JPH01283382A - 耐黒変性、耐食性、耐指紋性およびアルカリ脱脂後のクロム固定率に優れた、クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板の製造方法 - Google Patents

耐黒変性、耐食性、耐指紋性およびアルカリ脱脂後のクロム固定率に優れた、クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板の製造方法

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JPH01283382A
JPH01283382A JP1013558A JP1355889A JPH01283382A JP H01283382 A JPH01283382 A JP H01283382A JP 1013558 A JP1013558 A JP 1013558A JP 1355889 A JP1355889 A JP 1355889A JP H01283382 A JPH01283382 A JP H01283382A
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勉 渡辺
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Masaru Sagiyama
勝 鷺山
Shinji Hori
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
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    • C23C22/24Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 containing hexavalent chromium compounds

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、電気亜鉛メッキ鋼板に、優れた耐黒変性、
耐食性、耐指紋性およびアルカリ脱脂後のクロム固定率
を付与することができる、電気亜鉛メッキ鋼板のクロメ
ート処理方法に関するものである。換言すれば、この発
明は、耐黒変性、耐食性、耐指紋性およびアルカリ脱脂
後のクロム固定率に優れた、クロメート処理電気亜鉛メ
ッキ鋼板の製造方法に関するものである。
[従来の技術] 特公昭42−14−.050公報は、亜鉛メッキ鋼板の
耐食性、特に、耐白錆性の向上を目的とする、1から2
0g/氾のクロム酸、1から50g/Qのシリカゾルお
よびCr3+を含有するクロメート処理液を開示してい
る(以下、′先行技術1#という)。
特公昭52−2,851 公報は、亜鉛メッキ鋼板の耐
食性、特に、耐白錆性の向上を目的とする、下記からな
る、亜鉛メッキ鋼板のクロメート処理方法を開示してい
る。即ち、18 g/f1以上のクロム酸、および、5
4 g / 11以上のシリカゾルを含有するクロメー
ト処理液を、亜鉛メッキ鋼板の少なくとも一方の亜鉛メ
ッキ層の上に塗布して、前記亜鉛メッキ鋼板の前記亜鉛
メッキ層の上にクロム層を形成し、そして、このように
クロメート処理を施こされた前記亜鉛メッキ鋼板を、水
洗いすることなく、乾燥させる(以下、′先行技術2“
という)。
特公昭61−58,552 公報は、亜鉛メッキ鋼板の
耐食性、特に、耐白錆性の向上を目的とする、下記から
なる、亜鉛メッキ鋼板のクロメ−1−処理方法を開示し
ている。即ち Cr” + 、 Cr3+およびシリカ
ゾルを主成分とし、Crl;+とCr3+との重量比(
Cr6”/Cr3”)が、110.6から1/1 の範
囲内にあり、そして、シリカとクロム全量との重量比(
Sin□/Cr)が、0.2/1から20/1の範囲内
にあるクロメート処理液を、電気亜鉛メッキ鋼板の少な
くとも一方の亜鉛メッキ層の上に塗布して、前記亜鉛メ
ッキ鋼板の前記メッキ層の上に、1面当り、30から2
00g/rrrの範囲内のクロム層を形成し、そして、
このようにクロメート処理を施こされた前記亜鉛メッキ
鋼板を、水洗いすることなく、40から150 ℃未満
の範囲内の温度に加熱して、これを乾燥させる(以下、
″先行技術3“という)。
上述した先行技術3によれば、先行技術1および2に比
へて、亜鉛メッキ鋼板の亜鉛メッキ層の上に形成された
クロム層(以下、′クロメート被膜”という)の溶出を
抑制することができ、従って、クロメート処理を施こさ
れた亜鉛メッキ鋼板(以下、′クロメート処理亜鉛メッ
キ鋼板“という)の耐食性を更に向上させることができ
る。
従来、クロメ−1−処理亜鉛メッキ鋼板の開発は、専ら
、耐食性の向上を目的として行われてきた。
しかしながら、最近、クロメート処理亜鉛メッキ鋼板に
対する需要が増大ずろに伴ない、クロメート処理亜鈴メ
ッキ鋼板の特性に対する需要家の要求項目が増加し、耐
食性はもとより、耐黒変性、耐指紋性等の外観上の特性
が重視されるようになってきた。クロメート処理亜鉛メ
ッキ鋼板を積み重ねた状態で保管しておくと、その表面
が黒く変色することがあるが、このような黒変現象が起
り難い性質を耐黒変性という。また、クロメート処理亜
鉛メッキ鋼板に手の指が触れたとき、その表面上に指紋
が明瞭に付着することがあるが、明瞭な指紋が付着し難
い性質を耐指紋性という。
一方、塗布型クロメート処理亜鉛メッキ鋼板は、亜鉛メ
ッキ鋼板の亜鉛メッキ層の上に、前記亜鉛メッキ層との
反応性が比較的低いクロメート処理液を塗布して、前記
亜鉛メッキ層の上にクロメート被膜を形成し、そして、
このようにクロメート処理を施こされた前記亜鉛メッキ
鋼板を、水洗いすることなく、乾燥させることによって
製造される。上述した塗布型クロメート処理亜鉛メッキ
鋼板の表面上に付着したプレス油や汚れを、アルカリ脱
脂法によって除去すると、そのクロメート皮膜からCr
t′4が溶出し、その結果、塗布型クロメート処理亜鉛
メッキ鋼板の耐食性が低下するばかりでなく、有害なC
r’+によって、環境を汚染する。
上述した問題を解決するためには、アルカリ脱脂後のク
ロム固定率、即ち、アルカリ脱脂処理前のクロム付着量
に対する、アルカリ脱脂処理後のクロム付着量の比率を
高める必要がある。なお、アルカリ脱脂後のクロム固定
率を高めると、結露時における、クロメート被膜からの
Cr’+の溶出も軽減される。
このようなことから、クロメート処理亜鉛メッキ鋼板に
対し、優れた耐食性、耐黒変性、耐指紋性およびアルカ
リ脱脂後のクロム固定率が要求されるようになった。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上述した先行技術1,2および3によっ
て、クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板に、満足できる
耐黒変性を付与することはできない。特に、先行技術1
,2および3によって製造されたクロメート処理電気亜
鉛メッキ鋼板を、湿気の高い夏期に、積み重ねた状態で
保管すると、黒変現象が発生し易い。
また、先行技術1および2のクロメート処理液中のクロ
ムイオンは、大部分がCrC+であるか、または、すべ
てCr9 +であり、Cr”+は20wt、%以下に過
ぎない。このような成分組成を有するクロメート処理液
を、電気亜鉛メッキ鋼板の亜鉛メッキ層の表面上に塗布
し、そして、これを乾燥させることによって得られたク
ロメート皮膜は溶出し易い6従って、需要家が、このよ
うなりロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板にアルカリ脱脂
処理を施こすと、アルカリ脱脂後のクロムの固定率が低
いためしこ、使用後のアルカリ脱脂用水溶液中に溶出し
たC、j 4による環境汚染が問題となる。
一方、先行技術3のクロメート処理液中のCr3+の含
有率は、Cr6+の含有率と同程度まで高められている
。従って、先行技術3によれば、電気亜鉛メッキ鋼板の
亜鉛メッキ層の上に、溶解度の低いクロメート被膜、即
ち、アルカリ脱脂後のクロム固定率に優れたクロメート
被膜を形成することができる。しかしながら、その反面
、クロメート被膜中のCr’+の量が少ないので、耐食
性が低下する。
特に、クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板を積み重ねた
状態で保管したときに生ずる疵部の耐食性が低下する。
上述したように、先行技術1から3によっては、耐黒変
性、耐食性、耐指紋性およびアルカリ脱脂後のクロム固
定率に優れた、クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板を製
造することはできない。
このようなことから、電気亜鉛メッキ鋼板に、優れた耐
黒変性、耐食性、耐指紋性およびアルカリ脱脂後のクロ
ム固定率を付与することができる、電気亜鉛メッキ鋼板
のクロメート処理方法、換言すわば、耐黒変性、耐食性
、耐指紋性およびアルカリ脱脂後のクロム固定率に優れ
た、クロメ−1・処理電気亜鉛メッキ鋼板の製造方法が
強く望まれているが、かかる方法は、まだ提案されてい
ない。
従って、この発明の目的は、耐食性は勿論、耐黒変性、
耐指紋性およびアルカリ脱脂後のクロム固定率に優れた
、クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板の製造方法を提供
することにある。
[課題を解決するための手段] この発明は、Cr”、 Cr3+およびシリカゾルを主
成分として含有し、Cr6+とCr3+との重量比(C
r’ +/Cr3” )が、63/37から80/20
  の範囲内にあり、そして、シリカとクロム全量との
重量比(Sin□/Cr)が、1/2から8/1 の範
囲内にあるクロメート処理液を、電気亜鉛メッキ鋼板の
少なくとも一方の亜鉛メッキ層の上に塗布して、前記電
気亜鉛メッキ鋼板の前記亜鉛メッキ層の上に、1面当り
、20から120+ng/mの範囲内のクロム層を形成
し、そして、次いで、このように前記クロメート処理液
を塗布された前記電気亜鉛メッキ鋼板を、その前後にお
いて水洗いすることなく、160から250℃の範囲内
の温度に加熱して、これを乾燥させることに特徴を有す
るものであり、さらに、前記クロメート処理液は、必要
に応じて、PO43−およびZn2+を、更に付加的に
含有し、PO43−とクロム全量との重量比(Po、3
Ver)は、1/30から2/1の範囲内にあり、そし
て、zn24′とCrG 4との重量比(Zn” +/
CrS+)は、 1/40から2/3の範囲内にあるこ
とに特徴を有するものである。
次に、この発明の方法において、クロメート処理電気亜
鉛メッキ鋼板の製造条件を、上述したように限定した理
由を、以下に説明する。
先ず、Cr6+とCr3+との重量比(Cr’ ”/C
r’ +)を、63/37から80/20の範囲内に限
定した理由は、次の通りである。即ち、Cr6+/Cr
3′″が80/20を超えると、クロメート処理液を塗
布された電気亜鉛メッキ鋼板を、160から250℃の
範囲内の乾燥温度で乾燥させても、水に溶は易いCrG
(がクロメート被膜中に多量に存在するために、アルカ
リ脱脂後のクロム固定率が低下する。一方、Cr’ +
/Cr3+が63/37  未満であると、アルカリ脱
脂後のクロム固定率は向上するが、クロメート被膜中の
Cr’“の量が少ないため、耐食性が低下し、また、ク
ロメート処理液を塗布された電気亜鉛メッキ鋼板を、1
60から250°Cの範囲内の乾燥温度で乾燥させると
、クロメート被膜の親水性が高くなるため、耐指紋性が
低下する。なお、親水性とは、水分子と結合し易い性質
をいう。従って、CrG +/Cr31は63/37か
ら80/20 の範囲内に限定すべきである。
Cr” /Cr3+が63/37未満の場合、即ち、C
rG +の比率が小さい場合に、クロメート被膜の親水
性が高くなる理由は明らかではない。しかしながら、C
r6+が、シリカ粒子中の親水性基であるシラノール基
と結合すると、クロメート被膜の親水性が低下するが、
Cr6+の比率が小さいと、Cr’+と結合しないシラ
ノール基が増加し、その結果、クロメート被膜の親水性
が高くなるものと推定される。
なお、クロメート被膜の難溶性、耐食性および耐指紋性
を一段と向上させるためには、Cr”’/Cr3+を、
65/35から75/25の範囲内に限定するのが好ま
しい。
次に、シリカとクロム全量との重量比(Sin2/Cr
)を、1/2から8/1の範囲内に限定した理由は、次
の通りである。即ち、シリカゾルをクロメート処理液中
に添加すると、クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板の耐
食性が向上することは公知であるが、発明者等は、シリ
カゾルをクロメート処理液中に添加すると、その耐指紋
性もまた向上するという知見を得た。しかしながら、S
iO□/Crが1/2未満では、耐食性および耐指紋性
に格別の向上が認められない。一方、SiO□/Crが
8/1 を超えると、クロメート被膜の親水性が高くな
り、そのため、クロメート処理電気亜鉛めっき鋼板に手
の指が触れたときしこ、クロメート被膜に汗が付着し易
いので、耐指紋性が低下し、指紋が明瞭に付着−1,1
− する。また、クロメート被膜の電気抵抗が増大するため
、溶接性が低下する。従って、SiO2/Crは、1/
2から8/1の範囲内に限定゛すべきである。
なお、クロメート被膜の耐食性および耐指紋性を一段と
向上させるためしこは、5i02/Crを、1/1から
7/1の範囲内に限定するのが好ましい。
次に、クロメート処理液を塗布された電気亜鉛メッキ鋼
板を、その前後において水洗いすることなく、160か
ら250℃の乾燥温度で乾燥させる理由は、次の通りで
ある。即ち、乾燥温度が160℃未満では、クロメート
処理電気亜鉛メッキ鋼板の耐黒変性およびアルカリ脱脂
後のクロム固定率に格別の向上が認められない。一方、
乾燥温度が250°Cを超えると、クロメート被膜に亀
裂が生じるため、耐食性が低下する。また、クロメート
被膜に亀裂が生しると、親水性の高い亜鉛メッキ層がミ
クロ的に露出するので、耐指紋性が低下する。従って、
クロメ−1−処理電気亜鉛メッキ鋼板の乾燥温度は、1
60から250℃の範囲内しこ限定すべきである。
クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板を160℃以上の乾
燥温度で乾燥させると、その耐黒変性が向上する理由は
明らかではないが、乾燥温度を160°以上にすると、
クロメート被膜中の水和水が減少して、クロメート被膜
が強固になるためと推定される。クロメート処理電気亜
鉛メッキ鋼板を加熱する手段は、熱風炉、誘導加熱炉、
赤外線加熱炉等、何れであってもよい。
なお、クロメート処理電気亜鉛めっき鋼板の耐黒変性、
耐食性、耐指紋性およびアルカリ脱脂後のクロム固定率
を一段と向上させるためには、上述した乾燥温度を、1
80から230℃の範囲内に限定するのが好ましい。
この発明において、クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板
の上述した乾燥の前はもとより、乾燥の後においても、
クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板を水洗いしないのは
、クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板を水洗いすると、
そのクロメート被膜中の、水に溶は易いCr’+が溶出
し、そのため、耐黒変性、耐食性および耐指紋性が低下
するからである。
第1図は、クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板における
、耐黒変性と、塩水噴霧試験における白錆発生までの時
間(即ち、耐食性)と、そして、乾燥温度との間の関係
を示すグラフであり、そして、第2図は、クロメート処
理電気亜鉛メッキ鋼板における、アルカリ脱脂後のクロ
ム固定率と、耐指紋性と、そして、乾燥温度との間の関
係を示すグラフである。第1図において、0印を結ぶ実
線は、対黒変性と乾燥温度との間の関係を、そしてΔ印
を結ぶ実線は、塩水噴霧試験における白錆発生までの時
間(即ち、耐食性)と乾燥温度との間の関係を示す。ま
た、第2図において、O印を結ぶ実線は、アルカリ脱脂
後のクロム固定率と乾燥温度との間の関係を、そして、
Δ印を結ぶ実線は、耐指紋性と乾燥温度との間の関係を
示す。
第1図および第2図から明らかなように、クロメート処
理電気亜鉛メッキ鋼板を160から250℃の範囲内の
乾燥温度で乾燥すると、クロメート処理電気亜鉛メッキ
鋼板に、優れた耐黒変性、耐食性、耐指紋性およびアル
カリ脱脂後のクロム固定率を付与することができる。
次に、電気亜鉛メッキ鋼板の少なくとも一方の亜鉛メッ
キ層の上に形成されるクロメート被膜の量を、20から
120■/rdの範囲内に限定する理由は、次の通りで
ある。即ち、クロメート被膜の付着量が20■/Q未満
では、クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板の耐食性およ
び耐指紋性し;格別の向上が認められない。一方、クロ
メート被膜の付着量が120■/Qを超えると、クロメ
ート処理電気亜鉛メッキ鋼板のアルカリ脱脂後のクロム
固定率を向上させることができない。従って、クロメー
ト被膜の付着量は、20から120■IQの範囲内に限
定すべきである。
なお、クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板の耐食性、耐
指紋性およびアルカリ脱脂後のクロノ1固定率を一段と
向上させるためには、クロメート被膜の付着量を、30
から90+ng/IIの範囲内に限定するのが好ましい
次に、必要に応じて、上述した成分組成を有するクロメ
ート処理液中に、PO43−を、クロム全量との重量比
(PO4”Ver)が1/30から2/1の範囲内にあ
るように添加する理由は、次の通りである。即ち、PO
43−には、 クロメート被膜の難溶性を向上させる作
用がある。しかしながら、Po、3−/Crが1730
未満では、クロメート被膜の難溶性に格別の向上が認め
られない。一方、PO43−/Crが2/1を超えると
、クロメート処理液のp)l値が低下して、エツチング
性が増大し、そのため、クロメート処理液の老化が早ま
り、しかも、耐指紋性が低下する。従って、PO43−
/Crは、]/30から2/1の範囲内に限定すべきで
ある。
次に、必要に応じて、上述した成分組成を有するクロメ
ート処理液中にZn2+をCr’+との重量比(Zn2
”/Cr’ +)が1/40から2/3の範囲内にある
ように添加する理由は、次の通りである。即ち、Zn”
+には、クロメート被膜の難溶性を向上させる作用があ
る。しかしながら、Zn2”/Cr’+が1140未満
では、クロメート被膜の難溶性に格別の向上が認められ
ない。一方、Zn2”/Cr6+が2/3を超えると、
クロメート処理液中に沈澱物が生成するようになる。従
って、Zn2”/Cr6+は、1/40から2/3の範
囲内に限定すべきである。
Cr’“およびCr3+を含有する水溶液は、無水クロ
ム酸(CrO2)水溶液中のCr’+の一部を、蔗糖、
グリコール、澱粉、メタノール、エタノール、または、
蓚酸等の還元剤によって、Cr3+に還元することによ
って得ることができる。
シリカゾルは、乾式シリカ粉末に比べて、クロメート処
理液中における分散性が良好で、凝集し難い。そのため
、シリカゾルを添加したクロメート処理液を使用すると
、乾式シリカ粉末を添加したクロメート処理液を使用し
た場合に比べて、クロメート被膜の耐食性および耐指紋
性を向上させることができる。シリカゾルは、水ガラス
(ケイ酸ソーダの水溶液)を原料として使用し、イオン
交換法、電気透析法等によって製造される。シリカゾル
として、例えば、日産化学工業株式会社製のスノーテッ
クス○、スノーテックスOL等が使用される。また、乾
式シリカ粉末は、四塩化ケイ素、クロルシラン等を、水
素および酸素の存在下において燃焼させることによって
製造される。
Zn’+を供給する主剤として、酸化亜鉛、水酸化亜鉛
、燐酸亜鉛、炭酸亜鉛等の亜鉛化合物が使用される。
[実施例コ 次に、この発明の方法を、実施例により、比較例と対比
しながら、更に詳細に説明する。
蔗糖の添加量が異なる種々の無水クロム酸(CrO2)
水溶液を、80℃の温度に2時間維持して、無水クロム
酸水溶液中のCrI′“の一部をCr3+に還元し、C
r’+とCr’+どの重量比(Cr’ ”/Cr3”)
が異なる種々の水溶液を調製した。次いで、このように
準備した種々の水溶液中に、異なる量のシリカゾルを添
加して、シリカとクロム全量との重量比(SiO□/C
r)が異なる、種々のクロメート処理液を調製した。次
いで、酸化亜鉛と燐酸とを溶解して□得た、P04′−
およびZn2+の供給源である、燐酸亜鉛水溶液を、上
述したようにして調製した種々のクロメート処理液のう
ちの一部に添加した。
このようにして調製した各種のクロメート処理液を、ク
ロム全量の濃度が5から25g/βの範囲内になるよう
に希釈し、このように希釈した各種のクロメート処理液
を、1面当り20 g / rnの亜鉛メッキ層を有す
る電気亜鉛メッキ鋼板上にそれぞれ塗布して、亜鉛メッ
キ層の上にクロメート被膜を形成し、ロール絞り法によ
って、このようにして形成されたクロメート被膜の付着
量を種々変更し、そして、このようにクロメ−I・被膜
を形成された電気亜鉛メッキ鋼板を、熱風炉内において
、種々の乾燥温度で乾燥させ、かくして、各種のクロメ
ート処理電気亜鉛メッキ鋼板を製造した。
このようにして製造した各種のクロメート処理電気亜鉛
メッキ鋼板から試験片を切り出し、そして、これ等の試
験片に、以下に述べる(1)から(4)の試験を行なっ
た。これ等の試験の結果を第1表に示す。
(1)耐黒変性試験 試験片を積み重ねた状態で、夏期に3か月間放置した後
、試験片のクロメート被膜の明度の変=19− 化を調べた。明度は、ハンターの色差式におけるL値に
よって評価した。即ち、3か月の期間の始まりにおける
L値と、終りにおけるL値との差の値ΔLにより、次の
3段階に評価した。
○:  −0,5≦ΔL △:  −3,0≦ΔL< −0,5 ×: ΔL< −3,0 (2)耐食性試験 試験片に対し、JIS規格Z2371に規定された塩水
噴霧試験を施こし、白錆の発性状況を24時間ごとに観
察した。そして、試験片の表面積に対する、白錆の発生
面積の比率が5%を超えた時点までの試験時間をもって
、白錆発生までの時間とした。
(3)クロム固定率試験 珪酸ソーダを主成分とする、60°Cの温度のアルカリ
脱脂用水溶液(日本パー力ライジング株式会社製のCL
−N364Sの20g/止水溶液)を、試験片に1分間
吹き付けた後、試験片のクロメート被膜のクロム固定率
、即ち、アルカリ脱脂前におけるクロム付着量に対する
、アルカリ脱脂後におけるクロム付着量の比率(%)を
測定した。
なお、アルカリ脱脂用水溶液の吹付けは、電気亜鉛メッ
キ鋼板にクロメート処理液を塗布してから、2週間経過
後に行なった。
(4)耐指紋性試験 試験片の表面上に指を押し付け、そして、試験片の表面
上に付着した指紋の目立ち易さを、目測により、次の3
段階に評価した。
○: 指紋が目立たない △: 指紋がやや目立つ ×: 指紋が著しく目立つ 第1表において、試験片No 、1.3−5.7゜8,
11,12.16〜19は、この発明の方法の範囲外の
比較法しこよって製造されたものであって、Cr”/C
r”、 Sin、/全Cr、 PO43V全Cr 、 
Zn2+/Cr6+および乾燥の前後における水洗いの
うちの少なくとも1つが、この発明の方法の範囲外であ
り、そのため、耐黒変性、耐食性、アルカリ脱脂後のク
ロム固定率および耐指紋性のうちの、少なくとも1つが
劣っている。
即ち、第1表から明らかなように、Cr6+/Cr3+
が、この発明の方法の範囲を外れて高い試験片Nα1は
、アルカリ脱脂後のクロム固定率が悪い。
Cr’ +/Cr3+が、この発明の方法の範囲を外れ
て低い試験片No、 3は、耐食性がやや劣り、そして
耐指紋性が悪い。SiO□/全Crが、この発明の方法
の範囲を外れて低い試験片Nα4は、耐食性および耐指
紋性が劣っている。5in2/全Crが、 この発明の
方法の範囲を外れて高い試験片N[15は、アルカリ脱
脂後のクロム固定率がやや低く、そして、耐指紋性が劣
っている。乾燥温度が、この発明の方法の範囲を外れて
低い試験片Nn 7は、耐黒変性およびアルカリ脱脂後
のクロム固定率が劣っている。乾燥温度が、この発明の
方法の範囲を僅かに外れて低い試験片No、 8は、耐
黒変性およびアルカリ脱脂後のクロム固定率がやや劣っ
ている。乾燥温度が、この発明の方法の範囲を外れて高
い試験片NQIIは、耐食性がやや劣り、そして、耐指
紋性が劣っている。クロメート処理液の塗布量、即ち、
クロム付着量が、この発明の方法の範囲を外れて少ない
試験片Nα12は、耐食性および耐指紋性が劣っている
。クロメート処理液の塗布量、即ち、クロム付着量が、
この発明の方法の範囲を外れて多い試験片Nα16は、
アルカリ脱脂後のクロム固定率が劣っている。Cr’“
/Cr”+が、この発明の方法の範囲を外れて低く、そ
して、乾燥温度が、この発明の方法の範囲を外れて低い
試験片No、 17は、耐黒変性が悪く、そして、耐食
性がやや劣っている。
Cr’ ” / C!r” ++ 5102 /全Cr
、’ PO43γ全CrおよびZn”/Cr’“のすべ
てが、この発明の方法の範囲内にあるものの、乾燥後に
水洗いをした試験片No 。
18および19においては、水洗いによって、クロメー
ト被膜中の、水に溶は易いcr″+が溶出したため、耐
食性が悪く、そして、耐黒変性および耐指紋性もやや劣
っている。
これに対し、この発明の方法に従って製造された試験片
No、、2,6,9,10.13〜15は、第1表に示
すように、何れも、耐黒変性、耐食性、アルカリ脱脂後
のクロム固定率および耐指紋性のすべての特性を、バラ
ンスよく兼ね備えている。
[発明の効果] 以上詳述したように、この発明の方法によれば、耐黒変
性、耐食性、耐指紋性およびアルカリ脱脂後のクロム固
定率に優れた、クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板を製
造することができ、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、クロメート処理電気亜鈴メッキ鋼板における
、耐黒変性と、塩水噴霧試験における白錆発生までの時
間と、そして、乾燥のための加熱温度との間の関係を示
すグラフ、第2図は、クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼
板における、アルカリ脱脂後のクロム固定率と、耐指紋
性と、そして、乾燥のための加熱温度との間の関係を示
すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、Cr^6^+、Cr^3^+およびシリカゾルを主
    成分として含有し、Cr^6^+とCr^3^+との重
    量比(Cr^6^+/Cr^3^+)が、63/37か
    ら80/20の範囲内にあり、そして、シリカとクロム
    全量との重量比(SiO_2/Cr)が、1/2から8
    /1の範囲内にあるクロメート処理液を、電気亜鉛メッ
    キ鋼板の少なくとも一方の亜鉛メッキ層の上に塗布して
    、前記電気亜鉛メッキ鋼板の前記亜鉛メッキ層の上に、
    1面当り、20から120mg/m^2の範囲内のクロ
    ム層を形成し、次いで、このように前記クロメート処理
    液を塗布された前記電気亜鉛メッキ鋼板を、その前後に
    おいて水洗いすることなく、160から250℃の範囲
    内の温度に加熱して、これを乾燥させることを特徴とす
    る、耐黒変性、耐食性、耐指紋性およびアルカリ脱脂後
    のクロム固定率に優れた、クロメート処理電気亜鉛メッ
    キ鋼板の製造方法。 2、前記クロメート処理液は、PO_4^3^−および
    Zn^2^+を、更に付加的に含有しており、PO_4
    ^3^−とクロム全量との重量比(PO_4^3^−/
    Cr)は、1/30から2/1の範囲内にあり、そして
    、Zn^2^+とCr^6^+との重量比(Zn^2^
    +/Cr^6^+)は、1/40から2/3の範囲内に
    あることを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
JP1013558A 1988-01-22 1989-01-23 耐黒変性、耐食性、耐指紋性およびアルカリ脱脂後のクロム固定率に優れた、クロメート処理電気亜鉛メッキ鋼板の製造方法 Expired - Fee Related JPH0794715B2 (ja)

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