JPH0126171Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、単輪歩行型の播種機におけるフロー
ト構造に関するものである。

(ロ) 従来の技術 四輪乗用タイプの播種機において、播種部を構
成する複数のフロートを独立懸架状に装設するも
の（例えば、特開昭57−186404号公報参照）、複
数のフロートが連結桿で相互に結合されて全ての
フロートが一体的に上下動するもの（例えば、実
開昭56−100114号公報参照）が、個々別々に知ら
れている。

(ハ) 考案が解決しようとする課題 従来の技術で述べた四輪乗用型の播種機は、四
輪によつて車体が安定的に支持される四点支持状
態で走行し、播種部のフロートで車体を支える必
要がないから、フロートを独立懸架状に設けて
も、全フロートが一体的に浮動する構造にして設
けても、さして車体走行面での問題は起きないの
であるが、播種機が単輪歩行型である場合には、
単輪で安定性に欠ける車体を、オペレータが操縦
ハンドル部で支えつつ操縦しなければならないの
でオペレータに掛かる負荷が大きくなる。故に、
単輪歩行型の播種機にあつては、播種部を構成す
るフロートに車体を支える役目をも果たさせるよ
うにすると好都合であり、その場合には、複数の
フロートが一体的に上下動するように構成するの
が車体の左右の振れをよりよく止めることができ
るのであるけれども、常に複数のフロートが一体
的に上下動するものであると、圃場が硬い場合に
凹凸に対しての追従性が悪くなり、返つて車体の
安定性を悪くしてオペレータの負荷を軽減するこ
とができないことになる問題が生ずる。

そこで、本考案は、播種部のフロートに車体支
え作用もさせる単輪歩行型の播種機でありなが
ら、圃場が軟弱でも硬くても車体の走行安定性を
高めて楽に操縦作業できるように改良されたフロ
ート構造の提供を目的として実施したものであ
る。

(ニ) 課題を解決するための手段 即ち、本考案は、車体１の前部中央部分に配設
される単車輪３と、該単車輪３の後部寄り両側か
ら後方にかけての部位で接地するフロート６，６
とで３点接地して走行する単輪歩行型播種機にお
いて、前記両フロート６，６を、それぞれが独立
に上下動する独立懸架状態と、両フロートが一体
的に上下動する状態とに切り換えできるようにし
たフロート構造にしている。

(ホ) 作用 したがつて、本考案フロート構造の単輪歩行型
播種機にあつては、圃場が軟弱な場合は、全フロ
ートが一体的に上下動する状態にして作業するこ
とができるのであり、この場合には、一体的に上
下動するフロートが、車体の左右のフラツキを止
めると共に車体の浮力を向上して車体を安定走行
させることになり、しかも、一体的のフロートが
軟弱地の凹凸個所を押し均すことになつて播種個
所の地面を均平にするのである。

そして、圃場が硬い場合は、各フロートが単独
に上下動する独立懸架状態に切り換えて作業すれ
ば、この場合には、硬い田面の凹凸に対する追従
性が向上し、単輪型である故に安定性の悪い車体
を安定よく支える役目を果たすことになつて、オ
ペレータの操縦負荷を軽減するのである。

(ヘ) 実施例 つぎに、本考案の実施例について図面を参照し
て説明する。

第１図において、播種機Ａは、車体１の前部に
エンジン２とミツシヨンケース（図には表れてい
ない）を位置させ、該ミツシヨンケースを経た動
力で駆動される単車輪３を車体１の前部中央に配
設するとともに、車体１の後部に播種部４を設
け、さらに前記単車輪３の後部寄り両側から後方
の部位で接地する左右のフロート６，６を配設し
て、それぞれのフロート６に前記播種部４のパイ
プ５，５を開口させて構成されている。

フロート６，６は、第２図と第３図にみられる
ように、左右方向並列して設けられ、各々のフロ
ート６は、車体１に平行リンク７，７で独立的に
懸架されており、フロート６，６上端面の横枠
８，８へ結合されていて、該横枠８，８へは連結
杆９が挿入されて、第４図のごとく一体的に結合
できるようピン１０を差込み、着脱自在に構成さ
れている。

尚、第１図中、１１，１２はチエンケースで、
ミツシヨンケースから単車輪３へ、単車輪３から
播種部４へ各々動力を伝達するようになつてい
る。また、１３は操縦ハンドル、１４は播種され
た種子、１５は耕土表面を示している。

しかして、この播種機Ａのフロート６，６は、
第２図、第３図の如く、左右独自の懸架状態にあ
る場合には、硬い耕土表面１５の凹凸に追従しな
がらフロート６，６が左右個別に矢印方向に揺動
し前進することによつて播種部４からの種子１４
の落下と耕土表面１５との間隙が一定に保たれな
がら播種される。

次に、水田等の軟弱な耕土表面に播種する場合
は、第２図の仮想線および第４図のごとく、連結
杆９を左右フロート６，６の横枠８，８へ挿通
し、ピン１０，１０を差し込み結合状態として左
右一体的にすることによつて、左右のフロート
６，６で軟弱な耕土を均平にし、併せてフロート
６，６へ浮力が与えられて、全体として耕土表面
１５を滑動して種子１４の播種状態が一定深さと
なるのである。

(ト) 考案の効果 本考案は、以上に説明したようなフロート構造
になるものであるから、単輪歩行型の播種機であ
るにも拘らず、播種部を構成するフロートにより
硬い圃場、軟弱圃場のそれぞれに適合した車体支
え作用がもたらされることになつて、常に車体を
安定よく保ちオペレータの操縦負担を軽減するこ
とができ、播種機を小型コンパクトにしてコスト
面を有利とする利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は播種機全体の側面図、第２図は第１図
のフロート部分の斜視図、第３図は第１図のＨ−
Ｈ断面図、第４図は第３図のフロートを連結杆で
結合した状態図である。 １……車体、３……単車輪、４……播種部、６
……フロート、７……平行リンク、９……連結
杆、Ａ……播種機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体１の前部中央部分に配設される単車輪３
   と、該単車輪３の後部寄り両側から後方にかけて
   の部位で接地するフロート６，６とで３点接地し
   て走行する単輪歩行型播種機において、前記両フ
   ロート６，６を、それぞれが独立に上下動する独
   立懸架状態と、両者が一体的に上下動する状態と
   に切り換えできるようにしてあることを特徴とす
   る単輪歩行型播種機におけるフロート構造。