JPH0126784Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、キヤリジを左右摺動可能に装置し
た針床の長手方向に間隔を置いて配置された一対
の案内輪間に、モータ等の駆動源によつて正逆回
動するベルトを張設し、そのベルトに、前記キヤ
リジに連結されかつそのキヤリジを連動させる連
結体を支持した編機のキヤリジ駆動装置に関する
ものである。

（従来の技術） この種のキヤリジ駆動装置において、一対の案
内輪間に張設されるベルトの一方の直線部分に対
し連結体を固定するのみでは、ベルトによる連結
体の支持力が小さく、ベルトの回動力を連結体を
介してキヤリジに円滑に伝達されることが困難と
なる。

（考案が解決しようとする問題点） このため、前記ベルトの一方の直線部分に沿つ
て連結体を移動案内するための固定の案内部材を
配設することが考えられるが、案内部材に対し連
結体を直接的に接触させながら移動案内すると、
前記ベルトの回動力が前記案内部材と連結体との
間の摩擦力によつて損失され、この分だけ伝達効
率が悪化する問題点があつた。

（問題点を解決するための手段） そこで、この考案では、針床の長手方向に間隔
をおいて配置された一対の案内輪間に張設された
ベルトの一方の直線部分の外側に、その一方の直
線部分と略平行に延長された固定の案内部材を設
け、 前記連結体に、前記案内部材の前記ベルトと反
対側の外側案内面に接して回転する左右一対の外
側案内ローラと、その両外側案内ローラの間にあ
つて案内部材の前記ベルト側の内側内面に接して
回転する１個の中間案内ローラと、その中間案内
ローラと左右一方の外側案内ローラとの間であつ
て前記案内部材と離隔して配置されかつ前記ベル
トの一端部を固定した第１のベルト固定片と、前
記中間案内ローラと左右他方の外側案内ローラと
の間であつて前記案内部材と離隔して配置されか
つ前記ベルトの他端部を固定した第２のベルト固
定片とを設けた構成にしたものである。

（作用） したがつて、この考案は、案内部材の内外側の
案内面に対し、左右一対の外側案内ローラと内側
の１個の中間案内ローラとの計３個の案内ローラ
によつて連結体が安定よくかつ円滑に移動案内さ
れる。さらに、連結体は第１のベルト固定片ある
いは第２のベルト固定片が、ベルトの左右の両案
内輪に当たる直線位置まで移動可能となる。

しかも、前記第１、第２の両ベルト固定片は案
内部材とそれぞれ離隔しているから案内部材との
間に摩擦接触が生じない。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面にしたがつて
説明する。

キヤリジ駆動装置を備えた編機を正面から表わ
した第５図および側面から表わした第６図におい
て、固定台（テーブル）１上には多数本の編針を
左右方向に列設した針床２がクランプ体３を介し
て固定されている。前記針床２上にはキヤリジ４
が左右方向へ摺動可能に装着され、このキヤリジ
４の上面には、上部に水平状のグリツプ部５ａを
備えて門形状をなす操作ハンドル５が起立状に取
付けられている。

次に、キヤリジ４を左右方向へ往復移動させる
キヤリジ駆動装置について説明すると、前記固定
台１上には左右方向に長尺の固定バー６が、その
前端に固着された取付片６ａにおいて、前記クラ
ンプ体３によつて固定されている。前記固定バー
６の左右両端部には、第６図に示すように、側面
形状が略Ｌ字状をなす一対の支柱７が、第５図に
示すように、ボルトと長孔によつて左右方向へ移
動調整可能にかつ針床２の左右両端面と当接した
状態において、立設されている。

一対の支柱７の上端には取付片７ａが前方へ向
けて延出されており、これら両取付片７ａの下面
には、前記キヤリジ４の上面より所定の高さを隔
てかつ下部に案内部材（ガイドレール）８ａを備
えた断面チヤンネル形の支持体８が左右方向に水
平状に架設されている。前記支持体８の内部に
は、可逆モータ９を駆動源とするベルト駆動機構
が内設されている。すなわち、支持体８の一端部
（第５図では右端部）には、可逆モータ９の出力
軸に対し減速機構（図示しない）を介して連繋さ
れた駆動の案内輪１１が回転可能に内設され、同
支持体８の他端部には従動の案内輪１２が回転可
能に内設されている。そして、これら両案内輪１
１，１２の間には前記可逆モータ９によつて、正
逆回動される駆動ベルト１３が張設されている。
なお、可逆モータ９は、支持体８の一端部前面に
固定されたモータケース１４内に内蔵されてい
る。さらにモータケース１４の片側に形成された
制御ボツクス１５内には、可逆モータ９の回転、
停止、逆転等を制御し、次に述べる連結体１６と
共にキヤリジ４の左右方向の移動幅を調節する制
御装置が内蔵されている。

前記支持体８の下部に一体に形成された案内部
材８ａは、前記駆動ベルト１３の下側直線部分１
３ａの下方に略平行して対向しており、この案内
部材８ａには、第１図、第２図及び第４図に示す
ように、前記駆動ベルト１３とキヤリジ４とを連
結して、同キヤリジ４を針床２上に沿つて左右方
向へ往復動させる連結体１６が装着されている。
前記連結体１６は、駆動ベルト１３の下側直線部
分１３ａに対し、第１、第２のベルト固定片１
７，１８によつて固定された駆動部材１６ａと、
この駆動部材１６ａの下端部に取付けられかつキ
ヤリジ４の操作ハンドル５と連結されるキヤリジ
連結片２５とを主体として構成されている。

前記駆動装置１６ａは、案内部材８ａに沿つて
移動案内されるもので、その両端部には、案内部
材８ａの外側面（下面）に接して回転移動する左
右一対をなす第１、第２の両外側案内ローラ１
９，２０が、水平方向のローラ軸２０，２２回り
にそれぞれ回転自在に取付けられている。さら
に、駆動部材１６ａの中央部には、前記第１、第
２の両外側案内ローラ１９，２１の中間部に位置
しかつ前記案内レール８ａの内側面（上面）に接
して回転移動する１個の中間案内ローラ２３が、
ローラ軸２４の軸回りに回転自在に取付けられて
いる。そして、前記３個の案内ローラ１９，２
１，２３によつて、駆動部材１６ａの上下方向の
ガタ付きが防止されている。

前記駆動部材１６ａを、駆動ベルト１３の下側
直線部分１３ａに対し固定的に連結する第１、第
２の両ベルト固定片１７，１８のうち、まず、第
１のベルト固定片１７は、前記中間案内ローラ１
８と第１の外側案内ローラ１９との間に位置し
て、前記駆動部材１６ａにボルト３０等によつて
取付けられている。また、第２のベルト固定片１
７は、前記中間案内ローラ１８と第２の外側案内
ローラ２１との間に位置して、前記駆動部材１６
ａにボルト３１等によつて取付けられている。
（第１図、第３図及び第４図参照） 前記第１、第２の両ベルト固定片１７，１８の
下部には、有端の歯付ベルトよりなる駆動ベルト
１３の両端部をそれぞれ嵌着する溝状のベルト連
結部１７ａ，１８ａがそれぞれ形成されている。
さらに、両ベルト固定片１７，１８の上部には、
駆動ベルト１３の上側直線部分１３ｂをその移動
方向（左右方向）と直交する方向（上下方向）へ
は位置規制して案内する溝状のベルト規制部１７
ｂ，１８ｂがそれぞれ形成されている。

また、この実施例において、第１、第２の両ベ
ルト固定片１７，１８の下端部には、第３図に示
すように、支持体８の側壁８ｂと、その案内部材
８ａの幅方向先端に上向きに折り返えされた折返
片８ｃとの間に嵌合して、支持体８に対し、駆動
部材１６ａの前後方向のガタ付きを防止する振止
め片１７ｃが形成されている。さらに、第１、第
２の両ベルト固定片１７，１８のベルト連結部１
７ａ，１８ａとベルト規制部１７ｂ，１８ｂは、
各ベルト固定片１７，１８の一側面に開口する溝
状に形成されており、各ベルト固定片１７，１８
の一側面には、そのベルト連結部１７ａ，１８ａ
の側方開口部を閉鎖する当板３２がボルト３０，
３１等によつて締着されている。

前記駆動部材１６ａの下端部には、キヤリジ連
結片２５が、その上端部に形成された左右一対の
取付片２５ａにおいて、左右方向に水平な支持ピ
ン２６によつて回動可能に取付けられている。こ
のキヤリジ連結片２５の下端部には、第１図、第
２図及び第４図に示すように、前記キヤリジ４の
操作ハンドル５の起立部５ｂと嵌合する連結溝を
備えたフオーク状の連結部２５ｂが形成さてい
る。この連結部２５ｂには、その連結溝に沿つて
合成樹脂、ゴム等よりなる保護片２７が嵌着され
ている。

前記駆動部材１６ａとキヤリジ連結片２５との
間には同キヤリジ連結片２５を常にはその連結部
２５ｂが前記操作ハンドル５の起立部５ｂと嵌合
する方向（第２図において時計方向）に弾発する
ばね２８が介装されている。さらに、キヤリジ連
結片２５の連結部２５ｂを操作ハンドル５から離
脱し、前記キヤリジ４をキヤリジ連結片２５から
離隔する位置まで左または右方向へ移動した状態
において、前記キヤリジ連結片２５が、駆動部材
１６ａ下面のストツパゴム片２９に当たる上方回
動位置、すなわち、キヤリジ４の操作ハンドル５
よりも所定高さだけ離隔した解離位置まで、前記
キヤリジ連結片２５を付勢しうるように、前記ば
ね２８のばね力が設定されている。この実施例に
おいて前記ばね２８に、トルクばねが採用され、
同ばね２８が前記支持ピン２６回りに嵌挿されて
いる。そして、ばね２８の一端が駆動部材１６ａ
と係合し、他端がキヤリジ連結片２５と係合して
いる。

また、この実施例では、第２図に示すように、
案内部材８ａの幅方向ほぼ中央部と直交する鉛直
線Ｌ上において、前記第１、第２の外側案内ロー
ラ１９，２１と中間案内ローラ２３とが配設され
るとともに、同鉛直線Ｌ上において、キヤリジ４
の操作ハンドル５とキヤリジ連結片２５との接点
Ｐが位置するように設定されている。そして、キ
ヤリジ４の操作ハンドル５側からの反力を、キヤ
リジ連結片２５および各案内ローラ１９，２１，
２３を介し、前記案内部材８ａの内外の両案内面
に対し直角に作用させることで、連結体１６の傾
きを防止している。

この実施例は上述したように構成されるもので
あり、したがつて、キヤリジ４の操作ハンドル５
の起立部５ｂに対し、連結体１６のキヤリジ連結
片２５の連結部２５ｂが嵌合している状態におい
て、可逆モータ９を作動すると、モータの出力
軸、減速機構、駆動の案内輪１１を介して駆動ベ
ルト１３が正逆方向へ回動される。すると、駆動
ベルト１３の下側直線部分１３ａと共に連結体１
６が左右方向へ一体に往復移動され、これによつ
て、キヤリジ４が針床２上に沿つて連動され、編
目が編成される。

前記駆動ベルト１３の正逆方向への回動時にお
いて、連結体１６の第１、第２の外側案内ローラ
１９，２１と、中間案内ローラ２３とが案内部材
８ａの内外の両案内面にそれぞれ接して回転移動
する。このため、連結体１６は、案内部材８ａに
沿つて安定よくかつ円滑に移動案内され、前記駆
動ベルト１３の回動力が、連結体１６を介してキ
ヤリジ４に効率よく伝達される。

（考案の効果） 以上述べたように、この考案によれば、案内部
材の内外側の案内面に対し、左右一対の外側案内
ローラと内側の１個の中間案内ローラとの計３個
の案内ローラによつて連結体が安定よくかつ円滑
に移動案内されるため、ベルトの回動力を、前記
連結体によつてキヤリジに効率よく伝達させて、
キヤリジを円滑に連動させることができるという
効果がある。

さらに、案内部材の内側案内面に接して回転す
る内側の案内ローラは、１個の中間案内ローラで
あり、この中間案内ローラと、左右の両外側案内
ローラとの間において配置された第１、第２の両
ベルト固定片によつて、ベルトと連結体とが固定
されることで、前記第１のベルト固定片あるいは
第２のベルト固定片が、ベルトの左右の両案内輪
に当たる直前位置、すなわち、外側案内ローラが
ベルトの案内輪に達する位置あるいは越える位置
まで、前記連結体を案内部材に沿つて移動案内す
ることができる。このため、連結体の移動量を、
針床の略全長にわたつてキヤリジを連動しうるだ
けの移動量に設定したときでも、前記ベルトの一
対の案内輪間の距離を長く延長する必要性を解消
することができ、この分だけ装置の小形化を図る
ことができるという効果もある。

しかも、前記第１、第２の両ベルト固定片と案
内部材との間には摩擦接触がないため、ベルトの
駆動力が両ベルト固定片並びに連結体を介してキ
ヤリジに一層効率よく伝達され、ベルトの駆動力
の損失を可及的に軽減することができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は要部を示す正面図、第２図は第１図の−
線断面図、第３図は第１図の−線断面図、第
４図はキヤリジ駆動体と連結片とを分離して示す
斜視図、第５図はキヤリジ駆動装置を備えた編機
全体を示す正面図、第６図は同側面図である。 ２……針床、４……キヤリジ、１１，１２……
案内輪、１３……駆動ベルト、１６……連結体、
１７……第１のベルト固定片、１８……第２のベ
ルト固定片、１９……第１の外側案内ローラ、２
１……第２の外側案内ローラ、２３……中間案内
ローラ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 キヤリジを左右摺動可能に装置した針床の長手
   方向に間隔を置いて配置された一対の案内輪間
   に、モータ等の駆動源によつて正逆回動するベル
   トを張設し、そのベルトに、前記キヤリジに連結
   されかつそのキヤリジを連動させる連結体を支持
   した編機に於いて、 前記ベルトの前記両案内輪間の一方の直線部分
   の外側に、その一方の直線部分と略平行に延長さ
   れた固定の案内部材を設け、 前記連結体に、前記案内部材の前記ベルトと反
   対側の外側案内面に接して回転する左右一対の外
   側案内ローラと、その両外側案内ローラの間にあ
   つて案内部材の前記ベルト側の内側内面に接して
   回転する１個の中間案内ローラと、その中間案内
   ローラと左右一方の外側案内ローラとの間であつ
   て前記案内部材と離隔して配置されかつ前記ベル
   トの一端部を固定した第１のベルト固定片と、前
   記中間案内ローラと左右他方の外側案内ローラと
   の間であつて前記案内部材と離隔して配置されか
   つ前記ベルトの他端部を固定した第２のベルト固
   定片とを設けたことを特徴とする編機のキヤリジ
   駆動装置。