JPH0124047Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、板状部材を分離供給する際、板状部
材が余分な重なりを生じたまま搬送されているか
どうかを検知する装置に関するものであり、電子
回路基板の製造工程等において利用される。

(ロ) 従来技術 電子回路基板のような板状部材を製造・加工す
る時、板状部材を１枚づつ分離供給する必要がし
ばしば生じる。その際板状部材を１枚づつローダ
から送り出してコンベアで搬送する訳であるが、
時として板状部材が２枚以上重なつたまま送り出
されることがある。これは後工程でのトラブルの
原因となるので、所定枚数以上に重なつた板状部
材が発見されたときは直ちに排除できるよう、監
視体制を設けておかねばならない。かかる監視装
置としては、特公昭59−12565号公報の第９図に
その原型を示す装置がよく用いられてきた。これ
を第６図により説明する。１は板状部材、２は板
状部材１の両側縁を支えて搬送するベルト（図に
は一方のベルトのみ示す）、３は一端にローラ４
を有するベルクランク状のレバー、５はレバー３
をローラ４が板状部材１に押し当たる方向に附勢
するばね、６はレバー３の他端にアクチユエータ
７を向かい合わせたリミツトスイツチである。こ
の装置において板状部材１がローラ４の下を通過
するとローラ４のある側のレバー３の端が持ち上
げられ、レバー３の他端がリミツトスイツチ６の
アクチユエータ７を押す。これにより板状部材１
の通過がわかる。実際の応用としては、板状部材
１が２枚重なつて供給された場合のみならず１枚
も供給されなかつた場合にも後の作業に支障をき
たすので、第６図の装置を第７図のように２組組
み合わせて用いた。すなわちレバー３は板状部材
１が１枚送られる時にリミツトスイツチ６を押
す。レバー３′は板状部材１が第８図のように２
枚重ねで送られる時初めてリミツトスイツチ６′
を押す。従つてリミツトスイツチ６からのみ信号
が発される時が正常な搬送状態で、リミツトスイ
ツチ６′まで信号を発したり、リミツトスイツチ
６，６′のいずれもが信号を発しなかつた場合は
搬送に異常が生じたと判断できる。しかしながら
この方式ではリミツトスイツチを２組設けねばな
らず、また板状部材が３枚重ねにでもなつた場合
はリミツトスイツチをこわす危険があつた。

(ハ) 考案の目的 本考案は、板状部材の供給ミス、あるいは余分
に重なつた状態での供給を検知できる、構造簡単
にして耐久性に富む装置の提供を目的とする。

(ニ) 考案の構成 本考案では板状部材の厚さを可動体の指示端の
移動量に転換する。この指示端の移動経路の近傍
に非接触センサの検知部を置き、余分な重なりの
ない板状部材に可動体が接触した時のみセンサが
指示端の存在を感受し、それ以外の場合は感受し
ないようにして、正常搬送と非正常搬送の識別を
行う。

(ホ) 実施例 以下第１図乃至第５図に基いて一実施例を説明
する。１１及び１２は第６図に示したものと同様
の板状部材及び搬送用ベルトである。ベルト１２
の傍らには垂直な支持板１３を置き、これに可動
体１４を装着する。可動体１４は軸１５により枢
支されたベルクランク状の部材であつて、短かい
方の腕の先端にローラ１６、長い方の腕の先端に
遮光板１７を取り付けている。ローラ１６を有す
る側が検知端１８、遮光板１７を有する側が指示
端１９となる。腕の長さの違いにより、指示端１
９には検知端１８の動きが増幅されてあらわれ
る。２０は可動体１４を図において反時計方向に
附勢するばね、２１は可動体１４の回動を制限す
るストツパである。２２は遮光板１７の存在を感
受する非接触型センサとして用いるフオトセンサ
である。フオトセンサ２２は第５図に見られるよ
うに溝２３の両側に発光部２４と受光部２５を配
しており、その間を遮光板１７が通過するよう支
持板１３に固定されている。

次に作用を説明する。第１図においては板状部
材１１が通つておらず、可動体１４はストツパ２
１に当たつて止まり、遮光板１７はフオトセンサ
２２の上方に位置している。第２図のようにベル
ト１２が板状部材１１を１枚搬送して来るとロー
ラ１６が持ち上げられ、可動体１４は時計方向に
回動し、遮光板１７がフオトセンサ２２の発光部
２４と受光部２５の間に割り込む。これによりフ
オトセンサ２２の導通状態が変わり、板状部材１
１が正常に搬送されたことを知ることができる。
第３図のように板状部材１１が２枚重なると遮光
板１７は発光部２４を行き過ぎてしまい、フオト
センサ２２は一瞬導通状態が変わるものの直ちに
元の状態に戻つてしまう。このような変化によ
り、板状部材１１が余分に重なつて供給されたこ
とがわかる。

なお非接触型センサとしては、実施例で用いた
ようなフオトカプラタイプのものの外、反射光型
光センサや磁気センサの使用が可能である。

(ヘ) 考案の効果 本考案によれば板状部材が送られない場合、正
常に送られた場合、余分に重なつて送られた場合
の識別を単一のセンサで行うことができ、構成を
簡略化できる。しかも非接触型センサであるから
耐久性に富み、騒音発生も少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案の一実施例を示し、
第１図乃至第３図は各々異なる動作状態の正面
図、第４図は第１図の矢印の方向から見た側面
図、第５図はセンサの平面図である。第６図以下
は従来技術を示し、第６図は基本構造の斜視図、
第７図及び第８図は１枚検出と２枚検出を可能と
する如く基本構造を組み合わせた状況の説明図で
ある。 １１……板状部材、１２……コンベア、１４…
…可動端、１９……指示端、２２……非接触型セ
ンサ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 板状部材を搬送するコンベアと、 搬送中の板状部材の表面に接触し、板状部材の
   厚さを指示端の移動量に転換する可動体と、 前記可動体指示端の移動経路近傍に検知部を置
   き、可動体が余分の重なりのない板状部材上に接
   触した時にのみ可動体指示部の存在を感受し、そ
   れ以外の場合には感受しないよう配置した非接触
   型センサとを備えた板状部材の重なり搬送検知装
   置。