JPH0123067Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は給湯器で加熱した湯を浴槽の設定水位
まで自動的に落とし込むようにして、最初の操作
だけであとは自動的に入浴可能な状態にする自動
給湯風呂釡に関するもので、季節を問わず希望の
入浴温度が確実に得られるようにしたものであ
る。

これを図示の実施例に従つて具体的に説明する
と、第１図は本考案に係る自動給湯風呂釡の概略
構成を示すもので、１は自動給湯風呂釡で、内部
に先止め式の瞬間式給湯器２と強制循環式の風呂
加熱器３とが並設されている。給湯器２には給湯
用熱交換器４と、これを加熱するバーナ５とが設
けてあり、熱交換器４から導入した給湯管６の先
端は台所等の給湯カラン７に導かれると共に、途
中から分岐して風呂加熱器３の風呂用熱交換器８
内部に連通する風呂給湯管９が設けてある。１０
は該風呂給湯管９に設けた給湯電磁弁、１１は浴
槽、１２は該浴槽１１の水位が設定水位に達すれ
ば閉成する水位スイツチ、１３は浴槽１１と風呂
用熱交換器８との循環路１４に設けた循環ポン
プ、１５は同循環路１４に設けた負特性の湯温検
出用サーミスタ、１６は風呂用熱交換器８を加熱
するバーナ、１７は該バーナ１６へのガス路中に
設けたガス電磁弁である。１８は電源スイツチ１
９、自動運転スイツチ２０、給湯用の湯温設定器
２１および風呂沸上り湯温設定用の入浴温設定器
４０等を備えたメインリモコン、２２は追焚スイ
ツチ２３等を備えたサブリモコンであり、メイン
リモコ１８は台所等に、サブリモコン２２は浴室
に設けられる。４２は給湯管６の熱交換器４出口
直後に設けた湯温検出器、４３はバーナ５へのガ
ス路中に設けたガス比例制御弁で、湯温検出器４
２で検出した湯温を設定器２１で設定した値に保
つよう燃焼ガス量を調整する。Ａは上記自動給湯
風呂釡１の運転を制御する電子制御器であり、そ
の要部の回路構成を第２図に示す。２４は自動運
転スイツチ２０を押す毎に反転動作して電源ライ
ンに設けたPNPトランジスタ２５をオンオフす
るスイツチ回路、２６は給湯電磁弁１０を開閉す
ると共に、切替型接点４５を切替動作させるリレ
ーであり、上記スイツチ回路２４、リレー２６、
切替型接点４５及び切替型接点の各々の接点に接
続される抵抗４９，５４とで設定温度固定手段を
形成している。２７はトランジスタ２５の前段の
電源ラインに並列接続した前記水位スイツチ１２
の開閉により出力が反転するインバータで、その
出力端子をリレー２６に直列接続したインバータ
２８の入力端子にライン２９で結んである。上記
インバータ２７、ライン２９とで給湯停止手段を
構成している。３０はトランジスタ２５の前段よ
り導いた電源ライン３１に、該トランジスタ２５
と並列に設けたPNPトランジスタであり、後述
するサーモ回路の電源を通断する。３２はマイク
ロコンピユータ（以下マイコンと称す）であり、
追焚スイツチ２３のオン操作によりガス電磁弁１
７を開かせて燃焼を開始させる出力の出る端子３
３が備わつており、該端子３３からは同時に上記
トランジスタ３０を通断するNPNトランジスタ
３４の導通信号が出る。３５は負側入力を常時電
源ライン３１から印加すると共に、正側入力はト
ランジスタ２５の導通時に印加させたオペアン
プ、３６は入力端子を前記インバータ２７の出力
側に、出力端子をオペアンプ３５の出力側に接続
したインバータであり、これらオペアンプ３５、
インバータ３６の出力側はマイコン３２の端子３
７に入力されるようにしてあり、該端子３７にオ
ペアンプ３５からの高出力が入力されると、前記
追焚スイツチ２３のオン操作とは別に独立して、
前記端子３３から出力が出るようにしてある。３
８はトランジスタ３０の導通により電源供給され
るサーモ回路であり、湯温設定用のオペアンプ３
９を有し、該オペアンプ３９の正側に前記湯温検
出用サーミスタ１５を含む変動入力を、負側には
前記入浴温設定器４０で可変される可変入力を
夫々入力するようにしてある。４１はオペアンプ
３９の出力信号を前記スイツチ回路２４のオフ信
号として入力するラインである。上記サーモ回路
３８、ライン４１、オペアンプ３５、インバータ
３６及びマイコン３２とで追焚制御手段を構成し
ている。前記給湯温制御回路Ｂは、リレー２６の
切替型接点４５を有すると共に、ガス比例制御弁
４３の駆動電流を調整する比較増巾器４６の入力
として、抵抗４７，４８による固定入力と、前記
湯温設定器２１と連動する可変抵抗器４９を湯温
検出器４２に直列接続して湯温設定器２１で設定
される可変入力とが入力される。可変抵抗器４９
は上記リレー２６の接点４５の常閉接点５２に接
続し、一方常開接点５３側は約３８℃の反転入力
を得るための固定抵抗５４を介して上記増巾器４
６の可変入力ラインに入力接続してある。

本実施例はこのような構成からなつているが、
上記回路をマイクロコンピユータでおきかえて構
成してもよいものである。次に動作について説明
する。風呂自動運転するにはメインリモコン１８
で電源スイツチ１９、自動運転スイツチ２０を投
入すると共に入浴温設定器４０で適当な温度（例
42℃）に設定すれば良く、これによつてスイツチ
回路２４が動作してトランジスタ２５が導通し、
インバータ２８の出力は低となるので、リレー２
６が通電し給湯電磁弁１０が開いて通水が開始さ
れ、これによつて先止め式の瞬間式給湯器２が加
熱動作を開始し、通水流は加熱されて風呂給湯管
９から浴槽１１へと落とし込まれる。そしてこの
時、リレー２６の接点４５が常開接点５３側に切
替わるため、たとえそれ迄給湯用として可変抵抗
器４９で如何なる湯温に設定されていても、この
可変抵抗器４９のラインは切り離され、固定抵抗
５４で固定された約38℃の設定入力となるのであ
り、わざわざ設定器２１で設定し直す必要がな
く、この抵抗５４によつて約38℃付近の湯が落と
し込まれる。なおこのとき、オペアンプ３５から
は高出力が出るが、出力低となつているインバー
タ３６に流れ込むので、マイコン３２の端子３７
には印加されず、サーモ回路３８を生かしてバー
ナ１６の燃焼を開始させる信号が端子３３から出
力されることはなく、風呂加熱器３側の加熱は行
われない。浴槽１１の水位が設定水位に達すれば
水位スイツチ１２が閉成し、インバータ２７の出
力が低となつてライン２９によりインバータ２
８，３６の入力電位を下げるので、リレー２６は
オフし給湯電磁弁１０が閉じて瞬間式給湯器２の
加熱が停止すると共に、オペアンプ３５から出て
いた出力がマイコン３２の端子３７側へ流れ、こ
れによつてマイコン３２の端子３３からはガス電
磁弁１７を開放して燃焼を開始させる信号及びト
ランジスタ３４，３０を導通させてサーモ回路３
８を働かせる信号が出る。これによつて風呂加熱
器３のバーナ１６が着火してサーモ加熱運転に入
り、やがてサーミスタ１５が設定湯温（42℃）を
検出するとオペアンプ３９から出力が出てライン
４１を介しスイツチ回路２４に入力され、該回路
２４は反転してトランジスタ２５はオフし、オペ
アンプ３５からのマイコン端子３７への燃焼指令
出力が出なくなり、端子３３からの出力が停止し
てガス電磁弁１７が閉じ消火するのである。

このように最初の自動運転スイツチ２０の投入
により、以後浴槽１１に所望の湯温（42℃）の湯
が沸き上がるまで一連の動作が自動的に行われる
のであるが、本考案では上述したように給湯器２
からの落とし込み時に、通常入浴適温とされる約
42℃の湯を最初からいきなり給湯するようなこと
をしない。その理由は、給湯器２は比例制御によ
つて出湯温が一定に保たれるようになつているも
のの、一般にこの種比例制御方式にあつては、特
に冬期においては入水温が低いため、ある設定温
度（いまの場合、42℃）での最大燃焼能力を越え
て多量の給湯量を出すと、入水温が低い分だけ設
定温度にまで昇温し得ない領域が必ず存在するた
めである。また他の理由は、たとえ設定湯温で給
湯できたとしても、落とし込み中に風呂給湯管９
や浴槽１１内で放熱してさめてしまうからであ
る。

そこで本考案では、入浴適温の42℃よりはかな
り低い（ぬるい）約38℃にして多量の給湯量を確
保して先ず落とし込み、その後浴槽１１に所定量
の湯がたまつた時点から、新たに風呂加熱器３側
のバーナ１６で所期の温度に焚き上げるから、た
とえ給湯落とし込み中に入水温の変動あるいは過
大流量等に起因する給湯温の変動があつても、沸
き上がつた時には必ず所望の温度（42℃）になる
のであり、しかも落し込み時間が短いため他栓使
用のさまたげにもなりにくいものである。

このように本考案は固定された温度の湯を自動
給湯し、好みの温度差は自動追焚で補うようにし
たから、自動的に浴槽に入浴適温の湯をためる自
動給湯風呂釡にあつて、入水温の夫々異なる季節
の違いを問わず、また落とし込み流量の大小を問
わず、常に所望の入浴温の湯が確実に得られる利
点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
概略構成図、第２図は要部の電気回路図である。 ２……瞬間式給湯器、３……風呂加熱器、１１
……浴槽、２０……自動運転スイツチ、２１……
湯温設定器、４０……入浴温設定器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 給湯温を湯温設定器で任意に設定可能とし、そ
   の設定温度の湯を出湯する瞬間式給湯器と、風呂
   沸上り湯温を入浴温設定器で任意に設定可能と
   し、その設定温度まで浴槽水を循環加熱する風呂
   加熱器とを備え、瞬間式給湯器の給湯管を分岐し
   て湯を浴槽に落し込む風呂給湯管を設け、自動運
   転スイツチの投入により風呂給湯管に配した給湯
   電磁弁を開いて瞬間式給湯器からの湯を浴槽に落
   とし込むようにしたものにおいて、前記自動運転
   スイツチの投入により前記湯温設定器での設定に
   無関係に給湯設定温度を強制的に風呂沸上り湯温
   より低い一定温度に固定する設定温度固定手段
   と、当該一定温度に固定された湯が浴槽の設定水
   位まで落とし込まれると水位スイツチにより前記
   給湯電磁弁を閉じる給湯停止手段と、この給湯停
   止後作動して予め入浴温度設定器で設定しておい
   た沸上り設定温度まで風呂加熱器で追焚する追焚
   制御手段とを設けたことを特徴とする自動給湯風
   呂釡。