JPH0128521Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電子写真法、静電記録法、磁気写真法
等により、普通紙や感光紙等の支持材上に形成さ
れたトナー像を定着するための定着装置に関す
る。

この種の定着装置、例えば加熱定着装置では定
着ローラ即ち加熱ローラと圧接ローラ間にトナー
像支持材を、そのトナー像を支持する面が加熱ロ
ーラに接するように通過させるものである。この
ため加熱ローラ表面はトナー像がオフセツトしな
いようにシリコンゴム或いは４弗化エチレン樹脂
等のオフセツト防止材料の被膜が設けられてい
る。しかし定着性を向上させるためローラ表面温
度を高めた場合、或いはローラ表面のオフセツト
防止材料が劣化した場合、トナー像が加熱ローラ
にオフセツトし易くなり、甚だしいとトナー像支
持材が加熱ローラに巻付くことがある。そこで定
着ローラ表面にフエルト、ローラ等によりシリコ
ンオイル等のオフセツト防止液（液体離型剤）を
塗布することが一般に行われている。

オフセツト防止液を塗布する場合、加熱ローラ
表面もしくは圧接ローラ表面のオフセツト防止液
量を適量にすることが必要である。一般に塗布部
材としては、毛細管現象を利用してオフセツト防
止液を吸収し、保持する性質を持つた耐熱フエル
ト、或いは耐熱布等が使用される。塗布方法は直
接上記耐熱フエルト又は耐熱布を加熱ローラに押
圧する方法と、液体離型剤を吸収保持する性質の
塗布ローラにフエルト又は布を押圧して離型剤を
移し、この塗布ローラによつて離型剤を加熱ロー
ラもしくは圧接ローラに塗布する方法等がある。
ところがオフセツト防止液を塗布してもわずかな
オフセツトは生じるので、このオフセツトを清掃
するためのクリーナを設ける事が一般に行われて
いる。このクリーナは耐熱フエルトまたは耐熱布
等が用いられている。しかし加熱ローラ回転での
クリーニング効果は100％とはならず極くわずか
ながらオフセツトしたトナーが残る。このような
クリーニング不良によつて加熱ローラ上に残つた
トナーはオフセツト防止液の塗布部材であるロー
ラまたはフエルトに次第に蓄積してオフセツト防
止液を均一に塗布することが不可能となる。

本考案の目的は、従来の欠点を改善して常に一
定のクリーニング効果とオイル塗布を可能とする
ものである。

上記目的を達成する本発明は、支持材上のトナ
ー像を定着するための定着ローラと、この定着ロ
ーラをクリーニングする離型剤を含浸したウエブ
と、このウエブを移送する手段と、を有する定着
装置において、上記ウエブを定着ローラに押圧す
る、第１の押圧ローラと第１の押圧ローラより定
着ローラ回転方向下流側に設けられた第２の押圧
ローラと、を有し、この第２の押圧ローラはスポ
ンジ状であることを特徴とするものである。

以下、図面に示す実施例について説明する。第
１図は本考案定着装置の実施例の斜視図である。
普通紙等のトナー像支持材Ｐのトナー像支持面が
圧接される加熱定着ローラ１の内部にはヒータ２
が設けられ、トナー粉末を熱融解して支持材に定
着するために必要な熱エネルギーを供給する。こ
の加熱ローラ１は金属ローラの表面にクロームメ
ツキや４弗化エチレン樹脂の薄層を有する。圧接
ローラ３は金属芯金の外周にシリコンゴム等の弾
性体の比較的厚い層を設けたもので、加圧機構
（不図示）により加熱ローラへ圧接される位置
（定着処理時）と圧接されない位置（定着休止時）
に相対移動する。加熱ローラ１は駆動モータ（不
図示）により矢印方向に駆動される。圧接ローラ
３はこの回転に従つて摩擦回転する。これにより
ローラ１，３間に挿入されたトナー像支持材Ｐを
搬送しつつトナー像を定着する。ウエブ４は不織
布等の耐熱性のあるシート状部材で、これに離型
剤を適量含浸してロール状に巻かれており、巻取
り軸１１に巻取られる途中において押圧ローラ
５，６によつて加熱定着ローラ１に押圧される。
押圧ローラ５，６はスポンジ状または離型剤を吸
収する事が可能な耐熱性のある部材で、ウエブ４
に含浸されている離型剤の一部を吸収して押圧部
分ではき出し加熱定着ローラ１に塗布される離型
剤の量を一定に調節するための役割をしている。
押圧ローラ５の一方端には大歯車７が取付けられ
ており、これにかみ合う小歯車８はウエブ巻取り
駆動軸９に取付けられている。押圧ローラ６は従
動回転する。ウエブ巻取り駆動軸９はすべりクラ
ツチ１０を介してウエブ巻取り軸１１を回転させ
る。小歯車にはさらにウエブ駆動モータ１３のシ
ヤフトに取付けた歯車１２がかみ合つている。

ウエブ駆動モータ１３は微速度で連続又は間け
つに回転する。大歯車７と小歯車８との歯車比は
押圧ローラ５，６の外周の周速よりもウエブ巻取
り軸１１の外周の周速の方が速くなるような比率
とする。ウエブ（ロール状）４の芯材１９は適当
なブレーキ（不図示）がかけられていて、ウエブ
押圧ローラ５の回転によりウエブ押圧ローラ５と
ウエブ４との間の摩擦力によつてウエブが繰り出
されたときに適切なテンシヨンが発生する。さら
に前記の歯車比の関係からウエブ巻取り駆動軸９
の周速度はウエブ送り速度より速いためにすべり
クラツチ１０でスリツプを起こす。このとき、ウ
エブ押圧ローラ５とウエブ巻取り軸１１との間の
ウエブにテンシヨンが発生して、ウエブ４はウエ
ブ巻取り軸１１に適切なかたさで巻かれる。

ウエブ巻取り軸１１は、第２図に示すように装
置内の固定板に固定された軸１１₁と前述したウ
エブ巻取り軸１１の間にワンウエイクラツチ１４
が装着されており、加熱ローラ１が矢印ａ方向に
回転したとき、ウエブ４が加熱ローラとの摩擦力
によつて破線矢印ｂの方へ引き出されないよう
に、ウエブ巻取軸１１は破線矢印ｂ方向には回転
せず巻取り方向には回転する様になつている。

第３図はウエブ４とウエブ押圧ローラ５による
加熱ローラ１のクリーニングとウエブ押圧ローラ
６による加熱ローラ１のオフセツト防止液塗布の
作用を説明するための略図である。

ウエブ４はウエブ押圧ローラ５の矢印方向ｃの
回転に従つて、加熱ローラ１の回転方向ｄとは反
対方向即ち押圧ローラ５の回転方向と同方向に移
送されて、加熱ローラ１上に定着後残存したトナ
ー１５をふき取る。一方ウエブ４の移動に従つて
ウエブ押圧ローラ６は従動回転する。このときウ
エブ４には適当量の離型剤が含浸されているの
で、ウエブ押圧ローラ６と接触している間にその
一部がウエブ押圧ローラ６に矢印ｅに示すように
吸収される。次にウエブ４はウエブ押圧ローラ６
によつて加熱ローラ１に押圧されてウエブに含浸
された離型剤とウエブ押圧ローラ６に吸収された
離型剤の一部が矢印ｆに示すようにしぼり出さ
れ、加熱ローラ１に塗布される。

以上のようにウエブ４は押圧ローラ５，６によ
つて加熱ローラ１へ圧接されているため、加熱ロ
ーラ１との接触面積が自由にとれて、クリーニン
グ効果と塗布効果を十分発揮し、加熱ローラ１の
表面を長期にわたり均一な状態に保つことができ
る。又、この際、ウエブ４が加熱ローラへウエブ
押圧ローラ５と６によつて圧接している押圧部に
おいては、ウエブ４は主にローラ５の部分で加熱
ローラ表面のクリーニングを行うように働き、主
にローラ６の部分でそのクリーニングされた表面
に離型剤を均一に塗布するように働いている。そ
してウエブは常に未使用の部分が順次送り込まれ
るので、クリーニング効果及び離型剤の塗布効果
がよく、加熱定着ローラの寿命を大幅に向上させ
る事が出来る。さらに従来別個に行われていた加
熱定着ローラへのオフセツト防止液塗布とクリー
ニングを１つのウエブで行うものであるから、機
構が簡単になり安定した離型剤塗布とクリーニン
グを実現する事が出来る。

又、ウエブ押圧ローラ５，６は、片方又は両方
とも離型剤を吸収しない材料でも使用可能であ
る。さらにウエブ押圧ローラは、上記実施例のよ
うに２本設けるものでなく、押圧ローラ５，６の
間にさらに押圧ローラを設け加熱ローラとのニツ
プ部を増加させてローラ５のクリーニング効果が
低下した場合の補助的クリーニング効果を発揮さ
せるようにしても良い。

また、本実施例のように本考案は押圧ローラを
複数本用いているのは、押圧ローラを１本使用し
た場合に生じる以下の点を考慮したものである。
即ち押圧ローラが１本であると、ウエブ４、加熱
ローラ１と押圧ローラとのなす押圧部はわずかな
部分であり、さらにこの部分でクリーニング作用
と塗布作用を同時に行うので、（定着装置を長期
間連続使用する場合やウエブ４の移動速度が極め
て遅いか又は移動させない時間が長い場合や何ら
かの事故によつてトナーが押圧ローラに多量に吸
収される場合等において）その押圧部には徐々に
クリーニングされないトナーや押圧ローラに吸収
されるトナー等が増加し、遂にはクリーニングさ
れないで押圧部を通過して加熱ローラ表面に残存
してしまうトナーが存在する。従つてクリーニン
グ効果が低下し、それに伴つて塗布作用が行われ
ない部分ができ、さらにこれらの相剰効果によつ
て塗布効果も低下し、画像が乱れオフセツトや紙
の巻付きが起る最悪状態となる。

このような場合をも考慮し、十分なクリーニン
グ効果と塗布効果を永続させるものが本考案の押
圧ローラ複数本構成である。即ち、第１の押圧ロ
ーラと第２のローラとにクリーニング作用と塗布
作用を主に分担させその作用効果を十分発揮でき
る状態を保つものである。例えば上記の理由で第
１のローラのクリーニング効果が低下したとして
も、その残留トナーは、定着ローラ表面から第
１、第２押圧ローラ間のウエブ或いは第２押圧ロ
ーラによつて除去され、クリーニング効果は長期
にわたつて安定したものとなる。一方その間にも
第２押圧ローラによつて塗布作用が常に安定して
行われているため、オフセツト防止効果は保たれ
ている。又上記のようにクリーニング効果低下状
態が最悪化する事態は、塗布作用を主に第２押圧
ローラが分担しているため、前述した相剰効果が
生まれないために長期にわたり起こし得ない。

本考案は、長期にわたり定着ローラ表面を定着
毎に十分なクリーニングをし、且つ安定した均一
離型剤塗布を実現し、定着ローラの寿命を大幅に
向上させることが出来るものである。

以上の説明は加熱定着について述べたが、圧力
を用いてトナー像を定着せしめる圧力定着装置に
ついても本考案は適用されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案定着装置の一実施例の略斜視
図、第２図は加熱ローラにウエブを押圧ローラで
圧接させた状態の斜視図、第３図は第２図におけ
る圧接部の拡大側面図である。 １は加熱定着ローラ、２はヒータ、３は圧接ロ
ーラ、４はウエブ、５，６は押圧ローラ、７は大
歯車、８は小歯車、９は駆動軸、１０はすべりク
ラツチ、１１はウエブ巻取り軸、１２は歯車、１
３はウエブ駆動モーター、１４はワンウエイクラ
ツチ、１５はトナー、Ｐはトナー像支持材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 支持材上のトナー像を定着するための定着ロー
   ラと、この定着ローラをクリーニングする離型剤
   を含浸したウエブと、このウエブを移送する手段
   と、を有する定着装置において、 上記ウエブを定着ローラに押圧する、第１の押
   圧ローラと第１の押圧ローラより定着ローラ回転
   方向下流側に設けられた第２の押圧ローラと、を
   有し、この第２の押圧ローラはスポンジ状である
   ことを特徴とする定着装置。