JPH0120335Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、バラ積みされた個々の裸状態の馬鈴薯、
玉葱等の球形農作物を移送する場合には、移送コ
ンベアーを目的場所まで順次配列継ぎ合せてい
る。その継ぎ合せかたには２つの手段があり、第
１の手段は継ぎ合せた接続部を夫々上下方向に重
ね合せるように配置して、球形農作物を次の乗継
コンベアー上へ落下せしめながら乗継移送してい
た。又移送コンベアーの排出端部には斜め下向に
シユーター等を設け、このシユーターを次の乗継
コンベアーのベルト直上に位置させて順次シユー
ター内を転動させながら乗継コンベアーのベルト
上に落下せしめて乗り継ぎ移送していた。従つ
て、移送コンベアーと乗継コンベアーとの各ベル
ト上面間には落差ができ、バラバラの個々の球形
農作物は移送コンベアー上を移動した後、シユー
ターに達すると、シユーターへ転がり落ち加速さ
れて急速度で転動しながら移動し、シユーターの
下端部より再び転がり落下して、次の乗継コンベ
アーのベルト上に移乗され、そのベルトの回動に
伴つて移送されていた。依つて、馬鈴薯、玉葱等
の球形農作物は、移動に伴う転動による加速度と
移送コンベアーの接続部における大きな落差によ
る落下で包皮、外皮等が傷付けられたり、損傷を
与えられたりして、商品価値が低下していた。ま
た、シユーターの内面に土壌や塵等の農作物付着
物が移着するため、シユーター内面を頻繁に清掃
しないと、乾燥した土壌や塵等のシユーター内面
付着物によつて転がり落ちる球形農作物の包皮、
外皮等が傷付けられていた。

第２の継ぎ合せ手段は、実公昭45−29704号公
報で提案されているように、移送コンベアーのベ
ルト上面とローラー頂点とが同一平面を形成する
ように移送コンベアーの排出側先方に数本のロー
ラー群を駆動回転自在に配設し、被移送物を乗継
移送せしめることである。このコンベアー装置に
よるときは、移送コンベアーの排出端部と数本の
ローラー群中の受入端部ローラーとの間に大きな
谷間が形成されるため、箱詰、袋詰等の容器詰さ
れた被移送物ならば、上記大きな谷間を乗越えな
がら、支障なく乗継移送することが可能である。
しかし、バラバラの個々の球形農作物を移送しよ
うとする場合は、これが大きな谷間に落込み、挟
まつて抜けにくく、包皮、外皮等が傷付いたり、
内部まで損傷したりすることがあり、また、時と
して球形農作物が大きな谷間から落下し、スムー
スに移送できない事態が起き、好ましいコンベア
ー装置ということができない。

本考案は、このような事情に鑑みてなしたもの
で、移送コンベアーの移送ベルト排出端部と数本
の小径ローラー中の受入端部ローラーとの間に球
形農作物が挟まつて損傷すること、及び落下する
ことなどがなく、かつ球形農作物が数本の小径ロ
ーラー上を移送されている間に土壌、塵等の農作
物付着物が振い落され、また、乗継コンベアーを
使用する場合は、乗継ぎの際の落差を小さくし
て、球形農作物に与える落下シヨツクを少なく
し、該農作物を損傷せしめる惧れ少なく乗継移送
せしめ得るようにしたバラ積みされた球形農作物
用コンベアー装置の提供を目的とする。

以下、実施の一例を図面について説明する。

移送コンベアーＡは、側枠１，１の受入側端部
と排出側端部と（前後両端）にプーリー３，３を
回動自在になるように横架し、移送ベルト４を巻
回掛懸し、プーリー３の駆動によつて、移送ベル
ト４を回動せしめ、移送ベルト４上の球形農作物
を移送する。

移送コンベアーＡの側枠１，１は、排出側端部
（後部）に架設されたプーリー３より更に先方に
向つて一体に延長突出して突出側枠１′，１′を形
成せしめ、この突出側枠１′，１′には小径ローラ
ー２，２…を配列架設する。小径ローラー２，２
…はプーリー３に掛懸する移送ベルト４の上面よ
り僅か低い位置に小径ローラー２，２…の各頂点
が位置するようにかつ球形農作物が落下しない程
度及び挟まらない程度の適宜僅かな間隔をおい
て、回転自在になるようにローラー軸５で軸架せ
しめ、移送ベルト４の上面より低い位置にこれら
小径ローラー２，２…によつて形成されるローラ
ー面を突出側枠１′，１′内にわたつて形成せしめ
る。

数本の小径ローラー２，２…は、受入端部ロー
ラー２′と移送ベルト４の排出端部との間及びロ
ーラー相互間より球形農作物が落下しない程度
に、かつ該間に球形農作物が挟まらない程度に適
宜僅かな間隔をおいて、ローラー軸５，５…で回
転自在になるように架設軸着し、受入端部ローラ
ー２′のローラー軸５には、、プーリー軸８に取付
けたスプロケツト９と同径のスプロケツト６′を
取付けてチエーン７を掛懸噛合せしめ、受入端部
ローラー２′の周速が移送ベルト４の周速よりも
遅くなるように構成する。そして、受入端部ロー
ラー２′を含む全ての小径ローラー２，２…のロ
ーラー軸５，５…には、ローラー径とほぼ同径の
スプロケツト６，６…を夫々取付け、チエーン
７′を掛懸噛合せしめ、該全ての小径ローラー２，
２…を移送ベルト４の回転方向と同じ方向へ同期
回転せしめるように構成する。

チエーン７は、プーリー３のプーリー軸８に軸
着せるスプロケツト９に掛懸噛合され、プーリー
３の回転によつて回動し、小径ローラー２，２…
を回転せしめる。

乗継コンベアーA′を使用する場合、小径ロー
ラー２，２…の排出端部直下位置、かつ小径ロー
ラー２，２…の底頂部で形成されるローラー底面
より僅か低い位置に次の乗継コンベアーA′の移
送ベルト４′の上面が位置するように乗継コンベ
アーA′を配置せしめ、小径ローラー２，２…上
を転動移動する農作物を静かに落下受け止め移送
させるようにする。

本考案は叙上のように、移送コンベアーの側枠
を延長突設し、その突出側枠の下寄り位置に数本
の小径ローラーを移送ベルトと同方向に回転する
ように配列架設し、かつ該移送ベルト排出端部と
の間及びローラー相互間に球形農作物が挟まれな
い程度の間隔をおいて配列架設したから、移送ベ
ルトの排出端部と数本の小径ローラー中の受入端
部ローラーとの間の谷間及びローラー相互間に移
送中の球形農作物が挟まつて損傷することがなく
なると共に、上記谷間及びローラー相互間から上
記農作物が落下してスムースな移送が阻害される
ことがなくなり、かつ球形農作物が周速の遅い小
径ローラーによつて移送されている間に農作物付
着物が振落され、また、乗継コンベアー使用の場
合は、小径ローラーから乗継ぐ際の落差が小さく
なり、球形農作物に与えられる落下シヨツクが少
なくなつて、該農作物を損傷せしめる心配少なく
移送せしめることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案コンベアー装置に乗継コンベアー
を接続せしめた移送乗継態様を示す側面図で一部
縦断切欠す。第２図は同態様の平面斜視図であ
る。 図中、Ａ……移送コンベアー、A′……乗継コ
ンベアー、１……側枠、１′……突出側枠、２…
…小径ローラー、４……移送ベルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 移送コンベアーの側枠を延長突設し、その突出
   側枠の下寄り位置に数本の小径ローラーを移送ベ
   ルトと同方向に回転するように配列架設し、かつ
   上記数本の小径ローラーを移送ベルトとの間及び
   ローラー相互間に球形農作物が挟まれない程度の
   間隔をおいて配列架設したバラ積みされた球形農
   作物用コンベアー装置。