JPS644327B2 - - Google Patents

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JPS644327B2
JPS644327B2 JP55037965A JP3796580A JPS644327B2 JP S644327 B2 JPS644327 B2 JP S644327B2 JP 55037965 A JP55037965 A JP 55037965A JP 3796580 A JP3796580 A JP 3796580A JP S644327 B2 JPS644327 B2 JP S644327B2
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JP
Japan
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magnetic
alloy
thickness
magnetic tape
thin plate
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Expired
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JP55037965A
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Inventor
Norishige Yamaguchi
Masaru Takayama
Masao Shigeta
Masatatsu Sugaya
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Publication of JPS56134711A publication Critical patent/JPS56134711A/ja
Publication of JPS644327B2 publication Critical patent/JPS644327B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/64Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は磁気テープに関する。更に詳しくは、
各種オーデイオテープ、ビデオテープ、超大容量
記憶装置用磁気テープなどとして好適な磁気テー
プに関する。 従来、可とう型の長尺磁気テープとしては、γ
―酸化鉄、合金磁性粉等をバインダーとともに溶
媒中に分散させ、これをポリエチレンテレフタレ
ート等の可とう性支持体上に塗布し、乾燥させた
塗布形磁気テープが広く用いられている。しか
し、この塗布形磁気テープは、残留磁束密度と保
磁力とが小さく、近年その要望がきわめて高くな
つている高出力、高密度磁気記録には適さない。 これに対し、最近、めつき、真空蒸着、スパツ
タ、イオンプレーテイング等により可とう性支持
体上に磁性層薄膜を連続的に形成した連続薄膜形
磁気テープの開発が行われている。この連続薄膜
形磁気テープは、磁性層中にバインダー成分を含
まないので、残留磁束密度が高く、又保磁力が高
く、高出力、高密度記録に適した磁気記録媒体で
ある。しかし、このように形成される磁性層は、
その耐摩耗性に問題があり、磁気ヘツドとの連続
的摺接により、磁性層薄膜の摩耗、剥離が生じ、
磁気特性の経時変化を生じるという欠点がある。
このため、通常は、磁性層上層に各種保護層を被
覆して使用しているが、保護層を設層することに
より、磁気ヘツドと磁性層との実効すきまが増大
し、分離損が増大し、結果として高出力、高密度
記録には適さなくなつてしまう。又、このような
連続薄膜形磁気テープは、磁性層の形成を、めつ
き、蒸着等によつて行うので、その生産性の点
で、満足のゆく量産性を得ることができず、製造
コストが高くつき、更には、ワンバツチできわめ
て長尺のテープを得ようとするとき、あるいは製
造バツチ毎に、その品質制御が難しく、品質のバ
ラツキが生じてしまうという欠点がある。 本発明は、このような実状に鑑みなされたもの
であつて、高残留磁束密度と、高保磁力とを示
し、高出力、高密度記録に好適な磁気テープを提
供することをその主たる目的とする。本発明の別
の目的は、耐摩耗性にすぐれ、磁気ヘツドの長期
接触走行によつてもその磁気特性の経時変化が少
なく、接触面に保護層をあえて設層する必要がな
く、又保護層設層に伴う分離損の増大を回避でき
る磁気テープを提供することにある。本発明の更
に別の目的は、その製造が量産性に富み、製造コ
ストが低廉で、しかもその製造にあたり品質のバ
ラツキの少ない磁気テープを提供することにあ
る。本発明の更なる他の目的は、長尺の磁気テー
プとして可とう性にすぐれ、摺動磁気ヘツドとの
接触性が良好で、又浮動ヘツド方式において用い
るときにも、その浮上すきまの変動が殆んどな
く、記録時、再生時の入出力特性が安定な磁気テ
ープを提供することにある。本発明のその他の目
的は、以下の記載から自ずと明らかになるであろ
う。 本発明者らは、このような目的につき鋭意研究
を重ね、以下のような知見を得た。 従来から、高加工性磁石材料として、時効によ
るスピノーダル分解を利用したCu―Ni―Feの系
合金が知られている。そして、この合金は例えば
冷間圧延後時効を施すことにより磁気硬化し、所
定の磁気特性を示すことが知られている。このた
め、この合金は、それ自体薄板化して、磁気テー
プ等の磁気記録媒体として使用することが可能で
あると考えられる。そこで、実際、このCu―Ni
―Fe系合金を薄板化して、その剛体性を利用し
て、距離センサ用に用いる磁気スケールとしての
磁気記録媒体に供する旨の提案も行われている。
しかし、この場合は、磁気スケールとしての要求
磁気特性からして、50μm以上の厚さの合金薄板
として磁気スケールに用いている。しかるに、こ
のようなCu―Ni―Fe系合金を50μm以上の厚さ
の薄板とし、それをそれ自体可とう性が要求され
るカセツト、カートリツジ、オープンリール等の
各種磁気テープとして適用してみたところ、その
合金自体が有する硬度のため、長尺テープ薄板の
走行性が良くなく、その走行軌跡が変動してしま
い、摺動ヘツドとの接触性が安定せず、又浮動ヘ
ツドの場合には、その浮上すきまが大きく変動す
ることが判明した。更に、高域特性およびF特が
悪く、特にオーデイオ用、ビデオ用等の用途には
使用できない。 そこで、本発明者らは、このスピノーダル分解
を利用した加工性磁石であるCu―Ni―Fe系合金
につき、可とう性長尺磁気テープに適用する場合
の条件を種々検討した結果、その薄板厚が20μm
以下、0.5μm以上となつたとき、その板厚範囲に
おいてのみ、可とう形の長尺磁気テープとしての
使用に耐え、又その高域特性も実用に耐えること
を見出し、本発明をなすに至つたものである。 すなわち、本発明は、スピノーダル分解を利用
した加工性磁石からなり、Cu、NiおよびFeを必
須成分として含み、この必須成分中において、
Cu含量が25〜80重量%であり、Ni含量が10〜40
重量%であり、10重量%以上の残部Feから構成
される組成をもち、しかも0.5〜20μmの厚さを有
する薄板から構成される磁気テープにある。 なお、スピノーダル分解型組織を有するCu―
Ni―Fe系合金をこのようなきわめて薄い薄板状
となすこと、およびそれを磁気テープに適用する
ことは、これまで全く知られていなかつたところ
のものである。 この場合、特許第177984号には、主成分として
ニツケルおよび銅をそれぞれ15〜30%、鉄50〜55
%、副成分としてマンガン、バナジウム、モリブ
デン、ダングステン、クロム、コバルトの1種以
上を10%以下含有する合金を線、条帯等とした磁
気録音体が開示されている。 しかし、このものは1350℃程度で溶解して金型
に鋳込み、これを高温における単一相に保持して
溶体化処理し、次いで冷間鍛造にて線や条帯等と
するものであり、溶体化後、冷間圧延等の加工を
行う前にスピノーダル分解のための時効を行う本
発明の薄板とは異なり、スピノーダル分解を利用
しておらず、スピノーダル型組織をもたない。 また、このものは、磁気録音の際の吹き込み易
さと高出力とを目的としており、導磁率の大きな
ものではあるが、保磁力は小さなものである。こ
れに対し、本発明では高密度記録を目的としてお
り、導磁率を小さくし、保磁力を増大することが
必要である。これは、高密度記録では導磁率が大
きいと反磁界が大きくなり、磁化が弱まり出力低
下が生じ不適当であるからである。 なお、上記特許の出願時の技術水準では、未だ
高密度記録の要求はなく、溶解急冷後の冷間鍛造
合金で得られる最大2500e程度以下の保磁力の媒
体でも十分使用可能であつたが、本発明における
高密度記録では保磁力は5000e以上必要であり、
このような保磁力は本発明におけるスピノーダル
分解を利用した加工性磁石によつて初めて可能と
なつたものである。 以下本発明の磁気テープを詳細に説明する。本
発明の磁気テープは、後に詳述する組成のCu―
Ni―Fe系合金の長尺薄板から構成され、その合
金薄板厚は0.5〜20μmである。この場合、20μm
より大なる厚さとなるときには、それを臨界値と
して、テープの可とう性が悪化し、摺動磁気ヘツ
ドとの接触安定性あるいは浮動磁気ヘツドとの浮
上すきま安定性の点で実用に耐えない。更に実用
に耐える高域特性も得られない。又、0.5μm以下
の厚さとしたときには、磁気テープの磁気特性が
悪くなり、又製造上の歩留りが悪くなる。本発明
の磁気テープは、以上のような特定範囲の厚さの
薄板から構成されるものであるが、その板厚は
0.5〜10μmであると、より好ましい結果を得る。
このようなときには、上記したような磁気テープ
として要求される可とう性がより一層向上し、し
かもその高域特性が格段と向上し、高出力、高密
度記録に適するという特性に加え、従来の磁気テ
ープに対しそれと遜色のない再生F特を得ること
ができるからである。 本発明の磁気テープを構成する合金薄板は、通
常、このような所定範囲の厚さをもつ薄板自体か
らなるものであるが、この合金薄板の組成は以下
のとおりである。すなわち、Cu、NiおよびFeを
必須成分として含み、この必須成分中において、
Cu含量が25〜80重量%であり、Ni含量が10〜40
重量%であり、少なくとも10重量%以上の残部
Feが含まれるものである。 Cu含量が25重量%未満となると、保磁力Hcが
低下し、減磁量が増し、80重量%をこえると、残
留磁束密度BrおよびHcが低下し、減磁量が増
す。Ni含量が10重量%未満となると、Brおよび
Hcが低下し、減磁量が増し、40重量%をこえる
と、Hcが低下し、やはり減磁量が増す。Fe含量
が10重量%未満となると、BrおよびHcが低下
し、減磁量が増す。 一方、本発明の磁気テープを構成する合金は、
以上のCu,NiおよびFeからなる必須成分のみか
ら構成されてもよく、又、これら必須成分に加
え、他の添加元素の1種以上を含んでもよい。こ
のような添加元素としては、Co,V,Si,B,
Ti,Zr,Ta,Cr,Nb,W,Mo等の遷移金属あ
るいはA,A族元素等を好ましいものとして
挙げることができる。この場合、Coは、Feに対
し、そのFe量の0.5重量比までを置換することが
できる。 これに対し、V,Si,B,Ti,Zr,Ta,Cr,
Nb,W,Mo等のその他の添加元素は、その1種
以上を、合金薄板中に、総計15重量%、特に5重
量%以下の範囲で含有することができる。 本発明の磁気テープは、以上のような厚さと組
成とを有する長尺の薄板からなるものであるが、
それを構造的にみたときには、実質的にスピノー
ダル分解型の組織からなつている。スピノーダル
分解は析出硬化の一形態であつて、スピノーダル
分解型組織とは例えば日本金属学会会報、第12号
(1973年)、第289ページに記載されているように、
過飽和固溶体の多次元合金が、核の生成を伴うこ
となく、濃度だけの変動を生じて2相に分離して
形成された組織のことをいうものである。そして
本発明の磁気テープはこのような組織構造により
磁気硬化せしめられている。 本発明の磁気テープは、このような長尺合金薄
板を所定巾、所定長となし、この合金薄板自体か
ら各種カセツトテープ、オープンリールテープ等
となせばよい。又、例えば5〜20μm程度の厚さ
の、例えばポリエチレンテレフタレート等の可と
う性支持体と、この合金とを貼り合せ、これによ
り磁気テープを構成することもできる。 本発明の磁気テープは、通常以下のようにして
製造される。 先ず、対応する組成の合金に対し、所定の厚さ
となるまで、あるいはその所定厚の概ね100倍程
度の厚さになるように合金の薄板化を行う。 この場合、先ず、所定の組成比となるようCu,
NiおよびFeと、必要に応じ他の所定量の添加元
素とを秤量し、これらを配合する。次いで、これ
を例えば真空中で、例えば高周波誘導加熱して溶
解し、更に例えば真空中で鋳造する。このように
して、鋳造母合金が得られるが、後述する磁気硬
化処理の態様によつては、また母合金の厚さによ
つては、母合金に対し、そのまま後述の磁気硬化
処理を施すこともできる。なお、このように母合
金にそのまま磁気硬化処理を施すときには、それ
に先立ち、予め、溶体化処理と温間鍛造を施して
おくことが好ましい。このような溶体化処理は、
例えば950℃〜1050℃の温度にて、例えば30分〜
30時間程度加熱保持することによつて行い、その
処理雰囲気としては、空気中であつてもよいが、
不活性、非酸化性あるいは還元性雰囲気下で行う
ことが好ましい。又その後の温間圧延としては、
例えば、200〜500℃程度の温度で行えばよい。 ただ、通常は、上記のような母合金を更に薄板
化することになる。このような薄板化としては、
圧延を用いることができる。この場合、圧延は、
冷間、温間等で行えばよい、そして、この圧延は
圧延率(圧下率)が99〜99.9%程度となるまで行
うことができる。この場合、鋳造母合金に対して
は、予め、上記のように、溶体化および温間圧延
を順次施しておくことが好ましい。 あるいは、上記のように鋳造して得た母合金を
用い、それを、いわゆる液体冷却法を用い直接薄
板化することもできる。この場合には、母合金を
加熱管中で溶解し、融液となし、融液を加熱管の
ノズルから噴出させ、この融液を片ロール、双ロ
ール、インサイドインジエクシオン方式等におけ
る種々の回転冷却体に接触させる。これにより、
融液は例えば102℃/sec以上の冷却速度で冷却さ
れ、凝固し、それ自体薄板化し、長尺の薄板とし
て引き出されることになる。この場合、薄板は一
般に10μm以上の厚さとなるようにすることがよ
い。 なお、上記のように液体冷却法により薄板化し
た合金につき、更に上記したような圧延を施して
おくこともできる。 次いで、このように薄板化した合金に対し、そ
のスピノーダル分解を行い、これにより磁気硬化
を生ぜしめるための所定の磁気硬化処理を施す。 このような磁気硬化のための時効処理として
は、薄板化した合金を、550〜650℃にて30分〜10
時間程度無磁場中で加熱保持した後、徐冷して時
効を行うだけでもよい。ただ、このような時効
は、例えば550〜650℃にて、例えば30分〜〜10時
間程度無磁場中で加熱保持した後、それを冷却し
ながら、例えば400〜450℃程度に降下するまで、
例えば10〜50℃きざみで、例えば30分〜50時間程
度づつ保持する多段時効を行つたり、あるいは、
例えば0.5〜20℃/hr程度の冷却速度で徐冷しな
がら行う連続時効を施したりすることによつて行
うことが好ましい。 この場合、このような磁気硬化処理は、時効初
期のスピノーダル分解粒子の析出時、あるいは粒
子析出後の一定時期において、更に所定の処理を
付加し、析出粒子の形状異方性の付与を行うと、
磁気テープを構成する薄板は、形状異方性を有す
る粒子の整列からなる構造をもつに至り、磁気特
性の点で、より好ましい結果を得る。 このような形状異方性付与の一手段としては、
磁気硬化処理初期の時効を磁場中で行う態様があ
る。この場合、前段の磁場中時効は合金組成によ
つては行うことができないものもあるが、キユリ
ー点がある程度以上の値を示し、処理可能な組成
の合金に対しては、磁気特性を向上させる点で有
効な手段となる。このような磁場中時効が可能な
場合には、前記のようにして行う時効において、
その初期ないし前段の時効を、例えば1000〜
3000Oe程度の磁場を印加しながら行えばよい。 しかし、このような磁場中時効は、合金組成に
よつては、そのキユリー点温度から行うことがで
きないことが多い。このため、形状異方性付与の
手段としては、圧延を用いることが好ましい。こ
の場合には、一般に無磁場中において、例えば
550〜650℃の温度にて、例えば30分〜10時間程度
の時効を行つた後、更に圧延を行い、これにより
析出後の粒子に形状異方性を付与するとともに、
薄板を最終所定厚となし、その後、再び無磁場中
での後段時効を施す態様を採用するのが好まし
い。このような場合、圧延は、通常冷間にて、圧
延率(圧下率)が例えば99%〜99.9%程度となる
まで行うことができ、これにより最終所望厚とす
ればよい。又、前段時効としては、磁場中にて行
つてもよいが、通常は無磁場中で行えば十分であ
る。更に、後段時効としては、前記したような温
度プロフイールで行うところの、所定温度から冷
却しながら行う多段ないしは連続時効として行う
ことが好ましい。 なお、これら無磁場中ないしは磁場中での各時
効は、空気中で行うこともできるが、不活性、非
酸化性ないしは還元性雰囲気下で行うことが好ま
しい。 このようにして磁気硬化せしめられた薄板は、
それから所定巾、所定長となし、各種磁気テープ
となされる。あるいは、必要に応じ支持体長尺フ
イルムと貼り合わせられ、各種磁気テープとなさ
れる。 本発明の磁気テープは、スピノーダル分解を利
用した加工性磁石であつて、上記特定組成のCu
―Ni―Fe系合金からなる0.5〜20μmの厚さをも
つ薄板から構成されるものであり、板厚上限値
20μmを臨界値として可とう性は十分満足しうる
ものとなり、各種長尺磁気テープとして適用した
とき、磁気ヘツドとの接触ないしは間隙の安定性
がきわめて高い。しかも、このように薄板化して
も、きわめて高い残留磁束密度と、きわめて高い
保磁力と、きわめて高い角形比(Br/Bs)を示
し、高出力の高出力の高密度記録用磁気テープと
して好適である。更に析出粒子の粒子径はきわめ
て小さく、S/N比も良好である。そして合金薄
板は、それ自体薄板となしたものであるので、最
産性に富み、しかも品質のバラツキもきわめて少
ない。加えて、特に10μm以下の厚さとしたとき
には、可とう性がより一層向上するとともに、高
域特性も従来の磁気テープと遜色がない性能を
得、再生F特も良好である。なお、磁気硬化処理
において、前段時効と後段時効との間に圧延工程
を挿入する好ましい態様では、この圧延工程にお
ける圧延率を上げるほど、磁気特性が向上する傾
向にあり、このため、本発明におけるように、
20μm以下のきわめて薄い板厚にまで圧延したと
きには、きわめて高い磁気特性が得られることに
なる。 以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。 実施例 1 Cu60重量%、Ni20重量%およびFe20重量%の
組成となるよう各元素を秤量し、配合した。この
後、これを真空下、高周波誘導溶解し、やはり真
空下で鋳造し、母合金を作成した。 次に、このようにして作成した母合金を用い
て、液体冷却法により薄板化した。すなわち、母
合金をアルゴン雰囲気下で高周波誘導溶解して融
液とし、アルゴンガスで加圧してこの融液を片ロ
ール冷却体表面に吹きつけ、103℃/sec程度の冷
却速度で冷却、凝固させ、200μm厚の長尺の薄板
を得た。 次いで、このようにして得た薄板に対し、真空
中で600℃で5時間無磁場中での時効を行つた。
この後、常温にて冷間圧延を行い、それぞれの圧
延率を変え、50μm、25μm、15μmおよび4μmの
4種の板厚の長尺薄板とした。しかる後4種の長
尺薄板につき、真空中で580℃にて1時間加熱保
持し、更に580℃から冷却しながら無磁場中での
多段時効を行つた。この場合、多段時効は、20℃
温度が下がるごとに、その温度に1〜10時間づつ
停滞させ、しかも温度が低くなるに従いこの停滞
時間を長くして行き、温度が460℃まで下がつた
ときに最後に10時間保持し、その後冷却すること
によつて行つた。 このようにして磁気硬化せしめた4種の薄板に
つき、それをスリツタにかけ所定巾となし、4種
のオーデイオ用カセツト用カセツト磁気テープA
〜Dを作成した。 磁気テープA〜Dにつき、それぞれの磁気特性
として、残留磁束密度Br、保磁力Hcおよび角形
比Br/Bs(Bsは飽和磁束密度)を測定したとこ
ろ、下記表1に示される結果を得た。 更に、各カセツト磁気テープA〜Dにつき、そ
れをカセツトテープレコーダー内に装置し、磁気
ヘツドと摺接させつつ、10KHzの正弦波記録を行
い、次いで10KHzの記録信号を再生した。このよ
うな記録再生を各磁気テープにつき所定長づつ行
い、そのときの再生レベル変動率(dB)を測定
し、ヘツドとの接触特性を評価した。結果を表1
に併記する。 他方、各カセツト磁気テープA〜Dの高域特性
を評価した。この場合、高域特性評価において
は、333Hzにおける3%第3次高調波歪での出力
レベル(MML)と、14KHzにおける飽和出力レ
ベル(MOL)とを測定した。MMLおよびMOL
につき、それぞれ後記比較用市販塗布形カセツト
磁気テープGのそれとのレベル差(dB)を求め、
下記表1に示した。 なお、磁気テープGとしては、γ―Fe2C3+Co
を磁性粉とする塗布磁性層厚さ6μmの市販の塗布
形カセツト磁気テープを用いた。この磁気テープ
GのBr,Hc,Br/Bsおよび上記と同様に測定し
た10KHzにおける再生レベル変動率を表1に併記
しておく。 表1の結果から、本発明の磁気テープは、きわ
めて高いBr,HcおよびBr/Bsを示すことがわか
る。又、従来の磁気テープに対し遜色のない再生
レベル変動率を示し、走行安定性、ヘツド接触性
が良好であることがわかる。これに対し、合金薄
板が本発明の範囲外の板厚、すなわち20μmより
大なる板厚であるときには、ヘツド接触性がきわ
めて悪くなり、実用に耐えないことがわかる。更
に、本発明の磁気テープは、333Hz MNL、14K
Hz MOLともに従来の塗布形テープより格段と
高いレベルを示し、しかもきわめてすぐれた高域
特性を発揮する。この場合、合金薄板厚が10μm
以下となると、この高域特性は更に向上してい
る。一方板厚が20μmより大となると、高域特性
が極度に悪く、実用に耐えないことがわかる。
【表】 * 塗布磁性層の厚さ
実施例 2 Cu60重量%、Ni20重量%、Fe18重量%および
Co2重量%の組成となるよう各元素を秤量し、実
施例1と同様に母合金を作成した後、実施例1と
同様に液体冷却法により200μm厚の薄板を得た。 次いで、実施例1と同様に、無磁場中時効、冷
間圧延および無磁場中多段時効を行い磁気硬化さ
せ、25μmおよび4μmの2種の薄板を得、これか
ら2種のカセツトテープE,Fを作成した。 このようにして得た2種のカセツトテープE,
Fにつき、そのBr,HcおよびBr/Bsを測定し、
又実施例1と同様に10KHzにおける再生レベル変
動率(dB)を測定し、又その高域特性を評価し
たところ、上記表1に併記される結果を得た。 この結果からも、本発明における磁性合金薄板
の板厚範囲のみで、本発明の効果が実現すること
がわかる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 スピノーダル分解を利用した加工性磁石から
    なり、Cu、NiおよびFeを必須成分として含み、
    この必須成分中において、Cu含量が25〜80重量
    %であり、Ni含量が10〜40重量%であり、10重
    量%以上の残部Feから構成される組成を有し、
    しかも0.5〜20μmの厚さを有する薄板から構成さ
    れる磁気テープ。
JP3796580A 1980-03-25 1980-03-25 Magnet tape Granted JPS56134711A (en)

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JPS56134711A (en) 1981-10-21

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