JPH0131994B2 - - Google Patents
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- JPH0131994B2 JPH0131994B2 JP58234142A JP23414283A JPH0131994B2 JP H0131994 B2 JPH0131994 B2 JP H0131994B2 JP 58234142 A JP58234142 A JP 58234142A JP 23414283 A JP23414283 A JP 23414283A JP H0131994 B2 JPH0131994 B2 JP H0131994B2
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K35/00—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
- B23K35/22—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
- B23K35/36—Selection of non-metallic compositions, e.g. coatings, fluxes; Selection of soldering or welding materials, conjoint with selection of non-metallic compositions, both selections being of interest
- B23K35/362—Selection of compositions of fluxes
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Nonmetallic Welding Materials (AREA)
Description
(技術分野)
サブマージアーク溶接用フラツクスに関し、と
くに入熱量が100KJ/cmを越える大入熱溶接にお
いても、じん性でビード形状にすぐれる溶接金
属が得られる溶融型フラツクスの改良についてこ
の明細書で述べる技術内容は、該溶融型フラツク
スの成分調整と粒度構成についての開発成果に関
連している。 (背景技術) サブマージアーク溶接用フラツクスは焼成型と
溶融型に大別されるが、大入熱溶接には従来専ら
焼成型フラツクスが使用され溶融型フラツクスは
ほとんど用いられてない。 なぜなら一般に溶融型フラツクスは焼成型に比
べて融点が低く、100KJ/cmを越えるような大入
熱ではスラグ量が増えすぎてビード止端部を不整
にし易いこと、また溶接金属、溶融スラグの凝固
までの時間が長くなるため、スラグが溶接金属の
凝固する温度でも凝固せずして溶接スラグの揺動
によりビード表面に凹凸を生じ、良好なビード形
状の溶接金属を得にくいことがその理由である。 しかしながら溶融型フラツクスは焼成型に比べ
て吸湿性が低く、崩壊や粉化を生じにくいため作
業性にすぐれ、またスラグを容易に再利用できる
などの利点がある。 それ故大入熱溶接においてもビード形状にすぐ
れじん性の溶接金属を得ることのできる、作業
性のよい溶融型フラツクスの開発が望まれるわけ
である。 (従来技術とその問題) フラツクスの融点およびスラグ粘性を考慮した
大入熱サブマージアーク溶接用溶融型フラツクス
については特開昭54−89951号公報にてすでに
Al2O3、TiO2およびZrO2の総含有量を特定し、
フラツクスの融点、スラグの粘性をめてビード
形状を改善することが提唱されているがこの場合
融点、粘性であるが故に、いわゆるポツクマ
ークが発生しやすく、またスラグの巻込みも起し
やすい。 ここにポツクマークは溶接時に発生したガスが
溶鋼と溶接スラグとの界面にトラツプされること
が原因であつて、スラグ粘性がい場合に、そし
てスラグ巻込みは溶接時に溶鋼中に巻込まれた溶
接スラグが母材との界面に付着したり、浮上しき
らずして溶接金属中にスラグが残ることに由来し
てフラツクスの融点がい場合に、それぞれ随伴
され易いのである。 (発明の目的) 上記のようなビード外観の悪化を伴うことなく
して、大入熱のサブマージアーク溶接に適合し、
いじん性においてビード形状の良好な溶接金属
を得ることができる溶融型フラツクスを新規に提
供することがこの発明の目的である。 (発想の端緒) 広範囲にわたる入熱量の下での大入熱サブマー
ジアーク溶接に適用できる溶融型フラツクスにつ
いて上記したような欠陥の動向に加え、スラグの
はく離性、酸素量などの諸性能に及ぼすフラツク
ス組成、フラツクス軟化温度そして粘度などの全
般的に見直し、以下に述べるような知見を得た。 まずフラツクスの軟化温度についてはそれが
1150℃以上であれば大入熱溶接時でもスラグ生成
量は、比較的少ないがその一方で軟化温度がく
なるとビード表面が荒れる傾向があり、大入熱溶
接用のフラツクスとしては、1050℃から1200℃の
程度が望ましいことである。 ここでフラツクスの軟化温度は、粉粒状のフラ
ツクスを直径10mm、さ10mmの円筒状に圧粉成形
し、これを電気炉中で昇温加熱する間にこの円筒
状フラツクスが溶融し原形のさの1/2となる温
度で定義することにより、実体によく適合する。 ここにフラツクス軟化温度の調整にはAl2O3の
適量が有効なことのほかとくに、そのCaOおよび
MgOとの合計量のSiO2、TiO2およびMnOとの合
計量に対する比、Mの値がフラツクス軟化温度に
対してよい相関を呈すること、これらの成分のう
ち、塩基性成分としてのCaO、MgOは、CaF2お
よびBaOとともに、溶接金属のじん性向上に寄
与することなどが明らかになつた。 このような知見事実に基き、上記成分の適切な
配合に成る組成物の、溶融を経た破砕粉粒体より
なるフラツクスを、100KJ/cm以上の大入熱下の
サブマージアーク溶接に用いて、良好な作業性に
てビード外観のすぐれた溶接金属が、適切なフラ
ツクスの粒度分布の設定によつて得られることが
たしかめられた。 (発明の構成) SiO2:25〜35重量%、(以下単に%で示す)、
CaO:25〜35%、CaF2:15〜30%、TiO2:1〜
10%、Al2O3:1〜10%、MnO:1〜5%および
MgO+BaO:5〜20%を、CaO+Al2O3+MgO
の合計量の、SiO2+TiO2+MnOの合計量に対す
る比、Mの値が0.8〜1.6の範囲において残余の不
純物とともに含有する組成物の溶融を経た破砕粉
粒体より成り、420μmより大きい粗粒が0.5重量
%以内でかつ74μmより小さい細粒が5〜15重量
%の割合いの粒度分布を有することからなる、サ
ブマージアーク溶接用溶融型フラツクスである。 まず上記のサブマージアーク溶接用溶融型フラ
ツクスの成分組成を、限定した理由は次のとおり
である。 SiO2は、溶接スラグの塩基度と粘性を調整す
るのに必要な成分であるが、25%未満では粘性が
低すぎてスラグの流動性が大きくなりすぎ作業性
も劣化し、一方35%を越えると溶接金属中の酸素
量が増えてじん性が低下するので25〜35%の範囲
とする。 CaOは、フラツクスの塩基度をめて溶接金属
中の酸素量の低減に有効であるが25%未満ではな
おじん性を得ることができず、一方35%を越え
るとポツクマークが発生しがちとなり、作業性が
悪くなるので25〜35%の範囲に限定した。 CaF2はCaOと同様にじん性の面から重要であ
り、15%未満では酸素量を十分に低減することが
できないがその一方30%を越えると、弗素系のガ
スの発生量が増加して溶接中に吹上げを生じやす
くない、安定して溶接をを行うことができなくな
るから、15〜30%の範囲とする。 TiO2は、Tiを溶接金属中に合金化させて結晶
粒を微細化し、じん性をめるのに有効である
が、1%未満では効果がなく、10%を越えるとス
ラグのはく離性が悪くなることから1〜10%に限
定した。 Al2O3は、フラツクス軟化温度の調整に極めて
重要な成分であるが、1%未満では軟化温度の上
昇効果に乏しく、一方10%を越えると軟化温度が
くなりすぎ作業性を害するため1〜10%に限定
した。 MnOは溶接金属中のMn量の調整に有効な成分
であるが、1%未満では効果がなく、5%を越え
ると溶接金属中の酸素量が増加してじん性を害す
るため1〜5%に限定した。 MgOおよびBaOは、溶接金属中の酸素量の低
減に有効であるが、MgO+BaOが5%未満しか
含まない場合にはこの効果に乏しく、一方20%を
越えて含まれると作業性が劣化し、またビード表
面が荒れて醜くなる。 次に上述成分範囲においてCaO+Al2O3+MgO
の合計量と、SiO2+TiO2+MnOの合計量と比を
とつたM値と軟化温度との関係を第1図に示した
ように、M値を軟化温度との間には、良い相関関
係があり、M値の増加に伴い軟化温度は上昇する
ことがわかる。 第1図よりM値を0.8〜1.6とすればスラグ生成
量を有利に抑制できる軟化温度を1050〜1200℃程
度にすることができ大入熱サブマージアーク溶接
時にも良好なビード形状が得られる。 M値は0.8未満では軟化温度が低すぎることと
なつて溶融スラグの揺動を充分に回避し得ず、一
方M値が1.6をこえるとビード表面が荒れ、何れ
も良好な溶接金属が得られない。 次にフラツクスの粒度構成につき、粒径が
420μmより大きい粗粒が0.5%以上になるとビー
ド止端部が乱れて良好なビードが得難く、74μm
よりも小さな細粒が5%未満ではアンダーカツト
が発生しやすく、15%を越えるとポツクマークが
発生しやすくなり、溶接時にフラツクスの吹上げ
を生じる。 したがつて安定した作業性の下に溶接を実施
し、良好なビード形状を得るためには、全フラツ
クス粒子のうち粒径が420μmよりも大きな粒径
が0.5%未満で、かつ74μmよりも小さい細粒が5
〜15%の粒度分布とする必要がある。 以下この発明の実施例について説明する。 表1に示した化学組成および粒度分布を有する
溶融型フラツクスを調製し、これらを用いて板厚
32.0mmのAPI規格×60相当のNb−V鋼に、表2
に示した溶接条件でV溝一層3電極大入熱サブマ
ージアーク溶接を行ない、各場合における溶接作
業性、ビード外観および溶接金融の酸素量とじん
性を調べた。
くに入熱量が100KJ/cmを越える大入熱溶接にお
いても、じん性でビード形状にすぐれる溶接金
属が得られる溶融型フラツクスの改良についてこ
の明細書で述べる技術内容は、該溶融型フラツク
スの成分調整と粒度構成についての開発成果に関
連している。 (背景技術) サブマージアーク溶接用フラツクスは焼成型と
溶融型に大別されるが、大入熱溶接には従来専ら
焼成型フラツクスが使用され溶融型フラツクスは
ほとんど用いられてない。 なぜなら一般に溶融型フラツクスは焼成型に比
べて融点が低く、100KJ/cmを越えるような大入
熱ではスラグ量が増えすぎてビード止端部を不整
にし易いこと、また溶接金属、溶融スラグの凝固
までの時間が長くなるため、スラグが溶接金属の
凝固する温度でも凝固せずして溶接スラグの揺動
によりビード表面に凹凸を生じ、良好なビード形
状の溶接金属を得にくいことがその理由である。 しかしながら溶融型フラツクスは焼成型に比べ
て吸湿性が低く、崩壊や粉化を生じにくいため作
業性にすぐれ、またスラグを容易に再利用できる
などの利点がある。 それ故大入熱溶接においてもビード形状にすぐ
れじん性の溶接金属を得ることのできる、作業
性のよい溶融型フラツクスの開発が望まれるわけ
である。 (従来技術とその問題) フラツクスの融点およびスラグ粘性を考慮した
大入熱サブマージアーク溶接用溶融型フラツクス
については特開昭54−89951号公報にてすでに
Al2O3、TiO2およびZrO2の総含有量を特定し、
フラツクスの融点、スラグの粘性をめてビード
形状を改善することが提唱されているがこの場合
融点、粘性であるが故に、いわゆるポツクマ
ークが発生しやすく、またスラグの巻込みも起し
やすい。 ここにポツクマークは溶接時に発生したガスが
溶鋼と溶接スラグとの界面にトラツプされること
が原因であつて、スラグ粘性がい場合に、そし
てスラグ巻込みは溶接時に溶鋼中に巻込まれた溶
接スラグが母材との界面に付着したり、浮上しき
らずして溶接金属中にスラグが残ることに由来し
てフラツクスの融点がい場合に、それぞれ随伴
され易いのである。 (発明の目的) 上記のようなビード外観の悪化を伴うことなく
して、大入熱のサブマージアーク溶接に適合し、
いじん性においてビード形状の良好な溶接金属
を得ることができる溶融型フラツクスを新規に提
供することがこの発明の目的である。 (発想の端緒) 広範囲にわたる入熱量の下での大入熱サブマー
ジアーク溶接に適用できる溶融型フラツクスにつ
いて上記したような欠陥の動向に加え、スラグの
はく離性、酸素量などの諸性能に及ぼすフラツク
ス組成、フラツクス軟化温度そして粘度などの全
般的に見直し、以下に述べるような知見を得た。 まずフラツクスの軟化温度についてはそれが
1150℃以上であれば大入熱溶接時でもスラグ生成
量は、比較的少ないがその一方で軟化温度がく
なるとビード表面が荒れる傾向があり、大入熱溶
接用のフラツクスとしては、1050℃から1200℃の
程度が望ましいことである。 ここでフラツクスの軟化温度は、粉粒状のフラ
ツクスを直径10mm、さ10mmの円筒状に圧粉成形
し、これを電気炉中で昇温加熱する間にこの円筒
状フラツクスが溶融し原形のさの1/2となる温
度で定義することにより、実体によく適合する。 ここにフラツクス軟化温度の調整にはAl2O3の
適量が有効なことのほかとくに、そのCaOおよび
MgOとの合計量のSiO2、TiO2およびMnOとの合
計量に対する比、Mの値がフラツクス軟化温度に
対してよい相関を呈すること、これらの成分のう
ち、塩基性成分としてのCaO、MgOは、CaF2お
よびBaOとともに、溶接金属のじん性向上に寄
与することなどが明らかになつた。 このような知見事実に基き、上記成分の適切な
配合に成る組成物の、溶融を経た破砕粉粒体より
なるフラツクスを、100KJ/cm以上の大入熱下の
サブマージアーク溶接に用いて、良好な作業性に
てビード外観のすぐれた溶接金属が、適切なフラ
ツクスの粒度分布の設定によつて得られることが
たしかめられた。 (発明の構成) SiO2:25〜35重量%、(以下単に%で示す)、
CaO:25〜35%、CaF2:15〜30%、TiO2:1〜
10%、Al2O3:1〜10%、MnO:1〜5%および
MgO+BaO:5〜20%を、CaO+Al2O3+MgO
の合計量の、SiO2+TiO2+MnOの合計量に対す
る比、Mの値が0.8〜1.6の範囲において残余の不
純物とともに含有する組成物の溶融を経た破砕粉
粒体より成り、420μmより大きい粗粒が0.5重量
%以内でかつ74μmより小さい細粒が5〜15重量
%の割合いの粒度分布を有することからなる、サ
ブマージアーク溶接用溶融型フラツクスである。 まず上記のサブマージアーク溶接用溶融型フラ
ツクスの成分組成を、限定した理由は次のとおり
である。 SiO2は、溶接スラグの塩基度と粘性を調整す
るのに必要な成分であるが、25%未満では粘性が
低すぎてスラグの流動性が大きくなりすぎ作業性
も劣化し、一方35%を越えると溶接金属中の酸素
量が増えてじん性が低下するので25〜35%の範囲
とする。 CaOは、フラツクスの塩基度をめて溶接金属
中の酸素量の低減に有効であるが25%未満ではな
おじん性を得ることができず、一方35%を越え
るとポツクマークが発生しがちとなり、作業性が
悪くなるので25〜35%の範囲に限定した。 CaF2はCaOと同様にじん性の面から重要であ
り、15%未満では酸素量を十分に低減することが
できないがその一方30%を越えると、弗素系のガ
スの発生量が増加して溶接中に吹上げを生じやす
くない、安定して溶接をを行うことができなくな
るから、15〜30%の範囲とする。 TiO2は、Tiを溶接金属中に合金化させて結晶
粒を微細化し、じん性をめるのに有効である
が、1%未満では効果がなく、10%を越えるとス
ラグのはく離性が悪くなることから1〜10%に限
定した。 Al2O3は、フラツクス軟化温度の調整に極めて
重要な成分であるが、1%未満では軟化温度の上
昇効果に乏しく、一方10%を越えると軟化温度が
くなりすぎ作業性を害するため1〜10%に限定
した。 MnOは溶接金属中のMn量の調整に有効な成分
であるが、1%未満では効果がなく、5%を越え
ると溶接金属中の酸素量が増加してじん性を害す
るため1〜5%に限定した。 MgOおよびBaOは、溶接金属中の酸素量の低
減に有効であるが、MgO+BaOが5%未満しか
含まない場合にはこの効果に乏しく、一方20%を
越えて含まれると作業性が劣化し、またビード表
面が荒れて醜くなる。 次に上述成分範囲においてCaO+Al2O3+MgO
の合計量と、SiO2+TiO2+MnOの合計量と比を
とつたM値と軟化温度との関係を第1図に示した
ように、M値を軟化温度との間には、良い相関関
係があり、M値の増加に伴い軟化温度は上昇する
ことがわかる。 第1図よりM値を0.8〜1.6とすればスラグ生成
量を有利に抑制できる軟化温度を1050〜1200℃程
度にすることができ大入熱サブマージアーク溶接
時にも良好なビード形状が得られる。 M値は0.8未満では軟化温度が低すぎることと
なつて溶融スラグの揺動を充分に回避し得ず、一
方M値が1.6をこえるとビード表面が荒れ、何れ
も良好な溶接金属が得られない。 次にフラツクスの粒度構成につき、粒径が
420μmより大きい粗粒が0.5%以上になるとビー
ド止端部が乱れて良好なビードが得難く、74μm
よりも小さな細粒が5%未満ではアンダーカツト
が発生しやすく、15%を越えるとポツクマークが
発生しやすくなり、溶接時にフラツクスの吹上げ
を生じる。 したがつて安定した作業性の下に溶接を実施
し、良好なビード形状を得るためには、全フラツ
クス粒子のうち粒径が420μmよりも大きな粒径
が0.5%未満で、かつ74μmよりも小さい細粒が5
〜15%の粒度分布とする必要がある。 以下この発明の実施例について説明する。 表1に示した化学組成および粒度分布を有する
溶融型フラツクスを調製し、これらを用いて板厚
32.0mmのAPI規格×60相当のNb−V鋼に、表2
に示した溶接条件でV溝一層3電極大入熱サブマ
ージアーク溶接を行ない、各場合における溶接作
業性、ビード外観および溶接金融の酸素量とじん
性を調べた。
【表】
【表】
【表】
この結果を表3にまとめて示す。なおワイヤ
は、すべて径4.0mmの1.8%Mn−0.5%Mo系鋼のも
のを用い、母材の開先形状は第2図に示すように
開先角θ=60゜、開先深さD=14.0mmV形とした。
は、すべて径4.0mmの1.8%Mn−0.5%Mo系鋼のも
のを用い、母材の開先形状は第2図に示すように
開先角θ=60゜、開先深さD=14.0mmV形とした。
【表】
表3における、溶接作業性およびビード外観の
評定基準は次のとおりである。 溶接作業性 〇印は、スラグのはく離性が良く、溶接時のス
ラグの吹上げのないもの。×印はスラグのはく離
性が悪いもの、あるいは吹上げの起つたもの。 ビード外観 〇印は、ポツクマーク、アンダカツトなどの欠
陥がなく、ビード外観の良好なもの。×印は欠陥
のあつたもの、あるいはビード外観の不良なも
の。 表3から明らかなように、この発明に従う各フ
ラツクス(A)〜(E)ではいずれにおいても100KJ/cm
もの大入熱溶接にもかかわらず、良好な作業性の
下に、美麗で欠陥のない外観で、かつじん性も良
好な溶接金属が得られるのに対し、化学組成や粒
度分布がこの発明の適正範囲をはずれた比較各フ
ラツクス(F)〜(I)では、溶接作業性、ビード外観、
溶接金属のじん性の全てにわたつて同時に満足す
ることはできなかつた。 すなわち、フラツクス(F)は作業性は良好である
が、M値が適正範囲をはずれているためにビード
外観が悪い。フラツクス(G)は、CaOが適正範囲を
はずれているため酸素量は低い溶接作業性、ビー
ド外観ともに悪い。フラツクス(H)は作業性は良好
であるがCaF2が13.3%しか含まれておらず、適
正範囲をはずれているため酸素量がくじん性が
悪い。フラツクス(I)は、SiO2が20.3%しか含まれ
ていないため、ビード外観が悪く、粒径74μmよ
り小さい粒子が多いため溶接中にスラグの吹上げ
を生じ作業性も悪い。 (発明の効果) この発明によるサブマージアーク溶接用溶融型
フラツクスは、従来の溶融型フラツクスでは避け
難いとされていたビード外観の劣化と溶接金属の
衝撃特性の劣化を効果的に防止して、安定な作業
性の下で大入熱サブマージアーク溶接を実施する
ことができる。
評定基準は次のとおりである。 溶接作業性 〇印は、スラグのはく離性が良く、溶接時のス
ラグの吹上げのないもの。×印はスラグのはく離
性が悪いもの、あるいは吹上げの起つたもの。 ビード外観 〇印は、ポツクマーク、アンダカツトなどの欠
陥がなく、ビード外観の良好なもの。×印は欠陥
のあつたもの、あるいはビード外観の不良なも
の。 表3から明らかなように、この発明に従う各フ
ラツクス(A)〜(E)ではいずれにおいても100KJ/cm
もの大入熱溶接にもかかわらず、良好な作業性の
下に、美麗で欠陥のない外観で、かつじん性も良
好な溶接金属が得られるのに対し、化学組成や粒
度分布がこの発明の適正範囲をはずれた比較各フ
ラツクス(F)〜(I)では、溶接作業性、ビード外観、
溶接金属のじん性の全てにわたつて同時に満足す
ることはできなかつた。 すなわち、フラツクス(F)は作業性は良好である
が、M値が適正範囲をはずれているためにビード
外観が悪い。フラツクス(G)は、CaOが適正範囲を
はずれているため酸素量は低い溶接作業性、ビー
ド外観ともに悪い。フラツクス(H)は作業性は良好
であるがCaF2が13.3%しか含まれておらず、適
正範囲をはずれているため酸素量がくじん性が
悪い。フラツクス(I)は、SiO2が20.3%しか含まれ
ていないため、ビード外観が悪く、粒径74μmよ
り小さい粒子が多いため溶接中にスラグの吹上げ
を生じ作業性も悪い。 (発明の効果) この発明によるサブマージアーク溶接用溶融型
フラツクスは、従来の溶融型フラツクスでは避け
難いとされていたビード外観の劣化と溶接金属の
衝撃特性の劣化を効果的に防止して、安定な作業
性の下で大入熱サブマージアーク溶接を実施する
ことができる。
第1図は、M値が軟化温度に及ぼす影響を示し
たグラフ、第2図は母材の開先形状図である。
たグラフ、第2図は母材の開先形状図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 SiO2:25〜35重量%、CaO:25〜35重量%、
CaF2:15〜30重量%、TiO2:1〜10重量%、
Al2O3:1〜10重量%、MnO:1〜5重量%およ
びMgO+BaO:5〜20重量% を、CaO+Al2O3+MgOの合計量の、SiO2+
TiO2+MnOの合計量に対する比、Mの値が0.8〜
1.6の範囲において残余の不純物とともに含有す
る組成物の溶融を経た破砕粉粒体より成り、
420μmより大きい粗粒が0.5重量%以内でかつ74μ
mより小さい細粒が5〜15重量%の割合いの粒度
分布を有することを特徴とするサブマージアーク
溶接用溶融型フラツクス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23414283A JPS60127094A (ja) | 1983-12-14 | 1983-12-14 | サブマ−ジア−ク溶接用溶融型フラツクス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23414283A JPS60127094A (ja) | 1983-12-14 | 1983-12-14 | サブマ−ジア−ク溶接用溶融型フラツクス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60127094A JPS60127094A (ja) | 1985-07-06 |
JPH0131994B2 true JPH0131994B2 (ja) | 1989-06-28 |
Family
ID=16966298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23414283A Granted JPS60127094A (ja) | 1983-12-14 | 1983-12-14 | サブマ−ジア−ク溶接用溶融型フラツクス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60127094A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6104146B2 (ja) * | 2013-12-13 | 2017-03-29 | 株式会社神戸製鋼所 | サブマージアーク溶接用フラックス及びその製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57109593A (en) * | 1980-12-26 | 1982-07-08 | Kawasaki Steel Corp | Fused flux for submerged arc welding |
-
1983
- 1983-12-14 JP JP23414283A patent/JPS60127094A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57109593A (en) * | 1980-12-26 | 1982-07-08 | Kawasaki Steel Corp | Fused flux for submerged arc welding |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60127094A (ja) | 1985-07-06 |
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