JP2709222B2 - チタン酸塩からなる球形微粉末の製造方法及びそれにより得られた球形微粉末 - Google Patents

チタン酸塩からなる球形微粉末の製造方法及びそれにより得られた球形微粉末

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、チタン酸塩からなる球形微粉
末、特に均一な球形の多結晶微粒子からなり、単分散性
の高い、狭い粒径分布を持つチタン酸塩からなる球形微
粉末を工業的に有利に製造し得る方法、並びにそれによ
って得られる、ファインセラミックス、特に焼結体の原
料として優れたチタン酸塩からなる球形微粉末に関する
ものである。
【0002】
【背景技術】従来から、チタン酸塩の微粉末は、セラミ
ックスの原料として広く使用されてきているが、特にチ
タン酸バリウム微粉末等の、ペロブスカイト型微結晶を
主成分とするチタン酸塩微粉末は、各種強誘電体、圧電
体及び焦電体等のセラミックス材料またはその添加成分
として多く用いられている。そして、かかるチタン酸塩
微粉末を製造するに際しては、特別な場合を除き、一般
に、二酸化チタン微粒子と2価又は3価の金属の塩、酸
化物、水酸化物等の金属化合物とを緊密に混合し、その
混合物を加熱して、高温で固相反応させる手法が採用さ
れている。ところが、このようにして得られるチタン酸
塩は、一般に強固な塊状粒子となっており、そのため、
チタン酸塩微粉末としては、殆どの場合、その強固な塊
状粒子をボールミル等で粉砕することによって得られて
いる。それ故、かかるチタン酸塩微粉末にあっては、粉
末粒子の形状が不均一で、しかも粒径分布の広いものし
か得ることが出来なかったのである。
【0003】ところで、ファインセラミックス、特に焼
結体の原料として用いられる粉末微粒子としては、0.
5μm程度以下の粉末微粒子では、成形嵩密度を高め難
く、焼成収縮が大きくなって、作業性、生産性が低下す
る欠点があり、また、2.5μm程度以上では、焼結に
よる緻密化が困難となり、一般に粒径範囲は1μm前後
の球形をした、単分散性の高い、狭い粒径分布を持つも
のが優れていることが知られている。ファインセラミッ
クス用のチタン酸塩の粉末粒子、例えばBa,Sr,C
a,Pb,Mg,Al,Bi等、多くの金属のチタン酸
塩の粉末粒子も、やはり1μm程度の球形微粒子が望ま
れている。
【0004】しかるに、これまで、チタン酸塩微粉末の
原料となる二酸化チタン微粒子については、微細で、反
応活性であることのみが問題とされており、その粒子形
状及び粒子の微組織について、特別な注意は、何等払わ
れていなかった。そのため、そのような二酸化チタン微
粒子を用いたチタン酸塩微粉末の前記の如き製造手法、
即ち二酸化チタン微粒子と2価又は3価の金属の塩等の
金属化合物との混合物を加熱反応させる手法によって
は、ファインセラミックス、特に焼結体の優れた原料と
なる1μm前後の球形微粉末を得ることは、従来は全く
不可能であり、当然のことながら、このようなチタン酸
塩からなる球形微粉末の工業的な製造は、未だ実現され
ていないのである。
【0005】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決すべき課題と
するところは、粒子径が1μm前後の、均一な球形で、
単分散性の高い、狭い粒径分布を持つ、チタン酸塩から
なる球形微粉末を、大量に且つ安価に製造し得る方法を
提供することにあり、また他の課題とするところは、か
かる方法によって得られる、ファインセラミックス、特
に焼結体の優れた原料としての条件を悉く満足し得るチ
タン酸塩からなる球形微粉末を提供することにある。
【0006】
【解決手段】かかる状況下、本発明者らは、上述の如き
課題を解決すべく、先ず、先駆体として製造される原料
二酸化チタン微粒子において、従来、何等の注意も払わ
れていなかった、その粒子形状及び粒子の微組織に着目
して、多数の実験研究を繰り返した結果、それまで試み
られたことのない、限られた組成領域の濃厚な硫酸チタ
ニル若しくは硫酸チタンの酸性水溶液を、一定の条件下
で充分に長時間加熱熟成処理を続けた時にのみ、析出し
た超微粒子が全て球形に凝集し、均一で、多孔質のアナ
ターゼ型二酸化チタン微粒子が生成するという知見を
得、それに基づき、本発明者らは、先に、特願平3−1
68777号において、それまで全く認識すら為されて
いなかった、超微結晶、均一球形、凝集及び多孔質、大
比表面積の条件を備えた球形多孔質アナターゼ型二酸化
チタン微粒子並びにその製造方法を、明らかにしたので
ある。
【0007】そして更に、本発明者らが鋭意研究を重ね
た結果、かかる球形多孔質アナターゼ型二酸化チタン微
粒子は、易反応性で、チタニアを含む各種のセラミック
スの原料粉末として優れるのみならず、むしろ酸化チタ
ンを含む各種のファインセラミックスの原料粉末合成用
の出発原料として特別の価値を持つものであること、即
ちかかる二酸化チタン微粒子に、2価又は3価の金属の
塩等の金属化合物を混合せしめ、そしてその得られた粉
末混合物を加熱反応させると、その生成物が、出発原料
であるアナターゼ型二酸化チタン微粒子の均一な球状形
状をそのまま保有しつつ、しかもほぼ同じ球状の狭い粒
径分布を持つペロブスカイト型結晶を主成分とするチタ
ン酸塩粉末微粒子と成ることを見い出し、本発明を完成
するに至ったのである。
【0008】本発明者らの研究の結果によれば、先ず、
原料二酸化チタンが極めて特徴的な均一球形の凝集微粒
子となるためには、従来試みられたことのない組成領
域、即ち加水分解反応終了時における酸の濃度が3.0
N〜8.0Nの強酸性領域となるように、主として硫酸
からなる酸にて、予め出発状態で調整することが、必須
の条件であり、そして、このように調整した濃厚な硫酸
チタニル若しくは硫酸チタンの酸性水溶液を、密閉容器
中において、沸騰させることなく加熱処理し、加水分解
反応による酸化チタン水和物を析出させるだけでなく、
その後も更に加熱処理を続け、析出物が全て球形凝集化
するまで、充分に加熱熟成処理を続ける必要のあること
が分かった。そして、このような組成範囲と極めて長時
間の加熱処理によって生成する沈殿物が、ペロブスカイ
ト型チタン酸塩の出発原料として、極めて特徴的な高い
価値を有する球形多孔質アナターゼ型二酸化チタン微粒
子となるのである。
【0009】このようにして得られる球形多孔質アナタ
ーゼ型二酸化チタン微粒子は、見掛けの結晶子径が一般
に300Å以下のアナターゼ型超微粒子の凝集した球形
粒子から成るものであり、球形粒子の長さ平均径が0.
5〜2.5μmの範囲で、且つ重量平均径と長さ平均径
の比より求められる多分散指数が1.1以下の狭い粒径
分布を持ち、その比表面積が70m2 /g以上であるこ
とを特徴とし、その粒子径は、任意に選択、調整するこ
とが可能である。
【0010】なお、ここで言う結晶子径とは、粉末X線
回折像のピークの半価幅より、下記数1〔但し、式中、
λは特性X線の波長(Å)、β1 は試料の半価幅(ラジ
アン)、β2 は補正材料の半価幅(ラジアン)、θは回
折角を表わす〕にて、算出されるものである。また、多
分散指数とは、重量平均径と長さ平均径の比であって、
走査型電子顕微鏡写真中、200個の粒子より求めた粒
径分布より、下記数2〔但し、式中、Nは全粒子数、r
i は粒径(μm)、ni はri の粒径を持つ粒子数を表
わす〕にて、算出されるものである。
【0011】
【数1】
【0012】
【数2】
【0013】次いで、このような球形多孔質アナターゼ
型二酸化チタン微粒子に、2価又は3価の金属の塩、酸
化物並びに水酸化物からなる群より選ばれた少なくとも
一つを緊密に混合し、そしてその得られた混合物を50
0℃〜1200℃程度の温度にて加熱反応せしめること
によって、初めて、出発原料である二酸化チタン微粒子
の球形状をそのまま保有しつつ、平均粒子径が1μm前
後で、且つ単分散性の高い、狭い粒径分布を持つチタン
酸塩からなる球形微粉末の製造が可能となったのであ
る。
【0014】なお、本発明にあっては、先ず、先駆体と
して、上記の如き方法に従って、上記と同様な平均粒径
の範囲、狭い粒径分布及び大比表面積を有する球形多孔
質アナターゼ型二酸化チタン微粒子を製造し、次いでこ
れに、カルシウム、バリウム、ストロンチウム又は鉛の
化合物をそれぞれ緊密に混合し、これらの混合物のう
ち、カルシウム、バリウム又はストロンチウムの化合物
を含んだ混合物においては、有利には700℃〜120
0℃の温度範囲で、また鉛の化合物との混合物にあって
は、有利には500℃〜1000℃の温度範囲にて、各
々加熱反応せしめることによって、それら金属を含む強
誘電体セラミックス等の各種ファインセラミックス、特
に焼結体の原料として優れた、チタン酸カルシウム、チ
タン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム又はチタン酸
鉛のそれぞれからなる球形微粉末を得ることが可能であ
る。
【0015】そして、特に、本発明に従い、かくの如く
して製造されるチタン酸カルシウムやチタン酸鉛等のチ
タン酸塩からなる微粉末は、何れも、ペロブスカイト型
微結晶を主成分とする球形粒子から成り、球形粒子の長
さ平均径が0.5〜2.5μmの範囲であり、且つ重量
平均径と長さ平均径の比より求められる多分散指数が
1.1以下の狭い粒径分布を持つという、これまでのも
のには全く見られなかった、極めて優れた特徴を有する
球形微粉末なのである。
【0016】
【具体的構成】ところで、かかる本発明において、先駆
体として、先ず最初に製造される二酸化チタンの球形微
粒子は、結晶子径が一般に300Å以下のアナターゼ型
超微結晶の凝集して成るものであり、その粒子径は、熱
処理温度が高い程、幾らか小さく、また硫酸チタニルの
濃度に依存するが、特に反応終了時での溶液中の酸の濃
度に最も大きく影響を受ける。即ち、反応終了時におけ
る溶液中、酸の濃度が高い程、凝集粒子径は大きくな
る。しかしながら、酸濃度が8.0Nを越えるようにな
ると、凝集粒子径が粗大となり過ぎ、且つその球形化が
不完全となる。また、酸濃度が3.0N未満では、凝集
粒子径が小さくなり過ぎ、且つその球形化が不充分とな
り、また凝集粒子同志の2次凝集も起こり始める。従っ
て、本発明においては、反応終了時における酸の濃度が
3.0N〜8.0Nの範囲となるように、予め、主とし
て硫酸からなる酸を添加し、目的の凝集粒子径に応じ
て、出発溶液の組成が適宜に選択されるのである。
【0017】なお、本発明者らの研究の結果から、上記
のように、反応終了時の酸の濃度が高い程、凝集粒子径
が増大することが分かったが、その他、硫酸に代えて塩
酸を使用しても、凝集粒子径増大効果は認められるもの
の、粒子の球形化が著しく不完全となる他、安定なルチ
ル型二酸化チタンが生成し始め、比表面積の高いアナタ
ーゼ型のみの二酸化チタン凝集微粒子を得ることは出来
なくなることが分かった。従って、本発明における酸の
濃度は、主として硫酸から与えられるものでなければな
らないのである。
【0018】また、Ti濃度に関しては、もし充分な硫
酸が加えられるなら、1.0mol/l未満の濃度の溶液で
も、球形凝集微粒子が与えられるが、その場合には、析
出物の量が少なく、同一の処理から得られるアナターゼ
型二酸化チタン凝集粒子の数が少なくなり、経済的に実
用的でないものとなる。また一方、Ti濃度は高い程、
生成粒子が大量に得られて経済的であるが、Ti濃度が
3.0mol/l を越えるようになると、球形凝集化が不充
分となり、塊状粒子が混在するようになるところから、
Ti濃度としては、通常、1.0mol/l 〜3.0mol/l
の範囲において選択されることとなる。
【0019】そして、このような硫酸酸性水溶液は、所
定の密閉容器内に収容されて、一般に95℃〜200℃
程度の温度において、沸騰することなく加熱処理され
る。なお、この加熱処理時の温度が、95℃よりも低く
なると、孤立分散した微粒子を得ることが困難となるの
であり、また200℃より高い温度では、水熱処理設備
の費用が過大となって実際的でないだけでなく、結晶子
径が増大し、反応活性、その他の特性を劣化させる恐れ
があるところから、本発明にあっては、95℃〜200
℃の温度範囲において有利に設定される。
【0020】また、本発明において、加熱熟成は、重要
且つ不可欠の要素で、これにより析出物がアナターゼ型
二酸化チタンに結晶化すると共に、均一球形に凝集する
ことによって、静置すれば容易に自然沈降を起こすよう
になるところから、それらの現象が惹起されるまで、充
分に長時間、加熱熟成処理を続けることが必要となる。
この長時間の加熱熟成処理によって、目的とする孤立し
た均一な球形多孔質アナターゼ型二酸化チタンの凝集微
粒子を得ることが可能となるのである。この処理時間
は、温度が高い程短縮することが出来、例えば100℃
の温度では、1μm程度の球形微粒子を得るために、一
般に、10日間程の加熱熟成処理が必要となる。なお、
この処理時間が充分でない場合には、球形が不完全とな
るか、或いは球形化しない凝集粒子となる。
【0021】従って、本発明において、先ず、先駆体と
して、かくの如くして製造される二酸化チタン微粒子に
あっては、易反応性のアナターゼ型超微結晶の凝集した
球形粒子からなり、単分散性が高く、硫酸酸性水溶液中
においては互いに孤立しており、またその球形粒子径が
1μm前後で、しかも均一で狭い粒径分布を持ち、大比
表面積の多孔質であるという特徴を有することとなるの
である。
【0022】而して、本発明に従い、そのような特徴を
備えた二酸化チタン微粒子に、2価又は3価の金属の
塩、酸化物並びに水酸化物からなる群より選ばれた少な
くとも1つの金属化合物を緊密に混合するに際しては、
前記二酸化チタン微粒子の生成した硫酸酸性水溶液から
過剰の硫酸を除去すれば、該水溶液中の二酸化チタン微
粒子を必ずしも乾燥した粉末状とする必要はなく、該水
溶液中に存在させたまま、そのような金属化合物と混合
することも可能であり、またそのような湿式混合にあっ
ては、極めて緊密な混合が可能となるため、その後の加
熱反応時の反応性を高め得る利点を有するものである。
【0023】本発明において用いられる2価又は3価の
金属としては、例えばBa,Ca,Sr,Pb,Mg,
Al等が挙げられ、何れも、チタン酸塩を与える金属と
して、従来から公知のものが使用され得る。また、二酸
化チタン微粒子と混合せしめられる金属化合物は、それ
ら金属の塩、酸化物並びに水酸化物等が用いられる。そ
して、これらのうちから、目的とするチタン酸塩の種
類、或いは経済性に応じて、使用される金属及びその化
合物が適宜に選択されるのである。なお、二酸化チタン
微粒子に、それら金属化合物を混合せしめるに際して
は、必ずしも単独で使用する必要はなく、2種類以上の
金属化合物を組み合わせて添加、混合せしめることも可
能であり、またそれによって、最終的に得られるセラミ
ックスの温度特性や誘電特性を変化させることが出来る
のである。換言すれば、最終の目的とするファインセラ
ミックスの特性に応じて、二酸化チタン微粒子と混合せ
しめる金属化合物の種類とその組合せが適宜選択される
こととなるのである。
【0024】さらに、溶液中に溶解せしめて用いられる
塩化物以外の、上記の如き金属化合物は、二酸化チタン
微粒子とより緊密に混合せしめ、加熱反応性を向上させ
るために、通常、二酸化チタン微粒子と同程度の粒径の
ものが好ましく、特に平均粒径が20μm以下、より好
ましくは10μm以下のものが望ましい。なお、二酸化
チタン微粒子に対する金属化合物の混合比は、特に限定
されるものではないが、混合せしめられる金属化合物が
比較的安価なものが選択、使用される。また、二酸化チ
タン微粒子に対して、金属化合物を過剰に添加、混合し
て、加熱反応せしめた後、未反応の金属成分を水洗また
は酸処理にて除去することによって、生成するチタン酸
塩の球形凝集粒子を、一層孤立化して球形を保ち、個々
の凝集粒子の化学組成を、一層均一に保ことが出来る。
【0025】そして、かかる混合物は、目的とするチタ
ン酸塩からなる球形微粉末を得るために、混合される金
属化合物の種類に応じた反応に有効な温度範囲におい
て、加熱されることとなる。例えば、Ba,Ca,Sr
等の化合物を用いる場合において、加熱温度は、700
℃〜1200℃の範囲とされる。この加熱温度が700
℃より低いと、加熱による固相反応が殆ど惹起せしめら
れ得ず、また1200℃より高い温度では、反応生成物
粒子が互いに接触面積を広げ、強固に塊状化し、特徴的
な球形の微粒子形状を失うこととなるからである。ま
た、Pbを使用する場合にあっては、500℃〜100
0℃の温度範囲において加熱せしめられるのであり、加
熱温度が500℃より低いと、反応が殆ど惹起されず、
また1000℃より高い温度では、微粒子の球状形状が
崩れてしまうからである。従って、本発明にあっては、
加熱反応における温度範囲が一般に500℃〜1200
℃とされるのが好ましい。
【0026】なお、この加熱反応において、加熱時間
は、特に限定されるものではない。加熱時間を充分に長
くすれば、比較的低温度でも二酸化チタン微粒子と金属
化合物との混合物の加熱による固相反応が完了し、かか
る混合物は、完全にペロブスカイト型のチタン酸塩から
なる球形微粉末に変化するのであり、また加熱時間を短
くすると、チタン酸塩の生成反応が中途で停止し、かか
る混合物は、チタン酸塩からなる球形微粉末と未反応の
二酸化チタン微粒子及び金属化合物とが混在するものと
なる。それ故、本発明にあっては、一般に、加熱時間を
充分に長くすることが望ましいが、セラミックスの用途
によっては、焼結体の熱膨張制御のために、あえてチタ
ン酸塩の球形微粉末と二酸化チタン微粒子の混合物を必
要とする場合があり、その場合においては、反応時間を
短くする必要がある。それ故、本発明にあっては、上記
混合物の加熱反応時間は、目的とする反応生成物に応じ
て適宜に設定されるのである。
【0027】以上述べたように、本発明によれば、先駆
体としての球形多孔質アナターゼ型二酸化チタン微粒子
が反応活性であるため、所定の金属化合物との加熱によ
る固相反応において、比較的低温度から速やかに反応が
進行し、しかもペロブスカイト型のチタン酸塩のみが優
先的に生成するのである。また、かかる二酸化チタン微
粒子が、超微粒子が球形凝集化した相対密度50%程度
の多孔質粒子であるため、金属化合物における反応物質
は、この球形多孔質二酸化チタン微粒子の粒子内部にま
で容易に拡散し、均一な生成物が得られるのであり、更
に驚くべきことに、かかる反応生成物は、元の二酸化チ
タン微粒子の球状形状を保存または継承し、結果とし
て、平均粒子径が1μm前後で且つ単分散性の高い、狭
い粒径分布を持つ各種チタン酸塩からなる球形微粉末と
なるのである。このように、二酸化チタン微粒子と金属
化合物との混合物を、単に加熱し、固相反応を惹起せし
めることによって、ファインセラミックス、特に焼結体
の原料として、極めて優れた特徴を有するチタン酸塩か
らなる球形微粉末を製造し得る手法は、従来全く知られ
ていないものである。
【0028】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解さ
れるべきである。
【0029】実施例 1 硫酸チタニル粉末(TiOSO4 ・2H2 O、他に遊離
のH2 SO4 及びH2 Oを含む)を蒸留水に溶解し、溶
液中のTi濃度及びSO4 2-イオン濃度を化学分析によ
り定量し、追加硫酸量及び蒸留水の量を調整して、表1
に示すような、Ti濃度1.0mol/l 〜3.0mol/l 、
並びに各反応終了時における硫酸の濃度2.8N〜8.
4Nの範囲の、各種の透明な溶液を調製した。次いで、
それらの溶液をそれぞれ弗素樹脂製容器中に一定量分取
し、密閉した後、110℃(一部は98℃)の恒温槽内
に静置し、1日、3日、5日、10日及び15日間の加
熱処理を行なった。この熱処理により析出した反応生成
物は、先ず、遠心分離器にかけて、回転数1500rpm
の場合の沈降物(沈澱粒子部とする)と残液部分とに分
け、残液部分中に残る沈降しなかった微粒子部分は塩酸
を添加することにより、別に凝集沈降させた(浮遊粒子
部とする)。
【0030】各処理時間後に得られた沈澱粒子部及び浮
遊粒子部の量は、全て、1000℃で2時間加熱し、二
酸化チタンとして秤量して求めた。その結果は図1に示
す通りである。ここで、沈澱粒子部は、本発明に係る球
形多孔質アナターゼ型二酸化チタン微粒子の前段状態に
相当し、やや不完全な球形の凝集粒子から成る部分であ
るが、浮遊粒子部は遠心分離器によって沈降しない超微
粒子部分で、加熱前60℃乾燥物のX線観察によれば、
アナターゼ型二酸化チタンであり、加熱後はルチル型二
酸化チタンとなる。従って、各処理時間後の沈澱粒子部
と浮遊粒子部の合計量の、生成される二酸化チタン量の
理論値に対する百分率が、加水分解反応率に相当する。
図から求めた各試料の加水分解反応の終了時間及び球形
凝集化完了時間を、球形凝集化完了後の凝集粒子径と共
に、表1に示した。なお、ここで言う変動係数とは、標
準偏差を平均径で除したものであって、数値が小さい
程、粒径が均一であることを示している。
【0031】
【表1】
【0032】図1及び表1から明らかなように、110
℃の熱処理では、加水分解反応は濃度によって数時間か
ら3日間で略終了するが、球形凝集粒子化が完了するに
は、更に長時間が必要であり、Ti濃度よりも反応終了
時における硫酸の濃度の影響が大きいことが分かる。こ
の硫酸濃度が4.2N(試料D)、5.6N(試料E)
及び7.0N(試料G)の溶液では、それぞれ約3日
間、約10日間の熱処理熟成が必要となる。そして、加
水分解反応が終了しただけでは、その生成物は、超微粒
子と球形化不完全な凝集粒子の混合物であり、それ自体
均一な微粒子でないだけでなく、それから超微粒子だけ
を除去することも困難で、これを乾燥すれば、球形粒子
は2次凝集を起こし易く、均一な、孤立した球形の凝集
粒子を得ることは、通常困難である。
【0033】ところで、充分に長時間の熟成により、球
形凝集粒子化が完了した段階では、析出粒子は全て球形
化して沈降し、透明な上澄み液が形成される。この最終
沈降物については、走査型電子顕微鏡(SEM)観察に
よれば、試料Aは、粒径がやや小さく、球形化が幾らか
不完全であり、試料Hは、15日間に亘る加熱処理によ
っても未だ球形化が完了せず、生成物は不完全凝集球及
び未凝集の析出物で、乾燥後は塊状物となるが、本発明
の範囲内に入る他の試料では、全て大きさの均一な球形
の微粒子が、極めてよく孤立、分散していることが認め
られた。一例として、試料Eの走査型電子顕微鏡(SE
M)写真を図2、試料Gの走査型電子顕微鏡(SEM)
写真を図3にそれぞれ示す。何れもきれいな球形粒子と
なっていることが認められる。
【0034】また、生成物の平均粒子径は、同一処理温
度でTi濃度の同じ試料(試料AとB,及び試料Eと
F)を比較すると、反応終了時の酸の濃度によって大き
く変化し、酸の濃度が高い程大きくなり、またこの酸の
濃度がほぼ同じ場合(試料BとD,及び試料FとG)で
は、Tiの濃度が変わっても、平均粒子径には大きな差
が生じないことが分かる。そして、これらのSEM写真
から求めた各球形粒子の粒径分布を求め、重量平均径と
長さ平均径の比より求められる多分散指数を計算したと
ころ、表1に示すように、全て1.1以下であった。ま
た、これらの球形の微粒子は、X線回折の測定から、表
1に示すように、全て結晶子径300Å以下のアナター
ゼ型の超微結晶から成るものであり、また、何れも、2
00℃乾燥粉末の比表面積が70m2 /g以上であるこ
とが分かった。
【0035】以上のうち、代表的な試料Eについて、4
00℃及び700℃に、それぞれ、2時間、空気中で加
熱した粉末に対し、比表面積を測定したところ、それぞ
れ91m2 /g及び28m2 /gであり、400℃まで
は極めて高い比表面積を保っていた。更に、試料Eに対
して、そのTi濃度の約倍量の炭酸カルシウム(CaC
3 )を添加した混合物を、600℃〜1300℃でそ
れぞれ2時間、5時間、10時間及び24時間加熱し
た。そして、それにより得られた生成物に対し、X線回
折により生成結晶を調べ、またSEM観察により粒子形
状を調べた。その結果を表2に示す。
【0036】なお、表2における符号は、それぞれの物
質の量及び粒子形状を表し、次の通りとする。また、以
下の表においても同様とする。VS:非常に多い,S:
多い,M:やや多い,W:少ない,VW:非常に多い,
○:孤立分散した均一球,×:塊状化。
【0037】
【表2】
【0038】この表2から明らかなように、加熱温度が
700℃以上のものは、全ての加熱時間において、チタ
ン酸カルシウム(CaTiO3 )の生成が認められ、9
00℃、10時間以上の加熱処理では、二酸化チタン
(TiO2 )の殆ど全てがCaTiO3 となっているこ
とが分かる。しかし、加熱温度が600℃以下では、殆
どCaTiO3 の生成が認められないのである。また、
1200℃以下の加熱温度においては、得られたCaT
iO3 は、孤立分散し且つ粒径がよく揃った球状形状を
成しているが、1300℃以上の温度になると、球形粒
子と球形粒子との間に焼結による2次凝集化が惹起せし
められて、球状形状を維持出来なくなることが分かる。
なお、X線回折の測定から、生成されたCaTiO3
ペロブスカイト型微結晶を主成分とする粒子から成るも
のである。
【0039】さらに、試料Eの60℃乾燥物(アナター
ゼ型)、900℃、2時間の加熱粉末(アナターゼ型)
及び1000℃、2時間の加熱粉末(ルチル型)、並び
に先に生成したCaTiO3 のうち、900℃、24時
間加熱して生成したものについて、SEM観察をしたと
ころ、加熱後も全ての試料粉末粒子は球形であり、何れ
も粒径がよく揃っており、粒径分布の狭い極めて均一な
状態を保っていた。これらの粉末粒子に対し、SEM写
真から計測した粒径分布を図4に示した。
【0040】図4からも明らかなように、本発明におい
て、先ず、先駆体として製造される球形多孔質アナター
ゼ型二酸化チタン微粒子は、単独では、これを高温で加
熱することによって、個々の球形凝集粒子は、球形を保
ちながら収縮して、粒子径を減少させる。この粒子径の
減少から、試料Eの球形粒子の相対密度は約50%程度
と計算される。これらから、かかる二酸化チタンの球形
微粒子が、アナターゼ型超微結晶から成ることの他に、
この相対密度が低く、比表面積の高いことが、他の金属
化合物との反応性を高め、しかもチタン酸塩等の反応生
成物の形状が球状に保たれる原因と考えられる。
【0041】また、同図から明らかなように、CaTi
3 の粉末粒子は、粒子径が1μm前後で、粒径分布の
狭い極めて均一な球形粒子となっており、しかもその粒
子径並びに粒径分布は、試料Eを60℃にて乾燥させて
得られた原料二酸化チタンの粒子径並びに粒径分布にほ
ぼ類似したものであって、重量平均径と長さ平均径の比
より求められる多分散指数が1.1以下であった。これ
らから、本発明に従って生成されるチタン酸カルシウム
が、原料二酸化チタン微粒子の球状形状を保有し、結果
として、平均粒子径が1μm前後で且つ狭い粒径分布を
持つチタン酸カルシウムからなる球形微粉末となること
が分かる。このようなことは、従来の二酸化チタン微粒
子を原料として用いた場合には、全く得ることの出来な
い結果である。
【0042】次いで、このようにして得られたCaTi
3 微粉末のうち、900℃、10時間加熱して生成さ
れたCaTiO3 微粉末を、1t/cm2 の上下プレスに
よって、直径25mmの円板に成形した。この成形物の嵩
密度は2.16g/cm3 (理論密度を4.00g/cm3
として計算すれば、相対密度は54%)で、極めて高い
充填性を示した。これは、粉末粒子が微細であるにも拘
わらず、孤立した球形粒子であることによるものと考え
られる。また、この成形物を1200℃、1300℃並
びに1350℃でそれぞれ2時間焼成した後、それらの
嵩密度、及び理論密度を4.00g/cm3 としたときの
相対密度を計算した。その結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】かかる表3からも明らかなように、130
0℃及び1350℃で焼成したものは、嵩密度がそれぞ
れ3.91g/cm3 、3.92g/cm3 で、相対密度が
何れも98%となり、比較的低温で、ほぼ理論密度の焼
結体が得られた。さらに、この焼結体の研磨面をSEM
観察したところ、1μm以上の気孔は殆ど認められなか
った。それ故、このようなチタン酸カルシウムからなる
球形微粉末を焼成して得られた焼結体にあっては、極め
て優れた磁気ヘッドのスライダー用セラミックス材料と
して使用され得る利点を有するのである。
【0045】実施例 2 実施例1と同様にして得られた、表1に示される試料E
と炭酸バリウム(BaCO3 )との等モル混合物を、6
00℃〜1300℃で、それぞれ2時間、5時間、10
時間及び24時間加熱した。そして、それにより得られ
た生成物に対し、X線回折により生成結晶を調べ、また
SEM観察により粒子形状を調べた。その結果を表4に
示す。
【0046】
【表4】
【0047】この表4から明らかなように、加熱温度が
700℃以上のものは全ての加熱時間において、BaT
iO3 の生成が認められ、また800℃、2時間以上の
加熱処理では、二酸化チタン(TiO2 )の殆ど全てが
BaTiO3 となっていることが分かる。しかし、加熱
温度が600℃以下では、殆どBaTiO3 の生成が認
められなかった。また、1200℃以下の加熱温度にお
いては、得られたBaTiO3 は、孤立分散し且つ粒径
がよく揃った球状形状を成しているが、1300℃以上
の温度になると、球形粒子と球形粒子との間に焼結によ
る2次凝集化が惹起せしめられて、球状形状を維持出来
なくなることが分かる。
【0048】さらに、900℃、24時間加熱して生成
したBaTiO3 のSEM写真から計測した粒径分布
は、同様にして得られたCaTiO3 の粒径分布を示し
た図4とほぼ同一の形態を示した。即ち、BaTiO3
の粉末粒子は、粒子径が1μm前後で、粒径分布の狭
い、極めて均一な球形粒子となっており、しかもその粒
子径並びに粒径分布は、試料Eを60℃にて乾燥させて
得られた原料二酸化チタンの粒子径並びに粒径分布にほ
ぼ類似したものとなる。これから、本発明に従って生成
されるチタン酸バリウムが、原料二酸化チタン微粒子の
球状形状を保有し、結果として、平均粒子径が1μm前
後で且つ狭い粒径分布を持つチタン酸バリウムからなる
球形微粉末となることが分かる。
【0049】次いで、このようにして得られたBaTi
3 微粉末のうち、900℃、10時間加熱して生成さ
れたBaTiO3 微粉末を、1t/cm2 の上下プレスに
よって、直径25mmの円板に成形した。この成形物の嵩
密度は3.302g/cm3 (理論密度を6.00g/cm
3 として計算すれば、相対密度は55%)で、極めて高
い充填性を示した。これは、粉末粒子が微細であるにも
拘わらず、孤立した球形粒子であることによるものと考
えられる。また、この成形物を1300℃、1350℃
並びに1400℃でそれぞれ2時間焼成した後、それら
の嵩密度、及び理論密度を6.00g/cm3 としたとき
の相対密度を計算した。その結果を表5に示す。
【0050】
【表5】
【0051】この表5からも明らかなように、1350
℃又は1400℃の温度で焼成したものは、嵩密度がそ
れぞれ5.86g/cm3 、5.89g/cm3 で、相対密
度が何れも98%となり、比較的低温で、ほぼ理論密度
の焼結体が得られた。
【0052】実施例 3 実施例1と同様にして得られた、表1に示される試料E
と炭酸ストロンチウム(SrCO3 )との等モル混合物
を、600℃〜1300℃でそれぞれ2時間、5時間、
10時間及び24時間加熱した。そして、それにより得
られた生成物に対し、X線回折により生成結晶を調べ、
またSEM観察により粒子形状を調べた。その結果を表
6に示す。
【0053】
【表6】
【0054】かかる表6の結果から明らかなように、加
熱温度が700℃以上のものは全ての加熱時間におい
て、SrTiO3 の生成が認められ、800℃、5時間
以上の加熱処理では、二酸化チタン(TiO2 )の殆ど
全てがSrTiO3 となっていることが分かる。しか
し、加熱温度が600℃以下では、殆どSrTiO3
生成が認められない。また、1200℃以下の加熱温度
においては、得られたSrTiO3 は、孤立分散し且つ
粒径がよく揃った球形状を成しているが、1300℃以
上の温度になると、球形粒子と球形粒子との間に焼結に
よる2次凝集化が惹起せしめられて、球状形状を維持出
来なくなることが分かる。なお、凝集した粒子について
は、粉砕にて簡単に分離することが出来た。
【0055】さらに、900℃で24時間加熱して生成
したSrTiO3 のSEM写真から計測した粒径分布
は、同様にして得られたCaTiO3 の粒径分布を示し
た図4とほぼ同一の形態を示した。即ち、SrTiO3
の粉末粒子は、粒子径が1μm前後で、粒径分布の狭い
極めて均一な球形粒子となっており、しかもその粒子径
並びに粒径分布は、試料Eを60℃にて乾燥させて得ら
れた原料二酸化チタンの粒子径並びに粒径分布にほぼ類
似したものとなる。これから、本発明に従って生成され
るチタン酸ストロンチウムが、原料二酸化チタン微粒子
の球状形状を保有し、結果として、平均粒子径が1μm
前後で且つ狭い粒径分布を持つチタン酸ストロンチウム
からなる球形微粉末となることが分かる。
【0056】次いで、このようにして得られたSrTi
3 微粉末のうち、900℃で10時間加熱して生成し
たSrTiO3 微粉末を、実施例1と同様な方法によっ
てプレスして、直径25mmの円板に成形した。この成形
物の嵩密度は2.802g/cm3 (理論密度を5.12
g/cm3 として計算すれば、相対密度は55%)で、極
めて高い充填性を示した。これは、上記実施例1及び2
と同様に、SrTiO3 粉末粒子が微細であるにも拘わ
らず、単分散性が高く、孤立した球形粒子であることに
よるものと考えられる。また、この成形物を1300
℃、1350℃並びに1400℃でそれぞれ2時間焼成
した後、それらの嵩密度、及び理論密度を5.12g/
cm3 としたときの相対密度を計算した。その結果を表7
に示す。
【0057】
【表7】
【0058】この表7からも明らかなように、1350
℃及び1400℃の温度で焼成したものは、嵩密度がそ
れぞれ5.01g/cm3 、5.04g/cm3 で、相対密
度が何れも98%となり、比較的低温で、ほぼ理論密度
の焼結体が得られた。
【0059】実施例 4 実施例1と同様にして得られた、表1に示される試料E
と酸化鉛(PbO3 )との等モル混合物を、400℃〜
1100℃でそれぞれ2時間加熱した。そしてそれによ
り得られた生成物に対し、X線回折により生成結晶を調
べ、またSEM観察により粒子形状を調べた。その結果
を表8に示す。
【0060】
【表8】
【0061】かかる表8の結果から明らかなように、加
熱温度が500℃以上のものは、二酸化チタン(TiO
2 )の殆ど全てがPbTiO3 となっていることが分か
る。しかし、加熱温度が400℃以下では、殆どPbT
iO3 の生成が認められない。また、1000℃以下の
加熱温度においては、得られたPbTiO3 は、孤立分
散し且つ粒径がよく揃った球状形状を成しているが、1
100℃以上の温度になると、球形粒子と球形粒子との
間に焼結による2次凝集化が惹起せしめられて、球状形
状を維持出来なくなることが分かる。なお、X線回折の
測定から、生成されたPbTiO3 はペロブスカイト型
微結晶を主成分とする粒子から成るものである。
【0062】さらに、900℃で2時間加熱して生成し
たPbTiO3 のSEM写真から計測した粒径分布は、
同様にして得られたCaTiO3 の粒径分布を示した図
4とほぼ同一の形態を示し、また重量平均径と長さ平均
径との比より求められる多分散指数も1.1以下であっ
た。これらから、本発明に従って生成されるチタン酸鉛
が、前記実施例2及び3と同じく、原料二酸化チタン微
粒子の球状形状を保有し、結果として、平均粒子径が1
μm前後で、単分散性の高い、狭い粒径分布を持つチタ
ン酸鉛からなる球形微粉末となることが分かる。
【0063】実施例 5 BaCO3 :1モルとSrCO3 :1モルを混合し、ミ
ル中で湿式混合粉砕を6時間行なった。このときの混合
粉砕物の平均粒径は、0.8μmであった。そして、こ
の得られた混合粉砕物と、本発明に従って製造され、そ
の後よく洗浄された球形多孔質アナターゼ型二酸化チタ
ン微粒子の2モルとを、1時間を要して充分に混合せし
め、その後、かかる混合物を100℃で乾燥させた後、
700℃〜1300℃で加熱反応せしめ、それによって
得られた生成物について、X線回折により生成結晶を調
べ、またSEM観察により粒子形状を調べた。その結果
を表9に示す。なお、ここでいう固溶体とは、Ba及び
Srを含むペロブスカイト型チタン酸塩の結晶である。
【0064】
【表9】
【0065】この表9の結果から明らかなように、全て
の条件において、(Ba,Sr)TiO3 の固溶体の生
成が認められ、800℃、5時間以上の加熱処理では、
殆ど全てが(Ba,Sr)TiO3 となっていることが
分かる。また、800℃〜1200℃の範囲の加熱温度
においては、得られた(Ba,Sr)TiO3 の固溶体
は、孤立分散し且つ粒径が均一な球状形状を成している
が、700℃、5時間以下の加熱処理では、殆ど(B
a,Sr)TiO3 の固溶体の生成が認められない。そ
して、1300℃以上の温度になると、球形粒子と球形
粒子との間に焼結によって塊状化して、球状形状を維持
出来なくなることが分かる。これらから、金属化合物を
組み合わせて用いた場合にあっても、それを単独で使用
する場合と同様な特徴を有する固溶体チタン酸塩からな
る球形微粉末の製造が可能であることが分かる。
【0066】実施例 6 BaCO3 :0.7モルについて、ミル中で湿式粉砕を
6時間行ない、この粉砕物に、本発明に従って製造し、
その後よく洗浄された球形多孔質アナターゼ型二酸化チ
タン微粒子の1モルとBaCl2 :0.3モルとを投入
し、更に1時間混合粉砕を行なった。そして、その後、
かかる混合物を100℃で乾燥させた後、800℃、1
000℃及び1200℃で加熱反応せしめ、それによっ
て得られた生成物について、X線回折により生成結晶を
調べ、またSEM観察により粒子形状を調べた。その結
果を表10に示す。
【0067】
【表10】 かかる表10の結果から明らかなように、BaCl2
如き塩化物を溶液として、本発明による二酸化チタン微
粒子に添加、混合せしめた場合であっても、実施例2と
同様な結果を示し、目的とする極めて特徴的なチタン酸
バリウムからなる球形微粉末の製造が可能であることが
分かる。
【0068】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、易反応性のアナターゼ型超微結晶が均一、球形に凝
集した球形多孔質アナターゼ型二酸化チタン微粒子と各
種金属化合物を混合し、その混合物を加熱反応せしめる
ことによって、原料二酸化チタン微粒子の球状形状をそ
のまま保有し、平均粒子径が1μm前後で且つ単分散性
の高い、狭い粒径分布を持った各種チタン酸塩からなる
球形微粉末の製造を可能としたのであり、また本発明に
あっては、かかる原料二酸化チタン微粒子を、簡単な工
程で、大量に且つ安価に得られる手法によって製造し、
これに2価及び3価の金属の塩、酸化物並びに水酸化物
からなる群のうち、経済的に有利なものを選択し、その
少なくとも1つを添加、混合して原料粉末混合物とする
ため、原料コストを有利に低減せしめ得、しかもかかる
混合物の加熱処理が、何等特別な雰囲気を必要とせず、
従って特別な装置を用いずに、大気中において加熱せし
め、固相反応を惹起せしめるという、極めて簡便で且つ
低コストな操作であるところから、上記の如き優れた特
徴を有するチタン酸塩からなる球形微粉末を、簡便な工
程で、大量に且つ安価に生産し得ることとなったのであ
る。
【0069】また、本発明によって得られるチタン酸塩
からなる球形微粉末は、平均粒子径が1μm前後の均一
な球形で、単分散性が高く、狭い粒径分布を持つとい
う、ファインセラミックス、特に焼結体の優れた粉末原
料として要求される条件を全て備えた球形微粉末である
ため、従来の如く、これを乾式プレス等によって所望の
形状に成形するに際しても、極めて高い充填性を得るこ
とが出来るのであって、更にかかる成形物を焼成する場
合にあっても、比較的低温度で所定の焼結体が得られ、
焼結性を有利に高め得ることとなり、以て最終の目的生
成物であるセラミックスの高品位化及びその製造工程に
おける作業性、生産性の効果的な向上、ひいてはその低
コスト化が図られ得るのである。
【0070】さらに、本発明によれば、平均粒子径が1
μm前後で且つ単分散性の高い、狭い粒径分布を持ち、
ファインセラミックスの焼結体原料として、極めて優れ
たチタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、チタン酸ス
トロンチウム並びにチタン酸鉛等のそれぞれチタン酸塩
からなる球形微粉末を簡便に、大量に且つ安価に製造し
得るのである。
【0071】そして、特に、本発明に従ってそれぞれ製
造される、チタン酸カルシウムやチタン酸鉛等のチタン
酸塩からなる球形微粉末は、0.5〜2.5μmの範囲
の球形粒子の長さ平均径を有し、且つ重量平均径と長さ
平均径の比より求められる多分散指数が1.1以下の狭
い粒径分布を持ち、更にはペロブスカイト型微結晶を主
成分とする球形微粒子から成るという、従来にはない特
徴を有するものであって、これらは、各種強誘電体、圧
電体、焦電体等のセラミックスの極めて優れた材料また
はその添加成分として用いられ得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱処理時間と加水分解生成物の生成率並びに
球形凝集化の進行の程度の測定結果を示すグラフであ
る。
【図2】実施例1において得た二酸化チタン球形微粒
子:試料Eの粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真であ
る。
【図3】実施例1において得た二酸化チタン球形微粒
子:試料Gの粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真であ
る。
【図4】実施例1において得た、試料E及びその加熱反
応生成物、並びに炭酸カルシウムとの反応生成物の粒子
径分布図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江副 正信 愛知県瀬戸市塩草町11番地の4 内外セ ラミックス株式会社内 (72)発明者 加藤 邦夫 愛知県瀬戸市塩草町11番地の4 内外セ ラミックス株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−367512(JP,A) 特開 昭60−86024(JP,A) 特開 平5−58633(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸チタニル溶液を加熱して加水分解せ
    しめ、二酸化チタンを析出させるに際し、反応終了時に
    おける酸の濃度が3.0N〜8.0Nの強酸性領域とな
    るように、主として硫酸からなる酸にて、予め出発状態
    で調整した濃厚な硫酸チタニル若しくは硫酸チタンの酸
    性水溶液を用い、それを加熱処理することにより、先ず
    先駆体として、アナターゼ型超微結晶の凝集した球形粒
    子からなり、該球形粒子の長さ平均径が0.5〜2.5
    μmの範囲で、且つ重量平均径と長さ平均径の比より求
    められる多分散指数が1.1以下の狭い粒径分布を持
    ち、その比表面積が70m2 /g以上である球形多孔質
    アナターゼ型二酸化チタン微粒子を製造し、次いでこれ
    に、2価又は3価の金属の塩、酸化物並びに水酸化物か
    らなる群より選ばれた少なくとも一つを緊密に混合せし
    め、そしてその得られた混合物を加熱反応させて、チタ
    ン酸塩微粒子を生成せしめることを特徴とするチタン酸
    塩からなる球形微粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 硫酸チタニル溶液を加熱して加水分解せ
    しめ、二酸化チタンを析出させるに際し、反応終了時に
    おける酸の濃度が3.0N〜8.0Nの強酸性領域とな
    るように、主として硫酸からなる酸にて、予め出発状態
    で調整した濃厚な硫酸チタニル若しくは硫酸チタンの酸
    性水溶液を用い、それを加熱処理することにより、先ず
    先駆体として、アナターゼ型超微結晶の凝集した球形粒
    子からなり、該球形粒子の長さ平均径が0.5〜2.5
    μmの範囲で、且つ重量平均径と長さ平均径の比より求
    められる多分散指数が1.1以下の狭い粒径分布を持
    ち、その比表面積が70m2 /g以上である球形多孔質
    アナターゼ型二酸化チタン微粒子を製造し、次いでこれ
    に、カルシウムの化合物を緊密に混合せしめ、そしてそ
    の得られた混合物を加熱反応させて、チタン酸カルシウ
    ム微粒子を生成せしめることを特徴とするチタン酸カル
    シウムからなる球形微粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 硫酸チタニル溶液を加熱して加水分解せ
    しめ、二酸化チタンを析出させるに際し、反応終了時に
    おける酸の濃度が3.0N〜8.0Nの強酸性領域とな
    るように、主として硫酸からなる酸にて、予め出発状態
    で調整した濃厚な硫酸チタニル若しくは硫酸チタンの酸
    性水溶液を用い、それを加熱処理することにより、先ず
    先駆体として、アナターゼ型超微結晶の凝集した球形粒
    子からなり、該球形粒子の長さ平均径が0.5〜2.5
    μmの範囲で、且つ重量平均径と長さ平均径の比より求
    められる多分散指数が1.1以下の狭い粒径分布を持
    ち、その比表面積が70m2 /g以上である球形多孔質
    アナターゼ型二酸化チタン微粒子を製造し、次いでこれ
    に、バリウムの化合物を緊密に混合せしめ、そしてその
    得られた混合物を加熱反応させて、チタン酸バリウム微
    粒子を生成せしめることを特徴とするチタン酸バリウム
    からなる球形微粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 硫酸チタニル溶液を加熱して加水分解せ
    しめ、二酸化チタンを析出させるに際し、反応終了時に
    おける酸の濃度が3.0N〜8.0Nの強酸性領域とな
    るように、主として硫酸からなる酸にて、予め出発状態
    で調整した濃厚な硫酸チタニル若しくは硫酸チタンの酸
    性水溶液を用い、それを加熱処理することにより、先ず
    先駆体として、アナターゼ型超微結晶の凝集した球形粒
    子からなり、該球形粒子の長さ平均径が0.5〜2.5
    μmの範囲で、且つ重量平均径と長さ平均径の比より求
    められる多分散指数が1.1以下の狭い粒径分布を持
    ち、その比表面積が70m2 /g以上である球形多孔質
    アナターゼ型二酸化チタン微粒子を製造し、次いでこれ
    に、ストロンチウムの化合物を緊密に混合せしめ、そし
    てその得られた混合物を加熱反応させて、チタン酸スト
    ロンチウム微粒子を生成せしめることを特徴とするチタ
    ン酸ストロンチウムからなる球形微粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 硫酸チタニル溶液を加熱して加水分解せ
    しめ、二酸化チタンを析出させるに際し、反応終了時に
    おける酸の濃度が3.0N〜8.0Nの強酸性領域とな
    るように、主として硫酸からなる酸にて、予め出発状態
    で調整した濃厚な硫酸チタニル若しくは硫酸チタンの酸
    性水溶液を用い、それを加熱処理することにより、先ず
    先駆体として、アナターゼ型超微結晶の凝集した球形粒
    子からなり、該球形粒子の長さ平均径が0.5〜2.5
    μmの範囲で、且つ重量平均径と長さ平均径の比より求
    められる多分散指数が1.1以下の狭い粒径分布を持
    ち、その比表面積が70m2 /g以上である球形多孔質
    アナターゼ型二酸化チタン微粒子を製造し、次いでこれ
    に、鉛の化合物を緊密に混合せしめ、そしてその得られ
    た混合物を加熱反応させて、チタン酸鉛微粒子を生成せ
    しめることを特徴とするチタン酸鉛からなる球形微粉末
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 ペロブスカイト型微結晶を主成分とする
    球形粒子から成り、球形粒子の長さ平均径が0.5〜
    2.5μmの範囲であり、且つ重量平均径と長さ平均径
    の比より求められる多分散指数が1.1以下の狭い粒径
    分布を持つチタン酸塩からなる球形微粉末。
  7. 【請求項7】 ペロブスカイト型微結晶を主成分とする
    球形粒子から成り、球形粒子の長さ平均径が0.5〜
    2.5μmの範囲であり、且つ重量平均径と長さ平均径
    の比より求められる多分散指数が1.1以下の狭い粒径
    分布を持つチタン酸カルシウムからなる球形微粉末。
  8. 【請求項8】 ペロブスカイト型微結晶を主成分とする
    球形粒子から成り、球形粒子の長さ平均径が0.5〜
    2.5μmの範囲であり、且つ重量平均径と長さ平均径
    の比より求められる多分散指数が1.1以下の狭い粒径
    分布を持つチタン酸鉛からなる球形微粉末。
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