JPH01294529A - Abo↓3型ペロブスカイト型酸化物の製造方法 - Google Patents

Abo↓3型ペロブスカイト型酸化物の製造方法

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JPH01294529A
JPH01294529A JP12181188A JP12181188A JPH01294529A JP H01294529 A JPH01294529 A JP H01294529A JP 12181188 A JP12181188 A JP 12181188A JP 12181188 A JP12181188 A JP 12181188A JP H01294529 A JPH01294529 A JP H01294529A
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JP
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aqueous solution
group
oxide
precipitate
oxalic acid
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JP12181188A
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Michiko Oda
享子 織田
Kunimasa Takahashi
高橋 邦昌
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、A B Oj型ペロブスカイト型酸化物(た
だし、AはPb、Ca、SrおよびLmからなる群から
選ばれた少なくとも1種の元素を表し、BはTiおよび
Zrからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を表
す)の製造に関するものである。
ABOs型ペロブスカイト型酸化物は、それ自身あるい
は2種以上のこれらの酸化物の固溶体の形で、圧電材料
、誘電材料および焦電材料として広く使用されている材
料である。
これらの材料のほとんどは、その粉末を焼き固めた焼結
体として製品化されている。その場合の品質は焼結の度
合で著しく左右されるものであ1、したがって、良好な
焼結体を与えるべき原材料として、粉体特性の優れた粉
末が望まれている。
一方、複合樹脂用途では、例えば複合フィルムコンデン
サー素材としては、高い結晶性を有する微細かつ粒度分
布の狭い、微粒子形状が求められている。
〔従来の技術〕
ペロブスカイト型酸化物の製造方法としては、下記の様
な方法が知られている。
(1)各成分元素の酸化物粉末を混合し、この混合物を
高温に加熱して固相反応を起こさせる方法。
(2)各成分元素のイオンを含む水溶液中にシュウ酸を
滴下して、各成分元素をシュウ酸塩として共沈させ、こ
の共沈シュウ酸塩を熱分解する方法(例えば、米国特許
第3,352,632号)。
(3)各成分元素のアルコキシドの混合物を加水分解し
て共沈させ、この共沈加水分解物を熱分解する方法(例
えば特開昭60−86022号)。
(4)水酸化鉛や水酸化ジルコニウムを予めアンモニア
水を用いて合成し、これに四塩化チタン溶液を加えてア
ンモニア水で沈澱させる、多段湿式合成法(例えば特開
昭61−106456号公報)。
り5)水に不溶または難溶な、少なくとも1種以上の両
性金属の化合物を水中に分散させ、別に上記以外の金属
元素を含んだ化合物の水溶液の、少なくとも1種以上と
混合して、緊密沈澱物を生成させる粉末分散湿式法(例
えば、特開昭62−3005号公報)。
しかしながら、これらの方法には何らかの間圧点があっ
て、必ずしも満足すべきものとはいい難い0例えば、(
1)の固相反応は、高温かつ長時間が必要であるという
製造工程上の問題があるばかりでなく、製品粉末にも問
題がある。すなわち、この方法で得られる粉末は焼結し
難く、したがって、焼結のためには高温の採用あるいは
焼結促進剤の使用が必要となるからである。(2)の共
沈法には、各成分のシュウ酸塩の共沈媒体である水に対
する溶解度が異なるので、各成分を希望成分比で共沈さ
せることが困難であって、単一相の組成のものが得難い
という欠点がある。また、(3)の共沈法は高純度で均
一性の高い製品が得られるという利点があるけれども、
各成分をアルコキシドとして利用するところから、その
製造が容易ではないという欠点を免れない、また、(4
)の多段湿式法は廉価な材料を用いる方法ではあるが、
焼成品は粉砕工程を経て焼結させる必要がある。また、
(5)の粉末分散湿式法は、廉価な材料を用いる方法で
はあるが、塩素等の不純物の混入のおそれがあるという
欠点がある。
山村らは、これらの従来法の欠点を解消する方法として
、前述(2)のシュウ酸塩法の改良を提案している。す
なわち、シュウ酸はエタノールに可溶であ1、B元素(
Zr、Ti)のシュウ酸塩およびA元素(Pb、 Ba
、SrまたはCaの群から選ばれた少なくとも1つの元
素)のシュウ酸塩は、いずれもエタノールに難溶である
性質を利用して、エタノール中でA元素イオンとTiイ
オンとをシュウ酸と反応させて、これらのイオンをシュ
ウ酸塩として共沈させることく特開昭59−39722
号公報)ならびにA元素イオンとZrイオン、または(
Zr+Ti)イオンとをシュウ酸塩として共沈させるこ
と(特開昭59−131505号公報)によって、所望
組成の高純度かつ均一粒度の沈澱物(ペロブスカイト型
酸化物の前駆体)が得られ、これを熱分解すると極めて
焼結し易い活性なA T i Os、A Z r O3
またはA (Z r、T i)Os’iM粉末が得られ
る。そこに開示された技術において、A元素イオンは当
該硝酸塩の水溶液ないし含エタノール水溶液として使用
している。一方、TiイオンおよびZrイオンは、オキ
シ硝酸チタンまたはオキシ硝酸ジルコニウムの水溶液な
いし含エタノール溶液として使用することが好ましいと
されている。これらイオンの供給源として塩化物を使用
すると、共沈澱物中に塩素イオンが残存しがちとな1、
共沈澱物を高温焼成しても塩素イオンが残って、焼成物
(すなわち目的酸化物)を焼結する場合に悪影響を及ぼ
すことがある。またA元素イオンとしてPb2”を用い
る場合には、混合水溶液において不溶性の塩化鉛が生成
するので塩化物の使用は好ましくない。
オキシ硝酸チタンの製造法としては、四塩化チタンをア
ンモニア水で加水分解して水酸化物として沈澱させ、こ
れをI過して得な水酸化チタンを硝酸中に投入して溶解
させて、オキシ硝酸チタン溶液を得る方法が開示されて
お1、オキシ硝酸ジルコニウム溶液もオキシ塩化ジルコ
ニウムを原料として全く同様の手法で得られることが開
示されている。
これらの化合物からのTiイオンまたはZrイオンとA
元素イオンとを、エタノールの存在下にシュウ酸と反応
させてシュウ酸塩共沈物を得、これをi濾過、乾燥後、
粉砕して、温度(700〜1000℃)で、熱分解が完
全に終了して重量変化がもはや認められなくなるまで焼
成すれば、目的のペロブスカイト型酸化物が得られるの
であるが、開示されたところによれば生成した焼成物は
、再度粉砕混合されてお1、この粉末について成形およ
び1000〜1400℃での焼結を行っている。
すなわち、この先行改良技術においては、共沈澱物の焼
成によって得られた微粉末状のペロブスカイト型酸化物
は、粒子相互で融着を起こしていたために、再粉砕混合
工程が必要であったのである。
先行改良発明で必要であるこの再粉砕混合工程は、工程
費の増加および不純物の混入による最終製品の信頼性の
低下をもたらすばかりでなく、ペロブスカイト型酸化物
粉末の特性からいっても問題である。すなわち、これら
ペロブスカイト型酸化物粉末を、ポリ弗化ビニリデン樹
脂、ポリオキシメチレン樹脂、ニトリルブタジェンゴム
等と複合して、可撓性に富む圧電フィルムや誘電フィル
ムを製造する技術の開発が進められつつあるが、この場
合には、粒径分布が均一で結晶歪のない易分散型の微粉
末が必要とされ、再粉砕混合で得た微粉末では結晶歪が
生起して、期待する性能が得られなくなるからである。
また、誘電フィルムにおいては、10μ麟以下できれば
1〜5ノ1111の薄肉フィルムの中に微粒セラミック
スを均一に分散させる必要上、粉砕品では粒径付布巾が
大きすぎてフィルムとしての信頼性を確保できない、と
いう問題点が指摘される。
また、沈澱反応終了後に、乾燥アンモニアをエタノール
またはイソプロパツールを含む水溶液を充分に撹拌して
、沈澱を懸濁させた中に吹き込むことによって、水溶液
に一部溶解してくるB群元素イオンの再沈澱を実施する
方法を用いることで、A群元素イオン、B群元素イオン
の沈澱中のI比関係を精密に制御しつつ、B群元素の損
失を可能なかぎり低減できることを開示した(特開昭6
1−251517号)。
さらに、本発明者らは炭素数が4から15のアルコール
を用いて、ペロブスカイト型酸化物の前駆体としてのシ
ュウ酸塩沈澱反応を、硝酸鉛とオキシ硝酸チタンを含む
水溶液について試みたところ、仕込み原料で設定したT
 i/ P b比(原子比)が、沈澱を焼成して得られ
たP b T i O3においてほぼ完全に再現される
という、エタノールやプロパツールでは得られなかった
、予想外の良好な結果が得られることを開示したく特開
昭61−251518号)。
本発明者らは、A B O)型酸化物における構成成分
元素の存在比の制御を重要課題として、種々の工夫を先
行発明中で試みてきた。この問題をさらに鋭意検討した
結果、存在比の制御は、Ti0(N o 、)、と沈澱
剤であるシュウ酸の沈澱形成量論比が、従来認められて
きたシュウ酸/ T i −1/ 1(モル/グラム原
子)ではなく、1/2(モル/グラム原子)を用いるこ
とで、定量的がっ経時安定的に可能となることを見出し
た。この新規な量論比を適用して、A群元素としてPb
、B群元素としてTi、Zrから選ばれた少なくとも1
種の元素の組み合わせによって、シュウ酸・エタノール
系でABO,型酸化物微粒子が安定的に合成できること
を開示した(特開昭62−72523号明細書)、さら
に、シュウ酸・水系でも同様の合成が可能なことを開示
したく特開昭第62−72524号明細書)。
さらに本発明者らは、シュウ酸/ T i = 1 /
 2(モル/グラム原子)なる先行発明中の比率を用い
て、ABO,型ペロブスカイト型酸化物(ただし、Bは
TiおよびZrからなる群から選ばれた、少なくとも1
種の元素を表す)を構成すべき元素のイオンを含む酸性
水溶液を、エタノール、プロパツール、ブタノール、ペ
ンタノール、およびヘキサノールからなる群から選ばれ
た、少なくとも1種のアルコールに溶解せしめたシュウ
酸の沈澱を生成させ、かつ、該前駆体沈澱含有溶液中の
硝酸根をアミンで中和し、この前駆体を熱分解すること
によ1、A群元素をpbのみならず、Ca、Srお゛よ
びLaからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を
含む、該酸化物沈澱を製造する方法を開示した(特開昭
62−9080号公報)。
(先行技術における課題と解決方法) 本発明者らは先行出願(特開昭60−211704号明
細書、同5o−zit)05号明細書)において、従来
とは異なる化学量論比をオキシ硝酸チタンおよびオキシ
硝酸ジルコニウムから得られる、シュウ酸塩沈澱に適用
することでA B Os型酸化物を安定的に微粒子とし
て製造できることを示した。さらに、アルコール添加系
において、該前駆体沈澱含有溶液中の硝酸根をアミンで
中和することで定量的に沈澱せしめるA元素範囲を広げ
てきた(特願昭62−9080号公報)。
本発明者らの先行発明において、アルコールを合成反応
に使用する技術においては、各種構成元素相互の均一混
合状態をとることができ、i濾過、傾瀉、乾燥等の各工
程において、シュウ酸塩の分離、偏在化などの好ましく
ない現象の発現は、考える必要がなかった。
例えば、チタン酸鉛の沈澱では、シュウ酸塩同志が特殊
な相互作用状態にあることが示唆された(織田ら、第2
5回窯業基礎討論会、1987年)。
しかしながら、水溶液系での合成においては、特定の元
素は反応終了後のi濾過、洗浄、乾燥の工程において、
他の元素の沈澱と僅かではあるが均一沈澱状態からのズ
レを起こすことが確かめられた。とくにジルコニウム沈
澱においてこの現象が明らかとなった。
均一沈澱状態からのズレは、乾燥沈澱ケーキのEMXI
!II察によって元素の分布状態の差として観察される
。このズレは、乾燥粉体の粉砕混合等で回復するもので
はなく、結局は焼成酸化物の組成のズレをもたらし、均
一な特性の発現ができなくなる。水溶液系における前駆
体沈澱合成は、アルコール系と異なり廉価なセラミック
ス微粒子合成法であ1、例えばP b(Z r、T i
)Osの如く、汎用品としての用途も広い、セラミック
ス製造プロセスとしては好適なものである。
本発明者らは、高価なアルコールを用いなくとも、定量
的に沈澱せしめるA群元素範囲を広げるべく、鋭意検討
を継続して、Ca、SrおよびLaをpbとともにA群
元素として定量的に沈澱させて、ABOs型微粒子酸化
物を製造する手段を見出して本発明に至った。
(発明の概要) 本発明は、ABO,型ペロブスカイト型酸化物の水溶液
沈澱合成法において、B群元素(Tiおよび/またはZ
r)/シュウ酸=2/1(グラム原子1モル)なる量論
比で、B群元素の硝酸塩からシュウ酸塩を定量的に沈澱
させる先行技術(特願昭60−211705号明細書)
の改良技術に位置する。
本発明は、本発明者らの上述先行技術において、A群元
素として用いることができなかったCa、SrまたはL
aを定量的に沈澱させて、種々の元素の組合わせにおけ
る元素存在比の微量変動の防止を可能ならしめた点で、
先行技術の普遍化技術に相当する。
したがって本発明は、鉛、カルシウム、ストロンチウム
およびランタンからなる群(A元素群)から選ばれた、
少なくとも1種の元素のイオンと、チタニウムおよびジ
ルコニウムからなる群(B元素群)から選ばれた、少な
くとも1種の元素のイオンとを含む溶液に、A群イオン
中の2価イオン1グラム原子当たり0,98〜1.02
モル、3価イオンに対してはその1.5倍量、およびB
群イオン1グラム原子当たり0.49〜0,51モルの
合計量のシュウ酸を加えて沈澱を形成した後、アンモニ
アまたはアミンを用いて、該沈澱を含有する溶液のpH
を弱酸性から弱アルカリ性の範囲に調整して、ペロブス
カイト型酸化物の前駆体沈澱の凝集体を形成させ、該沈
澱凝集体を母液より分離、乾燥した後、酸素共存下で焼
成して、ABO*型へロブスカイト型酸化物を製造する
方法に関するものである。
さらに本発明は、該シュウ酸塩沈澱の製造において、該
酸性水溶液中に存在するA群元素(Pb、Ca、 Sr
= La)中の2価イオンに対しては1グラム原子に対
して1モル、3価イオンに対してはその1.5倍量、お
よびB群元素(T i、 Z r) 1グラム原子に対
して0.5モルの化学量論比を達成する量のシュウ酸を
、アルコール溶液の形で該酸性水溶液に接触せしめた後
に、アンモニア中和によって沈澱含有溶液のpHを6.
2から7,5の範囲にすることで、最良の効果が得られ
ることを特徴とする、該酸化物の製造方法に関するもの
である。
さらに、本発明は、該酸性水溶液に含有されるB元素(
Ti、Zr)1グラム原子に対して0〜5モル、好まし
くは0801〜4モルの硝酸を該酸性水溶液に添加した
後に、シュウ酸水溶液と接触させることを特徴とする、
該酸化物の製造方法に関するものである。
さらに、本発明は、該酸性水溶液中に存在すべきA群元
素およびB群元素が、好ましくは硝酸塩として供給され
ることを特徴とする該酸化物の製造方法に関するもので
ある。
さらに、本発明は、上記の特徴ある製造方法を採用する
ことで、粉体特性に優れた該酸化物粉体を、優れた反応
再現性のもとで製造する方法に関するものである。
(効 果) 本発明の方法では次のような効果が得られる。
(1)目的とするペロブスカイト型酸化物のAn元素/
B群元素の比率を仕込み原料での比率にほぼ完全に一致
させることができる。
(2) (1)の結果としてA群元素、B群元素ともに
、複数の元素の存在比率を1グラム原子%の範囲できっ
ちりと制御することができる。
(3)酸性水溶液へ予め硝酸を添加することができるの
で、生成酸化物の粒度調節が容易となる。
(4)生成した沈澱の母液への再溶解の恐れがないので
、シュウ酸滴下速度、反応時間、ヂ過時間等を工業生産
レベルでの最適域に合致させても、反応の再現性を充分
に確保できる。
(5)易分散性かつ高結晶性のペロブスカイト型酸化物
を製造するに際して、高価な金属アルコキシドを原料と
するオキシ硝酸チタンおよび高価なオキシ硝酸ジルコニ
ウムの利用が有効であるが、これらの原料の無用な溶解
損失が抑止されるので、不必要かつ大巾な製造価格の上
昇を防ぐことができる。
(6)先行出願で使用が必須であったアルコールを全く
使用しなくてよいので、アルコールの回収費用(蒸留装
置、蒸留にかかる変動費、回収損失)を全面的に省略す
ることができる。
(発明の詳細な説明) ベロプス イト型   1  ゛・の ゛本発明で対象
とするペロブスカイト型酸化物はA B Os型のもの
であって、A群元素がPb、Sr、CaおよびLaから
なる群から選ばれた少なくとも1種の元素であ1、B群
元素がTiおよびZrからなる群から選ばれた少なくと
も1種の元素であるものである。
(A群元素) これらの化合物を合成するに必要なA群元素は、硝酸塩
等の水溶液として使用され、塩素含量として、C1/B
群元素の比率が好ましくは0.01以下、さらには実質
的には零になるような塩素含有率の金属硝酸塩が特に好
ましいことは、本発明者らの先願発明と同じである。
(B元素) 本発明で用いるTiおよびZrは、好ましくはオキシ硝
酸チタンまたはオキシ硝酸ジルコニウムである。オキシ
硝酸チタンはテトライソプロピルチタンのようなアルコ
キシドを加水分解して得なチタン水酸化物と、濃硝酸を
反応させることで、実質上塩素を含有しない化合物とし
て合成することができる。四塩化チタンを用いる場合に
は、アンモニア水で水酸化チタン沈澱を得た後に充分な
水洗を繰り返して塩素イオンを除去し、オキシ硝酸チタ
ン水溶液中のCl!/Ti(グラム原子比)が0.02
以下好ましくは0.01以下になるようにする必要があ
る。
オキシ硝酸ジルコニウムも上記に準じて調製することが
できる。
オキシ硝酸チタンおよびオキシ硝酸ジルコニウムは、市
販の試薬の純度をもてば良い。
(共 沈) ペロブスカイト型酸化物前駆体は、A群元素から選ばれ
た、少なくとも1種の元素およびB群元素から選ばれた
、少なくとも1種の元素の化合物、好ましくは硝酸塩を
含有する酸性水溶液と、本発明の要求する化学量論比の
シュウ酸とを接触させ、次いでシュウ酸塩沈澱形成反応
で生成した硝酸、および予め酸性水溶液中に共存させた
硝酸を、アンモニアまたはアミンにより中和した後、該
シュウ酸塩の沈澱を母液からi濾過分離することにより
得られる。
該酸性水溶液中の元素イオン濃度は、与えられた条件で
A、B各群から選ばれた元素イオンが完全に溶解できる
範囲で、高濃度にすることが可能であるが、A群元素イ
オン濃度として0.05から1モル/l、好ましくは0
.1から0.5モル/lの濃度を選ぶことができる。
本発明の方法によれば、金属硝酸塩含有水溶液中の酸性
度は、好ましくは硝酸の添加量によって大きく変動させ
ることができる。硝酸/B群元素比(モル/グラム原子
)をOから5、好ましくは0.01から4の範囲に設定
することで、最終製品として得られるペロブスカイト型
酸化物の粒子径および粒子径分布中を、小さい方に制御
することが可能となる。
(シュウ酸添加) 該酸性水溶液中に含まれるペロブスカイト型酸化物構成
元素を、シュウ酸塩として沈澱させる方法としては、該
酸性水溶液を、激しく撹拌されているシュウ酸水溶液に
滴下する方法およびこの逆の方法を用いることができる
。シュウ酸塩生成速度は、反応系温度が急上昇しない範
囲で適宜選ぶことができる。
本発明は先行技術(特願昭6O−211705)と同じ
く、B群元素のシュウ酸塩沈澱が、従来考えられていた
〔シュウ酸/B群元素= 1/1 (モル/グラム原子
)〕の化学量論比で得られるのではなく、1/2の化学
量論比で得られるという発見に依っている。
本発明の方法によれば、シュウ酸の添加量は原則として
、該水溶液中に含まれるA群元素イオン中の2価イオン
1グラム原子に対して1モル、3価イオンに対してはそ
の1.5倍量が、シュウ酸塩前駆体を定量的に沈澱させ
る為に必要である。
また、B群元素イオン(Ti”、ZS”)1モルに対し
ては0.5モルのシュウ酸の添加が要求される。
シュウ酸は遊離のシュウ酸の他、アンモニウム塩等の塩
を用いることもできる。
シュウ酸の添加量を、水溶液に存在するA群元素(Pb
、Ca、SrおよびLaからなる群から選ばれた、少な
くとも1種類の元素)中の2価イオン1グラム原子当た
り0.96〜1.04モル、好ましくは0.98〜1.
02モル、さらに好ましくは0.99〜1.01モル、
より好ましくは0,995〜1.005モル、3価イオ
ンに対しては上記割合の1.5倍量に、およびB群元素
(Tiおよび/またはZr)1グラム原子当たり0.4
8〜0.52モル、好ましくは0.49〜0.51モル
、さらに好ましくは0.495〜0.505モル、より
好ましくは0..4975〜0.5025モルの範囲に
設定する。
沈澱生成のためのシュウ酸添加量は、水溶液中のA群元
素イオンに対する理論所要量の±2%の範囲、好ましく
は±1%の範囲の許容中をもたせることができる。B群
元素イオンに対しても同様に、理論所要量の±2%の範
囲、好ましくは±1%の範囲の許容巾をもって、シュウ
酸添加量を定めることができる。
余分のシュウ酸の存在は、B群元素のシュウ酸塩沈澱を
再溶解するように作用するので、本質的には好ましくな
い。
シュウ酸水溶液中のシュウ酸の濃度は、0.01〜1.
0モル/1、好ましくは0.05〜0.5モル/lを選
ぶことができる。
反応温度は広い範囲から選ぶことができるが、好ましく
は、0℃近傍から50℃まで、より好ましくは0℃近傍
から30℃までを選ぶことができる。水溶液が氷結する
ような低温は避けねばならない、また、水溶液中のオキ
シ硝酸チタンの熱的な不安定さを考えると、オキシ硝酸
チタンを含んだ後に水溶液温度を50℃を超えて高める
ことは、沈澱合成反応中にオキシ硝酸チタンの分解によ
る沈澱も生成する恐れが生じるので、できるだけ避ける
ことが望ましい。
(中和) シュウ酸と反応後、該前駆体沈澱含有水溶液を激しく撹
拌しながら、アンモニアまたはアミンによる中和反応を
行う、アンモニアまたはアミンの添加量は、シュウ酸塩
生成反応で副生じた酸く好ましくは硝酸)および該酸性
水溶液に予め添加した硝酸に見合った量を必要とする。
B群元素(Ti、Zr)からは1グラム原子当り2モル
の硝酸が副生ずるとして所要量を求める。
この前駆体沈澱含有水溶液中の硝酸根の中和に用いられ
る、アンモニアまたはアミンとしては、例えばアンモニ
ア、ヒドラジン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリ
メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエ
チルアミンのようなアルキルアミン、エチレンジアミン
、1.3−プロパンジアミンのようなアルキレンジアミ
ン、エタノールアミン、1−アミノ−2−オキシプロパ
ン、2−アミノ−1−ヒドロキシプロパンのようなアル
カノールアミン、ヒドロキシルアミンおよびこれらの混
合物が挙げられるが、アンモニアをガスおよび/または
濃アンモニア水として用いることが好ましい。
アンモニアは乾燥ガスおよび/または濃アンモニア水と
して添加することができる0本発明においては、濃アン
モニア水から追加供給される水が沈澱の溶解を促進する
ことはないので、濃アンモニア水の使用がより好ましい
。アンモニアの添加速度は適宜選ぶことができる。硝酸
アンモニウムの生成熱によって反応系温度が急上昇しな
い範囲であれば、添加速度を高めることができる。
アンモニア中和後のスラリー含有溶液のDHは、測定範
囲の限定されたpH試験紙によって測定することができ
る。各種元素の組み合わせによっても異なるが、中和後
の最終pHを例えば6から8、好ましくは6.2から7
.5の範囲に設定することで、本発明の目的とするA 
B O3型酸化物構成元素の存在比を精密に制御するこ
とができる。
シュウ酸およびアンモニア等のアミンの添加後は、それ
ぞれ適切な時間撹拌を継続して、反応を完結させる。
(前駆体粉末) 中和反応の後反応終了後、沈澱をi濾過によって分別し
、白色ケーキを得る。
白色ケーキは、反応によって生成した硝酸アンモニウム
を除くために純水で洗浄し、沈澱中に残留する母液の大
部分を可能な限り取り除いてから、洗液をr別して白色
ケーキを得る。洗浄回数は適宜定めることができる。
得られた白色ケーキは乾燥後、メノウ乳鉢等で解重して
ペロブスカイト型酸化物前駆体粉末とする。この段階で
の解重は、後に続く焼成に際して、適切な量の酸素の流
通を確保する上で重要である。
なお、乾燥ケーキは弱い磨砕力で容易に微粉化できるし
、この段階で粒子を完全分散状態にする必要もないので
、解重手段からの不純物の混入の恐れはない。
ペロプス イ     の 1 前記前駆体粉末を、適当温度、例えば500〜1000
℃で焼成する。この焼成温度は低温であることが望まし
いが、重量変化が最早認められなくなるまで焼成を行う
ことが必要である。
焼成は空気の存在下で行うことが必要であるが、マツフ
ル炉のような、強制流通機構を有しない炉での焼成でも
、目的は充分に達成できる。
本発明の方法で合成可能なペロブスカイト型酸(1とL
4Lt、PbTi0z、PbZr0.、Pb(Zr、T
i)O,、CaTi0z、Carrys、Ca(Zr、
Ti)Os、(Pb、Ca)TiJ、(Pt+、Ca)
ZrOコ、 (Pb、Ca)(Zr、Ti)0.、5r
TiOs 、5rZrO5、(Ca、5r)TiOz、
 (Ca、5r)ZrO,、(Pb、5r)Ties 
、(Pb、Sr>(Zr、Ti)03、(Pb、−、、
La、)(Ti、Zr)0.等を挙げることができる。
以下実施例により本発明の内容をさらに具体的に説明す
る。
実施例 I P b 、 o Cao−<o)T iOz    (
’) ”’五]市販のテトライソプロピルチタン500
meを蒸留水7000w+t’に滴下して水酸化物を得
、これをi濾過した後、純水10100Oで3回洗浄を
繰返して、水酸化チタンを得な、これを水冷した市販特
級濃硝酸200m1に加え、−昼夜放置後i濾過して、
オキシ硝酸チタン溶液を得た。Ti濃度をT i O2
として重量分析法で決定し、0.1171gTi/me
を得た。オキシ硝酸チタン溶液140m1’と特級硝酸
鉛(純度99.5%)68.5020g、特級硝酸カル
シウム水和物(純度98,5%)32.8915g、特
級硝酸76.79m1、イオン交換水1498wblを
混合し、Pb/Ca/Ti=0.6010゜40/1.
00(グラム原子比)、HN O3/ T i =3/
1(モル比)なる水溶液を得て室温に保持した。
特級シュウ酸・2水和物(純度99.5%)65゜18
56gをイオン交換水1715+*1に溶かして室温に
保持し、(COOH)2/ (P b+ Ca+ T 
1)=0.75/1(モル比)、シュウ酸水溶液、/該
酸性水溶液= 1/1 (容量比)なる溶液を調製した
激しく撹拌した該シュウ酸水溶液に、該酸性水溶液を約
224 @l/分の速度で加え、白色スラリー液を得、
添加終了後5分間撹拌を続けた後に、特級アンモニア水
216.18nj!を約1分間で撹拌スラリー液に注加
し、さらに5分間撹拌を続けた。BTB試験紙を用いて
スラリー溶液のpHを測定し、7.2を得た。
加圧i濾過器を用いてスラリー母液と白色沈澱ケーキと
を分別した。
得られた白色沈澱ケーキを、イオン交換水1337+s
l中に投入して30分間砕解重浄操作を行い、次いで加
圧濾過器を用いて洗浄液と白色ケーキを分別した。この
操作をさらに1回繰返して白色ケーキを得た。
得られた白色ケーキを110℃で10時間空気浴オーブ
ン中で乾燥した後、播潰機を用いて2分間解重した後、
マツフル炉中、1000℃で焼成して、目的とする酸化
物粉末を収率95.2%で得た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、ABO_3型ペロブスカイト型酸化物〔ただし、A
    はPb、Ca、SrおよびLaからなる群(A元素群)
    から選ばれた少なくとも1種の元素を表し、BはTiお
    よびZrからなる群(B元素群)から選ばれた少なくと
    も1種の元素を表す〕を構成する元素のイオンを含む酸
    性水溶液をシュウ酸水溶液と接触させて、該酸化物の前
    駆体となるシュウ酸塩の沈澱を生成させ、この前駆体沈
    澱を熱分解して該酸化物を製造する方法において、該シ
    ュウ酸の添加量を該酸性水溶液中に存在するA群元素(
    Pb、Ca、Srおよび/またはLa)の中、2価のイ
    オン1グラム原子当り0.98から1.02モル、3価
    のイオン1グラム原子当たり1.47〜1.53モル、
    およびB群元素(Tiおよび/またはZr)1グラム原
    子当り0.49から0.51モルの合計量に定め、かつ
    該前駆体沈澱含有溶液中の硝酸根を、アンモニアまたは
    アミンにより中和することを特徴とする、ABO_3型
    ペロブスカイト型酸化物の製造方法。 2、水溶液中に存在するB群元素(Tiおよび/または
    Zr)1グラム原子当り、0から5モルの硝酸を加えて
    酸性水溶液を調製せしめたる後、シュウ酸との反応に供
    することを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載のA
    BO_3型ペロブスカイト型酸化物の製造方法。 3、水溶液中に含まれる元素が硝酸塩として供給される
    ことを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載のABO
    _3型ペロブスカイト型酸化物の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5196388A (en) * 1991-06-10 1993-03-23 Akzo N.V. Process for the preparation of double metal oxide powders containing a Group IIIA and a Group IVB element and a novel double metal hydroxyl carboxylate useful in preparing same
WO1999001379A1 (en) * 1997-07-05 1999-01-14 The Secretary Of State For Defence In Her Britannic Majesty's Government Of The United Kingdom Of Great Britain And Northern Ireland Process for the preparation of lead zirconate titanate compounds

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5196388A (en) * 1991-06-10 1993-03-23 Akzo N.V. Process for the preparation of double metal oxide powders containing a Group IIIA and a Group IVB element and a novel double metal hydroxyl carboxylate useful in preparing same
WO1999001379A1 (en) * 1997-07-05 1999-01-14 The Secretary Of State For Defence In Her Britannic Majesty's Government Of The United Kingdom Of Great Britain And Northern Ireland Process for the preparation of lead zirconate titanate compounds

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