JPH0827999A - 床板支持具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】床板を敷設後、容易且つ正確に床板の高さ位置
の調節を行なえ、基盤面上で床板を安定して支持するこ
とのできる床板支持具を提供する。 【構成】脚部１の着座２を基盤面Ｇに設置し、脚部１上
の雌ねじ筒体４に、外周面に鍔６が張出形成され頂部に
角穴5aが設けられたアジャスター５を螺合し、このアジ
ャスター５に支持板７を遊嵌して鍔６上面に載置させ
る。床板Ｆを支持板７上に敷設し、角穴5aに回動工具を
係合してアジャスター５を回動することにより、支持板
７を上下移動させ、床板Ｆの高さ位置を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、地面やコンクリート面
等の屋外の基盤面上に敷設される床板を高さ調節自在に
支持する床板支持具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、基盤面上で床板を一定の高さに支
持するものとして、例えば実公平２−８０１０号公報、
実公平２−４６５８４号公報、特開平１−２５０６０７
号公報等に記載のものがある。

【０００３】実公平２−８０１０号公報には、その第２
図に基盤面に接地される固定受材と受座とを連結支持ボ
ルトで連結し、この支持ボルトを回動して固定受材と受
座との間隔を変えることにより受座上に支持される床板
の高さ位置を調節する構成が示されており、実公平２−
４６５８４号公報には、その第２図に座板上に立設した
支柱に台座を螺合し、この台座上に高さ位置調整部材を
適宜積み重ねることにより床板の高さ位置を調節する構
成が示されている。また、特開平１−２５０６０７号公
報には、その第８図に床板を支持する支持板が嵌合され
た嵌合ナットにボルト脚を螺合し、このボルト脚を回動
して床板の高さ位置を調節する構成が示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のうち、
前二者のものは基盤面上で床板を安定して支持できるも
のの、床板を敷設する前に予め支持部材の高さ位置を調
節しておく必要があった。そのため、床板を敷設後、床
面の不陸が判明した場合には床板を一旦取り外してから
支持部材の位置調節を行わなければならず、調節の作業
性及び正確性に劣るという問題があった。

【０００５】また、後者のものは床板の上から高さ位置
調節を行えるものの、ボルト脚の先端を基盤面に接地さ
せて支持するものであるから、基盤面自体に不陸があっ
た場合に床板を安定して支持できず、また、ボルト脚に
荷重がかかるためボルト脚を回動し難いという問題があ
った。さらに、ボルト脚に大荷重がかかり、嵌合ナット
とボルト脚との嵌合がずれた場合に、ボルト脚上部が床
面上に突出してしまうこともあった。またさらに、屋外
の地面等の比較的柔らかい基盤面上に床板を敷設すると
きは、ボルト脚が地中等に埋もれてしまうため利用でき
なかった。

【０００６】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、床板を敷設後、容易且つ正確に床板の高さ位置
の調節を行なえ、基盤面上で床板を安定して支持するこ
とのできる床板支持具を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の床板支持具は、着座を有し該着座に雌ねじ筒体
を立設してなる脚部と、上記雌ねじ筒体に螺合可能な適
宜長さの雄ねじ体であって外周面に鍔が張出形成されて
いると共に頂部に回動工具係合用の凹部が形成されてな
るアジャスターと、中央部に該アジャスターを挿通する
挿通孔を有していて床板支持面には周方向に所定間隔で
多数の係止孔を穿設し、上記鍔上面に載置される支持板
と、上記アジャスターに螺合可能なロックナットとから
なることを特徴としている。

【０００８】上記アジャスター上端部に、フェンスや
柵、手すり用の支柱を螺合してフェンス等の立設に使用
してもよい。また、フェンス等の他に、屑入れや吸殻入
れ、ベンチ等の設置に用いてもよい。

【０００９】

【作用】脚部の着座を基盤面に設置し、雌ねじ筒体にア
ジャスターを螺合する。アジャスターを回動させつつ鍔
の高さ位置を調節し、適正な高さ状態において支持板を
アジャスターに遊嵌して上記鍔上面に載置し、この支持
板上に床板を敷設する。床板の高さ位置を調節する場合
は、アジャスター頂部の凹部に回動工具を係合させ、こ
の回動工具によりアジャスターを回動して雌ねじ筒体に
対するアジャスターの螺合深さを調節し、鍔上面に載置
された支持板を上下に移動させて床板の高さ位置調節を
行なう。高さ位置調節後、アジャスター上端からロック
ナットを螺合し、該ロックナットを締めつけて支持板上
面に圧接し、鍔とロックナットとの間に支持板を挟持し
て位置固定する。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の好適な一実施例を添付図面を
参照して詳述する。図１及び図２は、一部を破断して示
した本実施例の床板支持具の側面図及び分解斜視図であ
り、同図に示すように、本例の床板支持具は、脚部１、
アジャスター５、支持板７、ロックナット８等によって
構成されている。

【００１１】脚部１は、円板状の着座２、適宜長さを有
する管体３及び適宜高さを有していて内周にねじ溝が刻
設された雌ねじ筒体４からなり、着座２の中央開口部に
管体３を立設し、該管体の頂部に雌ねじ筒体４を同芯状
に重合し、溶接により各部材を一体的に接合して形成し
てある。着座２の上面には後述のアンカー１１挿通用の
孔２ａを適宜個数形成し、また管体３の下部には水抜き
用の孔３ａを形成してある。また、雌ねじ筒体４は、高
さ位置調節される床板Ｆの下面位置よりは高く、上面よ
りは低くなる位置に立設されている。

【００１２】着座２は、広い接地面を有するものがより
好ましく、基盤面Ｇに安定的に設置可能であれば多角板
状、その他立体的形態であってもよい。また、雌ねじ筒
体４として適宜な径及び高さのナットを用いることは任
意である。脚部１は上記の如く複数の部材で構成する
他、鋳造等により一体成形したものでもよい。

【００１３】アジャスター５は、雌ねじ筒体４に螺合可
能なねじ溝が外周面に刻設された雄ねじ体として形成さ
れていて、該外周面上部には、後述の支持板７に形成さ
れた挿通孔７ａよりも大径であって支持板７の下面を確
実に載置可能な十分な面積を有する鍔６が適宜な幅を有
して水平に張出し形成してある。また、アジャスター５
の頂部には、後述の回動工具１２を係合するための角穴
５ａが適宜深さで形成してある。

【００１４】アジャスター５の長さは、鍔６より上方の
軸部の長さが、当該鍔上に支持板７と床板Ｆとを重ねた
ときに、軸部頂面が床板Ｆの上面よりも若干低くなるよ
うに設定されている。鍔６は支持板７を確実に掛止でき
れば、四角形その他の形状としてもよい。

【００１５】支持板７は、プレス成形により平面視円状
に形成されていて、アジャスター５の軸部よりも大径で
あって鍔６よりも小径の挿通孔７ａが穿設された中心部
を下方に凹ませ、該挿通孔の周面を適宜高さで立ち上げ
ると共に、その周縁を水平に適宜幅延設して床板支持面
７ｂをリング状に形成し、さらに床板支持面７ｂの外周
を下方に折曲した折り返し縁として形成してある。

【００１６】また、床板支持面７ｂには、後述のタップ
ねじ１０挿通用の係止孔７ｃが、周面に沿った方向に等
間隔で多数形成してある。本例の場合、上記孔７ａの周
囲に等角度（１５°）で離間させたピッチで計２４個形
成してある。

【００１７】支持板７は、床板Ｆの下面を載置可能な面
積と適宜な厚みとを有していれば、他の多角形又は曲面
形状のものであってもよい。また、本例の如く、支持板
７をプレス成形により形成するときは、床板Ｆを支持す
るに十分な強度を得るためフランジ部を設けることが好
ましい。

【００１８】ロックナット８はアジャスター５に螺合可
能に形成され、支持板７を鍔６上に載置させた状態で、
該ロックナットをアジャスター５に螺合して締めつけ、
ロックナット８の下面を支持板７の上面に圧接させて該
支持板の緩みやアジャスター５の軸部の回動を防止する
ようになっている。なお、上記支持板７及びロックナッ
ト８の厚みは、これらを鍔６上に重ねたときにアジャス
ター５の頂部がロックナット８の上面よりも若干突出す
るように設定されている。

【００１９】上記各部材は、耐錆性を具える必要性から
好ましくはアルミニウム等の軽合金を用いた鋳造やプレ
ス成形により成形するが、その他の金属材を用いて鋳
造、或いは任意の方法で成形してもよい。

【００２０】キャップ９は、ネオプレーンゴム等の合成
樹脂材により、ロックナット８の上面を被覆するに十分
な面積を有する円柱体の下面に、アジャスター５の頂部
を塞ぐ大きさの凹部９ａを有して形成してある。キャッ
プ９の厚み及び凹部９ａの深さは、キャップ９をアジャ
スター５の頂部に嵌着したときに、その上面が支持板７
に敷設した床板Ｆの上面位置と略同位置となることが好
ましく、施工現場においてキャップ９の厚みを容易に調
節加工できるよう、上記嵌着時の寸法より若干肉厚に設
定されている。

【００２１】なお、本発明の支持具を使用するのに好適
な床板Ｆは、その側部やコーナー部、或いは板上の任意
部位に、円弧状の切り欠き部Ｆ１と固定用タップねじ１
０を挿通するための孔Ｆ２とが形成されているものが好
ましい。

【００２２】本実施例の床板支持具は上記各部材により
構成されており、これらによる施工は次のようにして行
われる。先ず、脚部１を基盤面Ｇの所定の位置に配設
し、着座２を基盤面Ｇに固定する。固定は、孔２ａから
基盤面Ｇにアンカー１１やボルトを埋込んで行なうこと
ができる。

【００２３】次に、雌ねじ筒体４にアジャスター５を螺
合し、アジャスター５を回動させつつ鍔６の高さ位置を
調節し、適正な高さ状態において支持板７をアジャスタ
ー５に遊嵌し、これを鍔６上面に載置させる。

【００２４】そして、支持板７の床板支持面７ｂに切り
欠き部Ｆ１の周縁を配置してアジャスター５の周囲に床
板Ｆを敷設し、孔Ｆ２からタップねじ１０を支持板７の
係止孔７ｃに螺合して仮係止する。この場合、孔７ｃが
小ピッチで多数設けてあるので、任意の角度で様々な形
状の床板Ｆを、一つの支持板７を用いて連結することが
できる（図４参照）。

【００２５】この状態で床板Ｆの高さ位置を調節する必
要がある場合には、アジャスター５の角穴５ａに回動工
具１２を係合させ、この回動工具１２によりアジャスタ
ー５を回動して雌ねじ筒体４に対する当該アジャスター
の螺合深さを調節し、鍔６に載置した支持板７を上下に
移動させて床板Ｆの高さ位置調節を行なう。

【００２６】床板Ｆが適正高さ位置に調節されたなら
ば、床板Ｆを支持板７に本係止し、ロックナット８をア
ジャスター５に螺合し、該ロックナットの下面を支持板
７の上面に圧接させつつ締め付けて支持板７を鍔６上に
固定せしめる。そして、アジャスター５の頂部にキャッ
プ９を嵌着して取付けが完了する。

【００２７】なお、ロックナット８を締め付けた後、支
持板７とロックナット８の接合部やアジャスター５との
螺合部にシリコン等の充填剤を注入することは任意であ
る。また、上記施工手順はこれに限られず、任意の手順
を採用することができる。

【００２８】本実施例の構成によれば、支持板７はアジ
ャスター５と別体で形成され、アジャスター５の軸部に
遊嵌しているので、床板Ｆの高さ位置調節時、床板Ｆを
支持板７に係止したまま、アジャスター５のみを回動さ
せて支持板７の上下移動を行なうことができ、また、支
持板７は薄肉の鍔６上面に載置しており、アジャスター
５との接触面積が少ないのでアジャスター５を容易に回
動することができ、さらに、アジャスター５の頂部に回
動工具１２を係合し、これを用いてアジャスター５を回
動することができる。従って、高さ位置調節時のアジャ
スター５の回動を小さな力で容易に行え、かかる回動に
より床板Ｆの高さ位置を連続的に、且つ正確に調節する
ことができるので、高さ位置調節に伴う施工作業を簡便
化し得、作業性の向上を図ることができる。

【００２９】図５は、本発明の別の実施例を示してお
り、これは、上述の方法で床板Ｆの高さ位置調節を行
い、ロックナット８で位置固定した後、アジャスター５
の軸部頂部に支持台１３を螺合し、該支持台の上枠部１
３ａにフェンス取付け用の支柱１４を嵌装すると共にタ
ップねじ１５により固定したものである。支柱１４はア
ジャスター５に直接螺合させるようにしてもよい。な
お、５ｂはアジャスター５を雌ねじ筒体４に深く螺合し
た後、表面のねじ溝を潰して形成した突起であり、これ
によりアジャスター５の抜けを防止するようにしたもの
である。

【００３０】このように、支持板７を鍔６上面に載置し
た状態で、該支持板上にアジャスター５の軸部を若干長
突出させることにより、ここにフェンスや柵、手すりを
取り付けるための支柱１４を螺合し、床板Ｆ上に立設さ
せることができる。従って、支柱１４を床板Ｆに取り付
けるための他の部材等を必要とせず、フェンス等の施工
が容易且つ効率的に行える。また、支柱１４はアジャス
ター５に螺合して取付けられているので、確実且つ堅牢
に固定され得、取付け作業も容易となる。フェンス等の
他に、支柱１４に屑入れや吸殻入れ、ベンチを取り付け
る用途にも利用することができる。

【００３１】

【発明の効果】以上、本発明の床板支持具によれば、支
持板がアジャスターと別体で形成され、アジャスターの
軸部に遊嵌しているので、床板の高さ調節時、床板を支
持板に係止したまま、アジャスターのみを回動させて支
持板の上下移動を行なうことができ、また、支持板は薄
肉の鍔上面に載置しており、アジャスターとの接触面積
が少ないのでアジャスターを容易に回動することがで
き、さらに、アジャスターの頂部に回動工具を係合し、
これを用いてアジャスターを回動することができる。従
って、アジャスターの回動を小さな力で容易に行え、か
かる回動により床板Ｆの高さ位置を連続的に、且つ正確
に調節することができるので、高さ位置調節に伴う施工
作業を簡便化し得、作業性の向上を図ることができる。

【００３２】また、本発明の床板支持具は、基盤面上に
設置する着座を有して形成されているので、屋外の地面
等の比較的柔らかい基盤面上でも床板を安定して支持で
きる。また、支持板の床板支持面が鍔上面で載置される
中心部分から適宜高さ立ち上げて形成してあるので、該
床板支持面を下方へ押圧する荷重に対する強度が大き
く、構造が堅牢である。

【００３３】さらに床板支持面上には周面方向に等間隔
で多数の係止孔が形成されているので、該係止孔にタッ
プねじを挿通し、様々な形状の床板を一つの支持板に係
止し、これらを連結することができる。この場合、床板
は幅広円形の支持板上面で支持され、且つタップねじに
より支持板と連結固定され、而も支持板がロックナット
によりアジャスターに固定されているので、床板は支持
板上に確実に支持され、床板の位置ずれやガタつき、不
陸が生じにくく、初期の水平な敷設状態を安定して維持
できる。

【００３４】また、アジャスターの軸部にフェンスや手
すり、柵等を取り付けるための支柱を螺合して床板上に
立設させることができ、支柱を床板に取り付けるための
他の部材等を必要とせず、また、支柱はアジャスターに
螺合して取付けられているので、支柱を確実且つ堅牢に
固定でき、取付け作業も容易に行える利点も有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の床板支持具の一部を破断して示した分
解側面図である。

【図２】本発明の床板支持具の分解斜視図である。

【図３】本発明の床板支持具の設置状態の部分断面図で
ある。

【図４】図３の上面略図である。

【図５】本発明の床板支持具の他の実施例の設置状態の
部分断面図である。

【符号の説明】

1 脚部 2 着座 3 管体 4 雌ねじ筒体 5 アジャスター 5a 角穴 6 鍔 7 支持板 8 ロックナット 9 キャップ 12 回動工具 Ｆ 床板 Ｇ 基盤面

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 着座を有し該着座に雌ねじ筒体を立設し
   てなる脚部と、上記雌ねじ筒体に螺合可能な適宜長さの
   雄ねじ体であって外周面に鍔が張出形成されていると共
   に頂部に回動工具係合用の凹部が形成されてなるアジャ
   スターと、中央部に該アジャスターを挿通する挿通孔を
   有していて床板支持面には周方向に所定間隔で多数の係
   止孔を穿設し、上記鍔上面に載置される支持板と、上記
   アジャスターに螺合可能なロックナットとを具備してな
   る床板支持具。
2. 【請求項２】 アジャスター上端部に支柱を螺合してな
   る請求項１に記載の床板支持具。