JPH0120233Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は自動二輪車用シートに係り、特に、背
もたれ部の両側にサイドサポート部を備えた自動
二輪車用シートに関する。

［従来の技術］ 自動二輪車が一般に普及するに従い、自動二輪
車の使用目的や車種構成に適合したシートが望ま
れてきている。このうち、快適性を目的とする高
級なシートとして、背もたれ部とサイドサポート
部とを備えたものがある。斯かる従来の高級なシ
ートは、これを載設する対象が自動二輪車である
関係上、スペース上の問題やコスト上の問題か
ら、その形状、大きさ等を画一化していた。つま
り、シートの形状、大きさ等を、ライダーの平均
的な体格に合わせて設計し、多くの人に適合する
ように、一定のシートを画一的に用いていた。

しかし、シートの大きさ等が自分の体格に合わ
ないと、着座者は不快に感ずるものであるが、乗
車時間が短ければそれ程気に掛かるものではな
い。しかるに近年、自動二輪車による長距離旅
行、例えば大陸横断旅行、日本列島縦断旅行等の
長時間旅行が盛んになりつつあり、長時間に亘つ
て自動二輪車用シートに着座する機会が増えてき
ている。したがつて、自分の体格とシートの大き
さ等が僅かに合わなくとも、長時間に亘つて斯か
るシートに着座していると、快適性が著しく損な
われる外、疲労が重なつてくるものであり、好ま
しくない。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案は、上述の不都合に鑑み、着座者の体格
にフイツトさせることができる快適性に優れた背
もたれ部を有する自動二輪車用シートを提供する
ことを技術的課題とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記技術的課題を解決するために、本考案の背
もたれ部を有する自動二輪車用シートでは、両側
に可動可能なサイドサポート部を有する背もたれ
部を備えた自動二輪車用シートにおいて、サイド
サポート部内には、背もたれ部を支えるボトムプ
レートの両側にそれぞれ上下方向に軸支された芯
板と、これらの芯板を相反する向きに揺動するブ
ラケツトと、このブラケツトを可動するスクリユ
ウロツドと、が配設され、前記スクリユウロツド
を回転させることによつてブラケツトを介して芯
板が揺動するように構成したことを技術的手段と
する。

［作用］ このように、本考案では、上記技術的課題を解
決するために、両サイドサポート部の間の広狭を
調節機構で調節し、着座者の腰あるいは背中を両
サイドサポート部でぴつたりと抱持できるように
する。

しかして、着座者の体格等に関係なく自動二輪
車の運転中でも着座者の腰等をシートに安定的に
保持することができる。

［考案の実施例］ 以下、本考案に係る一実施例を図面を参照して
説明する。但し、以下の実施例の説明に記載し又
は図示している構成部品の数、寸法、材質、形
状、配置等の内、実用新案登録請求の範囲に記載
した本考案の要旨以外のものは、この考案をそれ
等に限定する趣旨のものではなく、単なる説明例
にすぎない。

第１図は自動二輪車用ダブルシートの外観図で
あり、本考案に係るサイドサポート部の調節機構
を、このダブルシート１の前席２に設けた例を示
す一実施例である。勿論、後席３に設けることも
可能であり、また自動二輪車用シングルシートに
も適用できる。

前席２は背もたれ部４を備えており、この背も
たれ部４の両側に一対のサイドサポート部５，６
が取り付けてある。このサイドサポート部５，６
は、詳細は後述する調節機構により、図中矢線Ａ
で示すように揺動し、調節できるように配設して
ある。このように、前席２の巾（両サイドサポー
ト部５，６の間）の広狭を調節可能とすると、ラ
イダーの腰あるいは背中の両側を、両サイドサポ
ート部５，６でぴつたりと抱持することができ、
前席２に着座する者の体が安定して前席２に保持
され、着座者の疲労が軽減すると共に快適性、安
全性が向上する。

第２図は第１図に示したサイドサポート部５の
要部破断側面図で、第３図は第１図に示した背も
たれ部４及びサイドサポート部５，６の正面透視
図である。

第２図及び第３図において、前席２を構成する
ボトムプレート７は、着座者の腰部（図示せず）
付近から上方に緩やかに立上り、ここにクツシヨ
ン材、表皮材とが取り付けられて背もたれ部４
（第１図）が形成される。背もたれ部４を支える
ボトムプレート７には、このボトムプレート７と
一体に且つ横方向に、二条のリブ８，９が所定間
隔離間して突設してある。これ等リブ８，９の左
右両側端部には、リブ８からリブ９に渡るロツド
１０，１１が互いに平行に配設され、ロツド１
０，１１の夫々の両端部はリブ８，９に固定され
ている。

そして、ロツド１０，１１には、サイドサポー
ト部５，６を夫々支持する芯板１２，１３が設け
られ、ロツド１０，１１を中心に芯板１２，１３
を回動することにより、両サイドサポート部５，
６の間即ち前席２の巾が調節される。本実施例で
は、サイドサポート部（背もたれ部）の背部に、
サイドサポート部の調節機構を設けてある。この
調整機構は、安全上および外観上の観点からシー
トバツクの中に内臓されている。

第４図は第３図に示すサイドサポート部の調節
機構の概略構成図である。

本実施例に係る調節機構１４は、芯板１２，１
３の背部に夫々取り付けたブラケツト１５，１６
と、両ブラケツト１５，１６を連結するスクリユ
ウロツド１７とを主要構成部材としている。

各ブラケツト１５，１６の一端部には当該ロツ
ド１０，１１と平行なピン１８，１９を固着して
あり、該ピン１８，１９を利用して夫々芯板１
２，１３の背部にブラケツト１５，１６を揺動自
在に軸着してある。ピン１８，１９が挿入される
芯板１２，１３側の穴２０，２１は長穴で、芯板
１２，１３のロツド１０，１１を中心とする回動
動作に支障がないように設けられている。

ブラケツト１５，１６の各他端部（ピン１８，
１９と反対側）には、雌ネジを螺刻してあり、ス
クリユウロツド１７に螺刻された雄ネジ１７ａ，
１７ｂと螺合するようになつている。つまり、ス
クリユウロツド１７の両端部には雄ネジ１７ａ，
１７ｂが螺刻してあり、雄ネジ１７ａと雄ネジ１
７ｂとは逆ネジの関係となるように形成してあ
る。図示の例では、雄ネジ１７ａを右ネジとし、
雄ネジ１７ｂを左ネジとしてある。そして、これ
等の雄ネジ１７ａ，１７ｂを夫々各ブラケツト１
５，１６に形成してある雌ネジに螺嵌し、両ブラ
ケツト１５，１６をスクリユウロツド１７で連結
してある。尚、当然に、雄ネジ１７ａに螺合する
ブラケツト１５の雌ネジは右ネジ用の雌ネジであ
り、雄ネジ１７ｂに螺合するブラケツト１６の雌
ネジは左ネジ用の雌ネジである。

スクリユウロツド１７のいずれか一端部には該
スクリユウロツド１７を回転する為の調節用取手
部２４が設けてある。本例における調節用取手部
２４は、着座者の腰部の左側後方に設けてあり、
着座者が着座した状態で自由に調節できるように
してある。

斯かる調節機構を備えた自動二輪車用シートに
着座して調節用取手部２４を時計方向に回すと、
スクリユウロツド１７に螺嵌している両ブラケツ
ト１５，１６は互いに離間し、第４図に点線で示
す状態になる。この為、サイドサポート部５，６
間が狭くなる。調節用取手部２４を反時計方向に
回すと、前述と逆に、サイドサポート部５，６の
間が広がる。

第５図は本考案の第２の実施例を示し、シート
２５の背もたれ部２６には、左右両側に一対のサ
イドサポート部２７，２８を設けてある。背もた
れ部２６とサイドサポート部２７，２８との夫々
の接続部２９，３０における表皮部材は蛇腹状に
形成してあり、サイドサポート部２７，２８のシ
ート側方への移動に支障がないようにしている。

サイドサポート部２７，２８の図示しない各芯
材は、例えば横方向に配設したレール部材（図示
せず）を用いて背もたれ部２６を支えるボトムプ
レート（図示せず）に摺動自在に取り付け、第４
図に示したものと同様のスクリユウロツドを利用
して各芯材を連結し、第５図の矢線Ｂで示す方向
に移動調節することができるようになつている。

このように、本考案に係る各実施例にによれ
ば、自動二輪車という限られたスペースで有効に
調節できる可動可能なサイドサポート部を備えた
シートを提供できる。

［考案の効果］ 本考案によれば、サイドサポート部を調節可能
に設けたので、次の効果を有する。

即ち両サイドサポート部間のシート幅を着座者
の体格、好みに合わせることができるため、姿勢
を安定させることができ、着座者の疲労が減少
し、快適性が向上すると共に、シートの商品価値
が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るサイドサポー
ト部の調節機構を装置した自動二輪車用ダブルシ
ートの外観図、第２図は第１図に示したサイドサ
ポート部の要部破断側面図、第３図は第１図に示
した背もたれ部及びサイドサポート部の正面透視
図、第４図は第３図に示すサイドサポート部の調
節機構の概略構成図、第５図は本考案の第２の実
施例を適用した自動二輪車用シートの外観図であ
る。 １，２５……自動二輪車用シート、４，２６…
…背もたれ部、５，６，２７，２８……サイドサ
ポート部、１２，１３……芯板、１４……調節機
構、１５，１６……ブラケツト、１７……スクリ
ユウロツド、２４……調節用取手部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両側に可動可能なサイドサポート部を有する背
   もたれ部を備えた自動二輪車用シートにおいて、
   前記サイドサポート部内には、背もたれ部を支え
   るボトムプレートの両側にそれぞれ上下方向に軸
   支された芯板と、これらの芯板を相反する向きに
   揺動するブラケツトと、該ブラケツトを可動する
   スクリユウロツドと、が配設され、前記スクリユ
   ウロツドを回転させることによつてブラケツトを
   介して芯板が揺動するように構成したことを特徴
   とするサイドサポート部を備えた自動二輪車用シ
   ート。