JPH01221461A - α型チタニルフタロシアニン組成物、その製造方法及びそれを用いた電子写真用感光体 - Google Patents

α型チタニルフタロシアニン組成物、その製造方法及びそれを用いた電子写真用感光体

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JPH01221461A
JPH01221461A JP63270063A JP27006388A JPH01221461A JP H01221461 A JPH01221461 A JP H01221461A JP 63270063 A JP63270063 A JP 63270063A JP 27006388 A JP27006388 A JP 27006388A JP H01221461 A JPH01221461 A JP H01221461A
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栄一 宮本
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武藤 成昭
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は複写機、レーザビームプリンタ等の画像形成装
置に用いられる感光体として好適に用いられるα型チタ
ニルフタロシアニン組成物、その製造方法及びそれを用
いた電子写真用感光体に関する。
〈従来の技術及び発明が解決しようとする課題〉従来、
複写機などの画像形成装置用感光体として、フタロンア
ニンなどの光導電性物質を用いた電子写真用感光体が広
く使用されている。
また、近年、装置を小型化できるとともに、高速にて高
品質の画像をノンインパクト方式で形成することかでき
るなどの利点を有する、半導体レーザを光源とするレー
ザビームプリンタか普及しつつあり、レーザビームプリ
ンタ用感光体に用いられる光導電性物質が、種々検討さ
れている。
上記レーザビームプリンタ用感光体を用いる電子写真プ
ロセスは、コロナ放電により均一に感光体を帯電させる
帯電工程と、帯電した感光体に半導体レーザにより原稿
像を照射し、原稿像に対応した静電潜像を感光体上に形
成する露光工程などからなり、該電子写真プロセスか繰
返しなされることにより、大量の電子写真複写か行われ
ている。
帯電工程においては、感光体の帯電特性が良好であるこ
と及び暗減衰が小さいことが要求され、露光工程におい
ては、半導体レーザの発振波長である約780〜820
 nmの波長領域において高感度であること、半導体レ
ーザによる照射後の残留電位が小さいことが要求される
他、繰返し使用により上記特性の劣化か小さいことなと
か要求される。
これらの要求を満たすため、光導電性物質として、上記
半導体レーザの波長領域において高感度を示すところの
フタロシアニン化合物が提案されている。このフタロン
アニン化合物には、中心金属を有しないメタルフリーフ
タロシアニンと、中心金属を有する金属フタロシアニン
とがあり、またα型、β型、γ型なと種々の結晶型のも
のかある。
中心金属の有無、中心金属の種類および結晶型の違いに
より、安定性か異なるだけでなく、吸収スペクトルが異
なる。従って、これらの相違か、帯電性、感度などに大
きな影響を与える。
より詳しく述べると、メタルフリーフタロシアニンの中
には光導電性に優れ、上記波長領域(約780〜820
 nm)で高感度を示すものがある。
しかし、メタルフリーフタロシアニンの結晶は、準安定
状態の結晶型であるため、これを用いて安定した特性を
有する感光体を得ることは困難である。
銅フタロシアニン等の金属フタロシアニンには、α型、
β型、γ型、ε型などの結晶型のものが存在する。これ
らの結晶型のうち、ε型銅フタロンアニンか長波長側に
吸収領域を有するとともに、分光感度も長波長側に存在
することか知られている(電子写真学会誌、第22巻、
第2号、第111頁、1984年)。
しかし、銅フタロシアニンは未だ感度の点て十分でない
α型チタニルフタロシアニンをバインダ中に分散させた
感光層を有する複合型電子写真用感光体のように配位金
属としてチタンを有するチタニルフタロシアニンを感光
層に含有する感光体、例えば、α型チタニルフタロシア
ニンを結着剤中に分散させた感光層を有する複合型電子
写真感光体(特開昭61−239248号公報参照)や
、特定のチタニルフタロシアニンが結着剤中に分散した
電荷発生層と、電荷輸送層とか積層された電子写真用感
光体(特開昭62−67094号公報参照)か提案され
ている。
光導電性物質として上記のようなチタニルフタロシアニ
ンを用いた電子写真用感光体は、前記半導体レーザの波
長領域においである程度高感度を示すとともに、帯電性
などの電気的特性においても優れている。
しかし、上記電子写真用感光体には、帯電性、暗減衰、
残留電位等の電気的特性および感度か未た十分でないと
いう問題がある。
本発明の目的は、帯電性、暗減衰、残留電位などの電気
的特性だけでなく、感度に優れるα型チタニルフタロシ
アニン組成物、その製造方法及びそれを用いた電子写真
用感光体を提供することである。
〈課題を解決するための手段〉 」二記目的を達成するための請求項1記載の発明に係る
α型チタニルフタロシアニン組成物は、α型チタニルフ
タロシアニンとメタルフリーフタロシアニンとを含有す
る。
上記α型チタニルフタロシアニン組成物は、メタルフリ
ーフタロシアニンとともにα型チタニルフタロシアニン
を含有するので、安定であり、吸収波長領域が広く、分
光感度が大きい。
請求項2記載の発明に係るα型チタニルフタロシアニン
組成物の製造方法は、少なくともチタニルフタロシアニ
ンを含有する濃硫酸溶液を水中に注入するアシッドペー
スト法を用いて顔料化することにより、α型チタニルフ
タロシアニンとメタルフリーフタロシアニンとを含有す
るα型チタニルフタロシアニン組成物の製造方法である
上記製造方法によれば、α型チタニルフタロシアニンと
メタルフリーフタロシアニンとを含有するα型チタニル
フタロシアニン組成物を容易に製造することかできる。
請求項3記載の発明の電子写真用感光体は、α型チタニ
ルフタロシアニンとメタルフリーフタロシアニンとを含
有する感光層か導電性基村上に形成されたものである。
上記請求項3記載の発明の電子写真用感光体によれば、
感光層中のフタロンアニンか、α型チタニルフタロシア
ニンとメタルフリーフタロシアニンとを含有するので、
帯電性、暗減衰特性に優れるたけてなく、前記半導体レ
ーザの発振波長領域で高感度を示すと共に、残留電位か
小さい。
上記α型チタニルフタロシアニンは、下記一般(式中、
Xはハロゲン原子を示し、nはOまたは1以上の整数を
示す) ハロゲン原子は、臭素又は塩素が好ましく、nはOが好
ましい。
上記α型チタニルフタロシアニン組成物は、上記α型チ
タニルフタロシアニンと共に、メタルフリーフタロシア
ニンを含有している。このように、α型チタニルフタロ
シアニンとメタルフリーフタロシアニンとを含有させる
ことにより、α型チタニルフタロシアニン組成物の安定
性を高めることかできると共に、帯電特性および感光特
性、特に感度が著しく優れたものとなる。
上記α型チタニルフタロシアニン組成物中の、α型チタ
ニルフタロシアニンとメタルフリーフタロシアニンとの
割合は、特に制限されず、種々の割合でもよい。
好ましいα型チタニルフタロシアニン組成物は、α型チ
タニルフタロシアニン40〜99.5重量%、より好ま
しくは60〜90重量%及びメタルフリーフタロシアニ
ン0.5〜60重量%、より好ましくは10〜40重量
%含有するものである。
上記組成からなるα型チタニルフタロシアニン組成物は
、不安定な結晶型であるメタルフリーフタロシアニンを
含有しているにも拘らず、安定性が特に優れ、電子写真
用感光体の光導電物質として使用した場合、帯電性が優
れると共に、暗減衰が小さいたけでなく、高感度であり
、残留電位が小さく、帯電特性および感光特性に優れて
いる。
α型チタニルフタロシアニンおよびメタルフリーフタロ
シアニンの含有量が、上記範囲を外れると半導体レーザ
の発振波長領域において感度の指標となる半減露光量E
l/2(μJ / crA )が大きくなり、高感度化
することが困難となる。
なお、」二記の割合からなるα型チタニルフタロシアニ
ン組成物は、波長780 nmの半導体レーザに対して
半減露光juEl/20.6μJ / aa以下の感度
を示す。
なお、上記組成のα型チタニルフタロシアニン組成物は
、各別に製造したα型チタニルフタロシアニンとメタル
フリーフタロシアニンとを所定の割合で混合することに
より調製してもよい。
X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2
°)6.9°、9.6°、15.6°、17.6°、2
]、、9°、23.6°、24.7°及び28,0°に
強い回折ピークを示し、このうち649°の回折ピーク
が最も大きいα型チタニルフタロシアニン組成物が、特
に帯電特性及び感光特性に優れる。
上記α型チタニルフタロシアニン組成物は、帯電特性な
との電気的特性および感光特性を損わない範囲で、他の
フタロシアニン、例えば、銅フタロシアニン、バナジル
フタロンアニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、
クロロインジウムフタロンアニン、クロロガリウムフタ
ロシアニン、マグネシウムフタロシアニン、他の結晶型
のチタニルフタロシアニンなどを含有していてもよい。
また、β型、γ型、δ型およびε型チタニルフタロシア
ニンが一部含有されていてもよい。
なお、上記α型チタニルフタロシアニン組成物−1〇 
 − は、処理されたものでなくてもよいか、安定性を高める
ため、チタンカップリング剤、シランカップリング剤な
との表面処理剤、中でもシランカップリンク剤により処
理されたものが好ましい。
これは、表面処理剤により処理されたα型チタニルフタ
ロシアニン組成物は、特に経時安定性に優れ、感光層の
光導電物質として使用した場合、安定した帯電特性を示
すからである。
表面処理剤による処理量は、適宜設定することかできる
か、通常、0.001〜5重量%、好ましくは0.01
〜1重量%である。
α型チタニルフタロシアニン組成物は、種々の方法によ
り製造することかできる。例えば、チタニルフタロシア
ニンを製造し、必要に応じてメタルフリーフタロシアニ
ンを所望量添加した、少なくともチタニルフタロシアニ
ンを含有する硫酸溶液を水中に注入するアシッドペース
ト法により顔料化することにより製造することかできる
」二記チタニルフタロシアニンは、1,2−ジシアノヘ
ンセンと、四塩化チタン、三塩化チタン、四臭化チタン
なと、チタンのハロゲン化物とを反応させ、加水分解す
ることにより製造してもよいが、下記反応式により得ら
れるチタニルフタロシアニンを加水分解して製造するの
か好ましい。
(以下、余白) (式中、R1およびR2は同一または異なって、低級ア
ルコキン基を示す) 」二記低級アルコキン基としては、メトキシ、エトキシ
、プロポキン、イソプロポキシ、ブ)・キシ、イソブト
キン、tert−ブトキン、ペンチルオキン、ヘキシル
オキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基か例示される
上記反応は、1,3−ジイミノイソインドレニンと有機
チタン化合物とをキノリン、ヘンゼン、トルエン、キシ
レンなとのアルキルヘンゼン:トリクロロヘンゼンなと
の不活性溶媒中で、100〜250°C1好ましくは1
50〜200°Cの温度て行なイっれる。
上記反応の後、生成したチタニルフタロシアニン組成物
を濾別し、上記反応溶媒で洗浄し、不純物や未反応原料
を除去するとともに、必要に応じて、アルコール、エー
テルなどの有機溶媒で洗浄する。
しかし、得られるチタニルフタロシアニン組成物は粗大
であるとともに、結晶型、粒径が不揃いであり、感光体
の帯電特性、感光特性などが十分でなく、安定した特性
を得るのが困難である。
そこで、l記反応により得られたチタニルフタロシアニ
ン組成物をアシッドペースト法により顔料化して、α型
チタニルフタロシアニンとメタルフリーフタロシアニン
とを含有する、帯電特性および感光特性に優れたα型チ
タニルフタロシアニン組成物を製造する。
アシッドペースト法による顔料化は、前記チタニルフタ
ロシアニンを適宜濃度の硫酸に溶解し、得られた溶液を
水中に注入することにより行う。
アシッドペースト法による顔料化条件は、特に制限され
ず、所望する特性に応じて適宜設定することかできる。
チタニルフタロシアニンを濃硫酸に溶解し、得られた溶
液を−5〜40°C1好ましくは一5〜20°C1さら
に好ましくは約O℃の水中に注入して顔料化する。これ
は、溶液を注入する水温が、−5°C未満であると帯電
性及び感光特性が十分でなく、40°Cを越えると帯電
特性が低下するがらである。この条件で顔料化すること
により、安定性に優れ、帯電特性および感光特性に優れ
たα型チタニルフタロシアニン組成物を、容易に製造す
ることかできる。
顔料化するにあたり使用する硫酸の濃度は、適宜設定す
ることができ、例えば濃度92〜105%(発煙硫酸)
、好ましくは94〜105%、より好ましくは98〜1
00%の濃硫酸をチタニルフタロシアニンの15倍量以
上、好ましくは15〜60倍量使用し、濃硫酸溶液の温
度を0〜40℃に保持して、顔料化することにより、よ
り一層、安定性、帯TL特性および感光特性に優れたα
型チタニルフタロシアニン組成物か得られる。
j   □、2〜、。5%0□□ヨい6゜、よ、4度か
92%未満であると感光特性か低下し、105%を越え
ると帯電性が低下するからであり、濃硫酸をチタニルフ
タロシアニンの15倍量以上使用するのは、濃硫酸の使
用量が15倍量未満であるとチタニルフタロシアニンを
均一に溶解させることが困難となるからである。
濃硫酸溶液の保持温度か0°C未満であると保冷装置並
びに設備等の点から好ましくない。また、40°Cを越
えると感度が低下する傾向を示す。
なお、上記濃硫酸溶液の温度保持時間及び顔料化による
精製時間は、適宜設定することができる。
通常、30分ないし12時間程度行なわれる。
なお、上記顔料化の際に脱金属反応か起り、チタニルフ
タロシアニンの組成が変化する場合かある。このような
場合、α型チタニルフタロシアニンとメタルフリーフタ
ロシアニンとの割合を精度よく制御するため、前記合成
反応により得られたチタニルフタロシアニンに所定量の
メタルフリーフタロシアニンを添加し、上記アシッドペ
ースト法により再度、顔料化することか好ましい。
なお、上記合成反応において、製造条件によりメタルフ
リーフタロシアニンを含有するチタニルフタロシアニン
が生成する場合かある。より詳細に述べると、上記不活
性溶媒としてキノリンを使用した場合において、メタル
フリーフタロシアニンが10〜20重量%生成したり、
有機チタン化合物としてテトラブトキシチタン、不活性
溶媒としてトリクロロベンゼン、アルキルベンゼンを用
いた場合において、メタルフリーフタロシアニンが0〜
10重二%生成したりする場合がある。このような場合
、α型チタニルフタロシアニンの含有量が適切な範囲で
あれば、メタルフリーフタロシアニンを添加することな
く、上記アシッドペースト法により顔料化してもよい。
次いで、残留する硫酸や不純物を除去するため、α型チ
タニルフタロシアニン組成物を濾別、洗浄した後、乾燥
する。
上記洗浄工程における溶媒としては、水や、メタノール
、エタノール、イソプロパツールなどのアルコール類、
ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランな
とのエーテル類、アセトン、ジクロロメタン、ジメチル
ホルムアミドなど、種々の有機溶媒を使用することがで
きる。
上記溶媒による洗浄は適宜の方法で行なうことができる
。洗浄効率を高めるため、溶媒中にα型チタニルフタロ
シアニン組成物を分散させた状態で洗浄するのが好まし
い。その際、超音波により分散させ、洗浄するのが好ま
しい。
上記乾燥は、常圧または減圧条件下、適宜の温度、例え
ば50〜150℃の温度で行なうことができる。
上記アシッドペースト法で製造されたα型チタニルフタ
ロシアニン組成物は、そのまま感光体用光導電物質とし
て使用できる。
しかし、結晶型を整え、α型チタニルフタロシアニン組
成物の安定性を高めるとともに、高感度化を図るために
は、上記α型チタニルフタロシアニン組成物を、有機溶
媒で処理することが好ましい。塩素系溶媒の存在下、湿
式ミリングすることがより好ましい。
上記有機溶媒又は塩素系溶媒としては、メタノ−ル、エ
タノール、イソプロパツール、ブタノールなどのアルコ
ール類;n−へキサン、オクタン、シクロヘキサンなど
の脂環族炭化水素:ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジオキサン、
ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテ
ル類;アセテートセロソルブ、アセトン、エチルメチル
ケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン類
;酢酸メチル、酢酸エチルなとのエステル類ニジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、フェノール、ク
レゾール、アニソール、ニトロベンゼン、アセトフェノ
ン、ベンジルアルコール、ピリンン、N−メチルピロリ
ドン、キノリン、ピコリン等の非塩素系有機溶媒ニジク
ロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テト
ラクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルム、クロロメ
チルオキシラン、クロロベンセン、ジクロロベンゼンな
との塩素系溶媒か例示される。
上記有機溶媒及び塩素系溶媒のうち、イソホロー 19
 = ン、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエタン
、クロロメチルオキシランが好ましく、中でも残留電位
が小さな感光体を得ることができるジクロロメタンが特
に好ましい。
上記有機溶媒及び塩素系溶媒は、一種または二種以上混
合して用いられる。
なお、上記溶媒のうち、芳香族系化合物は、チタニルフ
タロシアニンの結晶型をβ型に転移させ易く、脂肪族系
炭化水素は分散性に劣るα型チタニルフタロシアニンを
生じ易くする傾向にある。
上記有機溶媒処理は、前記α型チタニルフタロシアニン
組成物を、室温ないし室温より高温の適宜の温度に加温
された有機溶媒に浸漬したり、該有機溶媒で洗浄するこ
とにより行なわれる。上記有機溶媒による処理時間は適
宜設定することができる。しかし、溶媒の種類によって
結晶化速度か異なり、長時間処理すると結晶型かβ型に
転移し、感度か低下する場合がある。従って、有機溶媒
の種類に応じて10分〜10時間程度行なうのが好まし
い。
また、湿式ミリングは、上記α型チタニルフタロシアニ
ン組成物に機械的な力を作用させつつこれを混合分散さ
せ得るものであればよく、例えば、アトライタ、ニーダ
なとであってもよいが、感光特性、帯電特性に優れるα
型チタニルフタロシアニン組成物か得られるホールミル
が好ましい。
」二記湿式ミリングによる処理時間は、特に限定されな
いか、所望する特性に応じて適宜設定することかでき、
通常、1〜48時間行なわれる。
上記各工程におけるα型チタニルフタロシアニン組成物
の特性を、第2図A−Eに示すX線回折スペクトルに基
づいて説明する。
第2図Aに示すように上記アシッドペースト法により得
られたα型チタルフタロンアニン組成物は、ブラッグ角
(2θ±0.2°)6.9°、2B、6°、24.7°
および28.0’に回折ピークを示し、6.9°の回折
ピークが最も大きい。また、上記アシッドペースト法に
より得られたα型チタルフタロンアニン組成物をシクロ
ヘキサノンに5時間浸漬すると、第2図Bに示すように
、ブラッグ角6.9°、21.9°、23.6°、24
.7°および28.0°における回折ピークが強くなり
、6.9°における回折ピークか最も大きく、結晶化か
進行する。
また、アシッドペースト法により得られたα型チタルフ
タロシアニン組成物をジクロロメタンに1週間浸漬する
と、第2図Cに示すように、ブラック角6.9°、9,
0°、10.0’、12.9°、25.0°および28
.2°だけでなく、β型結晶の特徴である26.0’に
おける四桁ピークが顕著に表われ、6.9°の回折ピー
クか最も大きく、β型チタニルフタロシアニンが一部混
在したものとなる。
一方、アシッドペースト法により得られたα型チタルフ
タロンアニン組成物を塩素系溶媒であるジクロロメタン
の存在下、ボールミリングすると、第2図りに示すよう
にブラッグ角6.9°、10.6°、]、5.6°、1
7.6°、21.9°、23.6°、24.7°および
28.0°に強い回折ピークを示すとともに、十〜  
22 − 記ブラッグ角のうち、6.9°における回折ピークか最
も大きく、より一層、帯電特性および感光特性に優れる
α型チタニルフタロシアニン組成物か得られる。
なお、上記湿式ミリングを前記塩素系溶媒、特にジクロ
ロメタンの存在下で行なうと、有機溶媒処理と異なり、
長時間湿式ミリングしても結晶構造か変化しないためか
、帯電特性および感光特性に優れ、かつ安定したα型チ
タニルフタロシアニン組成物を容易に製造することかで
きる。
なお、アシッドペースト法により得られたα型チタニル
フタロシアニン組成物をトルエンの存在下にポールミリ
ングすると、第2図Eに示すように、ブラッグ角9.4
°、10.7°、13.2°、15.1°、20.9°
、23.4°、26.3°、27.2°に回折ピークか
表われ、上記ブラッグ角のうち、β型結晶の特徴である
26,3°における回折ピークが最も大きくなり、帯電
特性及び感光特性が劣ったものとなる。
経時安定性を高めるため、上記の方法により得られたα
型チタニルフタロシアニン組成物を表面処理剤により表
面処理するのが好ましい。
表面処理剤としては、従来公知の種々のものを使用する
ことかできる。例えば、イソプロピルトリイソステアロ
イルチタネート、イソプロビルトリデシルベンセンスル
ホニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチ
ルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジ
トリデシルホスファイト)チタネート等のチタンカップ
リング剤等を用いることができる。
しかし、これらのチタンカップリング剤よりもシランカ
ップリング剤を用いる方か好ましい。
シランカップリング剤は、所望する経時安定性などによ
って適宜選択して用いられる。シランカップリングとし
て、トリクロロビニルシラン、トリメトキシビニルシラ
ン、トリエトキンビニルシラン、トリ (2−メトキシ
エトキシ)ビニルシラン、3−アクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシ= 24 − ランなとのビニルシラン:アクリロキシシランまたはメ
タクリロキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシ
ンラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルト
リメトキシンラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシ
シランなどのアミノシラン:3−クロロプロピルトリメ
トキシシラントリメトキシ−3−メルカプトプロピルシ
ランなとのタロロンランまたはメルカプトシラン;2−
(3,4−エポキシプロポキシル)エチルトリメトキシ
ンラン、2−(3.4−エポキシプロポキンル)エチル
トリエトキシシラン、3− (2。
3−エポキシプロポキシ)プロピルトリメトキシシラン
、3−(2.3−エポキシプロポキシ)プロピルトリエ
トキシシランなどのエポキシシランか例示される。
上記シランカップリング剤のうち、エポキシシラン系カ
ップリング剤か好ましい。
上記表面処理剤による表面処理量は、適宜設定すること
かできる。通常、0.001〜5重量%である。好まし
くは0.01〜1重量%である。
上記表面処理剤による処理は、表面処理剤の溶液に前記
α型チタニルフタロシアニン組成物を浸漬したり、表面
処理剤の溶液を噴霧したりした後、乾燥することにより
行なわれる。
以下、前記α型チタニルフタロシアニン組成物を用いた
電子写真用感光体について説明する。
上記電子写真用感光体は、導電性見料と、該導電性基村
上に形成される感光層とからなる。
上記感光層には、前記α型チタニルフタロシアニン組成
物が含有されている。より詳細に述べると、上記感光層
は、電荷発生物質としての前記α型チタニルフタロシア
ニン組成物と、電荷輸送物質と、結着樹脂と、必要に応
じて「他の材料」とからなる単層型感光層であってもよ
く、また前記α型チタニルフタロシアニン組成物を少な
くとも含有する電荷発生層と、電荷輸送物質と結着樹脂
などを含有する電荷輸送層とが積層された積層型感光層
であってもよい。積層型感光層は、電荷発生層上に電荷
輸送層が積層された構造や、これと逆の順序に積層され
た構造であってもよい。
上記積層型感光層のうち電荷発生層が、前記α型チタニ
ルフタロシアニンとメタルフリーフタロシアニンとを含
有するα型チタニルフタロシアニン組成物、特にα型チ
タニルフタロシアニン60〜90重量%と、メタルフリ
ーフタロシアニン10〜40重量%とを含有する感光体
は、帯電性が優れ、暗減衰か小さいたけてなく、高感度
で残留電位か小さく、帯電特性および感光特性に優れて
いる。
前記シランカップリング剤で処理されたα型チタニルフ
タロシアニン組成物を電荷発生材料として使用した感光
体は、繰返し使用した場合の安定性に特に優れている。
従って、この感光体は、長期に亘り高品質の画像を形成
することができる。
導電性抽料の形状は、ンート状又はドラム状のいずれで
あってもよい。導電性基材としては、導電性を有する種
々の材料を用いることかできる。
アルミニウム、アルミニウム合金、銅、錫、白金、金、
銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チ
タン、ニッケル、パラジウム、インジラム、ステンレス
鋼、真鍮なとの金属単体、蒸着等の手段により上記列挙
した金属、酸化インジウム、酸化錫等の層か形成された
、プラスチック材料及びガラスが例示される。
上記α型チタニルフタロシアニン組成物は、電荷発生材
料として機能するので、他の電荷発生材料は必ずしも必
要ではない。しかし、前記半導体レーザの発振波長領域
に限らず、短波長側に分光感度を有するように設計する
ため、他の電荷発生物質と併用してもよい。この場合、
感光体の帯電特性及び感光特性を損わないように配慮す
る必要がある。
上記α型チタニルフタロシアニン組成物以外の他の電荷
発生材料としては、セレン、セレン−テルル、アモルフ
ァスシリコン、ピリリウム塩、アゾ系化合物、ジスアゾ
系化合物、トリスアゾ系化合物、アンサンスロン系化合
物、ジベンズピレンキノン系化合物、他のフタロシアニ
ン系化合物、インジゴ系化合物、l・リフェニルメタン
系化合物、スレン系化合物、トルイジン系化合物、ピラ
ゾリン系化合物、ペリレン系化合物及びキナクリドン系
化合物が例示される。
これらの電荷発生物質は一種単独でまたは二種以上混合
して用いられる。
電荷輸送材料としては、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ
基等の電子受容性基を有する電子受容性物質、例えば、
テトラシアノエチレン、2,4.7−ドリニトロー9−
フルオレノン等のフルオレノン系化合物、ジニトロアン
トラセン、2,4,8−トリニドロチオキサントン等の
ニトロ化化合物;電子供与性物質、例えば、N、N−ジ
エチルアミノベンズアルデヒド、N、N−ジフェニルヒ
ドラゾン、N−メチル−3〜カルバゾリルアルデヒド、
N、N−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン系化合物
;2.5−ジ(4−N、N−ジメチルアミノフェニル)
−1,3,4−オキサジアゾール、2.5−ジ(4−N
、N−ジエチルアミノフェニル) −1,3,4−オキ
サジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;9−(4
−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル
系化合物。
N−エチルカルバゾール等のカルバゾール系化合物:1
−フェニル−3−(4−ジメチルアミノフェニル)ピラ
ゾリン、1−フェニル−3−(1−ジメチルアミノスチ
リル)−5−(4−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリ
ン、1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリル
)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン等
のピラゾリン系化合物;2−(4−ジエチルアミノフェ
ニル)−4−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(
2−クロロフェニル)オキサゾール等のオキサゾール系
化合物;イソオキサゾール系化合物。
2−(4−ジエチルアミノスチリル)−6−ジニチルア
ミノベンゾチアゾール等のチアゾール系化合物;チアジ
アゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール
系化合物、インドール系化合物、トリアゾール系化合物
等の含窒素環式化合物;アントラセン、ピレン、フェナ
ントレン等の縮合多環族化合物、ポリ−N−ビニルカル
バゾール:ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン
;エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂が例示さ
れる。
」二記電荷輸送物質は、一種単独でまたは二種以上使用
される。
第4の発明に係る電荷輸送材料としては、酸化電位か0
545〜0.65eVのものが使用される。この理由は
、以下の通りである。
電子写真感光体において、電荷発生材料から発生した電
荷が移動するには、電荷輸送材料の中に電荷が注入され
、その注入された電荷か電荷輸送性分子間をホッピング
移動することが必要である。
従って、発生した電荷のエネルギーと、電荷が注入され
る電荷輸送性分子の軌道エネルギーとのエネルギー関係
か重要になる。そして、この両エネルギーの関係か最適
な場合に、発生した電荷の電荷輸送材料への注入効率か
良好になり、感光体の高感度化を図ることができる。そ
して、電荷発生材料かα型チタニルフタロシアニン組成
物の場合、酸化電位か0.45〜0.65eVの電荷輸
送材料を用いることか組み合わせとして最も高感度の感
光体を与える。
酸化電位が0.45〜0.55eVの電荷輸送材料とし
ては、例えば、 等か挙げられる。
なお、上記酸化電位は、サイクリックポルタンメトリー
(参照電極Ag/Ag+電極)を用いて測定したもので
ある。
結着樹脂としては、種々のものを用いることができる。
スチレン系重合体、スチレン−ブタジェン共重合体、ス
チレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイ
ン酸共重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル
系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステ
ル、アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、アク
リル変性ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネー
ト、ボリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレー
ト樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチ
ラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂か例示
される。その他、エポキシアクリレート、ウレタンアク
リレート等の光硬化型樹脂を使用することかできる。ポ
リ−N−ビニル力ルハソール等の電荷輸送物質として用
いる前記光導電性ポリマーを結着樹脂として用いてもよ
い。
「他の材料」としては、ターフェニル、ハロナフトキノ
ン類、アセナフチレン等、従来公知の増感剤;9−(N
、N−ジフェニルヒドラジノ)フルオレン、9−カルバ
ゾリルイミノフルオレンなとのフルオレン系化合物、可
塑剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤なとの劣化防止剤等、
種々の添加剤が例示される。
単層型感光層におけるα型チタニルフタロシアニン組成
物と電荷輸送物質と上記結着樹脂の割合は、所望する感
光体の特性等に応じて適宜選択することかできる。結着
樹脂100重量部に対して、α型チタニルフタロシアニ
ン組成物は2〜25重量部、好ましくは3〜15重量部
使用され、電荷輸送物質は25〜200重量部、好まし
くは50〜150重量部使用される。α型チタニルフタ
ロシアニン組成物および電荷輸送物質か上記下限使用量
よりも少ないと、感光体の感度か十分でないばかりか、
残留電位か大きくなる。上記上限使用量を越えると感光
体の表面電位が低下する。なお、単層型の感光層の厚み
は、3〜50μmが好ましく、5〜20μmが特に好ま
しい。
積層型感光層のうちの電荷発生層は、前記α型チタニル
フタロシアニン組成物を200°C以下の温度で結晶構
造の転移を抑制しながら、蒸着、スパッタリングするこ
とにより形成する。この形成にあたり、結晶構造を変化
させず、しがち生産性を高めるために、結着樹脂を用い
ることが好まし0゜ 積層型感光層における電荷発生層を結着樹脂を用いて形
成する場合、α型チタニルフタロシアニン組成物と結着
樹脂との割合は適宜設定することかできる。結着樹脂1
00重量部に対してα型チタニルフタロシアニン組成物
5〜5000重量部用いることか好ましく、10〜25
00重量部用いることが特に好ましい。α型チタニルフ
タロシアニン組成物が5重量部未満であると電荷発生能
が小さく、5000重量部を越えると感光層の導電性基
板に対する密着性が低下する等の問題かある。電荷発生
層の厚みは、0.01〜30μmが好ましく、0.1〜
20μm程度が特に好ましい。
積層型感光層の電荷輸送層を形成する場合、電荷輸送材
料と結着樹脂との割合は、結着樹脂100重量部に対し
て、電荷輸送材料10〜500重量部か好ましく、特に
25〜200重量部使用することか好ましい。これは、
電荷輸送材料か10重量部未病であると電荷輸送能が十
分でなく、500重量部を越えると電荷輸送層の機械的
強度等か低下するからである。
電荷輸送層の厚みは、2〜100μmが好ましく、5〜
30μm程度が特に好ましい。
単層型感光層は、α型チタニルフタロシアニン組成物と
電荷輸送物質と結着樹脂等とを含有する感光層用分散液
を調整し、該感光層用分散液を導電性基材に塗布し、乾
燥することにより形成することかできる。
積層型感光層は、α型チタニルフタロシアニン組成物と
結着樹脂等とを含有する電荷発生層用分散液と、電荷輸
送物質と結着樹脂なとを含有する電荷輸送層用塗布液と
を各別に調整し、導電性基材に順次塗布し、乾燥させる
ことにより形成することができる。
分散液及び塗布液(以下、「分散液等」という)の調製
に際し、結着樹脂等の種類に応じて適宜の有機溶媒か使
用される。使用される有機溶媒としては、メタノール、
エタノール、プロパツール、インプロパツール、ブタノ
ールなどのアルコール類、n−へキサン、オクタン、シ
クロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、ジ
クロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲ
ン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエー
テル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテ
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル
類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドが例
示される。これらの有機溶媒は一種または二種以上混合
して用いられる。
なお、分散液等は、α型チタニルフタロシアニン組成物
などの分散性、塗工性等をよくするため、界面活性剤、
シリコーンオイルなどのレベリング剤等を含有していて
もよい。
分散液等は、従来慣用の混合分散方法、例えば、ミキサ
ー、ボールミル、ペイントシェーカー、サントミル、ア
トライター、超音波分散器等を用いて調製することかで
きる。分散液等の塗布においては、例えば、デイツプコ
ーティング、スプレーコーティング、スピンコーティン
グ、ローラーコーティング、ブレードコーティング、カ
ーテンコーティング、バーコーティング法等の従来慣用
のコーティング方法が用いられる。
分散液等を導電性基材に塗布した後、乾燥させると、電
子写真用感光体が得られる。
乾燥条件は、使用される前記溶媒の種類によって適宜設
定することができる。電荷輸送物質の劣化を防止するた
め、通常、50〜300℃の温度で30分〜24時間行
なわれる。
導電性基材と感光層との密着性を高めるため、導電性基
材と感光層との間に下引き層を形成してもよい。下引き
層は、乾燥後の膜厚が0.01〜1μm程度になるよう
に、天然または合成高分子を含有する溶液を塗布するこ
とにより形成される。
感光層を保護するため、感光層上に表面保護層を形成し
てもよい。表面保護層は、種々の結着樹脂;結着樹脂と
劣化防止剤等の添加剤との混合液等を通常、乾燥後の膜
厚が0.1〜10μ■程度になるように、好ましくは0
.2〜5μm程度になるように塗布することにより形成
される。
上記電子写真感光体は、感光層が前記α型チタニルフタ
ロシアニン組成物を含有しているので、帯電性、暗減衰
、残留電位等の電気的特性だけでなく、感度に優れてい
る。従って、上記電子写真用感光体は、レーザビーム−
プリンタに限らず、複写機、ファクシミリ等の画像形成
装置で使用される有機感光体として有用である。
(以下、余白) 〈実施例〉 以下、実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
合成例] 1.3−ジイミノイソインドレニン4モルと、ジイソプ
ロポキシビス(1−アセチル、2−プロポキシ)チタン
1モルと、所定量のアルキルベンゼンとを反応容器に仕
込み、170〜180°Cの温度で5時間反応させるこ
とにより、チタニルフタロシアニンを合成した。
合成例2 ]、3−ジイミノイソインドレニン4モルと、テトラブ
トキシチタン1モルと、所定量のキノリンとを反応容器
に仕込み、170〜180℃の温度で5時間反応させる
ことにより、チタニルフタロシアニンを合成した。
実施例1 上記合成例1において合成したチタニルフタロシアニン
100重量部に対して、濃度98%の濃硫酸を1500
重量部添加して溶解し、温度25℃で3時間放置した後
、得られた溶液を0℃の多量の水に注入することにより
α型チタニルフタロシアニン組成物を析出させた。次い
で、α型チタニルフタロシアニン組成物を濾別し、ジク
ロロメタン中に分散させて洗浄した。
上記濾別、洗浄を繰返し、80℃の温度で乾燥させるこ
とによりα型チタニルフタロシアニン組成物を得た。
得られたα型チタニルフタロシアニン組成物と所定量の
ジクロロメタンとをボールミルに仕込み、20時間混合
し、α型チタニルフタロシアニン組成物を製造した。 
・ 製造されたα型チタニルフタロシアニン組成物は、α型
チタニルフタロシアニンを約82.3重量%含有するも
のであった。
第2図Aは、得られたα型チタニルフタロシアニン組成
物のX線回折スペクトルを示す。
実施例1で得られたα型チタニルフタロシアニン組成物
100重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(漬水
化学社製、商品名「エスレックC」)100重量部、ジ
クロロメタン300重量部およびテトラヒドロフラン2
00重量部を超音波を用いて分散混合し、電荷発生層用
分散液を調整した。
また、4−ジエチルアミノベンスアルデヒドN。
N−ジフェニルヒドラゾン70重量部、ビスフェノール
2型ポリカーボネート(三菱瓦斯化学社製、商品名rZ
−300J)100重量部およびベンゼン500重量部
を用い、電荷輸送層用溶液を調製した。
次いで、アルミニウム製ンートに、前記電荷発生層用分
散液を塗布し、100 ’Cの温度で1時間乾燥させる
ことにより膜厚1μm以下の電荷発生層を形成し、その
後、該電荷発生層に前記電荷輸送層用溶液を塗布し、1
00°Cの温度で1時間乾燥させることにより、電荷発
生層上に膜厚約15μmの電荷輸送層を形成して電子写
真用感光体を作製した。
実施例2〜9 上記合成例]において合成したα型チタニルフタロシア
ニン組成物に所定量のメタルフリーフタロシアニンを添
加し、上記合成例1よりもα型チタニルフタロシアニン
の含有量か少ないα型チタニルフタロシアニン組成物を
製造した(実施例2〜8)。
また、合成例2のチタニルフタロシアニンを実施例1と
同様にしてα型チタニルフタロシアニンを88,1%含
有するα型チタニルフタロシアニン組成物を作製した(
実施例9)。
以上のようにして、α型チタニルフタロシアニンの含有
量の異なる8種類のα型チタニルフタロシアニン組成物
を製造した。
次いで、実施例1と同様にして、電子写真用感光体を作
製した。
実施例1〜実施例9において作製した各電子写真用感光
体の帯電特性および感光特性を、静電複写試験装置(シ
ュンチック社製、商品名「シュンチック シンシア30
MJ)を用いて、−6,OKVの条件でコロナ放電を行
なうことにより、電子写真用感光体を負に帯電させ、各
電子写真用感光体の表面電位V s、p、 (v)及び
流れ込み電流Ip(μA)を測定した。
また、波長780 nmの半導体レーザ光を用いて、電
子写真用感光体を露光し、上記表面電位Vs、p、が1
/2となるまでの時間を求め、半減露光量El/2 (
μJ / cm )を算出するとともに、露光後、0゜
15秒経過後の表面電位を残留電位V r、p、 (V
)として求めた。
各実施例で得られた各電子写真用感光体についての帯電
特性および感光特性の試験結果を表1に示す。α型チタ
ニルフタロシアニン組成物中のα型チタニルフタロシア
ニン含有量と感度の指標となる半減i光量との関係を第
1図に示す。
同図において、α型チタニルフタロシアニン組成物中の
α型チタニルフタロシアニン含有量は、赤外線吸収スペ
クトルにおけるα型チタニルフタロシアニン固有の吸収
波数(870cm’)と、メタルフリーフタロシアニン
固有の吸収波数(890cm’)とに基づき検量線を作
成し求めたものである。
= 45− 上記表1および第1図より明らかなように、α型チタニ
ルフタロシアニンとメタルフリーフタロシアニンとを含
有するα型チタニルフタロシアニン組成物を含有する感
光体は、帯電性に優れ、残留電位か小さいたけでなく、
高感度であることが判明した。特に、α型チタニルフタ
ロシアニンを40〜99.5重量%含有するα型チタニ
ルフタロシ、アニン組成物を含有する感光体は、高感度
であり、中でも60〜90重呈%含有するα型チタニル
フタロシアニン組成物を含有する感光体は、半減露光量
か0.6μJ / cm以下であり、感度が著しく高い
ことが判明した。
実施例10〜13 上記合成例1において合成でされたチタニルフタロシア
ニン100重量部を、濃度98%の濃硫酸1500重量
部に溶解し、温度25°Cで3時間放置して濃硫酸溶液
を得た。次いて、得られた濃硫酸溶液を、−5°C(実
施例10)、18℃(実施例11)、40°C(実施例
12)又は70°C(実施例13)の多量の水にそれぞ
れ注入することによりα型チタニルフタロシアニン組成
物を析出させた。
次いで、上記のようにして得られた各α型チタニルフタ
ロシアニン組成物を用い、実施例1と同様にして、4種
の電子写真用感光体を作製し、実施例2〜9と同様にし
て感光体の特性を調べた。
表2は、その結果を示す。
なお、参考のために、0°Cの水にα型チタニルフタロ
シアニン組成物を含有する濃硫酸溶液を注入した実施例
1において得たデータも表中に併せて記載した。
(以下、余白) 一  49 − 上記表2より明らかなように、実施例10〜13の電子
写真用感光体、中でもα型チタニルフタロシアニン組成
物の濃硫酸溶液を温度−5〜40°Cの水に注入した実
施例10〜12の電子写真用感光体は、いずれも帯電特
性および感度特性に優れていることが判明した。
実施例14〜19 実施例1で用いた濃度98%の濃硫酸に代えて、濃度8
2%(実施例14)、濃度90%(実施例15)、濃度
94%(実施例16)、濃度96%(実施例17)、濃
度100%(実施例18)および濃度105%(実施例
19)の濃硫酸を用いるとともに、合成例において合成
されたチタニルフタロシアニン組成物を用い、実施例1
と同様にしてα型チタニルフタロシアニン組成物を製造
した。
次いで、実施例1と同様にして、電子写真用感光体を作
製し、実施例1〜9と同様に各感光体の帯電特性および
感光特性を調べた。表3はその結果を示す。
−5〇 − 上記表3より明らかなように、実施例14〜19、中で
も、濃度94〜105%の硫酸を用いた実施例16〜1
9の電子写真用感光体は、帯電特性および感光特性に優
れていることが判明した。
実施例20 合成例1において合成したチタニルフタロシアニン10
0重量部を、濃度98%の濃硫酸6000重量部に溶解
したこと以外は、実施例14〜]9と同様にして、α型
チタニルフタロシアニン組成物を作製し、次いで、電子
写真用感光体を作製した。 作製された電子写真用感光
体の特性を上記実施例1と同様にして評価した。表4は
その結果を示す。なお、同表には、実施例]において作
製した電子写真用感光体の特性も併記されている。
表  4 上記表4に示されるように、実施例20の電子写真用感
光体も良好な特性を示すか、帯電特性が−52= 比較的低いことが判明した。
実施例21 実施例9で得られたα型チタニルフタロシアニン組成物
を、エポキシシラン系ンランヵップリング剤である2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシランで処理し、処理量が約0,03重量%のα型チ
タニルフタロシアニン組成物を調製した。
得られたα型チタニルフタロシアニン組成物を用い、実
施例1と同様にして、電子写真用感光体を作製した。
作製された電子写真用感光体の初期特性と、帯電、露光
を200サイクル繰返しした後の特性とを上記実施例1
と同様にして評価したところ、表5に示す結果を得た。
なお、同表には、実施例9の電子写真用感光体の特性も
併記されている。
(以下、余白) 表  5 上記表5に示されるように、シランカップリング剤で処
理したα型チタニルフタロシアニン組成物を用いた実施
例21の電子写真用感光体は、繰返し特性に優れ、安定
した帯電特性および感光特性を示すことが判明した。
実施例22 合成例1において合成されたチタニルフタロシアニンに
所定量のメタルフリーフタロシアニンを添加し、実施例
1と同様にして、チタニルフタロシアニンを含有する濃
硫酸溶液を、0℃の水に注入し、硫酸精製したα型チタ
ニルフタロシアニン組成物を調製した。次いで、このα
型チタニルフタロシアニン組成物をンクロヘキサノンに
5時間浸漬し、α型チタニルフタロシアニンを76.3
重量%含有するα型チタニルフタロシアニン組成物を調
製した。
このようにして得られたα型チタニルフタロシアニン組
成物を用いて、上記実施例1と同様にして電子写真用感
光体を作製した。
実施例23および24 実施例22で得られた硫酸精製したα型チタニルフタロ
シアニン組成物を、ジクロロメタンに5時間(実施例2
4)および1週間(実施例25)浸漬し、α型チタニル
フタロシアニン組成物を調製した。
次いて、得られた各α型チタニルフタロシアニン組成物
を用いて、上記実施例1と同様にして電子写真用感光体
を作製した。
実施例25 実施例22で得られた硫酸精製したα型チタニ五 ルフタロシアニン組成物を、ジクロロメタンの存在下、
ボールミルで24時間混合分散し、α型チタニルフタロ
シアニン組成物を調製した。
次いで、得られたα型チタニルフタロシアニン組成物を
用いて、実施例1と同様にして電子写真用感光体を作製
した。
比較例1 実施例22で得られた硫酸精製したα型チタニルフタロ
シアニン組成物を、トルエンの存在下、ボールミルで2
4時間混合分散し、β型チタニルフタロシアニン組成物
を調製した。
次いで、得られたβ型チタニルフタロシアニン組成物を
用いて、実施例1と同様にして電子写真用感光体を作製
した。
実施例22〜25および比較例1の各電子写真用感光体
の特性を上記実施例1と同様にして評価したところ、下
記表6に示す結果を得た。
(以下、余白) − 57  = 上記表6より明らかなように、実施例22〜25の電子
写真用感光体は、β型チタニルフタロシアニンか一部混
在していても、いずれも帯電特性および感光特性に優れ
ている。特に、ジクロロメタンの存在下にボールミリン
グした実施例25の電子写真用感光体は、感度が特に大
きいことか判明した。これに対して、β型チタニルフタ
ロシアニンを用いた比較例1の電子写真用感光体は、残
留電位か高く、感度が十分てない。
実施例22.24.25および比較例1のチタニルフタ
ロシアニンのX線回折スペクトルを、第2図B、C,D
およびEにそれぞれ示す。
同図より明らかなように、シクロヘキザノンに浸漬した
α型チタニルフタロシアニン組成物(B)は結晶化が進
み、ジクロロメタンに浸漬したもの(C)はβ型チタニ
ルフタロシアニンが一部混在している。これに対して、
ジクロロメタンの存在下でボールミリングしたもの(D
)は、回折ピークが明瞭に現れ、α型チタニルフタロシ
アニンであることが確認された。また、α型チタニルフ
タロシアニン組成物をトルエンの存在下にボールミリン
グしたもの(E)は、β型結晶であることを示した。
実施例26、実施例27、比較例2及び比較例合成例2
で得たチタニルフタロシアニン100重量部に、濃度9
8%の濃硫酸1500重量部を溶かし、温度25°Cで
3時間放置した。その後、得られた溶液を0°Cの多量
の水に注入することによりα型チタニルフタロシアニン
組成物を含有するスラリーを得た。得られたスラリーよ
りα型チタニルフタロシアニン組成物を濾別した。次い
で、この濾別したジクロロメタン中に分散させて洗浄し
た。次いで、濾別・洗浄を数回繰返し行い、温度80°
Cて乾燥することにより、α型チタニルフタロシアニン
組成物を得た。
得られたα型チタニルフタロシアニン組成物と所定量の
ジクロロメタンをボールミルに仕込んで20時間混合し
て、α型チタニルフタロシアニン組成物を得た。
得られたα型チタニルフタロシアニン組成物は、α型チ
タニルフタロシアニンを約823重量%含有するもので
あった。
上記組成のα型チタニルフタロシアニン組成物8重量部
、ビスフェノールZ型子リカーボネート(三菱瓦斯化学
社製)100重量部、表7に示す電荷輸送月料100重
量部及びテトラヒドロフラン1000重量部とを用い、
超音波分散器にて分散液を調製すると共にアルミシート
上に塗布し、厚み約20μmの感光層を有する電子写真
感光体を作製した。
上記実施例26、実施例27、比較例2及び比較例3で
得た各電子写真感光体を静電複写試験装置(ジエンチッ
ク社製、ジエンチック シンシア30M)を用いて正帯
電させ、表面電位Vsp(V)を測定した。
また、ハロゲン光を用いて感光体を露光し、上記表面電
位が初期値の1/2になるまでの時間を求め、半減露光
量El/2(μJ / crA )を算出すると共に、
露光後0.15秒経過後の表面電位を残留電位Vrp(
V)として求めた。
(以下、余白) 表7 なお、上記表7中に示した各電荷輸送材料の酸化電位は
ザイクリックホルタンメトリーを用いて測定した。この
測定においては、作用電極として白金電極を、また参照
電極として0.1モルのアセトニトリル 極として白金電極を用いた。各電荷輸送材料を1ミリモ
ル及び 支持電解質(n−C4 H9 ) 4 NCfl 04
を0。
1モル含むジクロロメタン溶液をアルゴンガスでバブル
した後、走査速度1 0 0 m V /秒で測定した
。 下記表8は、各電子写真感光体の半減露光量及び残
留電位の測定結果を示す。
表8 上記表8より明らかなように、実施例26及び実施例2
7の電子写真感光体は、比較例2及び比較例3の電子写
真感光体に比べて残留電位が低いたけでなく、高感度で
あることか判明した。このように酸化電位が0.45〜
0.65eVの電荷輸送材料を含む電子写真感光体は、
感度に優れると共に、残留電位が低い。
〈発明の効果〉 以上説明したように、請求項1記載の発明のα型チタニ
ルフタロシアニン組成物は、メタルフリーフタロシアニ
ンとともにα型チタニルフタロシアニンを含有するので
、安定で、吸収波長領域が広いだけでなく、分光感度か
大きい。
請求項2記載の発明のα型チタニルフタロシアニン組成
物の製造方法によれば、少なくともチタニルフタロシア
ニンを含有する濃硫酸溶液を水中に注入するアシッドペ
ースト法により顔料化するので、経時的にも安定なα型
チタニルフタロシアニン組成物を容易に製造することが
できる。
請求項3記載の発明の電子写真用感光体は、感光層中の
フタロシアニンか、α型チタニルフタロシアニンとメタ
ルフリーフタロシアニンとを含有するので、帯電性、暗
減衰特性に優れるたけでなく、高感度であり、残留電位
が小さい。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1〜9におけるα型チタニルフタロシア
ニン組成物中のα型チタニルフタロシアニン含有量と感
度との関係を示す図である。 第2図はX線回折スペクトルを示す。このうち同図Aは
硫酸精製法により得られたα型チタニルフタロシアニン
組成物のX線回折スペクトルである。同図Bは硫酸精製
法により得られたα型チタニルフタロシアニン組成物を
シクロヘキサノンに浸漬した後のα型チタニルフタロシ
アニン組成物のX線回折スペクトルである。同図Cは硫
酸精製法により得られたα型チタニルフタロシアニン組
成物をジクロロメタンに浸漬した後のα型チタニルフタ
ロシアニン組成物のX線回折スペクトルである。同図り
は硫酸精製法により得られたα型チタニルフタロシアニ
ン組成物をジクロロメタンの存在下にホールミリンクし
た後のα型チタニルフタロシアニン組成物のX線回折ス
ペクトルである。 同図Eは硫酸精製法により得られたα型チタニルフタロ
シアニン組成物をトルエンの存在下、ボールミリングし
た後のα型チタニルフタロシアニン組成物のX線回折ス
ペクトルである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、α型チタニルフタロシアニンとメタルフリーフタロ
    シアニンとを含有することを特徴とするα型チタニルフ
    タロシアニン組成物。 2、チタニルフタロシアニンを少なくとも含有する濃硫
    酸溶液を水中に注入するアシッドペースト法により該濃
    硫酸溶液を顔料化することを特徴とする、α型チタニル
    フタロシアニンとメタルフリーフタロシアニンとを含有
    するα型チタニルフタロシアニン組成物の製造方法。 3、α型チタニルフタロシアニンとメタルフリーフタロ
    シアニンとを含有する感光層が導電性基材上に形成され
    た電子写真用感光体。
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