JPH0125208Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はセントラルヒーテイングシステムにお
いて使用する暖房及び給湯用の端末器に関する。

（従来の技術） 従来、セントラルヒーテイングシステムにおい
て、給湯は給湯源、即ちボイラー80℃程度の高温
に沸かし上げた湯をそのまま給湯場所まで導き、
給湯場所で湯水混合栓により水と混合して適温に
して供給するか、一旦容器、槽等へ高温のまま供
給し、これに水を混ぜて適温にして使用するよう
になつている。

然る処、給湯場所としては便所の手洗のように
一度に使用する湯が少ない場所もあり、このよう
な場所では供給する高温の湯は水を混合すること
を考えれば極めて少量でよい。

そしてそれにも拘らず、上記のように極めて少
量の湯しか必要としないところでも、他の大量に
湯を使う場所と同じように給湯用の配管をしなけ
ればならない。

一方、セントラルヒーテイングシステムにおい
て使用される従来の端末器は暖房なら暖房のみ、
給湯なら給湯のみという具合に単一の機能しか備
えておらず、暖房のためには上記給湯用配管とは
別個に暖房用循環回路を配管しなければならな
い。

従つて少量の湯しか使わないような場所でも、
そこを暖房する以上暖房用と給湯用の両方の配管
をしなければならない。

（考案が解決しようとする問題） 本考案が解決しようとする問題は端末器に暖房
機能と給湯機能を兼備せしめるようにして、この
端末器部分において暖房用の熱媒により給湯用の
湯を沸かし上げると共にこの沸し上げた給湯用の
湯を熱源とする柔かで快適な暖房を得ることであ
る。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するために本考案が講ずる技
術手段は、端末器を両端をセントラルヒーテイン
グの暖房用循環回路５に接続する加熱用循環管路
１と、加熱用循環管路１を内部に導いて内部の水
を加熱する貯湯部１１と、この貯湯部１１を介し
て管元を給水源に接続し、管末には水栓器具６を
接続した給湯用管路２と、給湯用管路２の前記貯
湯部１１より上流側部分と下流側部分とに亘つて
設けた複数のバイパス管部１２ａを放熱部とする
温風暖房装置とで構成するものである。

（作用） 而して、給水源から給湯用管路に導入された水
は水栓器具に供給される途中で、給湯管路内に挿
入して設けられた加熱用循環管路の熱交換部にお
いて、該加熱用循環路を流動する暖房用の熱媒を
熱源として湯に沸き上げられ、水栓器具に手洗用
などの湯として供給されると共に温風暖房装置の
熱源として利用される。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明す
る。

図中７は、端末器Ａのケーシングで、加熱用循
環管路１と給湯用管路２とを内装する。

加熱用循環管路１は往管部１ａと戻管部１ｂ
夫々の端部をケーシング７側面に突出せしめた状
態で配管し、ケーシング７から突出する端部に暖
房用循環回路接続部８を設けると共に管路中途部
には熱交換部３を設ける。

熱交換部３は給湯用の湯を沸き上げるためのも
のであり、後述の給湯用管路２内に挿入せしめて
設ける。また、この加熱用循環管路１には電磁弁
９を装備する。

上記熱交換器３は図示してはいないが螺旋状或
いは蛇行状に形成したり、外周面にフインを設け
たりして熱交換面積を大きく形成する。

給湯用管路２は、一端をケーシング７の下部に
突出し、他端をケーシング７上部に突出せしめて
設け、ケーシング７下部に突出する端部には給水
管接続部１０を設け、ケーシング７上部に突出し
た端部には水栓器具６を接続する。

また給湯用管路２中途部には２程度の小さな
タンク状の貯湯部１１を設けると共に暖房用熱交
換部１２を設ける。

前述の加熱用循環管路１の熱交換部３は上記貯
湯部１１に挿入される。

この貯湯部１１には温度センサー１３を設け、
該温度センサー１３を制御部１４を介して上述の
電磁弁９と電気的に連絡する。

制御部１４は温度センサー１３が検知する貯湯
部１１内の湯温が所定温度、例えば40℃乃至45℃
程度になると電磁弁９を閉弁し、それ以下に下が
ると電磁弁９を開弁するように構成し、ケーシン
グ７内の適当な箇所に設置する。

暖房用熱交換部１２は給湯用管路２の貯湯部１
１より下流側と上流側とに亘つて数本のバイパス
管部１２ａを設けると共にこれらバイパス管部１
２ａに亘つて多数のフイン１２ｂを設けて形成す
る。

尚、上記バイパス管部１２ａはケーシング７の
前板と平行な同一平面内に並列状に設ける。

上記暖房用熱交換部１２は後述のフアン１５と
共に温風暖房装置４を構成するもので、この暖房
装置４は暖房用熱交換部１２前方のケーシング７
前板に温風吹き出し口１６を有する。

一方、吹き込み口１７は、暖房用熱交換部１２
背後においてケーシング７内部を区画して設ける
空気供給室１８前面に多数の通孔を穿設して形成
し、フアン１５はその送風口１９を空気供給室１
８内に臨ませてケーシング７側部に取りつける。

而して、斯る給湯、暖房端末器Ａは、加熱用循
環路１をセントラルヒーテイングシステムにおけ
る暖房用循環回路５に接続し、給湯用管路２を給
水源に接続して使用に供し、例えば第４図に示す
ように便所に設置して便所内の暖房を行うと共
に、水栓器具６から40℃乃至45℃の湯を吐出せし
めこの湯を手洗いや局部洗浄用に使用する。

従つて、一度に使用される湯の量は少なく、給
湯用管路２の貯湯部１１が上述のように２程度
と小さくても必要な湯量を十分賄うことができ
る。

（効果） 本考案は上記の構成であるから以下の利点を有
する。

(1) この考案の端末器は、セントラルヒーテイン
グの暖房用循環回路に接続する加熱用循環管路
を、管末に水栓器具を接続する給湯用管路の貯
湯部内部に導いているので、セントラルヒーテ
イングシステムにおける暖房用熱媒を利用して
給湯用の湯を水栓器具の近くで水から湯に沸き
上げることができる。従つて、この端末器を一
度に使用する湯量の少ない場所に用いれば、そ
のような場所にまで、給湯用の配管をする必要
がなくなるので、配管が簡便になり、コストも
安くなる。

(2) セントラルヒーテイングの暖房用循環回路に
接続する加熱用循環管路を給湯用管路の貯湯部
内に導入して貯湯部内の水を加熱すると共に給
湯用管路の貯湯部より上流側部分と下流側部分
とに亘つて複数のバイパス管部を設け、このバ
イパス管部を温風暖房装置の放熱部とするの
で、１つの端末器が暖房と給湯（湯沸し）の２
つの機能を備えることになり、配管を各別に行
う必要がなく、施工が簡単であると共に設置後
の状態もスツキリとして省スペースを計ること
が可能である。

(3) １つの熱源を暖房用と給湯の加熱用の両方に
利用するので、エネルギーの有効利用となり経
済的である。

(4) 暖房のための熱源として、セントラルヒーテ
イングの暖房用熱媒を直接利用するのではな
く、この熱媒を利用して給湯用管路の貯湯部で
沸し上げた湯を利用するので、温風の温度が低
く、やわらかな暖房が得られると共に部屋の上
部と下部の温度差の少ない快適な暖房を得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案暖房、給湯端末器の模式的シス
テム図、第２図は本考案の一実施例を示す暖房、
給湯端末器の正面図で一部切欠して示す、第３図
は第２図の−線断面図、第４図は設置状態の
一例を示す平面図である。 １…加熱用循環管路、２…給湯用管路、３…熱
交換部、４…温風暖房装置、５…暖房用循環回
路、６…水栓器具、１１…貯湯部、１２ａ…バイ
パス管部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 両端をセントラルヒーテイングの暖房用循環回
   路５に接続する加熱用循環管路１と、 加熱用循環管路１を内部に導いて内部の水を加
   熱する貯湯部１１と、 この貯湯部１１を介して管元を給水源に接続
   し、管末には水栓器具６を接続した給湯用管路２
   と、 給湯用管路２の前記貯湯部１１より上流側部分
   と下流側部分とに亘つて設けた複数のバイパス管
   部１２ａを放熱部とする温風暖房装置とからなる
   ことを特徴とする暖房、給湯端末器。