JPH0121243Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスプロケツトの円周方向、軸方向及び
半径方向の外力に対する強度を強固にし且つ軽量
で嵌脱容易な替歯スプロケツトに関する。

従来の替歯スプロケツトの代表的なものは、ス
プロケツト本体の一側面に歯体を等ピツチで放射
状にボルト等で着脱可能に締着したもの、或は実
公昭56−50202号公報に開示されている如く、ス
プロケツト本体の切欠部に歯体を嵌着しスプロケ
ツト本体側面と歯体側面とを同一平面内におくた
め、スプロケツト本体切欠部と歯体との嵌着当接
面を凹凸嵌合（第２図ハ参照）させ、歯体下部を
スプロケツト本体側面に溶接付設した支持板に締
着したもの等がある。

前者は歯体に負荷されるチエーン張力が歯体の
締着ボルトに剪断力として作用し、高張力負荷に
対してボルト径を大にしなければならないばかり
でなく、歯体がスプロケツト本体に重合している
ため、スプロケツト全重量が増大し、また、ボル
トに作用する剪断力は該ボルトの挿通孔を拡径さ
せ易く、歯体のスプロケツト本体に対する取付け
ピツチを狂わせるという欠点を有し、後者はスプ
ロケツト本体と歯体とを同一面内にあらしめるた
め、切欠部と歯体との嵌合面を精度の高い凹凸仕
上げ面に加工しなければガタを生じてピツチに狂
いが生じ易く、また、スプロケツト本体の厚さは
前記凹凸嵌合面が形成加工できるものでなければ
ならないので、スプロケツト本体の厚さを薄くす
ることができず、従つて、スプロケツトの軽量化
は難しいという欠点を有し、結局、両者は歯体の
取付けピツチを精度よく維持すること及びスプロ
ケツトを軽量化することにおいて難点を有してい
た。

本考案は上述した従来例の欠点を除去したもの
で、以下図面について本考案の実施例を説明する
と、 第１図はスプロケツトの要部正面図であつて、
Ａ部はスプロケツト本体１の外周に等ピツチ放射
状に設けた歯体取付切欠部２及び該切欠部底面に
形成した凹陥部３を示し、Ｂ部は該切欠部２に歯
体受金具４を溶接５した状態を示し、Ｃ部は該歯
体受金具４に歯体６を周方向凹凸溝によつて着脱
可能に嵌着し、歯体受金具４と歯体６とをボルト
７によつて締結した状態を示している。

第２図は歯体６を第１図Ａ部、Ｂ部、Ｃ部に示
す順序でスプロケツト本体１に締着した替歯スプ
ロケツトの側断面図である。

第３図に示す歯体６にはスプロケツト本体１に
溶接した歯体受金具４に嵌合する周方向溝８を形
成し、歯体中央部にはボルト７の挿通孔９と締結
時にボルト又はナツトが歯体歯面に突出しないよ
うに凹設した締結座１０を形成する。

以上の如く、本考案は板材のスプロケツト本体
１の外周に等ピツチ放射状の歯体取付切欠部２に
歯体受金具４を溶接し、該受金具４を歯体の周方
向溝８に嵌着し、歯体受金具４と歯体６との中央
部にボルト７を貫挿し、切欠部に形成した凹陥部
３と歯体に凹設した締結座１０を利用してナツト
を螺合し、歯体受金具４に歯体６を締着させて第
１図Ａ部及び第２図に示す状態で替歯スプロケツ
トを構成したから、第２図に仮想線で示したチエ
ーン１１を噛合させた場合には、歯体６に負荷さ
れるチエーン張力は歯体受金具４を介してスプロ
ケツト本体１の円周方向に作用し、スプロケツト
歯１２の円周方向長さｌが大であるときはスプロ
ケツト本体の円周方向の剛性が大であるからチエ
ーン張力によつてスプロケツト歯１２が折損する
ことはないが、スプロケツト歯１２の円周方向長
さｌが小であるときにおいても歯体受金具４の溶
接によつてスプロケツト歯１２が補強され、折損
するおそれがなくなり、チエーンの高張力にも充
分に耐えることができるスプロケツトを得ること
が可能であるばかりでなく、歯体の取付けピツチ
が小さくても歯体と歯体受金具とを締結したボル
トが半径方向に挿通されているので、隣接する歯
体の締結時においても、隣接するボルトが相互に
干渉することなく挿通締結作業に支障を来さない
ものであり、また、歯体受金具４と歯体６とは周
方向溝８により凹凸嵌合しているので、スプロケ
ツト軸方向外力が歯体６に負荷されても該凹凸嵌
合により歯体が横ずれするおそれはなく、更に半
径方向外力に対しては一本のボルト、ナツトの締
結により充分の抗力を有するものである。しかも
切欠部に凹陥部３が形成されているので緊締作業
は極めて容易であるばかりでなく、ボルトが半径
方向に挿通されているのでスプロケツトの側面に
ボルト端部が突出しないからスプロケツトの回転
によつて近傍部材に衝突する危険もなく、更にボ
ルトの締結座１０を凹設したから、ボルトを半径
方向に挿通してもチエーンとの噛合に全く支障を
来すことはない。

そして、歯体は歯体受金具を介してスプロケツ
ト本体に取付けたから、歯体受金具の肉厚を歯体
取付けに充分な肉厚にすれば、スプロケツト本体
を肉薄にすることが可能となるので、スプロケツ
トの軽量化を実現できるものである。

以上の如く、本考案は、スプロケツト歯の着脱
交換が容易であるのみならず、スプロケツト歯の
円周方向長さｌが小さくても歯体受金具の溶接に
より補強されてチエーン高張力に対して折損、変
形することなく、軸方向外力及び半径方向外力に
対しても周方向の凹凸嵌着及びボルト、ナツトに
よる緊締によつて充分な抗力を有し、高強度の替
歯スプロケツトを得ることができる。また、締結
ボルトを半径方向に挿通することによつて歯体取
付けピツチを小さくすることが可能になり、歯体
受金具を介装して歯体をスプロケツト本体に取付
けたことによつて、スプロケツト本体の肉厚を薄
くしてスプロケツトの軽量化を可能にしたもので
ある。

そして、また、歯体受金具との間に導電性の悪
い物質を介装することにより、隙間腐食、電食を
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はスプロ
ケツトの要部正面図、第２図はスプロケツトの要
部側断面図、第３図は歯体の拡大正面図である。 １……スプロケツト本体、２……歯体取付切欠
部、３……凹陥部、４……歯体受金具、６……歯
体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スプロケツト本体外周に等ピツチの歯体取付切
   欠部を放射状に設け、該切欠部に歯体受金具を固
   設し、該受金具に歯体を周方向凹凸溝により着脱
   可能に嵌着し、該歯体中央部に凹設した締結座と
   前記スプロケツト本体切欠部底面に形成した凹陥
   部との間にボルトを半径方向に挿通して歯体と歯
   体受金具とを締結した替歯スプロケツト。