JPH0125206Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はセントラルヒーテイングシステムにお
いて使用する給湯及び暖房用の端末器に関する。

（従来の技術） 従来、セントラルヒーテイングシステムにおい
ては、暖房用の熱媒は常時循環させているが、給
湯用の湯は給湯源から行き放しの給湯管を介して
水栓器具へ供給している。

そのため、給湯源から水栓器具までの給湯距離
が長い場合には給湯管を流動している間の放熱に
より湯温が低下していまい水栓器具に高温の湯を
そのまま供給することが難しいばかりでなく、水
栓器具不使用時においては給湯管中の湯が冷めて
しまうので、使用時水栓器具を開いてからしばら
くの間は温度の低い冷めた湯しか水栓器具に供給
されず、吐出温度の立上がりが遅い。

尚、上記問題を解消するためには給湯用の湯も
暖房用の熱媒と同様常時循環させておけばよいわ
けであり、現にそのような方式の給湯システムも
提供されている。

しかし乍らそのようなシステムは給湯用のリタ
ーン回路が必要になるため配管が大規模になり配
管工事も大変でコストも高いという問題が生じ
る。

一方、従来のセントラルヒーテイングの端末器
は、暖房なら暖房のみ、給湯なら給湯のみという
具合に単一の機能のみしか備えておらず、暖房と
給湯二つの機能を得るためには夫々別個に配管、
設置しなければならなかつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案が解決しようとする問題は、給湯機能と
暖房機能を１つのケーシング内に兼備し、暖房用
の熱媒を利用して給湯用の湯を水栓器具の間近で
加熱することができる給湯、暖房端末器の提供で
ある。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するために本考案が講ずる技
術手段は、１つのケーシング内に、両端をセント
ラルヒーテイングの暖房用循環回路に接続する加
熱用循環管路と、管元を給湯源または給水源に接
続し、管末にはケーシング近傍において水栓器具
を接続する給湯用管路を備え、上記加熱用循環管
路途中には暖房用循環回路から該管路に流入循環
する熱媒を熱源とする温風暖房装置を設けると共
に給湯用管路内に挿入して該管路内を流動する湯
または水を加熱する加熱用熱交換部を設けるもの
である。

（作用） 而して、上記のように構成した給湯、暖房端末
器は、水栓器具設置箇所の近傍に設置して加熱用
循環管路をセントラルヒーテイングの暖房用循環
回路に接続し、給湯用管路を給湯源又は給水源と
水栓器具に接続することにより給湯源または給水
源から給湯用管路に導入して、水栓器具に供給す
る湯または水を、給湯管路内に挿入して設けた加
熱用循環管路の加熱用熱交換部において、該加熱
用循環管路に導入流動せしめるセントラルヒーテ
イングの暖房用熱媒により加熱し、湯の場合には
途中の放熱分を補ない、水の場合には湯に沸き上
げて水栓器具に供給する一方、上記加熱用循環管
路を流動する熱媒を熱源として温風を発生し水栓
器具を設置した部屋を暖房する。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明す
る。

図中７は、端末器Ａのケーシングで、給湯用管
路２と加熱用循環管路１とを内装する。

給湯用管路２は、一端をケーシング７の下部に
突出し、他端をケーシング７上部に突出せしめて
設け、ケーシング７下部に突出する端部には給湯
管接続部８を設け、ケーシング７上部に突出した
端部には水栓器具６を接続する。

また給湯用管路２中途部にはタンク状の貯湯部
９を設ける。

加熱用循環管路１は往管部１ａと戻管部１ｂ、
夫々の端部をケーシング７側面に突出せしめた状
態で、上記両管部１ａ，１ｂを結ぶ面がケーシン
グ７の前板と平行になるように配管し、ケーシン
グ７から突出する端部に暖房用循環回路接続部１
０を設けると共に管路中途部には加熱用熱交換部
４と暖房用熱交換部１１を設ける。

加熱用熱交換部４は給湯用管路２の貯湯部９内
に挿入して設け、螺旋状または蛇行状に形成す
る。

暖房用熱交換部１１は加熱用循環管路１の往管
部１ａと戻管部１ｂとに亘つて数本のバイパス管
部１２を設けると共にこれらバイパス管部１２に
亘つて多数のフイン１３を設けて形成する。

この暖房用熱交換部１１は後述のフアン１４と
共に温風暖房装置３を構成するもので、この暖房
装置３は暖房用熱交換部１１前方のケーシング７
前板に温風吹き出し口１５を有する。

一方、吹き込み口１６は、暖房用熱交換部１１
背後においてケーシング７内部を区画して設ける
空気供給室１７前面に多数の通孔を穿設して形成
し、フアン１４はその送風口１８を空気供給室１
７内に臨ませてケーシング７側部に取りつける。

尚、前述の水栓器具６は湯水混合栓となし、そ
の湯側に給湯用管路２を接続し、水側には給水源
に連絡する給水管１９を接続する。

而して、斯る給湯、暖房端末器Ａは、加熱用循
環路１をセントラルヒーテイングシステムにおけ
る暖房用循環回路５に接続し、給湯用管路２を給
湯源または給水源に接続して使用に供し、例えば
第４図に示すように便所に設置して便所内の暖房
を行うと共に、水栓器具６から吐出せしめる湯を
手洗や局部洗浄用に使用する。

尚、設置場所は任意であり、湯の使用目的も設
置場所に応じて任意に決定することができる。

更に、この端末器Ａは洗面台、建物の壁パネル
等に組み込んで設置することも可能である。

（効果） 本考案は上記の構成であるから以下の利点を有
する。

(1) １つの端末器で暖房と、給湯の両機能を果た
すことができ、しかもセントラルヒーテイング
の暖房用熱媒を利用して、給湯用の湯または水
を水栓器具の近くで加熱するので、給湯用の湯
を常時循環させておくような大規模な配管を行
なわなくても、水栓器具には常に、あるいは即
座に高温の湯を供給することができる。

(2) １つの端末器が暖房と給湯の２つの機能を備
えるので、配管を各別に行う必要がなく、施工
が簡単であると共に設置後の状態もスツキリと
して省スペースを計ることが可能である。

(3) １つの熱源を暖房用と給湯の加熱用の両方に
利用するので、エネルギーの有効利用となり経
済的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案給湯、暖房端末器の模式図、第
２図は本考案の一実施例を示す給湯、暖房端末器
の正面図で一部切欠して示す、第３図は第２図の
−線断面図、第４図は設置状態の一例を示す
平面図である。 １……加熱用循環管路、２……給湯用管路、３
……温風暖房装置、４……加熱用熱交換部、５…
…暖房用循環回路、６……水栓器具、７……ケー
シング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １つのケーシング内に、両端をセントラルヒー
   テイングの暖房用循環回路に接続する加熱用循環
   管路と、管元を給湯源または給水源に接続し、管
   末にはケーシングに近傍において水栓器具を接続
   する給湯用管路を備え、上記加熱用循環管路途中
   には暖房用循環回路から該管路に流入循環する熱
   媒を熱源とする温風暖房装置を設けると共に給湯
   用管路内に挿入して該管路内を流動する湯または
   水を加熱する加熱用熱交換部を設けてなる給湯、
   暖房端末器。