JPH0128490B2 - - Google Patents

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JPH0128490B2
JPH0128490B2 JP56081681A JP8168181A JPH0128490B2 JP H0128490 B2 JPH0128490 B2 JP H0128490B2 JP 56081681 A JP56081681 A JP 56081681A JP 8168181 A JP8168181 A JP 8168181A JP H0128490 B2 JPH0128490 B2 JP H0128490B2
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magnetic
thin plate
thickness
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amorphous
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JP56081681A
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JPS57198521A (en
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Kazuo Ooya
Norio Ishijima
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TDK Corp
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Publication date
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Publication of JPH0128490B2 publication Critical patent/JPH0128490B2/ja
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/147Structure or manufacture of heads, e.g. inductive with cores being composed of metal sheets, i.e. laminated cores with cores composed of isolated magnetic layers, e.g. sheets

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は磁気ヘツドに関する。 先行技術 非晶質磁性合金の薄板が、そのすぐれた軟磁気
特性などから、磁気ヘツドの形成材料として注目
を集め、その実用化研究が活発に行われている。 このような磁気ヘツド用の非晶質磁性合金の組
成の1例といて、例えば原子比率で、Fe2〜5at
%程度、Si1〜5at%程度、B15〜25at%程度を含
み、残部が実質的にCoからなるものが知られて
いる。このような組成をもつ非晶質磁性合金薄板
は、他の組成のものと比較して、磁歪が極めて小
さく、また7.5KG以上のきわめて高い飽和磁束密
度Bsをもつ。このため、このような薄板からヘ
ツドを構成すれば、Fe―Co―Ni系合金等のメタ
ル粉を磁性粉とし、これをバインダー中に分散し
て塗布設層してなるいわゆるメタルテープ等の高
保磁力磁気記録媒体に対しても、有効に記録を行
うことができる。 しかし、このような組成の非晶質磁性合金薄板
およびそれから形成される磁気ヘツドも以下に述
べるような欠点をもつ。 まず、板厚が厚く、表面性の良好な薄板が得ら
れにくい。すなわち、常法に従い、片ロール法に
より薄板を得る場合、例えば板厚が40μmを超え
ると、表面性がきわめて悪くなる。このため、オ
ーデイオ用ヘツドとして、薄板を積層してコアを
形成する場合、占積率を高めようとして40μm以
上、特に45〜120μmの板厚の薄板を積層すると、
その表面積の悪さのため、占積率は逆に低下し、
記録再生出力が低下する。また、ヴイデオ用ヘツ
ドとしては、積層の際の2次ギヤツプによる高域
記録再生効率の低下を防止するため、薄板自体か
ら、それを積層せずに形成するのが好ましく、そ
のとき板厚としては、荷重摩耗を減少させるた
め、トラツク巾の倍程度、少なくとも40μmはあ
る必要があるが、そのような板厚において、表面
性の良好な薄板を得ることができず、種々の不都
合を生じる。 さらに、その耐摩耗性に問題があり、特に、そ
れからヴイデオ用の磁気ヘツド等を構成して、磁
気記録媒体と高速で接触走行させると、その摩耗
量はきわめて大きい。 また、その耐食性にも問題があり、化学的要因
に基づき摩耗を生じる。すなわち、磁気記録媒体
との接触走行を長期間に亘つて行うと、テープ磁
性層塗膜がしばしば有するところの化学的腐食性
雰囲気により、あるいは空気中に存在する炭酸ガ
ス、水分等により、ヘツドを構成する非晶質磁性
合金材料表面に酸化物等の皮膜が生じ、これがテ
ープ走行に基づく応力や塗膜中の磁性粉体の研摩
作用により剥離して、ヘツド摩耗を生起するので
ある。そして、この化学的摩耗は、高温かつ高湿
等の苛酷な使用条件はもとより、通常の条件下で
もきわめて大きいものである。 また、きわめて高温、かつ高湿の条件下で長期
間ヘツドを保存ないし放置したようなとき、水分
等の影響により、材料表面に皮膜が生じ、この皮
膜によりスペースイングロスが増大し、その後の
記録再生使用において、高域入出力レベルが低下
する。また、媒体との摺接により、特にヘツドキ
ヤツプ近傍で皮膜が剥離し、実効ギヤツプが増大
したり、ギヤツプが目づまりしたりして、高域入
出力レベルはこれによつても低下する。 さらには、上記のようなメタル磁性粉を用いる
いわゆるメタルテープに対して記録再生を行うと
きには、媒体の接触走行に従い、高域での入出力
レベルが低下してしまい、周波数特性が劣化して
くる。また、ヴイデオ用磁気ヘツドとして用いる
ときには、S/N比や解像力が悪化する。このよ
うな現象は、ヘツド表面が摩耗しておこるもので
はなく、ヘツド表面に変質層が生じることにより
生起している。そして、この変質層は、おそら
く、合金磁性粉と磁気ヘツドを構成する非晶質磁
性合金材料とがある種の反応を起こし、合金磁性
粉あるいは非晶質磁性合金の構成元素の変質体が
付着して生じるものであると考えられる。 加えて、飽和磁束密度Bsがさらに高い値を示
せばより好ましい結果を得る。 発明の目的 本発明は、このような実状に鑑みなされたもの
であつて、上記したような高飽和磁束密度の非晶
質磁性合金薄板に対し、別途新たな添加元素を添
加し、そのような薄板から磁気ヘツドを形成し、
上記のような各種不都合を解消せんとするもので
ある。 より具体的には、本発明の主たる目的は、容易
に40μm以上の厚さとして得ることができ、しか
もそのような厚さにおいて、その表面性が良好な
薄板を用いる結果、積層コアとしても、薄板自体
からコアを形成したときにも良好な磁気特性を示
し、しかも耐摩耗性にすぐれ、磁気記録媒体を高
速で接触走行させたときにも摩耗量が少なく、ま
た耐食性が高く、化学的要因に基づく摩耗が少な
く、劣悪な条件下の保存によつても変質せず、し
かもメタルテープに対する記録再生を行うときに
も、周波数特性やS/N比等が経時劣化せず、
Bsがより一層高い磁気ヘツドを提供することに
ある。 本発明者らは、このような目的につき鋭意検討
を繰返した結果、所定量のRuとCrとを併用添加
してなる薄板を用いて磁気ヘツドを形成したと
き、このような目的が有効に実現することを見出
し、本発明をなすに至つたものである。 すなわち、本発明は、下記式で示される組成を
有し、40μm以上の厚さの非晶質磁性合金の薄板
から形成されてなることを特徴とする磁気ヘツド
である。 式(FepCoqNirxRuyCrzMw(SikBlXnv [式中、Mは、鉄族元素、RuおよびCr以外の
他の遷移金属元素の1種以上を表わし、XはSiお
よびB以外の他のガラス化元素の1種以上を表わ
す。また、x+y+z+w+v=100at%であり、
このうちyは0.01〜8at%、zは0.5〜8at%、wは
0〜4at%、vは20〜26at%である。さらに、p
+q+r=100%、k+l+m=100%であり、こ
のうちpは3〜7%、rは0〜10%であり、また
kは0.5〜20%、mは0〜2%である。] また、第2の発明は、メタル粉を磁性粉とする
塗布型の磁気記録媒体と、酸化物粉を磁性粉とす
る塗布型の磁気記録媒体とに兼用する磁気ヘツド
であつて、上記式で示される組成を有し、40μm
以上の厚さの非晶質磁性合金の薄板から形成され
てなることを特徴とする磁気ヘツド。 上式で示される、本発明における非晶質磁性合
金薄板中の鉄族元素(Fe,Co,Ni)の含有量x
は、後に詳述するRu,Ta、上記Mならびにガラ
ス化元素(Si,BおよびX)のそれぞれの含有量
y,z,wおよびvの和を100at%から差引いた
値であり、54at%以上、79.49at%以下である。 この場合、鉄族元素としては、FeおよびCoを
必須成分とする。 そして、鉄族元素成分中のFe組成比率pは3
〜7%、Co組成比率qは83〜97%である。従つ
て、鉄族元素成分の原子比率xと、鉄族元素成分
中のFe組成比率pの積として得られるFe原子比
率pxは、1.6〜5.6at%、好ましくは2.1〜4.8at%
である。 1.6at%未満および5.6at%より大では、磁歪が
大きなものとなつてしまい、また透磁率が減少す
る。 また、Co原子比率qxは44.8〜77.1at%、好まし
くは50〜76at%である。これ以外の値では飽和磁
束密度Bsが減少し、Bsが7.5KG未満になつてし
まい、高保磁力磁気記録媒体への記録再生に適さ
なくなつてしまう。 鉄族元素成分としては、FeおよびCoに加えNi
が含まれていてもよい。ただ、Ni量が増大する
と飽和磁束密度Bsが減少するので、その鉄族元
素成分中のNi組成比率rは10%以下である必要
があり、Ni原子比率rxとしては7at%以下である
ことが好ましい。 これに対し、ガラス化元素成分の含有量は20〜
26at%である。そして、ガラス化元素成分として
は、SiおよびBを必須成分とする。 この場合、ガラス化元素成分中のSi組成比率k
は0.5〜20%、好ましくは2.5〜20%、より好まし
くは5〜20%である。 そして、Si原子比率kwは、0.1〜5.2at%、好ま
しくは0.5〜5.0at%、より好ましくは1.0〜5.0at%
である。0.1at%未満となると、Bsが7.5KG未満
となつてしまい、また、40μm以上の板厚にて、
非晶質薄板の表面性が悪くなり、面精度の良好な
薄板を得られない。一方、5.2at%を超えると、
本発明所定の効果は得られない。 すなわち、40μm以上の板厚の薄板の表面性、
耐摩耗性、耐食性、メタルテープ使用時の経時特
性とも不十分である。さらには、5.2at%より大
では飽和磁束密度Bsも低い。この場合、鉄族元
素成分含有量xを増大し、ガラス化元素成分含有
量vをその下限20%程度とすれば、7.5KG程度の
Bsを得ることもできることもある。しかし、
7.5KG程度のBsが得られる組成では、非晶質化
度が悪くなり、また表面性の良好な40μm以上の
板厚の薄板が得られなくなる。また、薄板化した
後の歪除去のための熱処理も困難となる。 他方、ガラス化元素成分中のB組成比率lは78
〜99.5at%、好ましくは78〜97.5at%、より好ま
しくは、78〜95at%である。そして、Bの原子比
率lwは15.6〜25.9at%、好ましくは15.6〜25.3at
%、より好ましくは15.6〜24.7at%である。
15.6at%未満および25.9at%より大では、上記の
ように本発明所定の効果が実現せず、また高い
Bsが得られない。 この場合、SiおよびB中のSi組成比k/(k+
l)は0.2以下で、しかも0.005以上、より好まし
くは0.05以上であることが好ましい。そして、
k/(k+l)が0.08〜0.2の範囲の値になるこ
とにより一層好ましい結果を得る。 なお、ガラス化元素成分としては、SiおよびB
に加え、上記Xとして、その他のガラス化元素、
例えばP,C,Ge,Sn,Al等の1種以上が含ま
れていてもよい。ただ、Xの組成比mが2%を超
えると、非晶質化しにくくなるので、Xの原子比
率mwは0.5at%以下である。 これに対し、本発明の非晶質磁性合金材料中に
は、必須成分として0.01at%以上、8at%以下の
Ruが含まれる。0.01at%以下では、耐摩耗性、
耐食性、メタルテープ使用時の経時特性、および
40μm以上の板厚としたときの表面性とも不十分
である。また、8at%を超えると非晶質化が困難
となり、40μm以上の板厚としたときの表面性が
悪くなり、またBsが7.5KG未満となる。 この場合、Ru原子比率yが1〜8at%、より好
ましくは2〜6at%となると、さらに好ましい結
果を得る。 なお、特開昭52−114421号公報には、上記にお
いて示される式にあつて、ガラス化元素の含有量
v=25at%、ガラス化元素中のSiおよびB組成比
k=60%、l=40%、SiおよびBの原子比率kw
=15at%、lw=10at%、k/(k+l)=0.6であ
つて、Ruを2at%添加した非晶質磁性合金の例が
記載されている。しかし、このような材料では、
40μm以上の板厚としたときの表面性、耐摩耗性、
耐食性、打抜加工性、メタルテープ使用時の経時
特性とも不十分な特性しかえられない。そして、
このような材料においてCrを併用添加したとし
ても、これらの諸特性はさして改良されず、特
に、40μm以上の板厚としたときの表面性、耐摩
耗性等の特性上不十分である。このような事実は
後記実施例および比較例から明らかになるであろ
う。 また、同公報には、上記のようなSi過剰の非晶
質磁性合金薄板において、RuとRhとが同等の作
用をもつ添加元素である旨が記載されている。し
かし、上式で示されるB過剰の本発明の材料で
は、RuをRhにかえて添加すると、40μm以上の
板厚としたときの表面性、耐摩耗性、耐食性、メ
タルテープ使用時の経時特性とも不十分な特性し
か得られない。このような事実も、後記実施例お
よび比較例から明らかになるであろう。 さらに、上式で示される非晶質磁性合金薄板中
には、必須成分として、0.5〜8at%、より好まし
くは、1〜5at%のCrが含まれる。 この場合、0.5at%未満では特に高速摩耗が大
きく、またメタルテープ使用時の特性の経時劣化
とも十分満足できない。また、8at%を超えると、
Bsが7.5KG以下となり、また非晶質薄板化が難
しくなり、表面性の良好な薄板が得られない。な
お、このようなCr添加がもたらす効果は、Crを、
同じくVIB族元素に属するMo、Wにかえたとき
には実現しない。このような事実も、後記実施例
および比較例から明白になるであろう。 他方、上式で示される非晶質磁性合金薄板中に
は、4at%以下の範囲で、鉄族元素、Ta,Ruお
よびCr以外の他の遷移金属元素(Sc〜Zn;Y〜
Cd;La〜Hg;Ac以上)の1種以上が含まれて
いてもよい。ただ、これら上記Mが4at%を超え
ると、Bsが減少し、また本発明の効果は減じら
れてしまう。そして、Mの原子比率は0〜2at%
であることが好ましい。 このような、その他の遷移金属元素Mの好まし
い例としては、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Mo,W,
Mn等の1種以上を挙げることができる。なお、
Taについては、本出願人が、この出願の先願と
して提案しているので、本発明からは除外するも
のである。 以上詳述した、上式で示される組成をもつ本発
明における非晶質磁性合金薄板は、実質的に長範
囲規則性をもたない非晶質状態にある。 また、その板厚は40μm以上である。この場合、
表面性の良好さが、他の組成と比べて顕著となる
点では、板厚は45μm以上であることが好ましい。
この時、きわめて良好な表面性を示す。ただ、板
厚が120μmを超えると、表面性が悪化するので、
板厚は45〜120μmであることが好ましい。 このような、非晶質磁性合金薄板は、通常以下
のようにして製造される。 すなわち、対応する組成の合金を、気相または
液相から超急冷する。この場合、通常は、合金を
融液となし、液相から104℃/sec以上、通常104
〜106℃/secの冷却速度で超急冷し、固化させる
ことによつて非晶質磁性合金薄板を得る。溶融状
態の合金を超急冷するには、溶融合金をノズルか
ら噴射させ、双ロール法、片ロール法、遠心急冷
法等公知の種々の方式、就中片ロール法に従い急
冷すればよい。 このような非晶質磁性合金薄板は、それを好ま
しくは絶縁性接着剤層を介して積層して、所望の
形状のコア半体とされ、これを突き合わせて磁気
ヘツド用コア、特にオーデイオ用等の磁気ヘツド
とされる。あるいは、薄板を積層せず、薄板自体
を所望の形状のコア半体となし、このコア半体を
突き合わせて磁気ヘツド用コア、特にヴイデオ用
等の磁気ヘツドとされる。 このような磁気ヘツドは、通常以下のようにし
て作製される。 まず、好ましくは、超急冷法によつて得られた
薄板に対し、所定の熱処理を施す。この熱処理と
しては、例えば、結晶化温度未満、キユリー点以
上の温度で施す無磁場中での、特に内部歪取りを
目的とする焼鈍処理でもよく、また、結晶化温度
およびキユリー点未満の温度で行う、歪取りと磁
気特性の改良を目的とする磁場中での焼鈍処理で
あつてもよい。そして、この後者の磁場中での焼
鈍処理としては、静磁場、回転磁場等のいずれを
用いてもよい。これら焼鈍熱処理およびその条件
は、非晶質磁性合金の組成と所望の磁気特性とか
ら、適宜選択して行えばよい。 次いで、通常は、このような非晶質磁性合金薄
板をホトエツチング等により抜き、所定の形状と
なし、一般に、その複数枚を絶縁性接着剤により
所定トラツク巾となるよう積層して、オーデイオ
ヘツド用等の積層コア半体を作製する。あるい
は、薄板を積層後、これを研削加工し、コア半体
を得てもよい。このような場合、薄板は40μm以
上の板厚をもち、その表面性もきわめて良好であ
るので、占積率が高く、記録再生出力が高い。 また、特にヴイデオ用磁気ヘツドとして用いる
ときには、薄板は表面性の良好な40μm以上の板
厚をもつので、通常は、積層する必要はなく、所
定の形状に抜いた後、所定のトラツク巾となるよ
う研削してコア半体が得られる。 この後、通常は、コア半体に巻線を施し、これ
をコアホルダー中に挿入し、ギヤツプ突き合わせ
面を研摩した後、ギヤツプ内にギヤツプ形成材料
を所定間隙だけ設け、コア半体同志を突き合わ
せ、コアとなし、さらに、シールドケース内に収
納し、樹脂モールドして磁気ヘツドが作製され
る。 このように作製される磁気ヘツドは、メタル磁
性粉を用いる塗布型の磁気記録媒体用磁気ヘツド
として、あるいはメタル磁性粉を用いる塗布型の
磁気記録媒体と酸化物磁性粉を用いる塗布型の磁
気記録媒体とを兼用する磁気ヘツドとして有用で
ある。そして、オーデイオ用、ヴイデオ用、電子
計算機用、カードリーダー用等の特に接触形ヘツ
ドとして、いずれの用途においてもきわめて有用
である。 発明の具体的効果 本発明における上式で示される組成をもつ非晶
質磁性合金薄板は、40μm以上の板厚としたとき
にも、きわめて良好な表面性を示す。このため、
本発明の磁気ヘツドは、占積率が高く、記録再生
出力の高い積層コアとすることができる。また、
特にヴイデオ用ヘツドとして用いるときには、積
層せずに良好な特性をもつコアを得ることができ
る。また薄板は飽和磁束密度Bsが高く、メタル
テープ等の高保磁力媒体に対する記録再生用ヘツ
ドとして、きわめて好ましい特性をもつ。さら
に、その耐摩耗性は高く、ヴイデオ用ヘツドとし
て構成したときも、高速接触走行下での摩耗量は
きわめて少ない。しかも、その耐食性は高く、媒
体の接触走行に際して化学的に生起する摩耗は少
なく、また劣悪な条件下での保存によつても高域
入出力レベルの低下もきわめて少ない。さらに、
メタルテープと称されるメタル磁性粉を用いる高
保磁力媒体と接触走行させても、変質層が生じ、
周波数特性やS/N比、解像力が経時劣化するこ
ともない。 以下、本発明を実験例、実施例および比較例に
よりさらに詳細に説明する。 実験例 本発明に属する(Fe5.0Co95.070.25Ru4Cr3
(Si10B9022.75の組成(組成量の表示は、上記の式
に準じる。以下同じ。)を有する非晶質磁性合金
薄板Aと、RuおよびCrを含まず、本発明に族し
ない、(Fe5.0Co95.078(Si10B9022の組成を有する
非晶質磁性合金薄板Bとの15mm巾の長尺薄板を片
ロール方式の高速急冷法により作製した。この場
合、それぞれの薄板厚を20〜100μmの範囲でかえ
て、薄板厚のことなる各種薄板A,Bを得た。 得られたそれぞれの薄板A,Bにつき、表面性
を評価した。すなわち、各薄板を所定の長さに裁
断し、その巾方向における板厚の最大と最小の
差、すなわち最高表面粗さを測定し、これを長手
方向全域に亘りくりかえし、平均して、各薄板の
表面粗さとした。 第1図に、薄板厚を横軸にとり、縦軸にこのよ
うにして得られた表面粗さをとり、上記薄板厚の
異なる各薄板A,Bについて得られた結果を示
す。図中、曲線aは薄板A、曲線bは薄板Bにお
ける結果である。 第1図に示される結果から、本発明に属する組
成をもつ薄板Aは、所定量のRuおよびCrを含有
する結果、40μm以上の薄板厚において、Ruおよ
びCrを含有しない薄板Bと比較して、格段と良
好な表面性を示すことがわかる。 実施例 1 下記表1に示されるような11種の組成の非晶質
磁性合金の50μm厚、15mm巾の長尺薄板を高速急
冷法により作製した。
【表】 次に、これら各薄板1−1〜1−11に対し、そ
れぞれ、キユリー点以上、結晶化温度以下の所定
の温度で無磁場中での熱処理を施した。各薄板1
−1〜1−11につき飽和磁束密度Bsを測定した
ところ、表2に示される結果を得た。 また、実験例2と同様にして、50μm厚の各薄
板1−1〜1−11の表面粗さを測定したところ、
下記表2に示される結果を得た。
【表】
【表】 この後、各薄板1−1〜1−11から、ヴイデオ
ヘツド用コア半体形状にてホトエツチングを行つ
た。この場合、コア半体用エツチング体は、公知
のフエライトあるいはセンダストヴイデオ用ヘツ
ドにおけるそれと同様、一方をC字状、他方を巻
線可能なD字状の形状とした。 次いで、これら各薄板1−1〜1−11から得ら
れたコア半体用エツチング体を用い、ヴイデオ用
ヘツドを作製した。すなわち、一方のコア半体用
打抜体の先端部を研削して所定のトラツク巾厚さ
とした後、両コア半体の先端ギヤツプ面を鏡面仕
上し、このギヤツプ面にギヤツプ形成材料として
SiO2を所定厚にて真空蒸着した。この後、両コ
ア半体を突きあわせ、両者を接着しヴイデオ用ヘ
ツドとした。 このようにして作製した計11種のヴイデオ用ヘ
ツドにつき、Coをドープしたγ―Fe2O3を磁性粉
とする、いわゆるクロムポジシヨンタイプの市販
のヴイデオテープを用い、これを25℃相対湿度50
%にて、5.5m/Secで100時間走行させた。走行
後の、ヘツド全面の摩耗深さを表面粗さ計で測定
した結果を表3に示す。
【表】 一方、これとは別に、上記各薄板1−1〜1−
11を用い、オーデイオ用ヘツドを作製した。 すなわち、分子量約3000のエピクロルヒドリン
―ビスフエノールA型エポキシ樹脂をエチルセル
ソルブに混合した主剤と、ジシアンジアミドをア
セトンに混合した硬化剤とを用い、これらをエポ
キシ樹脂対ジシアンジアミドの重量比が100:30
となるようにして、エポキシ系接着剤を調製し
た。 この後、上記各薄板につき、それぞれの複数枚
を用い、この各薄板の片面に上記エポキシ系接着
剤をスプレーガンにて塗布し、これらを積層し、
治具で仮止めして、90℃、20分間予備乾燥した。
次に1t/cm2の圧力で圧着治具で加圧し、余分な塗
布組成物を除去し、加圧下で、150℃、5時間加
熱し、しかる後自然冷却させ、0.6mm厚の積層体
ブロツクを得た。 このようにして得た積層体ブロツクに対し、砥
石研削を行い、ほぼC字状の形状のコア半体を得
た。 次いで、この各コア半体に巻線を施し、コアホ
ルダー中に収納し、コア半体のギヤツプ突き合せ
面を鏡面仕上した。そして、これらを常法に従い
所定のギヤツプ間隙をもつて突き合せ、計11種の
オーデイオ用ヘツドを得た。 これら11種のヘツドを、40℃、相対湿度95%に
て、200時間放置して、劣悪苛酷な条件下での保
存性の試験を行つた。放置後、γ―テープを接触
走行させて、14KHzの再生感度の測定を行い、放
置前の出力レベルとの変化を測定した。結果を表
4に示す。 さらに、これとは別に、これら11種のヘツドに
対し、劣悪苛酷な条件でγ―テープを走行させ、
その際の化学的摩耗量を評価した。すなわち、40
℃、相対湿度95%の条件下で上記と同様に1000時
間のテープ走行を行い、ヘツド前面の摩耗深さを
表面粗さ計で測定した。結果を表4に併記する。 なお、上記保存および摩耗試験において用いた
テープは、γ―Fe2O3塗布型のカセツトテープで
あり、その塗布層のバインダーは塩化酢酸ビニル
系のものである。また、テープ走行速度は4.75
cm/sec、印加圧は、20gとした。 さらに、これら計11種のオーデイオ用ヘツドに
つき、Fe―Ni合金磁性粉を用いた市販メタルテ
ープを用い、これを25℃、相対湿度50%にて4.75
cm/secで2000時間走行させた。2000時間走行後、
γ―Fe2O3を磁性粉とする標準テープを用い、
315Hz/14KHzの周波数特性を測定した。 結果を走行前の周波数特性に対する劣化値(F
特劣化:dB)として、表4に併記する。
【表】 上記表2、表3および表4の結果から、本発明
に属し、所定量のRuと所定量のCrとを含む薄板
のみが、40μm以上の板厚としても良好な表面性
を示し(表2)、しかも、そのような薄板を用い
て作製される本発明の磁気ヘツドは、耐摩耗性に
すぐれ、磁気ヘツドを高速で接触走行させても、
摩耗量が少なく(表3)、また、耐食性にすぐれ、
劣悪な条件下での保存および使用により、出力レ
ベルが劣化したり、化学的摩耗量が増大したりせ
ず(表4)、しかもメタルテープの使用による周
波数劣化も少ないことがわかる。 比較例 1 50μm厚、15mm巾の表5に示される組成をもつ
Si過剰の非晶質磁性合金薄板2−1〜2−3を得
た。 各薄板のBsと、実施例1と同様に測定した表
面粗さを表5に示す。 また、各薄板から、実施例1と同様にしてヴイ
デオ用ヘツドを作製し、実施例1と同様にして高
速摩耗を測定した結果を表5に示す。 さらに、各薄板から実施例1と同様にオーデイ
オ用ヘツドを作製し、各ヘツドにつき、γ―
Fe2O3を磁性粉とし、塩化酢酸ビニル系の熱可塑
形のバインダーを用いるテープによる通常の条件
下での化学的摩耗量を測定した。 すなわち、この市販テープを25℃、相対湿度50
%にて4.75cm/secの走行速度および20gの印加
圧で1000時間走行させた。走行後の摩耗深さを表
面粗さ計で測定した。結果を、100時間当りの量
に換算して、表5に併記する。 加えて、各ヘツドにつき実施例1と同様にし
て、保存試験を行つた結果を表5に併記する。 表5に示される結果から、Si過剰の薄板2−1
に、本発明における場合に準じ、RuおよびCrを
添加しても、各特性は向上しないことがわかる。
特に、薄板2−3の表面性、高速摩耗性はきわめ
て悪く、実用には耐えない。
【表】 比較例 2 表5に示されるような組成の3種の15mm巾、
50μm厚の非晶質磁性合金薄板3−1〜3−3を
得た。これら3種の薄板は、本発明における薄板
において、それぞれ、RuをRhに変えたもの(3
−1)、CrをMoに変えたもの(3−2)および
CrをWに変えたもの(3−3)である。 薄板3−1〜3−3につき、Bsと表面粗さ、
またそれらからヴイデオヘツド用コアを作製して
得た高速摩耗量、さらにそれらからオーデイオヘ
ツド用コアを作製して得た化学摩耗量および保存
後の出力レベル変化を、それぞれ実施例1および
比較例2と同様に測定した。結果を表5に示す。 表5に示される結果から、RuをRhにかえた
り、CrをMoまたはWに変えると、各特性とも全
く満足できないことがわかる。 実施例 2 表5に示されるような組成をもつ、50μm厚、
15mm巾の5種の非晶質磁性合金薄板を得て、実施
例1および実施例2と同様に、薄板のBsおよび
表面性、ヴイデオ用ヘツドとしての高速摩耗性、
ならびにオーデイオ用ヘツドとしての化学摩耗量
および保存性を測定した。 結果を表5に示す。 表5に示される結果から、Si量(k)0.5〜20
%において、各特性とも良好な値が得られること
がわかる。 なお、本実施例のヘツドは、実施例1同様、メ
タルテープと長時間走行後も変質層が生じず、F
特、S/N比、解像力等の経時劣化が生じないこ
とが確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明における効果を説明するため
の図であり、本発明において用いる非晶質磁性合
金薄板の薄板厚と表面性との関係を、他との比較
において示す線図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 メタル粉を磁性粉とする塗布型の磁気記録媒
    体用の磁気ヘツドであつて、下記式で示される組
    成を有し、40μm以上の厚さの非晶質磁性合金の
    薄板から形成されてなることを特徴とする磁気ヘ
    ツド。 式(FepCoqNirxRuyCrzMw(SikBlXnv [式中、Mは、鉄族元素、RuおよびCr以外の
    他の遷移金属元素の1種以上を表わし、XはSiお
    よびB以外の他のガラス化元素の1種以上を表わ
    す。また、x+y+z+w+v=100at%であり、
    このうちyは0.01〜8at%、zは0.5〜8at%、wは
    0〜4at%、vは20〜26at%である。さらに、p
    +q+r=100%、k+l+m=100%であり、こ
    のうちpは3〜7%、rは0〜10%であり、また
    kは0.5〜20%、mは0〜2%である。] 2 薄板を積層してなるコア半体を突き合わせて
    形成される特許請求の範囲第1項に記載の磁気ヘ
    ツド。 3 薄板自体をコア半体となし、当該コア半体を
    突き合わせてなる特許請求の範囲第1項に記載の
    磁気ヘツド。 4 メタル粉を磁性粉とする塗布型の磁気記録媒
    体と、酸化物粉を磁性粉とする塗布型の磁気記録
    媒体とに兼用する磁気ヘツドであつて、下記式で
    示される組成を有し、40μm以上の厚さの非晶質
    磁性合金の薄板から形成されてなることを特徴と
    する磁気ヘツド。 式(FepCoqNirxRuyCrzMw(SikBlXnv [式中、Mは、鉄族元素、RuおよびCr以外の
    他の遷移金属元素の1種以上を表わし、XはSiお
    よびB以外の他のガラス化元素の1種以上を表わ
    す。また、x+y+z+w+v=100at%であり、
    このうちyは0.01〜8at%、zは0.5〜8at%、wは
    0〜4at%、vは20〜26at%である。さらに、p
    +q+r=100%、k+l+m=100%であり、こ
    のうちpは3〜7%、rは0〜10%であり、また
    kは0.5〜20%、mは0〜2%である。]
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JPS52114421A (en) * 1976-03-23 1977-09-26 Tohoku Daigaku Kinzoku Zairyo Amorphous alloy for magnetic heads with low magnetostriction and high wear resistance property

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