JPS6227146B2 - - Google Patents

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JPS6227146B2
JPS6227146B2 JP56002377A JP237781A JPS6227146B2 JP S6227146 B2 JPS6227146 B2 JP S6227146B2 JP 56002377 A JP56002377 A JP 56002377A JP 237781 A JP237781 A JP 237781A JP S6227146 B2 JPS6227146 B2 JP S6227146B2
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JP
Japan
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less
magnetic
alloy material
head
amorphous
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JP56002377A
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JPS57116740A (en
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Kazuo Ooya
Hiroki Fujishima
Shoji Ogura
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
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Publication of JPS57116740A publication Critical patent/JPS57116740A/ja
Publication of JPS6227146B2 publication Critical patent/JPS6227146B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、磁気ヘツド用非晶質磁性合金材料に
関する。 先行技術 非晶質磁性合金材料が、そのすぐれた軟磁気特
性などから、磁気ヘツド用材料として注目を集
め、その実用化研究が活発に行われている。 このような磁気ヘツド用非晶質磁性合金材料の
組成の1例として、原子比率で、Fe2〜5at%程
度、Si1〜5at%程度、B15〜25at%程度を含み、
残部が実質的にCoからなるものが知られてい
る。このような組成をもつ非晶質磁性合金材料
は、磁歪がきわめて小さく、又7.5KG以上のきわ
めて高い飽和磁束密度Bsをもつ。このため、こ
のような材料からヘツドを構成すれば、Fe―Ni
系やFe―Co―Ni系合金を磁性粉とし、これをバ
インダー中に分散して塗布設層してなるいわゆる
メタルテープ等の高保磁力磁気記録媒体に対して
も、有効に記録を行うことができる。 しかし、このような組成の非晶質磁性合金材料
も以下に述べるような欠点をもつ。 まず、その耐食性に問題があり、化学的要因に
基づき摩耗を生じる。すなわち、磁気記録媒体と
の接触走行を長期間に亘つて行うとテープ磁性層
塗膜がしばしば有するところの化学的腐食性雰囲
気により、あるいは空気中に存在する炭酸ガス、
水分等により、ヘツドを構成する非晶質磁性合金
材料表面に酸化物等の皮膜が生じ、これがテープ
走行に基づく応力や塗膜中の磁性粉体の研摩作用
により剥離して、ヘツド摩耗を生起するのであ
る。そして、この化学的摩耗は、高温かつ高湿等
の苛酷な使用条件はもとより、通常の条件下でも
きわめて大きいものである。 又、きわめて高温かつ高湿の条件下で長期間ヘ
ツドを保存ないし放置したようなとき、材料表面
には、水分等の影響により、材料表面に皮膜が生
じ、この皮膜によりスペースイングロスが増大
し、その後の記録再生使用において、高域入出力
レベルが低下する。又、媒体との摺接により、特
にヘツドキヤツプ近傍で皮膜が剥離し、実効ギヤ
ツプが増大したり、ギヤツプが目づまりしたりし
て、高域入出力レベルはこれによつても低下す
る。 更には、上記のような合金磁性粉を用いるいわ
ゆるメタルテープに対して記録再生を行うときに
は、媒体の接触走行に従い、高域での入出力レベ
ルが低下してしまい、周波数特性が劣化してく
る。この周波数特性の劣化は、ヘツド表面が摩耗
しておこるものではなく、ヘツド表面に変質層が
生じることにより生起している。そして、この変
質層は、おそらく、合金磁性粉と非晶質磁性合金
材料とがある種の反応を起し、合金磁性粉の変質
体が付着して生じるものであると考えられる。 加えて、非晶質磁性合金材料から磁気ヘツドを
作製するには、製造上、その薄板から所定の形状
に打抜き、これを用いてヘツドを構成することが
好ましい。しかし、上記のような材料を金型を用
いて打抜くと、せん断端面にヒビワレや、いわゆ
るバリを生じ、歩留りが悪い。又、打抜枚数が多
くなると、金型が摩耗、破損し、このため打抜枚
数の増加とともにバリが増大し、一つの金型で数
万枚程度の打抜きしかできず、生産性が悪い。し
かも、このような打抜き薄板を積層して磁気ヘツ
ドを作製すると、端部のバリのため占積率が下が
り、又機械的な歪が残り、記録再生出力が低下し
てしまう。 発明の目的 本発明は、このような実状に鑑みなされたもの
であつて、上記したような組成の高飽和磁束密度
の非晶質磁性合金材料において、これに別途新た
な添加元素を含有させることにより、上記のよう
な各種不都合を解消せんとするものである。より
具体的には、本発明の主たる目的は、耐食性が高
く、化学的要因に基づく摩耗が少なく、劣悪な条
件下での保存によつて変質せず、しかもメタルテ
ープに対する記録再生を行うときにも、周波数特
性が経時的に劣化せず、更には打抜き加工性が良
好で、バリの少ない打抜薄板を得ることのできる
磁束ヘツド用非晶質磁性合金材料を提供すること
にある。 本発明者らは、このような目的につき鋭意検討
を繰返した結果、所定量のRuの添加により、こ
のような目的が有効に実現することを見出し、本
発明をなすに至つたものである。 すなわち本発明における第1の発明は下記式で
示される組成をもつことを特徴とする磁気ヘツド
用非晶質磁性合金材料である。 式 (FepCoqxRuyYw [式中、Yは、SiおよびB、またはSiおよびB
とP、C、Ge、SnおよびAlのうちの1種以上を
表わし、Y中Siは5〜20%、P、C、Ge、Snお
よびAlが含まれる場合は総計Yの2%以下であ
る。又、x+y+w=100at%であり、このうち
xは62at%以上、77at%未満、yは3at%より
大、8at%以下、wは20〜26at%である。更に、
p+q=100%であり、このうちpは3〜7%で
ある。] 第2の発明は下記式で示される組成をもつこと
を特徴とする磁気ヘツド用非晶質磁性合金材料で
ある。 式 (FepCoqNirxRuyYw [式中、Yは、SiおよびB、またはSiおよびB
とP、C、Ge、SnおよびAlのうちの1種以上を
表わし、Y中Siは5〜20%、P、C、Ge、Snお
よびAlが含まれる場合は総計Yの2%以下であ
る。又、x+y+w=100at%であり、このうち
xは62at%以上、77at%末満、yは3at%より
大、8at%以下、wは20〜26at%である。更に、
p+q+r=100%であり、このうちpは3〜7
%、rは10%以下である。] 第3の発明は下記式で示される組成をもつこと
を特徴とする磁気ヘツド用非晶質磁性合金材料で
ある。 式 (FepCoqxRuyMzYw [式中、Mは鉄族元素、RuおよびCr以外の遷
移金属元素の1種以上を表わす。Yは、Siおよび
B、またはSiおよびBとP、C、Ge、Snおよび
Alのうちの1種以上を表わし、Y中Siは5〜20
%、P、C、Ge、SnおよびAlが含まれる場合は
総計Yの2%以下である。又、x+y+z+w=
100at%であり、このうちxは62at%以上、77at
%未満、yは3at%より大、8at%以下、zは4at
%以下、wは20〜26at%である。更に、p+q=
100%であり、このうちpは3〜7%である。] 第4の発明は下記式で示される組成をもつこと
を特徴とする磁気ヘツド用非晶質磁性合金材料で
ある。 式 (FepCoqNirxRuyMzYw [式中、Mは鉄族元素、RuおよびCr以外の遷
移金属元素の1種以上を表わす。Yは、Siおよび
B、またはSiおよびBとP、C、Ge、Snおよび
Alのうちの1種以上を表わし、Y中Siは5〜20
%、P、C、Ge、SnおよびAlが含まれる場合は
総計Yの2%以下である。又、x+y+z+w=
100at%であり、このうちxは62at%以上、77at
%未満、yは3at%より大、8at%以下、zは4at
%以下、wは20〜26at%以下である。更に、p+
q+r=100%であり、このうちpは3〜7%、
rは10%以下である。] なお、本発明者らは、先に、上式とほぼ同一の
組成の非晶質磁性合金材料につき、Ru添加量y
at%が、0.01〜3at%であるとき、高い耐食性
を示す旨を提案している。そして、この提案にお
いて、yが3at%より大となると結晶化温度が下
がつて好ましくない旨を開示している。しかし、
本発明者らのその後の研究によれば、Ru添加量
の増大による結晶化温度の下降は実用上問題とな
る範囲の値ではなく、逆に、Ru添加量の増大に
より、耐食性は一層向上し、又メタルテープ使用
時の周波数特性の経時劣化は格段と少なくなり、
更には打抜加工性も格段と向上することを見出し
て、本発明を提案するに至つたものである。 又、本発明者らは、先に、上式とほぼ同一の組
成の非晶質磁性合金材料につき、yとして0.01〜
8at%のRuと、上記MとしてCrとを併用添加した
ものを提案しているので、本発明では、その技術
的範囲からCrを含むものを除外するものであ
る。この場合、本発明の材料は、先の提案におけ
るようにCrを併用するときと同等の耐食性、メ
タルテープ使用時のF特および打抜加工性を示す
ものである。 発明の具体的構成 次に、本発明の具体的構成について詳細に説明
する。 上式で示される、本発明における磁気ヘツド用
非晶質磁性合金材料中の鉄族元素(Fe、Co、
Ni)の含有量は、62at%以上、77at%未満、好ま
しくは、62〜76.5at%である。 この場合、鉄族元素としては、FeおよびCoを
必須成分とする。そして、鉄族元素成分中のFe
組成比率pは3〜7%、Co組成比率qは83〜97
%である。従つて、鉄族元素成分の原子比率x
と、鉄族元素成分中のFe組成比率pの積として
得られるFe原子比率pxは、1.9〜5.4at%、より好
ましくは2.0〜5.0at%である。1.9at%未満および
5.4at%より大では、磁歪が大きなものとなつて
しまい、又透磁率が減少する。又、Co原子比率
qxは51.5〜74.5at%、より好ましくは60〜69at%
である。これ以外の値では飽和磁束密度Bsが減
少し、Bsが7.5KG未満になつてしまい、高保磁力
媒体への記録再生に適さなくなつてしまう。 鉄族元素成分としては、FeおよびCoに加え、
Niが含まれていてもよい。ただ、Ni量が増大す
ると飽和磁束密度Bsが減少するので、その鉄族
元素成分中のNi組成比率rは10%以下である必
要があり、Ni原子比率rxとしては、7at%以下で
あることが好ましい。 これに対し、ガラス化元素成分の含有量は、20
〜26at%である。そして、ガラス化元素成分とし
ては、SiおよびBを必須成分とする。この場合、
Si及びB以外のガラス化元素Xとし、ガラス化元
素成分YをSikBiXn(ここでk+1+m=100%)
で表わしたとき、この成分Y中のSi組成比率kは
5〜20%、B組成比率lは78〜95%である。従つ
て、Si原子比率kwは、1.0〜5.2at%である。1.0at
%未満となると、Bsが7.5KG未満となつてしま
い、又非晶質薄板の表面性が悪くなり、面精度の
良好な薄板を得られない。一方、5.2at%を超え
ると、7.5KG以上のBsは得られない。他方、Bの
原子比率lwは15.6〜24.7at%である。15.6at%未
満および24.7at%より大では7.5KG以上のBsが得
られないからである。 この場合、SiおよびB中のSi組成比k/(k+
l)は5〜20%であることが好ましい。そして、
k/(k+l)が8〜20%になるとより好ましい
Bsが得られることになる。 なお、ガラス化元素成分としては、SiおよびB
に加え、上記Xとして、その他のガラス化元素、
例えばP、C、Ge、Sn、Al等の1種以上が含ま
れていてもよい。ただ、Xの組成比mが2at%を
超えると、非晶質化しにくくなるので、Xの原子
比率mwは0.5at%以下である。 一方、本発明の非晶質磁性合金材料には3at%
より大で、8at%以下のRuが含まれる。3at%以
下では、耐食性、メタルテープ使用時の周波数特
性、および打抜加工性とも不十分である。又、
8at%を超えると非晶質化が困難となり、又Bsが
7.5KG未満となる。この場合、Ruの原子比率y
が、3.5〜8at%、より好ましくは3.5〜6at%とな
ると、更に好ましい結果を得る。 なお、特開昭52―114421号公報には、例えば上
式において、Siの原子比率kw=15at%、Bの原
子比率lw=10at%としたときに、Ruを2at%添加
した例が記載されている。このようなSiおよびB
の原子比率が本発明におけるとは異なる材料で
は、上記のように高保磁力媒体への記録再生にお
いて満足できる飽和磁束密度Bsが得られないも
のであるが、もし仮に、このような材料中のRu
添加量を3at%より大としたとしても、その耐食
性は向上しても、Bsが低い上、上記した打抜加
工性は殆んど向上しない。このような事実は、後
記実施例および比較例からも明白になるであろ
う。 又、同公報においては、RuとRhとが相等しい
作用をもつ添加元素である旨が記載されている
が、上式に示される組成をもつ材料においてRu
をRhに変えたときには、耐食性、メタルテープ
使用時の周波数特性、打抜加工性ともきわめて不
十分なものしか得られない。これも、後記実施例
および比較例から明白となろう。 他方、上式で示される非晶質磁性合金材料中に
は、4at%以下の範囲で、鉄族元素、RuおよびCr
以外の他の遷移金属元素(Sc〜Zn;Y〜Cd;La
〜Hg;AC以上)の1種以上が含まれていてもよ
い。ただ、これら上記Mが4at%を超えると、Bs
が減少し、又本発明の効果は減じられてしまう。
そして、Mの原子比率は0〜2at%であることが
好ましい。 このような、その他の遷移金属元素Mの好まし
い例としては、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Mo、W、
Mn等の1種以上を挙げることができる。 以上詳述した、上式で示される組成をもつ本発
明の非晶質磁性合金材料は、実質的に長範囲規則
性をもたない非晶質状態にある。又その形状は薄
膜、細数等であつてもよいが、通常は10〜100μ
m程度の厚さを有する薄板である。 次に、本発明の非晶質磁性合金材料は、通常以
下のようにして製造される。 すなわち、対応する組成の合金を、気相または
液相から超急冷する。この場合、超急冷法とし
て、スパツタリング等を用いれば、基板上に形成
された薄膜として得ることができるが、通常は合
金を融液となし、液相から104℃/sec以上、通常
104〜106℃/secの冷却速度で超急冷し、固化さ
せることによつて非晶質合金薄板を得ることによ
る。溶融状態の合金を超急冷するには、溶融合金
をノズルから噴射させ、双ロール法、片ロール
法、遠心急冷法等公知の種々の方式に従い急冷す
ればよい。 このような本発明の非晶質磁性合金材料の薄板
から磁気ヘツドを形成するには、通常、以下のよ
うにして行えばよい。まず、好ましくは、超急冷
法によつて得られた薄板に対し、所定の熱処理を
施す。この熱処理としては、例えば結晶化温度未
満、キユリー点以上の温度で施す無磁場中での、
特に内部歪取りを目的とする焼鈍処理でもよく、
又、結晶化温度およびキユリー点未満の温度で行
う、歪取りと磁気特性の改良を目的とする磁場中
での焼鈍処理であつてもよい。そして、この後者
の磁場中での焼鈍処理としては、静磁場、回転磁
場等のいずれを用いてもよい。これら焼鈍熱処理
およびその条件は、非晶質磁性合金の組成と所望
の磁気特性とから、適宜選択して行えばよい。 次いで、通常は、このような非晶質磁性合金薄
板を金型により打抜き、所定の形状となし、一般
に、その複数枚を絶縁性接着剤により所定トラツ
ク巾となるよう積層して、コア半体を作製する。
この場合、本発明の非晶質磁性合金材料は打抜加
工性が良好で、せん断端面のヒビ割れや、バリが
きわめて少なく、この打抜き加工を用いて、効率
よく、又歩留りよく、コア半体を得ることができ
る。又、バリが少ないので占積率も高く、記録再
生出力は低下しない。なお、上記熱処理は、この
打抜き後に施してもよい。又、場合によつては打
抜きにかえホトエツチングを用いたり、あるい
は、積層後の薄板から研削加工によりコア半体を
得てもよい。更には、ヴイデオ用磁気ヘツドとし
て用いるときには、薄板を積層する必要がないこ
ともある。 この後、通常は、コア半体に巻線を施し、これ
をコアホルダー中に挿入し、ギヤツプ突合せ面を
研摩した後、コア半体同志を突合せコアとなし、
更にギヤツプ内にギヤツプ材料を挿入し、更に、
シールドケース内に収納し、樹脂モールドをし
て、磁気ヘツドが作製される。 このように作製される磁気ヘツドは、オーデイ
オ用、ヴイデオ用、電子計算機用カードリーダー
用等の接触形ヘツドとして、いずれにおいてもき
わめて有用である。そして、いわゆるメタルテー
プ等、各種高保磁力媒体への記録再生に好適であ
る。 発明の具体的効果 本発明の上式で示される組成をもつ非晶質磁性
合金材料は、飽和磁束密度Bsが高く、メタルテ
ープ等の高保磁力媒体に対する記録再生用ヘツド
としてきわめて好ましい特性をもつ。又、その耐
食性は高く、記録媒体の接触走行に際して化学的
に生起する摩耗は少なく、又劣悪な条件下での保
存によつても高域入出力レベルの低下もきわめて
少ない。更にメタルテープと称される合金磁性粉
を用いる高保磁力媒体と接触走行させても、変質
層が生じ、周波数特性が経時劣化することもな
い。加えて、打抜加工性はきわめて良好で、せん
断端面にヒビワレが生じることはなく、又打抜き
に生じるバリもきわめて小さく、打抜き歩留りが
高く、しかも同一の金型を用いて打抜ける打抜枚
数も格段と多くなり、更にはバリによる占積率の
低下や、記録再生出力の低下もない。 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。 実施例 1 下記表1に示されるような8種の組成の非晶質
磁性合金材料の50μm厚の長尺薄板を高速冷法に
より作製した。
【表】 次に、この各薄板に対し、それぞれ、キユリー
点以上、結晶化温度以下の所定の温度にて、アル
ゴンガス雰囲気中で無磁場中での熱処理を施し
た。各薄板A〜Hの飽和磁束密度Bsは8.0KGであ
つた。 この後、各薄板から、超硬合金の金型を用い、
第1図に示されるようなコア半体2,2′の平面
形状にて、薄板1,1′を打抜いた。金型間のク
リアランスは10μmとした。 同一の金型を用いて10万枚の打抜きを行つたと
ころ、本発明に属する薄板E〜Hでは、打抜体端
面にヒビは全く生じなかつたのに対し、本発明外
のRu含有量が3at%以下の薄板A〜Dでは端面の
ヒビ割れがしばしば生じた。又、特に、Ruを含
有しない薄板Aは、数万枚にて、金型にクラツク
が生じ、破損し、10万枚の打抜きを行うことがで
きなかつた。 これら各薄板A〜Hにつき、1万枚目および10
万枚目からそれぞれ12枚の打抜体を選び、その端
面におけるバリの高さを、電気マイクロメータに
よつて計測した。これらを平均した値を下記表2
に掲げる。 次いで、これら各薄板A〜Hにつき、それぞれ
1万枚目から12枚の打抜体を用い、打抜体にエポ
キシ系接着剤を塗布して、約0.6mmの厚さとなる
よう積層し、これを加温硬化して、第1図に示さ
れるようなコア半体2,2′を得た。
【表】 この後、この各コア半体2,2′に捲線を施
し、コアホルダー中に収納し、コア半体のギヤツ
プ突き合せ面を、研摩およびポリシングして鏡面
仕上げした。そして、コア半体2,2′を、常法
に従い、所定のギヤツプをもつて突き合せ、磁気
ヘツド3とし、上記8種の薄板A〜Hからなるオ
ーデイオ用磁気ヘツドA〜Hを作製した。 このようにして得た8種のヘツドA〜Hにつ
き、Fe―Ni合金磁性粉を用いた市販メタルテー
プを用い、315Hz入出力レベル(MML)を測定し
た。すなわち、γ―Fe2O3を磁性粉とする塗布型
の標準テープにて0dB出力を決定した後、市販メ
タルテープを用い、バイアス電流およびシグナル
電流をそれぞれ変えて、315Hzの書き込み特性を
測定し、その最高出力レベルを、上記標準テープ
の出力レベルと比較して計測した。結果を下記表
3に示す。 更に、各ヘツドA〜Hにつき、上記市販メタル
テープを、25℃、相対湿度50%にて1000時間走行
後、上記γ―Fe2O3標準テープを用い、315Hz/
14KHzの周波数特性(F特)を測定した。結果を
走行前のF特に対する劣化値(dB)として、下
記表3に併記する。この場合、本発明外の薄板A
〜Dを用いたヘツドA〜Dでは、メタルテープ走
行後、ヘツド前面に、変色した変質層が形成され
ていた。 加えて、各ヘツドA〜Hにつき、γ―Fe2O3
磁性粉とし、塩化酢酸ビニル系の熱可塑形のバイ
ンダーを用いた市販テープを用い、化学的摩耗量
を測定した。すなわち、この市販テープを、25
℃、相対湿度50%にて、印加圧20gで4.75cm/
secの走行速度で、1000時間走行させ、走行後の
ヘツド前面の摩耗深さを表面粗さ計で測定した。
結果を、100時間当りの摩耗量(μm)に換算し
て下記表3に併記する。 なお、この走行後の各ヘツドの状態を光学顕微
鏡で観察したところ、Ruを含む薄板B〜Hを用
いるヘツドB〜Hでは、ヘツド摩耗面は鏡面状態
を呈さず、条痕が観察され、機械的摩耗が支配的
に生じたのに対し、Ruを含まないヘツドAで
は、金属光沢を有する鏡面状態を呈し、化学的摩
耗が支配的に生起していた。
【表】 表3に示される結果から、Ruを3at%を超えて
含む本発明の非晶質磁性合金材料の効果が明らか
である。すなわち、本発明の非晶質磁性合金材料
は、打抜加工性が良好で、打抜きバリが小さく、
ヘツド占積率が低下せず、高い記録再生出力が得
られ、又、メタルテープ走行によるF特劣化はき
わめて小さく、しかも化学的摩耗量もきわめて小
さい。 比較例 1 下記表4に示される組成をもつ、50μm厚の非
晶質磁性合金薄板I〜Kを得た。薄板I〜Kの
Bsは下記表5に示される。 実施例1と同様にして、これら薄板I〜Kにつ
き、1万枚の打抜きを行つたところ、1万枚目か
ら12枚の打抜体のバリの高さの平均は表5に示さ
れる値であつた。又、これら12枚の打抜体を用
い、実施例1と同様に磁気ヘツドを作製し、実施
例1と同様に化学的摩耗量を測定した。結果を表
5に併記する。
【表】
【表】 表5の結果から、本発明におけるとは異なるSi
およびB含有量の非晶質磁性合金材料薄板I〜K
では、飽和磁束密度Bsが低く、また打抜加工性
が悪く、それを積層して磁気ヘツドを作製したと
き、メタルテープに対する適合性がきわめて悪い
ことがわかる。 比較例 2 下記表6に示されるように、RuにかえRhを含
有する50μm厚の非晶質磁性合金薄板L,Mを得
た。
【表】 この薄板L,Mにつき、実施例1と同様に、1
万枚目におけるバリの高さ(dB)、メタルテープ
1000時間走行後の315Hz/14KHz F特の劣化
(dB)、および25℃、50%RH走行摩耗量(μm/
100hrs)を測定したところ、下記表7に示される
結果を得た。
【表】 表7に示される結果から、RuをRhにかえて
も、打抜加工性、メタルテープ走行によるF特の
経時劣化、および化学的摩耗量の減少とも、Ru
を含有するときのような効果が得られないことが
わかる。 実施例 2 下記表8に示されるような組成をもつ、50μm
厚の非晶質磁性合金薄板M〜Oを得た。
【表】 これら薄板M〜Oにつき、実施例1と同様に、
1万枚目におけるバリの高さ(dB)、メタルテー
プ1000時間走行後の315Hz/14KHz F特の劣化
(dB)、および25℃、50%RH走行摩耗量(μm/
100hrs)を測定した。結果を下記表9に示す。
【表】 表9の結果から、上式で示される組成のもの
は、いずれも、打抜加工性が良好で、メタルテー
プ走行後のF特劣化がなく、しかも化学的摩耗も
少ないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の磁気ヘツド用非晶質磁性合
金材料から磁気ヘツドを構成するときの1例を示
す斜視図である。 1,1′……非晶質磁性合金薄板、2,2′……
コア半体、3……磁気ヘツド。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記式で示される組成をもつことを特徴とす
    る磁気ヘツド用非晶質磁性合金材料。 式 (FepCoqxRuyYw [式中、Yは、SiおよびB、またはSiおよびB
    とP、C、Ge、SnおよびAlのうちの1種以上を
    表わし、Y中Siは〜20%、P、C、Ge、Snお
    よびAlが含まれる場合は総計Yの2%以下であ
    る。又、x+y+w=100at%であり、このうち
    xは62at%以上、77at%未満、yは3at%より
    大、8at%以下、wは20〜26at%以下である。更
    に、p+q=100%であり、このうちpは3〜7
    %である。] 2 下記式で示される組成をもつことを特徴とす
    る磁気ヘツド用非晶質磁性合金材料。 式 (FepCoqNirxRuyYw [式中、Yは、SiおよびB、またはSiおよびB
    とP、C、Ge、SnおよびAlのうちの1種以上を
    表わし、Y中Siは〜20%、P、C、Ge、Snお
    よびAlが含まれる場合は総計Yの2%以下であ
    る。又、x+y+w=100at%であり、このうち
    xは62at%以上、77at%未満、yは3at%より
    大、8at%以下、wは20〜26at%である。更に、
    p+q+r=100%であり、このうちpは3〜7
    %、rは10%以下である。] 3 下記式で示される組成をもつことを特徴とす
    る磁気ヘツド用非晶質磁性合金材料。 式 (FepCoqxRuyMzYw [式中、Mは鉄族元素、RuおよびCr以外の遷
    移金属元素の1種以上を表わす。Yは、Siおよび
    B、またはSiおよびBとP、C、Ge、Snおよび
    Alのうちの1種以上を表わし、Y中Siは〜20
    %、P、C、Ge、SnおよびAlが含まれる場合は
    総計Yの2%以下である。又、x+y+z+w=
    100at%であり、このうちxは62at%以上、77at
    %未満、yは3at%より大、8at%以下、zは4at
    %以下、wは20〜26at%である。更に、p+q=
    100%であり、このうちpは3〜7%である。] 4 下記式で示される組成をもつことを特徴とす
    る磁気ヘツド用非晶質磁性合金材料。 式 (FepCoqNirxRuyMzYw [式中、Mは鉄族元素、RuおよびCr以外の遷
    移金属元素の1種以上を表わす。Yは、Siおよび
    B、またはSiおよびBとP、C、Ge、Snおよび
    Alのうちの1種以上を表わし、Y中Siは〜20
    %、P、C、Ge、SnおよびAlが含まれる場合は
    総計Yの2%以下である。又、x+y+z+w=
    100at%であり、このうちxは62at%以上、77at
    %未満、yは3at%より大、8at%以下、zは4at
    %以下、wは20〜26at%である。更に、p+q+
    r=100%であり、このうちpは3〜7%、rは
    10%以下である。]
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