JPH0125258Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の利用分野） 本考案は収納した食料品等の乾燥を防止し、開
扉時にも冷気の放散を少なくするようにした保冷
コンテナに関するものである。

（従来技術） 近時産地からの食料品の運送は広範囲にわたり
その腐敗を防ぎ鮮度を保つために保冷コンテナが
盛に使用されるようになつたが、従来使用されて
いる保冷コンテナは、コンテナ内に冷凍機を設置
し、この冷凍機により冷却された空気をフアンに
より保冷室内に吹込むことによつて冷却するも
の、或は冷凍機は設けずコンテナ内に積載する荷
物間に氷塊を詰めることによつて保冷するもの等
があつた。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、前記の保冷コンテナは冷凍機に
より冷却された空気を吹込むものについては風に
より乾燥し易く、特に生野菜等については乾燥に
よる弊害が発生し易く、又、荷物の詰込量が増大
した場合には風の流れが悪化して温度ムラが発生
し、更に積込み、積出し時に冷却された空気が外
方へ向けて吹出すため温度の高い外気が流入して
コンテナ内の温度が上昇する等の問題点があり、
氷を使用する方式のコンテナにあつては解氷によ
る水のため室内が濡れて荷物を傷め、或は外部へ
流出して見苦しくなる等の問題点があつた。

（問題を解決するための手段） 而して本考案は前記の問題点を解決するために
提供され、保冷コンテナの保冷室を冷凍機室より
冷却されて走行する冷媒を介して対流により平均
して冷却し、開扉時にも熱損失の少ないようにす
ることを目的としたものであり、その構成の要旨
をコンテナ内の保冷室上部と冷凍室間を並行して
走行する無端状のチエーンを張設し、該チエーン
を水を冷媒として充填した扁平状密閉容器の、少
なく共その両側を連結して冷却帯を形成し、該冷
却帯を間欠的に駆動し前記冷凍室と保冷室間を循
環するようにした点に置きかゝる構成の要旨に附
随する相当の設計変更を予定したものである。

（実施例） 以下本考案にかゝる保冷コンテナの一実施例に
ついて図面により詳細に説明する。

第１図に於て１は保冷コンテナであつて、該保
冷コンテナ１はトレーラー２の荷台に搭載される
等して搬送されるようになつており、保冷コンテ
ナ１内は冷凍機３を設置した冷凍室４と大容量の
保冷室５に仕切られて保冷室５内に荷物を積載す
るようになつている。

又、冷凍室４内と保冷室５上部天井付近を走行
するエンドレスチエーン６がコンテナ１の左右両
側に並行して１本宛張設され、該チエーン６，６
に第２図に示すような水を充填した密閉容器７，
７…がその両端で脱着自在に止着され冷却帯８が
構成されている。尚、チエーン６，６は冷凍機３
のモーターによりベルト９及びスプロケツト１０
を介して間欠駆動及び低、高速の連続駆動が可能
となつている。

前記密閉容器７は合成樹脂よりなり、幅広断面
の数本の筒体７ａを横方向に並列させ各筒体７ａ
間を薄肉連結部７ｂで連結した平板状をなし、連
結部７ｂの両端部は隣接する筒体７ａ，７ａの内
孔との連通部７b′を有し水を１箇所の注入口から
容器７全体に容易に充填密閉させることができる
ようにし、且つ薄肉の連結部７ｂにより屈曲を容
易としたものである。

（作用） 上記のように構成された保冷コンテナ１はトレ
ーラー２に搭載され、冷凍機３をトレーラー２の
電源に接続して運転することにより、冷凍室４内
にある部分の冷却帯８を構成する密閉容器７内の
水は冷却され、チエーン６を低速で駆動、或は間
欠的に駆動することにより、冷却された密閉容器
７は次々と冷却室５内に移動し、冷却室５内の上
部空気を冷却する。

冷却された空気は冷却室５内で対流を生じて下
降して下部の空気と入替り、これを繰返すことに
より室内の空気全体を一様にムラなく冷却する。

冷却帯８の駆動速度は冷却室５内が温度の高い
荷物の積込直後は積込前に予め冷凍機３を運転し
て冷凍室４内にある部分の冷却帯８を冷凍してお
き、チエーン６の高速駆動により一気に冷却室５
内に引出すようにして急速に室内空気を冷やした
後状況をみて、或は室内に温度センサーを設置す
ることにより低速駆動又は間欠駆動に切替えて平
均した希望温度となるものである。

（効果） 本考案にかゝるコンテナは以上のようにコンテ
ナ内の保冷室上部と冷凍室間を並行して走行する
無端状のチエーンを張設し、該チエーンを水を冷
媒として充填した扁平状密閉容器の、少なく共そ
の両側を連結して冷却帯を形成し、該冷却帯を間
欠的に駆動し前記冷凍室と保冷室間を循環するよ
うに構成されており、特に冷却帯が冷却室上部を
走行するようにしたので対流によつて上部から室
内を一様に冷やすことができ、特に荷物の詰込み
過ぎの場合にも従来の保冷コンテナのようにフア
ンによる冷気の吹付けを利用した場合と異なり温
度ムラの発生がない。又、完全包装をしていない
野菜、果物であつても乾燥により萎びる等の弊害
を発生するおそれがない。

更に対流による冷却はコンテナの扉を開けても
冷気の流出放散がフアン吹付式に比較して極めて
少ない。

又、水を冷媒として使用しているため、もし冷
却帯の密閉容器が破損して流れ出しても危険はな
く、破損した容器のみを交換することができるの
で非常に経済的である。

又、密閉容器は扁平状であるのでコンテナの天
井付近の僅かなスペース内を走行させ、冷凍室も
小容積とすることができるのでコンテナの荷物積
込を阻害することがなく、特に冷媒の密閉容器を
屈曲自在とすることにより、循環走行のための反
転部もスペースが少なくてよく、全体として冷却
帯の走行スペースは更に少なくなる。

又、冷却帯を間欠的に走行させることにより保
冷室内の温度に応じた経済的な運転が可能である
等すぐれた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる保冷コンテナの実施例
を一部断面で示す側面図、第２図は密閉容器の斜
視図、第３図Ａ図、Ｂ図は夫々密閉容器の筒体連
結部、連通部を示す断面図、第４図は冷却帯の平
面図、第５図は冷却帯の密閉容器の反転時の屈曲
状態を示す側面図である。 １……保冷コンテナ、２……トレーラー、３…
…冷凍機、４……冷凍室、５……保冷室、６……
チエーン、７……密閉容器、８……冷却帯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンテナ内の保冷室上部と冷凍室間を並行して
   走行する無端状のチエーンを張設し、該チエーン
   に水を冷媒として充填した扁平状密閉容器を、少
   なく共その両側を連結して冷却帯を形成し、該冷
   却帯を間欠的に駆動し前記冷凍室と保冷室間を循
   環するようにしたことを特徴とする保冷コンテ
   ナ。