JPH0125901Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はリモコン操作によつて操作するガス
バーナーのガスバルブ作動装置に関する。

ガスバーナーのガスバルブの作動をリモコンに
より操作する方法には、従来より、パイロツトバ
ーナーおよび主バーナーの消火（以下、消火と記
す）およびパイロツトバーナーの点火（以下、点
火と記す）並びに主バーナーの着火（以下、着火
と記す）を全てリモコン操作で行う方法（以下、
第１方法と記す）と、消火、点火のみは直接操作
し、点火後の着火をリモコン操作で行う方法（以
下、第２方法と記す）とがあつた。

しかし、これらの各方法に用いられるガスバル
ブ作動装置およびリモコン装置はそれぞれ構成が
異なるため別々に製造しなければならず、よつて
自ずと製造コストが高額化する。その上、風呂場
等において既にリモコン装置が取り付けられてい
れば、その装置に合つた、ガスバルブ作動装置を
有するガスバーナーを選ばなければならず極めて
不都合であつた。

この考案はかかる事情に基づいてなされたもの
であり、その目的は、通常は第２方法によつてリ
モコン操作できるように構成され、かつ、僅かな
部品を取り外せば第１方法のリモコン装置が容易
に取り付けられ第１方法でリモコン操作できると
いうガスバーナーのガスバルブ作動装置を提供す
ることである。

そして、この目的は、ガスバーナーの作動をバ
ルブ機構によつて制御するとともにこのバルブ機
構をリモコン手段によつてコントロールするガス
バーナーのガスバルブ作動装置において、 前記リモコン手段を構成するにあたつて、前記
バルブ機構を操作する作動軸とこの作動軸に設け
られた固定カムおよび作動カムと前記作動軸を回
動させるリモコンワイヤと前記作動軸を設置する
基板とを備え、 前記基板に切り欠きを形成するととともにこの
切り欠きに前記作動軸を遊貫し、 この作動軸の上部に前記固定カムを固定し、 且つ、前記作動軸における前記固定カムの下方
に前記作動カムを遊嵌するとともにこの作動カム
を前記固定カムの下面に接するように上方向に付
勢し、 且つ、前記固定カムの下面に突部を形成すると
ともに前記作動カムの上面にこの突部が嵌脱する
カム溝を設け、 且つ、前記作動カムの下面に突部を形成すると
ともにこの突部の先端に係止部を設け、 更に、前記切り欠きに前記作動カムの突部が嵌
脱する凹部と前記作動カムの突部の係止部のみが
嵌挿した状態で摺動する大径部とを設けることに
より達成された。

以下、この考案の実施例を第１〜１３図に基づ
いて説明する。

図において、１１は消火、点火および着火を全
て一軸による平面操作によつて操作できるガスバ
ーナーのガスバルブ作動装置である。

１３はケーシングであり（第４図）、バルブ機
構１４（第１３図）を収容する。１５はケーシン
グ１３の上板（この考案の「基板」に相当する。）
である。この上板１５は真円状の切り欠き１７を
有する。この切り欠き１７には、後記する作動カ
ム２５の下面に設けられた突条３７，３７が嵌脱
する凹部１９，１９、および、後記係止条（突条
３７の）３９，３９が係止した状態で摺動する大
径部２１，２１が形成されている。

２３は作動軸であり、切り欠き１７に遊貫して
ケーシング１３の上板１５から上方に突出してい
る。この作動軸２３は回動することによつてケー
シング１３内のバルブ機構１４を作動させる。２
５は作動カムであり、作動軸２３の突端から遊貫
されている。そして、ストツパー２７によつて下
端を係止されたスプリング２９により上方に付勢
されている。３１，３１は連結片であり、作動カ
ム２５の両端に各々、一体形成されている。この
連結片３１，３１は各々その先端部においてリモ
コンワイヤー３３，３３と枢着している。そし
て、このリモコンワイヤー３３，３３は遠隔して
設けられたリモコンハンドル３５によつて操作さ
れる。よつて、リモコンハンドル３５を回動させ
ると原則として、ワイヤー３３，３３を介し作動
カム２５が回動する。

一方、３７，３７は突条であり、作動カム２５
の下面に突設されている。この突条３７，３７は
上板１５の切り欠き１７の凹部１９，１９に嵌脱
するものである。

又、３９，３９は係止条であり、突条３７，３
７の先端の内側端縁に突設されている。この係止
条３９，３９は上板１５の切り欠き１７の大径部
２１，２１に係止したまま、大径部２１，２１の
縁にその外周面を摺動するものである。

なお、凹部１９，１９の始端縁４１，４１と大
径部２１，２１の終端縁４３，４３は、作動カム
２５のストツパーとなる。

又、４５，４５はテーパの形成されたカム溝で
あり、作動カム２５の上面に形成されている。こ
のカム溝４５，４５には、後記する固定カム４７
の突部４９，４９が嵌脱する。

４７は固定カムであり、作動カム２５の上面に
重ねて設置され、作動軸２３に固定されている。
よつて、この固定カム４７は上方に付勢されてい
る作動カム２５のストツパーの役目をする。４
９，４９は突部であり、固定カム４７の下面に形
成されている。この突部４９，４９は前記した作
動カム２５のカム溝４５，４５に嵌脱する。

なお、前記作動軸２３と前記固定カム４７と前
記作動カム２５と前記リモコンワイヤ３３と前記
ケーシング１３の上板１５はこの考案のリモコン
手段に相当する。

なお、５１はつまみであり作動軸２３の突端に
設けられている。このつまみ５１は作動軸２３を
直接回動するとき把持するものである。又、５３
は支持板であり、上板１５に、ボルト５５，５５
を介して螺着されている。この支持板５３は作動
軸２３を回動自在に枢支する。

次に固定カム４７の突部４９，４９と作動カム
２５のカム溝４５，４５との相互関係および作動
カム２５の突条３７，３７および係止条３９，３
９と上板１５の切り欠き１７との相互関係を説明
する。

先ず、固定カム４７の突部４９，４９は作動カ
ム２５のカム溝４５，４５に、消火状態から点火
状態前において脱しておるが、点火状態以後から
着火状態の間では嵌合する。

又、作動カム２５の下面の突条３７，３７は、
上板１５の切り欠き１７に対して、消火状態から
点火状態前において切り欠き１７の凹部１９，１
９に嵌合し、点火状態以後から着火状態までの間
はこの凹部１９，１９から脱する。なお、突条３
７，３７の先端の係止条３９，３９は点火状態以
後から着火状態においても切り欠き１７の大径部
２１，２１に嵌合している。

次に、ガスバルブ装置１１の作用を第１〜１２
図に基づいて説明する。

先ず消火状態から点火状態前に作動軸２３をＡ
方向に回す過程について第１〜６図に基き説明す
る。

この過程では、固定カム４７の突部４９，４９
は作動カム２５のカム溝４５，４５に嵌合しない
で、スプリング２９の弾性力に抗して作動カム２
５を下方に押している。よつて、作動カム２５の
下面の突条３７，３７は上板１５の切り欠き１７
の凹部１９，１９に嵌合している。このため、リ
モコンハンドル３５を操作しようとしても動か
ず、、それゆえ作動カム２５は回動せず、よつて
固定カム４７および作動軸２３も回動しない。そ
れゆえ消火状態から点火状態前までの回動過程
は、リモコン操作でなく直接手動で操作する。

次に、点火状態について第７〜１０図に基づき
説明する。

このとき、固定カム４７の突部４９，４９は作
動カム２５のカム溝４５，４５に嵌合する。する
と、作動カム２５はスプリング２９の弾性力によ
つて上方に押され固定カム４７と密接する。よつ
て、作動カム２５の下面の突条３７，３７は上板
１５の切り欠き１７の凹部１９，１９から脱す
る。このため、リモコンハンドル３５を操作すれ
ばワイヤー３３，３３を介して作動カム２５が所
定範囲（大径部２１，２１の範囲）で回動し、よ
つて、固定カム４７および作動軸２３は回動す
る。それゆえ、点火状態以後から着火までにおい
て、主バーナのバルブの開閉をリモコン操作でき
る。

なお、第１１および１２図は着火状態における
作動カム２５および固定カム４７の状態を示した
ものである。

なお、点火状態から消火状態にするときには、
ハンドル３５を操作しても、作動カム２５の係止
条３９，３９が上板１５の切り欠き１７の凹部１
９，１９の始端縁４３，４３に当接し、作動カム
２５の回転は阻止されるため、つまみ５１を手で
直接把持して反Ａ方向に回す。このとき固定カム
４７の突部４９，４９はカム溝４５，４５からテ
ーパを介して脱し、そのまま作動軸２３を反Ａ方
向に回し続けると消火の状態となる。なお、固定
カム４７の突部４９，４９が作動カム２５のカム
溝４５，４５から脱した後は、この突部４９，４
９が作動カム２５の上面をスプリング２９に抗し
て押圧するため、作動カム２５の下面の突条３
７，３７は再び上板１５の切り欠き１７の凹部１
９，１９に嵌合する。よつて、リモコンハンドル
３５を操作しようとしても動かずそれゆえリモコ
ン操作で作動カム２５、固定カム４７、作動軸２
３を回動させることはできない。

第１３図は前記ガスバルブ作動装置１１を前記
第一方法に使用したものである。この場合、前記
ガスバルブ作動装置１１の作動カム２５、固定カ
ム４７、スプリング２９を取り外し、第一方法に
使用するリモコンユニツト（作動カム２５の作
用、固定カム４７の作用の他に点火、着火作用も
可能なリモコンユニツト）を取りつければよい。
このとき、取りつけボルトとして前記支持板５３
の取付ボルト５５，５５が利用される。

以上のようにこの考案に係るガスバルブ作動装
置は、固定カムの突部と作動カムのカム溝、およ
び作動カムの突条および係止条とケーシングの上
板の切り欠きとの各嵌脱関係を適宜定めることに
より第２方法によつてリモコン操作でき、又、固
定カム、作動カム等僅かな部品を取り外すのみで
第１方法に用いられるリモコンユニツトを取り付
けることができる。。よつて、両方法を適宜選択
して用いることができる。

この結果、各方法によつてガスバルブ作動装置
を各別に製造する必要はないのでガスバルブ装置
ひいてはガスバーナーの製造コストが安くなる。
その上、既に風呂場等に設置されているいかなる
リモコン装置に合わせても取り付けることができ
るため極めて実用的である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係るガスバーナーのガスバル
ブ作動装置の実施例を示すものであり、第１図は
消火状態の平面図、第２図は同斜視図、第３図は
同分解斜視図、第４図は第１図における−線
断面図において、ケーシングにカバーをかけた断
面図、第５図は第１図における−線断面図、
第６図は同−線断面図、第７図は点火状態の
斜視図、第８図は同平面図、第９図は第８図にお
ける−線断面図、第１０図は同−線断面
図、第１１図は着火状態の斜視図、第１２図は同
平面図、第１３図は第１方法でリモコン操作する
場合に用いる部品を取り外し、第２方法でリモコ
ン操作するとき用いるリモコン装置を取り付けた
状態の断面図である。 １１……ガスバルブ作動装置、１３……ケーシ
ング、１４……バルブ機構、１５……上板（基
板）、１７……切り欠き、１９……凹部、２１…
…大径部、２３……作動軸、２５……作動カム、
３７……突部（突条）、３９……係止部（係止
条）、４５……カム溝、４７……固定カム、４９
……突部、５７……リモコンユニツト（第一方
法）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ガスバーナーの作動をバルブ機構によつて制御
   するとともにこのバルブ機構をリモコン手段によ
   つてコントロールするガスバーナーのガスバルブ
   作動装置において、 前記リモコン手段を構成するにあたつて、前記
   バルブ機構を操作する作動軸とこの作動軸に設け
   られた固定カムおよび作動カムと前記作動軸を回
   動させるリモコンワイヤと前記作動軸を設置する
   基板とを備え、 前記基板に切り欠きを形成するとともにこの切
   り欠きに前記作動軸を遊貫し、 この作動軸の上部に前記固定カムを固定し、 且つ、前記作動軸における前記固定カムの下方
   に前記作動カムを遊嵌するとともにこの作動カム
   を前記固定カムの下面に接するように上方向に付
   勢し、 且つ、前記固定カムの下面に突部を形成すると
   ともに前記作動カムの上面にこの突部が嵌脱する
   カム溝を設け、 且つ、前記作動カムの下面に突部を形成すると
   ともにこの突部の先端に係止部を設け、 更に、前記切り欠きに前記作動カムの突部が嵌
   脱する凹部と前記作動カムの突部の係止部のみが
   嵌挿した状態で摺動する大径部とを設けたことを
   特徴とするガスバーナーのガスバルブ作動装置。