JPH01215390A - 鋼材の酸洗廃液中のケイ素の除去方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は酸化鉄、特にソフトフェライト用酸化、　　鉄
を製造する際、得られる酸化鉄のケイ素濃度を低減させ
る方法に関する。

〔従来の技術〕

一般に、フェライト用酸化鉄は、鋼材などの塩Ｍ酸洗廃
酸液を噴霧焙焼または流動床焙焼方式で焙焼することに
よって、熱分解して塩酸を回収する際に副生ずる酸化鉄
を、その後適当な処理工程を経て得る方法が採られてい
る。

ところで上記廃酸液には第１表に示すように多量の不純
物が含まれており、これを焙焼しても第２表に示すよう
に依然として不純物濃度が高い。

第１表 第２表　　　　（重量％） 上記不純物のうち、特にケイ案分は酸化鉄の品質に悪影
客を与え、特にソフトフェライト用としては第３表に示
すＪＩＳ規格（ＪＩＳＫ１４６２）があるため、さらに
ケイ素を廃酸液から充分除去する必要がある。

第３表　　　（重量％） そこで従来、上記ＪＩＳ規格に適合させるべく各種提案
がなされている（特開昭５８−１５１３３５．同６０−
１０６５８０号、同６１−３１０５６号、同６１−５３
１２３号、同６１−１４６３８４号公報等参照）。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、フェライト用酸化鉄は今後、高品位テレ
ビ、高級ＶＴＲ１高密度磁気テープ等に需要が増加する
ことが予想されるが、この場合、前記ＪＩＳ規格を満足
するだけでは足りず、ケイ素置が０．００５％以下であ
ることが望まれる。この点、上記各公報記載の従来法で
は、ケイ素置０．０１％以下を目標としているものであ
り、確実にｏ、　ｏ　ｏ　ｓ％以下に保持する方法は見
い出されていなかった。

そこで、本発明の主たる目的は、廃酸液からケイ素置を
効率的に除去して、ケイ素置がｏ、　ｏ　ｏ　ｓ％以下
のソフトフェライト用酸化鉄を得る方法を提供すること
にある。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するための本発明は、 鋼材の酸洗廃液からスラッジを除去して得られる液に、
高分子凝集剤、酸化マグネシウム、アルミナのうち少な
くとも１種を添加・混合し、ＳｉＯ□を凝集させた後、
該凝集したＳｉＯ□を濾過分離し、得られる濾液に、上
記スラッジを添加・混合し、ＳｉＯ□をそのスラッジに
吸着させ、５ｉＯｚが吸着したスラッジを濾過すること
を特徴とするものである。

〔作　用〕

鋼材に含まれるＳｉの存在形態を考えると、例えば塩酸
での酸洗の場合、５ｉＣＪ４等の形態で、廃酸中に溶解
した後、瞬時に加水分解し、Ｓｉ（ＯＨ）４で表わされ
るモノケイサンに変化する。このモノケイサンは、極め
て不安定な化合物で、容易に重合してケイサンポリマー
を形成すると共に、一部は解離して、Ｓｉ　（ＯＨ）　
”−で表わされるケイサンイオンとして存在するように
なる。このケイサンポリマーは極めて微細なコロイドで
ある。

本発明では、スラッジ除去後の酸洗廃液に、凝集剤、酸
化マグネシウム、アルミナのうち少なくとも１種を添加
して、上記ケイサンポリマーを吸着させ濾別した後、さ
らに該液に、もとの廃液中のスラッジを添加して、該濾
液中に残存するケイサンポリマーを吸着させ、濾別する
ものであるから、ケイ素置が０．００５％以下の酸化鉄
を得ることができる。

〔発明の具体的構成〕

以下本発明をより具体的に説明する。

第１図により本発明の具体的処理フローを説明すると、
鋼材等からの酸洗廃液（廃酸）１からスラッジ２を除去
した後、高分子凝集剤、酸化マグネシウム（ＭｇＯ）、
アルミナ（Ａ　ｌ　２０：ｌ）の１種又は２種以上を添
加３し、攪拌・混合４した後、濾過５する。この濾過５
により大部分のケイ素置が残渣６として除去される。次
いで、得られる濾液に対して、もとの廃酸中に存在しζ
高分子凝集剤等の添加２の前に分離したスラッジ２を添
加した後、攪拌・混合フし、残存しているケイ素置をそ
のスラッジに十分吸着させた上、濾過８し、ケイ素置を
残渣９として分離する。ケイ素置の低減した濾液１０は
、通常の方法で焙焼１１され、所期の酸化鉄１２が得ら
れる。

本発明で使用できる高分子凝集剤としては、例えば、カ
チオン性、ノニオン性、アニオン性ポリアクリルアミド
系高分子凝集剤等の公知の高分子凝集剤を使用できる。

また、酸化マグネシウムは一般に飲料水や工業用水の浄
化に使用されるものでよく、アルミナとしては、通常の
吸着剤用としてのアルミナが使用できる。また、高分子
凝集剤、酸化マグネシウム、アルミナの各添加割合は０
．１ｇ／１以上が好ましい。０．１ｇ／１未満ではケイ
素置の凝集効果が低いからである。添加割合０．１ｇ／
１以上であれば凝集効果はさほど変わりがないから、コ
スト上不利にならぬよう適宜上限値を定めればよい。

また、本発明に使用される上記スラッジとしては、例え
ば第４表に示すような組成を有するものを使用する。

第４表　（重量％） スラッジの添加量は１０　ｇ　／　ｉ’以上が好ましい
。

１０ｇ／ｊ！未満では吸着効果が低いためである。

上限値は特にないが、添加量が多すぎると次工程である
濾過の効率が悪くなるので、適宜添加量の上限を決めれ
ばよい。

本発明では、上記高分子凝集剤、酸化マグネシウム、ア
ルミナのうち少くとも１種を用いて濾過した上、さらに
上記スラッジを吸着剤として再び濾過するものであり、
上記高分子凝集剤等を各単独で、かつ１回のみの濾過で
は不純物除去の効果は薄く、所期の品質を満足しない。

すなわち、高分子凝集剤のみ使用した場合は、濾過によ
るＳｉＯ□の除去が最良条件で７０〜８０％まで可能で
あり、この場合、酸化鉄中のＳｉｎｇが０．０４〜０．
０７％→０．０１〜０．０２％までに減少する。またＭ
ｇＯのみを、０．１〜１０ｇ／７１程度添加し濾過すれ
ば、Ｓｉｎｇの除去率は２０〜３０％である。さらに、
Ａ　ｆ　ｚｏ＊のみの使用では、添加量０．１〜１０ｇ
／Ｉｔで、２０〜６０％の除去率となる。他方、前記ス
ラッジを吸着剤として使用すれば、例えば１０ｇ／ｆで
、８０〜９０％の除去が可能であり、酸化鉄中のＳｉＯ
□は０．０４〜０．０７％から０．００５〜０．００６
％となる。

従って本発明では、上記吸着剤、酸化マグネシウム、ア
ルミナの１種以上を用いて濾過し１．次いで上記スラッ
ジを用いて再び濾過することにより、酸化鉄中のＳｉＯ
１を０．００５％以下とするものである。

〔実施例〕

次に実施例により本発明の効果を明らかにする。

本実施例で使用した廃酸は下記組成を有する塩酸酸洗廃
液である。

ＨＣｊ！　　　　　　　５％ Ｆｅ　　　　　　１５０ｇ／ｊ！ Ｓｉ　　　　　　　８０確／１ Ａｌｌ　　　　　　４９■／１ Ｍｎ　　　　　　４５０ｍｇ／ｆ 使用した薬品は、マグネシウム（Ｍｇ０）特級薬品、ア
ルミナ（Ａｌｔｏ、＞特級薬品、凝集剤（カチオン系）
、前記第４表の組成のスラッジである。

濾過はミクロフィルター（０，１μ径）による真空濾過
法を用いた。

テスト条件は、液温７０℃、攪拌２時間である。

上記テスト結果を第５表、第６表に示す。第５表は、比
較例であり、凝集剤、酸化マグネシウム（マグネシア）
、アルミナを各単独で使用した場合のテスト結果である
（なお、廃酸を直接、焙焼して得られる酸化鉄中の５ｉ
ｆｔは０．０６０％であった）。

第５表 上表のように、凝集剤等を単独に用いたのでは、酸化鉄
中のＳｉｎｇが０．００５％以下となることは望めない
。

一方、第６表のうち、■〜■は本発明の実施例を示した
ものである。

第６表 第６表から、スラッジのみ用いて濾過（１回のみ）して
も効果は大きいが、本発明に従って２段の濾過を行えば
酸化鉄中のＳｉｎｇは完全に０．０　Ｏ５％以下となり
、高級なソフトフェライト用酸化鉄として充分使用でき
るものを得ることができることが明らかとなった。

〔発明の効果〕

以上の通り、本発明によれば、酸洗廃液中のケイ素分を
極めて効率的に除去でき、ケイ素分が０．００５％以下
の高純度の、ソフトフヱライト用等に好適な酸化鉄を得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による処理フロー例を示す図である。 ｌ・・・廃酸（酸洗廃液）、２・・・凝集剤等の添加、
６・・・廃酸中のスラッジ、１２・・・酸化鉄。 特許出願人　住友金属工業株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）鋼材の酸洗廃液からスラッジを除去して得られる
   液に、高分子凝集剤、酸化マグネシウム、アルミナのう
   ち少なくとも１種を添加・混合し、ＳｉＯ＿２を凝集さ
   せた後、該凝集したＳｉＯ＿２を濾過分離し、得られる
   濾液に、上記スラッジを添加・混合し、ＳｉＯ＿２をそ
   のスラッジに吸着させ、次いでＳｉＯ＿２が吸着したス
   ラッジを濾過することを特徴とする鋼材の酸洗廃液中の
   ケイ素の除去方法。