JPH01240511A - ビスフエノールaノボラック樹脂の製造法 - Google Patents

ビスフエノールaノボラック樹脂の製造法

Info

Publication number
JPH01240511A
JPH01240511A JP6640988A JP6640988A JPH01240511A JP H01240511 A JPH01240511 A JP H01240511A JP 6640988 A JP6640988 A JP 6640988A JP 6640988 A JP6640988 A JP 6640988A JP H01240511 A JPH01240511 A JP H01240511A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bisphenol
resin
monomer
toluene
molecular weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6640988A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Kawakami
広幸 川上
Noburu Kikuchi
宣 菊地
Takayuki Saito
斉藤 高之
Michio Uruno
道生 宇留野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP6640988A priority Critical patent/JPH01240511A/ja
Publication of JPH01240511A publication Critical patent/JPH01240511A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、エポキシ樹脂の硬化剤として有用な新規ビス
フェノールAノボラック樹脂の製造法に関する。
(従来の技術) 従来、フェノール化合物とホルムアルデヒドを酸性触媒
の存在下に脱水縮合させて得られるノボラック樹脂が良
く知られており、該フェノール化合物としてビスフェノ
ールA単量体を用いて得られたノボラック樹脂は、ビス
フェノールAノボラック樹脂として知られている。これ
は、主にエポキシ樹脂の硬化剤としてエポキシ樹脂と混
合してプリプレグ及び回路形成用積層板の製造に使用さ
れる。一方、エポキシ樹脂を用いた積層板の製造におい
て、エポキシ樹脂硬化剤としては、ジシアンジアミドが
主流を占めている。
積層板の製造は、一般に、エポキシ樹脂及び硬化剤をメ
チルエチルケトン等の溶剤に加え、樹脂ワニスとする。
次いで、この樹脂ワニスをガラス布に含浸させた後、乾
燥器で溶剤を蒸発揮散させ、プリプレグとする。このプ
リプレグは、適当量積層されるか又は更に銅箔を積層し
てプレス加圧下に加熱硬化される。このようにして得ら
れた積層板には、回路形成のためのエツチング、穴あけ
等の加工が施される。
また、積層板分野においては、樹脂の硬化性、硬化樹脂
の耐熱性、積層板のドリル加工性、耐湿性、電気特性、
色相安定性、樹脂ワニスの安定性等が要求項目として挙
げられる。
(発明が解決しようとする課題) エポキシ樹脂の硬化剤としてジシアンジアミドを使用し
た場合、樹脂の硬化性(高温加熱を必要とする)、硬化
樹脂の耐熱性、積層板の色相安定性及びドリル加工性に
劣る面があるため、硬化性に優れたビスフェノールAノ
ボラック樹脂を使用して、このような欠点を改善するこ
とが期待される。
そこで、本発明者らが従来知られているビスフェノール
Aノボラック樹脂にっして、種々検討した結果、次のこ
とが分かった。
すなわち、従来から知られているビスフェノールAノボ
ラック樹脂を使用して調整したエポキシ樹脂組成物は、
積層板のドリル加工性、色相安定性及び電気特性につい
ては、特に問題はなかったが、(1)樹脂の硬化性が不
十分である(ジシアンジアミドより低温でよいが、比較
的高温でなければ十分硬化しない)、(2)硬化樹脂の
耐熱性が劣る、(3)樹脂ワニスの保存安定性が劣る(
可使時間が短い)及び(4)エポキシ樹脂とビスフェノ
ールAノボラック樹脂との相溶性が劣るためプリプレグ
が白化すると共に硬化が十分になされない等の欠点があ
る。
そこで、更に、ビスフェノールAノボラック樹脂につい
て、詳細に検討したところ、次のことを見出した。
すなわち、ビスフェノールAtJL量体に対するホルム
アルデヒドの仕込み比率を種々変化させて、例えばビス
フェノールA単量体1モルに対して、ホルムアルデヒド
の仕込み量を0.4〜1.0モルまで変化させて反応さ
せたところ、ホルムアルデヒドが1.0モルの場合には
、反応中にゲル化が起こり、目的物質が得られず、ホル
ムアルデヒドの仕込み量が0.9モルでは、得られたノ
ボラック樹脂中に未反応ビスフェノールA単量体が約1
8重量%含まれており、ホルムアルデヒドの仕込み量が
0.9モルより少ない場合、それ以上の未反応ビスフェ
ノールA単量体が含まれる(残存ビスフェノールA単量
体)。
従来知られているビスフェノールAノボラック樹脂はビ
スフェノールA1モルに対して、ホルムアルデヒドの仕
込み量を約0.6モルとしたものであり、これには未反
応ビスフェノールAの単量体が約25重量%含まれてい
る。
そこで、本発明者らは、この点に着目し、残存する未反
応ビスフェノールA単量体の量と上記欠点の関係を検討
したところ、残存する未反応ビスフェノールA単量体の
量は、ビスフェノールA単量体1モルに対してホルムア
ルデヒド0.4〜0.8モルを配合し、酸性触媒の存在
下に加熱反応させ、この反応混合物を上記ビスフェノー
ルAに対して24〜400重量%のトルエンの存在下に
加熱し、80°C以上の温度下で軽液(上層)と重液(
下層)の二層に分離し、重液を分離して、これからトル
エンを除去することにより調整できることを見出した(
トルエンによる分別)。
その結果、ビスフェノールAノボラック樹脂中の残存ビ
スフェノールA単量体の含有量を低減することにより得
られる、残存ビスフェノールA単量体の含有量が低減さ
れたビスフェノールAノボラック樹脂は、エポキシ樹脂
の硬化剤として有用であり、これを硬化剤として得られ
るエポキシ樹胎便化物は、優れた耐熱性を示し、該樹脂
を硬化剤として含有するエポキシ樹脂ワニスは、保存安
定性に優れ、また、このワニスを使用して得られるプリ
プレグは、硬化性及び色相安定性に優れ、このプリプレ
グから得られる積層板は良好な体積抵抗、耐吸湿性を示
すことを見出した。
しかし、ビスフェノールAノボラック樹脂中の残存ビス
フェノールA単量体をトルエンによる分別により低減す
る際、ビスフェノールA単量体だけではなく、二、三量
体等の低分子量体も低減されてしまうため、目的物のビ
スフェノールA単量体の含有量が低減されたビスフェノ
ールAノボラック樹脂の収率が悪くなり、得られる目的
物質のビスフェノールAノボラック樹脂が、非常に高価
になってしまう。
そこで、本発明は、未反応のビスフェノールA単量体(
低分子量体含む)を回収し、その回収ビスフェノールA
を原料として再使用する経済性に優れたリサイクル製造
法を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、ビスフェノールA単量体を30〜60重量%
含む、数平均分子量が250〜350のビスフェノール
Aノボラック樹脂(以下、回収ビスフェノールAと記す
)を用いて数平均分子量が600〜2000のビスフェ
ノールAノボラック樹脂を合成するに当たり、初めにビ
スフェノールA単量体とホルムアルデヒドをビスフェノ
ールA単量体:ホルムアルデヒドを1:0.7〜0.9
5のモル比として、酸性触媒の存在下に反応させ、数平
均分子量が250〜350になった時に、回収ビスフェ
ノールAを仕込み反応させ、この反応混合物をトルエン
の存在下に撹拌した後、静置し、二層に分離した下層と
分離採取し、これからトルエンを除去することを特徴と
するビスフェノールAノボラック樹脂の製造法に関する
本発明の目的物質である回収ビスフェノールAを使用し
た残存ビスフェノールA単量体の含有量を低減したビス
フェノールAノボラック樹脂(リサイクル製造ビスフェ
ノールAノボラック樹脂)は、新しいビスフェノールA
とホルムアルデヒドを使用し・回収ビスフェノールAを
使用しない残存ヒスフェノールAll量体を低減したビ
スフェノールAノボラック樹脂と同様の特性を有するこ
とができる。
目的物質であるリサイクル製造ビスフェノールAノボラ
ック樹脂は、ビスフェノールA単量体(残存未反応単量
体を含む)1モルに対して、結合ホルムアルデヒドは0
.7〜0.95モルの範囲とされる。0.7モル未満で
あると、ビスフェノールA単量体の含有量が多くなるか
、数平均分子量が低下するため効果性及び耐熱性が低下
しやすく、エポキシ樹脂と混合した樹脂ワニスの保存安
定性が劣る傾向にある。一方、0.95モルを超えると
数平均分子量が高くなりすぎ、エポキシ樹脂との相溶性
が低下しやすい。
また、ビスフェノールAノボラック樹脂中のビスフェノ
ールA単量体含有量は10重量%以下であることが好ま
しい。この含有量が10重量%を超えると、硬化性及び
硬化樹脂の耐熱性が低下しやすくなる。
本発明のリサイクル製造ビスフェノールAノボラック樹
脂は、数平均分子量が600〜2000とされる。
数平均分子量が600未満であると、硬化樹脂の耐熱性
が低下し、2000を超えると、エポキシ樹脂との相溶
性が悪くなる。
また、本発明におけるリサイクル製造ビスフェノールA
ノボラック樹脂は、分散度が2.2以下が好ましい。分
散度がこの範囲であることにより、プリプレグ乾燥時の
硬化反応の一部進行の防止及び硬化温汝の低温化による
積層板の着色防止の効果がある。ここで分散度とは、重
量平均分子量/数平均分子量の比である。本発明におい
て、重量平均分子量と数平均分子量は、ゲルパーミェー
ションクロマトグラフィーにより求めたものである。
検量線は、ビスフェノールA単量体(分子量228)、
ビスフェノールA単量体1モルとホルムアルデヒド0.
7〜0.95モルを酸性触媒下で反応させて得られる反
応物中のビスフェノールA4!ffi体成分を2〜7個
有する化合物を利用して作成したものを使用する。溶離
液はテトラヒドロフラン、流量は1.7戚/分、温度は
38°C及び圧力は48kg/ciとする。
本発明に使用する回収ビスフェノールAは、次のように
して得られる。
ビスフェノールA単量体1モルに対してホルムアルデヒ
ド0.4〜0.8モルを好ましくはベンゼン、キシレン
、トルエン等の芳香族溶媒中で酸性触媒の存在下に反応
させる0次いで、得られた樹脂と、仕込みビスフェノー
ルA単量体に対して25〜400M量%のトルエンとを
混合し、好ましくは80℃〜110°Cの温度で、好ま
しくは0.5時間以上撹拌した後、該温度で静置すると
、2層に分離するので、その上層(トルエン、ビスフェ
ノールA単量体及びビスフェノールAノボラック樹脂の
低分子量体を含む液体)を分離採取し、これからトルエ
ンを除去し、回収ビスフェノールA(数平均分子量25
0〜350)を得る。
このようにして得られた回収ビスフェノールAに直ちに
ビスフェノールA単量体とホルムアルデヒドヲ加工、ベ
ンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族溶媒中で酸性触
媒の存在下に反応させる。
次いで、得られた樹脂と、回収ビスフェノールA中のビ
スフェノールA単量体と新たに加えたビスフェノールA
単量体の総量に対して25〜400重量%のトルエンと
を混合し、好ましくは80°C〜110°Cの温度で、
好ましくは0.5時間以上撹拌した後、該温度で静置し
、2層に分離した下層(トルエン及びリサイクル製造ビ
スフェノールAノボラック樹脂を含む粘稠な又は若干粘
稠な液状物)を分離採取し、これからトルエンを除去し
、本発明の目的物質であるリサイクル製造ビスフェノー
ルAノボラック樹脂を得ることができる。
製造法を第一工程と第二工程に分け、更に詳しく説明す
る。
回収ビスフェノールA中のビスフェノールA単量体1モ
ルに対する結合ホルムアルデヒドは0,2〜0.4モル
となる。
ここで、ビスフェノールA成分1モルに対する結合ホル
ムアルデヒドのモル数は、ビスフェノールAノボラック
樹脂の核磁気共鳴スペクトルのビスフェノールA成分中
のメチル基に基づ<1.5ppmのピークとビスフェノ
ールAにホルムアルデヒドが付加縮合して形成されるメ
チレン基に基づく3.75ppmのピークの面積強度比
から求めたものである。この測定において溶媒としては
、ジメチルスルホキシド(ただし、メチル基の水素はす
べてジューチリウムである、DMSO−d、)を使用す
る。
この回収ビスフェノールAにビスフェノールA単量体と
ホルムアルデヒドを加え、全体のビスフェノールA単量
体と結合ホルムアルデヒドのモル比が1:0.4〜0.
8となるように配合し、リサイクル製造を行う。
この時、回収ビスフェノールAを合成初期から仕込むと
、数平均分子量及び分散度が所望の値より大きくなる。
そこで、本発明では、第一工程として、ビスフェノール
A単量体とホルムアルデヒドのモル比が1:0.7〜0
.95モルとなるようにビスフェノールA単量体とホル
ムアルデヒドとを配合し、酸性触媒下で反応させる必要
がある。この際、芳香族溶媒を使用し、70−90°C
で0.5〜1.5時間反応させ、主にビスフェノールA
へのホルムアルデヒドの付加反応を行うことができるが
、この際反応物の数平均分子量が250〜350になっ
た時に回収ビスフェノールAを投入する必要がある。
70〜90℃で 2.5〜3.5時間反応させることが
できる。回収ビスフェノールAの投入時期は、フラスコ
内の反応物の数平均分子量が250〜350の時に限ら
れ、250未満の場合や、350を超えると、最終的に
得られるリサイクル製造ビスフェノールAノボラック樹
脂の数平均分子量及び分散度が所望の値より大きくなる
。この時の回収ビスフェノールAの投入量は、最終的に
得られるリサイクル製造ビスフェノールAノボラック樹
脂において、ビスフェノールA1モルに対して結合ホル
ムアルデヒドが0.7〜0.95モルとなるようにされ
る。
この時使用するホルムアルデヒドとしては、バラホルム
アルデヒド、ホルマリン水溶液、ポリオキシメチレン等
の形態で使用することができる・また、芳香族系溶媒と
しては、トルエンを使用するのが、第一工程に引き続い
て第二工程を行うことができるので好ましい。酸性触媒
としては、硫酸、塩酸等の鉱酸、パラトルエンスルホン
酸、シュウ酸等の有機酸及びこれらの水和物など通常フ
ェノールノボラック樹脂の製造に使用されるものを用い
ることができ、その使用量は、仕込みビスフェノールA
(回収ビスフェノールA中のビスフェノールA単量体を
含む)に対して0.1〜2重量%が好ましい。
付加反応終了後、100°C以上で還流温度以下に昇温
しで反応させ、脱水縮合反応させるのが好ましい。この
場合、縮合水を除去しつつ行い、縮合水が生成しなくな
るまで反応させるのが好ましい。この時間は3〜5時間
が好ましい。この後、反応液には、酸性触媒を中和する
ためにアルカリを酸性触媒と当量で加えるのが好ましい
。ここでアルカリとしては、水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、モ
ルホリン等がある。このようにして得られた第一工程反
応液中に含まれるビスフェノールAノボラック樹脂の数
平均分子量は400〜600であるが、溶剤を蒸留等に
よって除去した後(トルエンを溶媒とした時は反応液の
ままでもよい)、第二工程に供される。
第二工程では、仕込みビスフェノールAに対してトルエ
ンが25〜400重量%になるように、第一工程で得ら
れた樹脂とトルエンを混合するか(第一工程で脱溶をし
た場合)又は反応液にトルエンを追加(第一工程で脱溶
しない場合)する。
このようにして得られた樹脂溶液は、次いで、80°C
〜110″Cの温度で撹拌するのが好ましい。
撹拌時間は0.5時間以上とするのが好ましい。この後
、樹脂溶液は、80’C〜110″Cの温度で該樹脂溶
液を上下二層に分離するが、この時、下層はトルエン及
びビスフェノールAノボラック樹脂を含む粘稠な又は若
干粘稠な液状物からなり、上層は、ビスフェノールA単
量体及び少量の二、三量体等の低分子量体が溶解したト
ルエン溶液である。この分離は静置して行うのが好まし
く、また、遠心分離器を用いて強制的に分離することも
できる。この分離が80°C未満で行われると、上層の
トルエン溶剤からビスフェノールA単量体が析出し、下
層と混じるため好ましくない。
下層を分離採取した後、トルエンを蒸留除去することに
より、本発明の目的物質のリサイクル製造ビスフェノー
ルAノボラック樹脂を得ることができる。第二工程にお
いて、トルエンが回収ビスフェノールA中のビスフェノ
ールA単量体と新たに加えたビスフェノールA単量体の
総量に対して25重量%未満では、トルエンがビスフェ
ノールAノボラック樹脂に吸収された形の粘稠物になり
、400重量%を超えるとビスフェノールAノボラック
樹脂の比較的低分子量分子種が上層のトルエンに溶解し
、収率が低下し、大過剰の時は二層に分離せず、トルエ
ンの均一溶液になる。第二工程は、1回行えば、通常、
本発明の目的物質のりサイクル製造ビスフェノールAノ
ボラック樹脂を得ることができるが、場合により2回以
上繰り返してもよい。この場合上記したトルエン量は樹
脂量に対してのものとできる。
第二工程において、その処理条件を調整(使用するトル
エン量及び分別の繰り返し回数等)することにより、得
られるリサイクル製造ビスフェノールAノボラック樹脂
の数平均分子量及び分散度を調整することができる。
このようにして得られたリサイクル製造ビスフェノール
Aノボラック樹脂は、含まれる中和塩を除去せずそのま
ま又は熱水処理等によって中和塩を除去した後、使用に
供することができる。
第二工程において使用する溶剤は、トルエンであり、他
の溶媒、例えばベンゼン、キシレン等の溶媒では目的を
達成することができない。
なお、本発明におけるリサイクル製造ビスフェノールA
ノボラック樹脂は、その構成成分としてビスフェノール
A単量体以外のフェノール類が本発明の目的に合致する
範囲で含まれていてもよい。
このようなフェノール類としては、クレゾール、フェノ
ール等があり、前記製造時にビスフェノールA単量体と
共に使用される。
(実施例) 次に、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれ
に限定されるものではない。
実施例1 (1)回収ビスフェノールAの製造 ディーン・スターク油水分離器、温度計及び撹拌機を取
り付けた12のガラス製画つロフラスコにビスフェノー
ルA単量体228g(1,0モル)、80%パラホルム
アルデヒド22.5g(ホルムアルデヒドmX0.6モ
ル)及びトルエン171gを仕込み、撹拌しながら昇温
した。フラスコ内の温度が80″Cになった時点で触媒
のシュウ酸二水和 ′物1.5gを加え、80°Cで3
時間撹拌を続けた。
この後、フラスコ内の温度を105°Cにして、トルエ
ンを還流させ、共沸して流出する水は系外に除去した。
水の流出がなくなるまでトルエン還流を続けた。この時
のフラスコ内の温度は113°Cであり、除去された水
の合計量は15゜7 mlであった。この量は、80%
パラホルムアルデヒド中に含まれる水、シュウ酸二水和
物の水分量及び発生すべき縮合水の合計量に一致する。
この時の反応液は均一な溶液であった。
次いで、トルエタノールアミンを加えて中和した後、ト
ルエン228gを加え、トルエンが還流する温度(約1
10″C)まで昇温した。昇温後、30分撹拌した後、
撹拌を止め、反応液を軽液と重液の二層に分離させた。
軽液(上層)をデカンテーションによって分離採取した
。残った重液にトルエン400gを加え、トルエン還流
下に30分間撹拌した後、撹拌を止め、再度二層に分離
し、軽液(上層)を分離採取した。次いで、この操作を
もう一度繰り返した。
このようにして得られた軽液からエバポレータによって
トルエンを除去して淡黄色の回収ビスフェノールA12
8gを得た。
得られた回収ビスフェノールA中に含まれるビスフェノ
ールA単量体量及び分子量はゲルパーミェーションクロ
マトグラフィー(GPC)を利用して測定した。この時
の分離カラムとしては、GELPACK −A I 2
0 (日立化成工業■商品名・多孔性スチレン−ジビニ
ルベンゼン共重合体粒子をカラム充填剤として使用)を
2重置列に連結し、溶離液としてはテトラヒドロフラン
、検出器としては示差屈折計を使用し、流量は1.6m
11分とした。この時に得られたクロマトグラムを第1
図に示す。
回収ビスフェノールA中のビスフェノールA成分1モル
に対する結合ホルムアルデヒド数fは、回収ビスフェノ
ールA中の核磁気共鳴(NMR)スペクトルから求めた
。このスペクトルを第2図に示す。すなわら、1.5 
ppmに出現するビスフェノールA成分のメチル基に基
づくピークの積分強度A及び37.5 ppmに出現す
る結合ホルムアルデヒドのメチレン基に基づくピークの
積分強度Fから、式 %式%(6) によって求めたものである。
以上の結果を第1表に示す。
第1表 回収ビスフェノールへの物性 *ビスフェノ」ルA成分中には、残存ビスフェノールA
単量体が含まれる。
(2)ビスフェノールAノボラック樹脂の製造(1)と
同様のフラスコに、ビスフェノールA単量体123g(
0,54モル)、80%パラホルムアルデヒド17.4
g(ホルムアルデヒド換算0.47モル)及びトルエン
171gを仕込み、撹拌しながら昇温した。フラスコ内
の温度が80°Cになった時点で触媒のシュウ酸二水和
物1.5gを加え、80℃で30分撹拌を続けた後、(
フラスコ内の樹脂の数平均分子量が327になった後)
、前記(1)回収ビスフェノールAの製造の項で得られ
た回収ビスフェノールA107gを加え・更に・80°
Cで2.5時間撹拌を続けた。その後、フラスコ内の温
度を105°Cにして、トルエンを還流させ、共沸して
流出する水は系外に除去した。
水の流出がな(なるまでトルエン還流を続けた。
この時のフラスコ内の温度は113°Cであり、除去さ
れた水の合計量は12.3 mlであった。この量は、
80%バラホルムアルデヒド中に含まれる水、シュウ酸
二水和物の水分量及び発生すべき縮合水の合計量に一致
する。この時の反応液は均一な溶液であった。
次いで、トルエタノールアミンを加えて中和した後、う
濾過により中和塩を除去し、エバポレーターによってト
ルエンを除去し、淡黄色の樹脂(A)232gを得た。
この樹脂(A)について、前記(1)回収ビスフェノー
ルAの製造の項と同様にして測定した残存ビスフェノー
ルA単量体の量及び分子量を第2表に示す。また、樹脂
(A)のGPCクロマトグラムを第3図に示す。
比較例1 実施例1の(2)において、回収ビスフェノールA10
7gを、反応途中ではなく、初期から仕込む以外は、実
施例1の(2)に準じて反応を進め、トリエタノールア
ミンを加えて中和した。この反応液からエバポレーター
によってトルエンを除去し、淡黄色の樹脂(B)233
gを得た。
この樹脂CB)について、実施例1と同様にして測定し
た残存ビスフェノールA単量体の量及び分子量を第2表
に示す。また、樹脂CB)のGPCクロマトグラムを第
4図に示す。
比較例2 実施例1の(2)において、回収ビスフェノールA10
7gを、フラスコ内の樹脂の数平均分子量が400にな
った時に投入した以外は、実施例1の(2)に準じて反
応を進め、トリエタノールアミンを加えて中和した。こ
の反応液からエバポレーターによってトルエンを除去し
、淡黄色の樹脂(C)230gを得た。
この樹脂(C)について、実施例1と同様にして測定し
た残存ビスフェノールA単量体の量及び分子量を第2表
に示す。
比較例3 実施例1の(1)において合成された均一な反応液にト
ルエタノールアミンを加えて中和した後、エバポレータ
ーによってトルエンを除去し、淡黄色の樹脂(D)23
5gを得た。
この樹脂CD)について、実施例1と同様にして測定し
た残存ビスフェノールA単量体の量及び分子量を第2表
に示す。また、樹脂CD)のOPCクロマトグラムを第
5図に示す。
第2表  樹脂の物性 実施例2 実施例1により得られた樹脂[A)232gにトルエン
232gを加え、トルエンが還流する温度(約110℃
)まで昇温した。この時に、撹拌を止めると、軽液(上
層)と重液(下層)の二層に分離する。昇温後、30分
間撹拌した後、撹拌を止め、反応液を軽液と重液の二層
に分離させた。
軽液をデカンテーションによって除去して重液を得た。
次いで、その操作をもう三度繰り返した。
このようにして得られた重液からエバポレータ135g
を得た。
この樹脂[E)について、実施例1と同様にして測定し
た残存ビスフェノールA単量体の量及び分子量を第3表
に示す。また、樹脂(E)のGPCクロマトグラムを第
6図に示す。
比較例4 比較例3により得られた樹脂(D3235gにトルエン
235gを加え、実施例2と同様の操作をし、淡黄色の
樹脂(F)136gを得た。
この樹脂(F)について、実施例1と同様にして測定し
た残存ビスフェノールA単量体の量及び分子量を第3表
に示す。また、樹脂CF)のGP第3表 樹脂の物性 参考例1〜2 エピコート828(シェルケミカル社商品名、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)100
重量部、実施例2及び比較例4で得られた樹脂(硬化剤
)611重部を130°Cでよく混合した後、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール0.5重量部を添加し、エ
ポキシ樹脂組成物を作成した。作成直後、170°Cで
2時間加熱して硬化させた。
得られた硬化物について耐熱性試験を行った。
その結果を第4表に示す。
耐熱性試験としては、ガラス転移温度及びJIS  K
7207 (1983年)に基づく熱変形温度の測定を
行った。ガラス転移点は、熱機械試験機を用いて熱膨張
係数を測定した場合に該係数の変曲点を示す温度とした
参考例3〜4 エピコート828 100重量部、硬化剤として樹脂〔
E)又は樹脂(F)61重量部及び2−エチル−4−メ
チルイミダゾール0.5重量部をメチルエチルケトン1
61重量部に溶解し、エポキシ樹脂組成物ワニスを作成
した。このワニスを100°Cで10分間乾燥し、メチ
ルエチルケトンを完全に除去した後、反応性を検討した
。結果を第5表に示す。
反応性の検討は、示差走査熱量計を使用し、発熱開始温
度、発熱ピーク温度、発熱終了温度及び発熱ピークの半
値幅により行った。
本発明により得られるリサイクル製造ビスフェノールA
ノボラック樹脂(E)は、新原料のみで合成されるビス
フェノールAノボラック樹脂(F)と、分子量分布、耐
熱性及び反応性において同等である。また、本発明方法
によれば、未反応のビスフェノールA単量体が再び原料
として使用できるので、単量体の利用率が著しく向上す
ることができる。
(発明の効果) 本発明の製造法によりビスフェノールAノボランク樹脂
を経済的に得ることができ、これをエポキシ樹脂の硬化
剤として使用した場合、反応性、耐熱性、保存安定性等
に優れた組成物上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られた回収ビスフェノールAのG
PCクロマトグラム、第2図は回収ビスフェノールAの
核磁気共鳴スペクトル、第3図は実施例1の(2)で得
られた樹脂(A)のGPCクロマトグラム、第4図は比
較例1で得られた樹脂CB)のGPCクロマトグラム、
第5図は比較例3で得られた樹脂(D)のGPCクロマ
トグラム、第6図は実施例2で得られた樹脂(E)のG
PCクロマトグラム、第7図は比較例4で得られ°〈シ
I−″ジ 渚9七吟開Oり 宴1図 麦出時間(余り 第3図 友出縛間(4り\ン tり図 シt、q二時1.1(イεト・、) 第 7 巴

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、ビスフェノールA単量体を30〜60重量%含む、
    数平均分子量が250〜350のビスフェノールAノボ
    ラック樹脂(以下、回収ビスフェノールAと記す)を用
    いて数平均分子量が600〜2000のビスフェノール
    Aノボラック樹脂を合成するに当たり、初めにビスフェ
    ノールA単量体とホルムアルデヒドを、ビスフェノール
    A単量体:ホルムアルデヒドを1:0.7〜0.95の
    モル比として酸性触媒の存在下に反応させ、数平均分子
    量が250〜350になった時に、回収ビスフェノール
    Aを仕込み反応させ、この反応混合物をトルエンの存在
    下に撹拌した後、静置し、二層に分離した下層を分離採
    取し、これからトルエンを除去することを特徴とするビ
    スフェノールAノボラック樹脂の製造法。 2、回収ビスフェノールAが、ビスフェノールA単量体
    1モルに対してホルムアルデヒドを0.4〜0.8モル
    を仕込んで反応させて得られた樹脂を仕込み、ビスフェ
    ノールA単量体に対して25〜400重量%のトルエン
    の存在下に加熱し、80℃〜110℃の温度で軽液(上
    層)と重液(下層)の二層に分離し、軽液のトルエンを
    除いて得られるものである請求項1記載のビスフェノー
    ルAノボラック樹脂の製造法。
JP6640988A 1988-03-18 1988-03-18 ビスフエノールaノボラック樹脂の製造法 Pending JPH01240511A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6640988A JPH01240511A (ja) 1988-03-18 1988-03-18 ビスフエノールaノボラック樹脂の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6640988A JPH01240511A (ja) 1988-03-18 1988-03-18 ビスフエノールaノボラック樹脂の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH01240511A true JPH01240511A (ja) 1989-09-26

Family

ID=13314967

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6640988A Pending JPH01240511A (ja) 1988-03-18 1988-03-18 ビスフエノールaノボラック樹脂の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH01240511A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014529654A (ja) * 2011-08-22 2014-11-13 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 強靭化剤および強化されたエポキシ接着剤

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61192737A (ja) * 1985-02-05 1986-08-27 チバ・ガイギー・アクチエンゲゼルシヤフト 顔料系のレーザーによるマーキング法
JPS6247045A (ja) * 1985-08-20 1987-02-28 インタ−ナショナル ビジネス マシ−ンズ コ−ポレ−ション ポリイミド組成物およびパタ−ンを有する膜の形成法
JPS63142030A (ja) * 1986-12-05 1988-06-14 Toray Ind Inc ポリイミド前駆体組成物およびその使用方法
JPH0463870A (ja) * 1990-07-03 1992-02-28 Ube Ind Ltd 黒色光硬化性ポリマー組成物及び黒色の光硬化膜の形成方法
JPH04189865A (ja) * 1990-11-22 1992-07-08 Toho Rayon Co Ltd 機能性複合体及びその製造法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61192737A (ja) * 1985-02-05 1986-08-27 チバ・ガイギー・アクチエンゲゼルシヤフト 顔料系のレーザーによるマーキング法
JPS6247045A (ja) * 1985-08-20 1987-02-28 インタ−ナショナル ビジネス マシ−ンズ コ−ポレ−ション ポリイミド組成物およびパタ−ンを有する膜の形成法
JPS63142030A (ja) * 1986-12-05 1988-06-14 Toray Ind Inc ポリイミド前駆体組成物およびその使用方法
JPH0463870A (ja) * 1990-07-03 1992-02-28 Ube Ind Ltd 黒色光硬化性ポリマー組成物及び黒色の光硬化膜の形成方法
JPH04189865A (ja) * 1990-11-22 1992-07-08 Toho Rayon Co Ltd 機能性複合体及びその製造法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014529654A (ja) * 2011-08-22 2014-11-13 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 強靭化剤および強化されたエポキシ接着剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4096737B2 (ja) ベンゾオキサジン樹脂の製造方法
CN109679048B (zh) 一种主链型苯并噁嗪树脂及其制备方法
CN109867590A (zh) 以改进固化动力学制备稳定且可热聚合的乙烯基、氨基或低聚苯氧基苯并环丁烯单体的方法
CN101291980B (zh) 再生树脂的生产工艺、再生树脂、树脂组合物的处理回收物、再生树脂组合物及再生方法
JPH01240511A (ja) ビスフエノールaノボラック樹脂の製造法
TWI537294B (zh) A narrowly dispersed phenol novolak resin and its manufacturing method
JPH03717A (ja) 新規エポキシ樹脂及びその製造法
CN114573842B (zh) 耐高温、可再加工的苯并噁嗪热固性树脂及其合成方法与应用
JP2897850B2 (ja) 高純度テトラキスフェノールエタンの製造方法
CN107915819A (zh) 一种具有炔丙基醚的热固性树脂及其制备方法
JPS6215217A (ja) ビスフエノ−ルaノボラツク樹脂の製造法
JPS62167318A (ja) エポキシ樹脂の硬化方法
JPH03229717A (ja) プロペニル基含有フェノール樹脂
JPS6277363A (ja) マレイミド樹脂の製造方法
JPH0730021B2 (ja) ポリマレイミド化合物
JPS6215216A (ja) ビスフエノ−ルaノボラツク樹脂
JPH02110158A (ja) ビスマレイミド含有熱硬化性組成物
JPS6215221A (ja) エポキシ樹脂組成物
JPH04225012A (ja) 4核体フェノール類ノボラック及びその製造法
CN107840933A (zh) 一种引入氰基的热固性树脂及其制备方法
Lee et al. Preparation of epoxy resins containing ether ether sulfone unit and thermal properties
JPH09124756A (ja) ノボラック型フェノール樹脂及びその製造方法
JPH083257A (ja) ノボラック型フェノール樹脂及びその製造方法
SU757550A1 (ru) Способ получения полифениленов
JPH0545607B2 (ja)