JPH0131693Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の技術分野） 本考案は、コンクリート建築物の床面を構成す
るパネルを高さ調整可能に支持する床防振支持装
置に関する。

（考案の技術的背景） 鉄筋コンクリート造高層ビルなどの床を構成す
る場合、床面となるパネルを、コンクリートスラ
ブ上にゴム状弾性体を介して適当高さ浮上させて
敷設する。

従来の床防振支持装置としては第１図に示され
るものがある。この支持装置は、パネル１の貫通
孔２に嵌入固定される保持筒体３と、この保持筒
体３の内周に設けたねじ部３ａに螺合された支持
本体４と、この支持本体４の下端部にスリツプキ
ヤツプ５を介して嵌着したゴム体６とからなるも
のである。

（背景技術の問題点） しかして、この支持装置は特殊構造であるため
量産に適さず、したがつて高価であり、また保持
筒体３に螺合された支持本体４のねじ込み量によ
つてパネル１の高さを調整することができるが、
パネル１を設置した後のパネル支持高さの調整が
困難であり、施工時の作業効率があまりよくない
という欠点があつた。

（考案の目的） 本考案は、上記の欠点を解消するもので、パネ
ルの支持高さを自在に調整し得ると共に高さ調整
量の大きい床防振支持装置を提供することを目的
とする。

（考案の概要） 本考案は、下端部外周に、適当間隔を置いて２
つのストツパリングが嵌着され、上端にドライバ
係止溝を備えたねじ棒と、中心部に、ねじ棒を螺
合したねじ孔を有する断面皿形のブラケツトと、
ねじ棒と同心に配置された筒状ゴム弾性体と、筒
状ゴム弾性体の上面に固着され、中心部に、ねじ
棒を回転自在に挿通しうる透孔を有する受板とを
備え、前記２つのストツパリングが受板を挟む形
に位置され、ねじ棒には受板の上面に接する半球
状の突起を複数個設けたワツシヤを嵌着したこと
を特徴とするものである。

（考案の実施例） 以下図面に示す実施例につき本考案を説明す
る。第２図は本考案の一実施例を示す断面図であ
る。

第２図において、全体を符号１０で示す本考案
の装置は、ねじ棒１２と、このねじ棒１２の上方
に螺合されてパネル１３を支える、断面皿形のブ
ラケツト１４と、ねじ棒１２と同心に配置された
筒状ゴム弾性体１５と、このゴム弾性体１５の上
面に固着され、ねじ棒１２の下方を挿通しうる透
孔を有する受板１６とから構成されている。

しかしてねじ棒１２は下端部外周に適当間隔を
置いて２つのストツパリング１２ａ，１２ｂが嵌
着され、上端にドライバを係止するためのプラス
形又はマイナス形のドライバ係止溝１２ｃが設け
られている。

２つのストツパリング１２ａ，１２ｂは受板１
６を両側から挟む形に位置されている。

上方のストツパリング１２ａはパネル１３及び
この上に載る重量物を支えうる十分な強度を有す
る、例えば金属製のリング体で、ねじ棒１２に溶
接等により固着されている。下方のストツパリン
グ１２ｂは例えばＣリングあり、これをねじ棒１
２の外周に刻設した周溝に嵌着してねじ棒１２が
受板１６から抜け出るのを防止するものである。

上方のストツパリング１２ａと板１６との間に
はワツシヤ１７を介在してある。このワツシヤ１
７は受板１６に接する側の面の数カ所に半球状の
突起１７ａを設けてある。

ブラケツト１４は平面が円形又は方形をなし、
中心部に透孔を設けると共にこの透孔に合致させ
てナツト１２ｄをロー付け、溶接等により固設し
てあり、このナツト１２ｄにねじ棒１２を螺合さ
せている。すなわち、ナツト１２ｄはロツクナツ
トとしての機能ではなく、ブラケツト１４のねじ
孔として機能するものある。またブラケツト１４
の外縁部１４ｂの数ヶ所に取付孔１４ｃを設けて
いる。

筒形ゴム弾性体１５の底面には凹凸１５ａが設
けられている。

上記のように構成された装置１１は、設置に際
し、予めねじ棒１２の上方にブラケツト１４をね
じ込み、下方にゴム弾性体の上面に固着された受
板１６とを遊嵌させておき、ブラケツト１４を、
透孔１３ａを有するパネル１３の裏面に透孔１３
ａとねじ棒１２とを対応させて釘打ちその他の手
段で固定し、パネル１３をコンクリートスラブそ
の他の基礎面１８上に敷設した後、パネル１３の
透孔１３ａからドライバを挿入したねじ棒１２上
端の係止溝１２ｃを利用してねじ棒１２を適宜回
転してパネルを上下動させ支持高さを調整する。

（考案の効果） 以上、本考案の装置によれば、下端部外周に適
当間隔を置いて２つのストツパリングが嵌着さ
れ、上端にドライバ係止溝を有するねじ棒を備え
たことにより、パネルの支持高さをパネル上から
自在に調整することができる。またブラケツトが
断面皿形であることによりねじ棒の上下可動範囲
が大きく、その分、パネル支持高さの調整範囲が
大きい。また、ゴム弾性体の底面に凹凸を設けた
ことにより、基礎面に対してすべり止めの効果が
ある。また本考案によれば、ねじ棒に、受板の上
面に接する半球状の突起を複数個設けたワツシヤ
を嵌着したことにより、パネルの支持高さ調整作
業の際、パネル上に作業者の体重等が加えられて
いても、ねじ棒の回動をスムーズに行うことがで
き、正確かつ迅速な作業をなし得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の床防振支持装置を示す断面図、
第２図は本考案の一実施例を示す断面図である。 図中、１２はねじ棒、１２ａ，１２ｂはストツ
パリング、１３はパネル、１４はブラケツト、１
５はゴム弾性体、１６は受板である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下端部外周に、適当間隔を置いて２つのストツ
   パリングが嵌着され、上端にドライバ係止溝を備
   えたねじ棒と、中心部に、ねじ棒を螺合したねじ
   孔を有する断面皿形のブラケツトと、ねじ棒と同
   心に配置された筒状ゴム弾性体と、筒状ゴム弾性
   体の上面に固着され、中心部に、ねじ棒を回転自
   在に挿通しうる透孔を有する受板とを備え、前記
   ２つのストツパリングが受板を挟む形に位置さ
   れ、ねじ棒には受板の上面に接する半球状の突起
   を複数個設けたワツシヤを嵌着したことを特徴と
   する床防振支持装置。