前記レバーを
前記球状部を中心に前後方向に揺動操作すること
により、前記レバーに連結したシフトケーブルを
押引操作してシフト動作を行い、このセレクト動
作とシフト動作とにより前記変速機を任意の変速
段位に変速操作するごとくしたのである。

（実施例） 以下本考案にかかる変速機のコントロール装置
を図面の実施例によつて説明する。

図中１はコントロールレバーであつて、該レバ
ー１の下端部に球状部２を取付けると共に、車両
静止部材３に前記球状部２を収容可能な球状空間
をもつ支持体４を設け、該支持体４に前記球状部
２を収容することにより、前記コントロールレバ
ー１を前後左右方向に首振り自由に支持する一
方、該レバー１の球状部２には、前記支持体４か
ら径方向外方に向けて突出する連結ロツド５を一
体に取付ける。

前記球状部２には、第２図に詳しく示すごと
く、縦及び横方向に２つの貫通孔２ａ，２ｂを形
成し、この縦方向の貫通孔２ａに前記コントロー
ルレバー１を挿通支持させると共に、前記横方向
の貫通孔２ｂに前記レバー１に形成した貫通孔１
ａを経て前記連結ロツド５を挿通支持させるので
あり、斯くして前記レバー１の前記球状部２を中
心とした左右方向つまりセレクト方向への揺動操
作時に、前記レバー１に連動して前記ロツド５を
前記球状部２を中心に上下方向に揺動させるごと
くなし、また前記レバー１の前後方向つまりシフ
ト方向への揺動操作時には、前記ロツド５の姿勢
を変えることなく、前記球状部２を中心に前記レ
バー１を前後方向に揺動させるごとくなすのであ
る。

また前記車両静止部材３には、概略Ｌ形状をな
すセレクトベルクランク６を、該ベルクランク６
の中間部に突設する支持杆６ａを介して上下方向
に揺動可能に支持すると共に、前記ベルクランク
６の長さ方向一側に挿通孔７を形成し、該挿通孔
７に前記連結ロツド５の遊端側を連結部材８を介
して挿嵌支持させる。

前記連結部材８は、前記ロツド５に嵌合する球
体８ａと、前記セレクトベルクランク６の取付孔
７に挿嵌支持され、前記球体８ａを包含可能な空
間をもつ包含部材８ｂとから成り、前記レバー１
のセレクト動作に伴う前記ロツド５の上下方向へ
の揺動操作時には、該ロツド５を前記球体８ａに
対し進退摺動させ、かつ前記球体８ａを前記包含
部材８ｂに対し転動させることにより、前記ロツ
ド５の上下方向への揺動を許容するごとくなし、
斯くして前記レバー１に連動する前記ロツド５の
上下方向への揺動操作で、前記セレクトベルクラ
ンク６を揺動させてセレクト動作を行うごとくな
すのであり、また前記レバー１のシフト動作に伴
う前記ロツド５の回動時には、前記球体８ａの前
記包含部材８ｂに対する転動により、前記ロツド
５の回動を許容し、前記レバー１を前後方向に揺
動させてシフト動作を行うごとくなすのである。

また前記コントロールレバー１には、その中間
部位に変速機（図示せず）に至るシフトケーブル
９を連結し、前記レバー１の前後方向への揺動操
作により前記シフトケーブル９を押引操作して、
前記変速機のシフト動作を行うごとくなすと共
に、前記セレクトベルクランク６の先端側に突杆
１０を取付け、該突杆１０に前記変速機に至るセ
レクトケーブル１１を連結し、前記レバー１によ
る前記ロツド５の上下方向への揺動操作に伴う前
記ベルクランク６の揺動操作により、前記セレク
トケーブル１１を押引操作して、前記変速機のセ
レクト動作を行うごとくなす。

本考案のコントロール装置は以上のごとく構成
したもので、変速機を変速操作するときには、先
ず前記コントロールレバー１を前記球状部２を中
心に左右方向に揺動操作するのであり、すると前
記レバー１に連動して前記球状部２から突出され
る連結ロツド５が上下方向に揺動され、これに伴
い前記セレクトベルクランク６が前後方向に揺動
されて、該ベルクランク６に連結したセレクトケ
ーブル１１が押引操作され、このセレクトケーブ
ル１１により前記変速機のセレクト動作が行われ
るのである。

また前記のごとくしてセレクト動作を行つた後
には、前記セレクト位置で前記コントロールレバ
ー１を前後方向に揺動操作するのであり、このと
き前記レバー１は前記ロツド５の中心線上に位置
される前記球状部２を中心として前後揺動される
のであり、従つて前記レバー１の前後操作により
前記ロツド５は上下揺動されることがなく、また
前記ベルクランク６も揺動されることがなく、該
ベルクランク６は前記セレクト位置に保持される
のであり、しかして前記レバー１の前後方向への
揺動操作により、前記シフトケーブル９が押引操
作されて、このシフトケーブル９により前記変速
機のシフト動作が行われ、該変速機が所定の変速
段位に変速操作されるのである。

（考案の効果） 以上説明したごとく本考案にかかる変速機のコ
ントロール装置では、コントロールレバーの下端
部に球状部と、該球状部の径方向に突出する連結
ロツドとを設け、該ロツドの遊端部に球体を摺動
可能に嵌合すると共に、車両静止部材側に前記球
状部を収容して前記コントロールレバーを首振り
自由に支持する支持体を設ける一方、前記車両静
止部材に揺動可能に支持したセレクトベルクラン
クに挿通孔を形成し、該挿通孔に前記連結ロツド
の遊端部に摺動可能に嵌合した球体を包含する包
含部材を設けて、前記コントロールレバーを前記
セレクトベルクランクに連結するごとくしたか
ら、従来に比べ部品点数を少なくできて、全体構
造を簡単となし得るのであり、従つて製作コスト
を低廉ならしめることが可能となり、しかも前記
コントロールレバーから前記セレクトベルクラン
クに至る操作経路にガタを発生する虞れが少なく
なつて、前記コントロールレバーにより確実なセ
レクト動作及びシフト動作ができ、変速機の所定
変速段位への変速操作を確実に行うことができる
に至つたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるコントロール装置の斜
面図、第２図は同要部の平断面図である。 １……コントロールレバー、２……球状部、３
……車両静止部材、４……支持体、５……連結ロ
ツド、６……セレクトベルクランク、７……挿通
孔、９……シフトケーブル、１１……セレクトケ
ーブル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コントロールレバー１と、該レバー１のシフト
   動作を変速機に伝達するシフトケーブル９と、セ
   レクトベルクランク６を介して前記コントロール
   レバー１のセレクト動作を変速機に伝達するセレ
   クトケーブル１１とを備えた変速機のコントロー
   ル装置において、前記コントロールレバー１の下
   端部に球状部２と、該球状部２の径方向に突出す
   る連結ロツド５を設け、該ロツド５の遊端部に球
   体８ａを摺動可能に嵌合すると共に、車両静止部
   材３側に前記球状部２を収容して前記コントロー
   ルレバー１を首振り自由に支持する支持体４を設
   ける一方、前記セレクトベルクランク６に挿通孔
   ７を形成し、該挿通孔７に、前記連結ロツド５の
   遊端部に摺動可能に嵌合した前記球体８ａを包含
   する包含部材８ｂを設け、前記コントロールレバ
   ー１を前記セレクトベルクランク６に連結したこ
   とを特徴とする変速機のコントロール装置。