JPH0131640Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来第４図に示す様にドラツグアームを格納位
置（破線）から振り出す時、船体に前後方向およ
び左右方向に傾斜がついていると、スライデイン
グトラニオン１４の重心移動によりガイドソケツ
ト２２、ガイドローラー２３の動きが阻害されて
ドラツグアーム振り出しが難しくなり、時として
振り出し不可能という虞れがあつた。

本考案は重心位置、ガイドローラーとガイドの
関連等で据付精度を要求され、且つ仮に精度良く
据付け出来たとしても、船体の傾斜次第ではドラ
ツグアーム振り出し不可能という根本的トラブル
を防止することを目的とするもので、下端をデツ
キ上に２本の軸で装着した２股ブームと、同２股
ブームを起伏させる油圧駆動式シリンダー、ウイ
ンチの巻胴からデツキ上のガイドシーブを介し２
股ブーム上のガイドシーブに係合し、２股ブーム
先端部でスライデイングトラニオンを吊り下げて
いる巻き上げ索、２股ブーム先端部寄りに上端を
軸着してスライデイングトラニオンの揺動を防ぐ
ためのトラニオン保持フレーム、下端をデツキ上
に、上端をトラニオン保持フレーム水平梁後側に
軸着した姿勢制御用タイロツド、前記４個所の軸
で構成される４リンク機構とからなり、いかなる
船体傾斜でもドラツグアームの振り出し、格納に
対応出来ると共に、トラニオンおよびトラニオン
ソケツトは強制的に位置保持されているので、従
来のガイドローラーおよびガイドソケツトを廃止
出来るようにしたドラツグアーム用トラニオンダ
ビツトを提供せんとするものである。

以下本考案の実施例を図面について説明する
と、第１図は本考案の実施例を示すトラニオンダ
ビツトの側面図、第２図は同平面図、第３図は同
正面図を示す。図において１はデツキ２上に取付
けられた２組のトラニオンダビツト基部取付金物
３および軸４で据付された２股ブーム、５は２股
ブーム１を起伏せしめる為に片端を２股ブーム１
に、片端をデツキ２等に軸で取付けた油圧駆動式
シリンダーである。

６はウインチからデツキ上のガイドシーブ７，
８および２股ブーム１上端に取付けられているガ
イドシーブ９，１０を介し、片端はデツキ２上の
固定金具１１で固定し、ドラツグアームに取付け
られているウオーターシーブ１２を吊り支える為
の巻き上げ索、１４はウオーターシーブ１２に吊
り具１３を介して吊り支えられたスライデイング
トラニオン、１５は上側水平部を水平軸１６で２
股ブーム１の上端に吊り下げられ、前面側にスラ
イデイングトラニオン１４の上、下方向の動きを
助ける一対のガイド１７を設けたトラニオン保持
フレームである。

１９は片端をデツキ２上の取付金物１８に軸２
０で固定され、上端はトラニオン保持フレーム１
５の上側水平梁後側に軸２１で装着された姿勢制
御用タイロツドを示す。なお、本考案の実施例を
示す第１図〜第３図では、従来の第４図中のガイ
ドローラー２３およびガイドソケツト２２は、ト
ラニオン保持フレーム１５を姿勢制御用タイロツ
ド１９で強制保持して振り出し、引き込み出来る
ので必要はなくなり、廃止している。

またタイロツド１９の軸２０，２１間長さは、
２股ブーム１の軸４，１６間の距離と等しくと
り、また軸１６，２１間の距離はデツキ２側の軸
４，２０間の距離と等しくして、この部分に平行
四辺形リンク（４リンク機構）を構成している。

次に作用を説明する。先ず振り出しについて説
明すると、第１図において格納状態を破線、振り
出し完了の状態を実線で示す。さてウインチを駆
動し、巻き上げ索６を介してスライデイングトラ
ニオン１４を少し巻き上げ、油圧シリンダー５を
作動させることにより、２股ブーム１を第１図の
実線位置迄倒す。スライデイングトラニオン１４
は２股ブーム１に吊り下げられており、２股ブー
ム１の動きに連れて振り出される。

２股ブーム上、下端の軸４，１６と、姿勢制御
用タイロツド１９の上、下端軸２０，２１は４リ
ンク機構を構成しており、油圧駆動シリンダー５
が伸びることにより、トラニオン保持フレーム１
５は２股ブーム１の水平軸１６に吊り支えられた
まま強制的に舷側に送り出される。振り出された
スライデイングトラニオン１４（第１図実線）
は、巻き上げ索６を繰り出すことによりトラニオ
ン保持フレーム１５およびガイド１７を通過し、
船体付きのトラニオンガイドに嵌合する。

次に引き込みについて説明すると、この場合に
は前述の振り出し作業手順の逆を行うことにより
可能となる。

以上詳細に説明した如く本考案では、振り出
し、引き込みの作業前、或いは作業中、船体傾斜
等で発生するトラニオン保持フレーム、ウオータ
ーシーブ、吊り具の揺動を、姿勢制御用タイロツ
ドおよび２股ブーム等で構成された４リンク機構
で強制的に制動している。すなわち、トラニオン
保持フレームは前記４リンク機構で強制的に船体
付トラニオンガイドに平行の状態を保持されたま
ま振り出し、引き込まれる。

従つて本考案によると、いかなる船体傾斜でも
ドラツグアーム振り出し格納に対応できると共
に、トラニオンおよびトラニオンソケツトは強制
的に位置保持されているため、従来のようなガイ
ドローラーおよびガイドソケツトは廃止でき、構
造を簡単化できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示すトラニオンダビ
ツトの側面図、第２図は同平面図、第３図は同正
面図、第４図は従来のトラニオンダビツトの側面
図である。 図の主要部分の説明、１……２股ブーム、２…
…デツキ、４……軸、５……油圧駆動式シリンダ
ー、６……巻き上げ索、７，８……デツキ上のガ
イドシーブ、９，１０……２股ブーム上のガイド
シーブ、１２……ウオーターシーブ、１３……吊
り具、１４……スライデイングトラニオン、１５
……トラニオン保持フレーム、１６……水平軸、
１８……デツキ上の取付金物、１７……ガイド、
１９……姿勢制御用タイロツド、２０……軸、２
１……軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下端をデツキ上に２本の軸で装着した２股ブー
   ムと、同２股ブームを起伏させる油圧駆動式シリ
   ンダー、ウインチの巻胴からデツキ上のガイドシ
   ーブを介し２股ブーム上のガイドシーブに係合
   し、２股ブーム先端部でスライデイングトラニオ
   ンを吊り下げている巻き上げ索、２股ブーム先端
   部寄りに上端を軸着してスライデイングトラニオ
   ンの揺動を防ぐためのトラニオン保持フレーム、
   下端をデツキ上に、上端をトラニオン保持フレー
   ム水平梁後側に軸着した姿勢制御用タイロツド、
   前記４個所の軸で構成される４リンク機構とから
   なることを特徴とするドラツグアーム用トラニオ
   ンダビツト。