JPH0120102B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、複式トロリ・コンベヤ、さらに詳
しくは荷物がのせられたキヤリヤを搬送する下側
の搬送往部と、空のキヤリヤを返送する上側の搬
送復部とを備えた複式トロリ・コンベヤに関し、
その目的とするところは、キヤリヤを非常に円滑
に効率よく往復搬送することができ、しかもプツ
シヤ・ドツグの取付け作業が非常に簡単であり、
コンベヤの製造を容易にかつ安価に行ない得る構
造を提供しようとするにある。

この発明を、以下図面に示す実施例に基づいて
説明する。

なお、この明細書において、前後および左右は
第１図を基準とし、前とは第１図左側、後とは同
右側をいい、また左とは同図図面紙葉の表側、右
とは同裏側をいうものとする。

この発明の第１実施例を示す第１図〜第５図に
おいて、工場の天井等に装備せられた複式トロ
リ・コンベヤ・ライン１は、上下に互いに平行な
直線部を有する無端状パワー・ライン２と、これ
の外側をめぐるように所定間隔をあけて配置され
た無端状フリー・ライン３とによつて構成され、
コンベヤ・ライン１の下部に搬送往部１Ａが形成
されるとともに、同上部に搬送復部１Ｂが形成さ
れている。

パワー・ライン２は、互いに対向状に配置され
た一対の横断面コ字形のパワー・レール４によつ
て構成され、このパワー・レール４を走行するパ
ワー・トロリ５は、トロリ本体６と、これの前後
両端部に取り付けられた前後一対ずつの垂直ロー
ラ７とよりなり、トロリ本体６の中央部に相互に
長さの異なる左右一対の第１および第２プツシ
ヤ・ドツク８，９が揺動自在に取り付けられてい
る。これらのプツシヤ・ドツグ８，９のうちの短
い方の第１プツシヤ・ドツグ８の一端部が枢軸１
０によりパワー・トロリ５に止められるととも
に、同ドツグ８の他端部に第１係合突部１１が設
けられ、他方の長い第２プツシヤ・ドツグ９の長
さの中央部が上記枢軸１０によりパワー・トロリ
５に止められるとともに、同ドツグ９の上記第１
係合突部１１と同側の端部に第２係合突部１２が
設けられかつ同ドツグ９の他端部に錘１３が設け
られている。パワー・トロリ５のトロリ本体６の
枢軸１０近くの所定箇所にストツパ・ピン１４が
設けられている。トロリ本体６はドライブ・チエ
ン１５に所定間隔おきに設けられていて、ドライ
ブ・チエン１５のリンクの一部を構成している。
ドライブ・チエン１５にはパワー・レール４に案
内される左右一対の垂直ローラ７がリンクの接続
部毎に取り付けられる。パワー・トロリ５の第１
および第２プツシヤ・ドツグ８，９はドライブ・
チエン１５と共に第１図において時計回りの方向
に移動する。

フリー・ライン３は互いに対向状に配置された
一対の横断面コ字形のフリー・レール１６によつ
て構成されている。このフリーライン３を走行す
るキヤリヤ１７は連結棒２０により相互に連結さ
れた前後一対のフリー・トロリ１８，１９を備え
ている。各フリー・トロリ１８，１９は、トロリ
本体２１と、これの前後両端に取り付けられた前
後各一対ずつの垂直ローラ２２および前後一対の
水平ローラ２３とを具備している。前部フリー・
トロリのトロリ１８本体２１の上端部前側に側面
よりみて鉤形の係合ドツグ２４が設けられ、かつ
同上端部後側に係合ドツグ２４より所定間隔をあ
けて配置された側面よりみて略三角形状の惰走防
止突部２５が設けられている。また同トロリ本体
２１の下部に惰走防止ピン２６が左右両側に突出
した状態に設けられている。一方、後部フリー・
トロリ１９には、これのトロリ本体２１の上端部
に後方に伸びた平面よりみて略Ｕ形のアキユーム
レート用カム２７が設けられている。

第２図に示すように、コンベヤ・ライン１下部
の搬送往部１Ａにおいては、パワー・ライン３が
下側に配置されるとともに、フリー・ライン３が
パワー・ライン２の中心線より右側にシフトして
（片寄つて）配置され、同上部の搬送復部１Ｂに
おいては、パワー・ライン２に対してフリー・ラ
イン３が上側に配置されるとともに、フリー・ラ
イン３がパワー・ライン２の中心線より左側にシ
フトして配置されている。またコンベヤ・ライン
１前端の上昇部１Ｃにおいては、フリー・ライン
３がパワー・ライン２の中心線の右側より左側へ
漸次移行せしめられ、同後端の下降部１Ｄにおい
ては、逆にフリー・ライン３がパワー・ライン２
の中心線の左側より右側へ漸次移行せしめられて
いる。

つぎに、上記複式トロリ・コンベヤの作用を説
明する。

まず、コンベヤ・ライン１下部の搬送往部１Ａ
においては、キヤリヤ１７に被搬送物（図示略）
がのせられている。そしてパワー・トロリ５に設
けられた短い方の第１プツシヤ・ドツグ８がその
第１係合突部１１を下側にして垂れ下がり状とな
り、この第１係合突部１１にキヤリヤ１７の前部
フリー・トロリ１８の係合ドツグ２４が係り合わ
せられて、キヤリヤ１７が搬送される。このと
き、第２プツシヤ・ドツグ９はこれの前端の錘１
３の作用によりストツパ・ピン１４に当接してお
り、第２係合突部１２はパワー・レール４の下面
側に沿つて、すなわち係合ドツグ２４より離れた
状態で移行する。キヤリヤ１７の搬送後、搬送往
部１Ａの前端部付近においてキヤリヤ１７より被
搬送物が降され、キヤリヤ１７は空の状態とな
る。

空のキヤリヤ１７は、つぎにコンベヤ・ライン
１前端の上昇部１Ｃへと移行する。この上昇部１
Ｃにおいては、第１プツシヤ・ドツグ８の第１係
合突部１１は重力により係合ドツグ２４から次第
に離れるように移行し、これに代わつて第２プツ
シヤ・ドツグ９の第２係合突部１２が錘１３の作
用により次第に起き上がつて係合ドツグ２４に係
り合わせられる。

コンベヤ・ライン１上部の搬送復部１Ｂにおい
ては、錘１３の作用により第２プツシヤ・ドツグ
９の第２係合突部１２が持ち上がり状態に保持さ
れて係合ドツグ２４に係り合わせられ、空のキヤ
リヤ１７が後方へと搬送される。このとき、第１
プツシヤ・ドツグ８は重力によつてストツパ・ピ
ン１４に当接しており、その第１係合突部１１は
パワー・レール４の上面側に沿つて移行する。な
お、このように空のキヤリヤ１７を返送するさい
には、キヤリヤ１７のハンガ部分（図示略）を折
り畳むようにするのが好ましい。

空のキヤリヤ１７は搬送復部１Ｂにつづいてコ
ンベヤ・ライン１後端の下降部１Ｄへと移行す
る。この下降部１Ｄにおいては、上昇部１Ｃの場
合とは逆に、第２プツシヤ・ドツグ９の第１係合
突部１２に代わつて第１プツシヤ・ドツグ８の第
１係合突部１１が係合ドツグ２４に係り合わせら
れ、空のキヤリヤ１７は元の搬送開始位置である
搬送往部１Ａの始端部に戻され、上記の操作が繰
り返される。

なお、コンベヤ・ライン１の搬送往部１Ａにお
いて、被搬送物の積降し作業などにより先行キヤ
リヤ１７に対して後行キヤリヤ１７が追いついた
場合には、後行キヤリヤ１７の前部フリー・トロ
リ１８の係合ドツグ２４に係り合わせられていた
短い第１プツシヤ・ドツグ８の第１係合突部１１
が先行キヤリヤ１７の後部フリー・トロリ１９の
係合解除用カム２７によつて持ち上げられ、これ
によつて係合ドツグ２４と第１プツシヤ・ドツグ
との係合が外れて、後行キヤリヤ１７が停止し、
先行キヤリヤ１７の後側にアキユームレート（蓄
積）される。

第６図〜第８図は、この発明の第２実施例を示
すものである。ここで、上記第１実施例の場合と
異なる点は、キヤリヤ１７の係合ドツグ２４が二
叉状の右側係合ドツグ２４ａと左側係合ドツグ２
４ｂとによつて構成されるとともに、フリー・ラ
イン３がパワー・ライン２の中心線に対してシフ
トされていない点にある。なお、惰走防止突部２
５も係合ドツグ２４に対応して二叉状となされて
いる。

この第２実施例においては、被搬送物をのせた
キヤリヤ１７がコンベヤ・ライン１下部の搬送往
部１Ａを移行するさいには、キヤリヤ１７の右側
係合ドツグ２４ａが第１プツシヤ・ドツグ８の第
１係合突部１１が係り合わせられる。また空のキ
ヤリヤ１７がコンベヤ・ライン１上部の搬送復部
Ｂを移行するときは、キヤリヤ１７の左側係合ド
ツグ２４ｂが第２プツシヤ・ドツグ９の第２係合
突部１２に係り合わせられる。なお、コンベヤ・
ライン１前端の上昇部１Ｃにおいては、キヤリヤ
１７の右側係合ドツグ２４ａが第１プツシヤ・ド
ツグ８の第１係合突部１１より外れるのに対し、
左側係合ドツク２４ｂが第２プツシヤ・ドツグ９
の第２係合突部１２に係り合わせられ、またコン
ベヤ・ライン１後端の下昇部１Ｄにおいては、反
対にキヤリヤ１７の左側係合ドツグ２４ｂが第２
プツシヤ・ドツグ９の第２係合突部１２より外れ
るのに対し、右側係合ドツグ２４ａが第１プツシ
ヤ・ドツグ８の第１係合突部１１に係り合わせら
れるものである。

この第２実施例のその他の点は、上記第１実施
例の場合とほゞ同様であり、図面において同一の
ものには同一の符号を付した。

なお、上記各実施例においては、パワー・トロ
リ５のトロリ本体６がドライブ・チエン１５のリ
ンクの一部を構成しているが、これに限らず、パ
ワー・トロリ５のトロリ本体６がドライブ・チエ
ン１５とは別につくられていて、ドライブ・チエ
ン１５に所定間隔おきに設けられた連結片を介し
てパワー・トロリ５がドライブ・チエン１５に連
結されていても勿論よい。またキヤリヤ１７には
前後一対のフリー・トロリ１８，１９が備えられ
ているが、キヤリヤ１７に１つのフリー・トロリ
が備えられていて、これに係合ドツグ２４とアキ
ユームレート用カム２７とが設けられていてもよ
い。また場合によつてキヤリヤ１７の前後フリ
ー・トロリ１８，１９の間に中間フリー・トロリ
が設けられていても勿論よい。

この発明による複式トロリ・コンベヤは、上述
のように、コンベヤ・ライン１が無端状パワー・
ライン２と、これの外側をめぐるように所定間隔
をあけて配置された無端状パワー・ライン３とに
よつて構成され、コンベヤ・ライン１の下部に搬
送往部１Ａが形成されるとともに、同上部に搬送
復部１Ｂが形成されており、パワー・ライン２を
走行するパワー・トロリ５に相互に長さの異なる
左右一対の第１および第２プツシヤ・ドツグ８，
９が揺動自在に取り付けられ、これらのプツシ
ヤ・ドツグ８，９のうちの短い方の第１プツシ
ヤ・ドツグ８の一端部が枢軸１０によりパワー・
トロリ５に止められるとともに、同ドツグ８の他
端部に第１係合突部１１が設けられ、他方の長い
第２プツシヤ・ドツグ９の長さの中央部が上記枢
軸１０によりパワー・トロリ５に止められるとと
もに、同ドツグ９の上記第１係合突部１１の同側
の端部に第２係合突部１２が設けられかつ同ドツ
グ９の他端部に錘１３が設けられており、フリ
ー・ライン３を走行するキヤリヤ１７のフリー・
トロリ１８に設けられた係合ドツグ２４が、コン
ベヤ・ライン１下部の搬送往部１Ａにおいて第１
プツシヤ・ドツグ８の垂れ下がり状の第１係合突
部１１に係り合わせられるとともに、同上部の搬
送復部１Ｂにおいて錘１３の作用により持ち上が
り状に保持された第２プツシヤ・ドツグ９の第２
係合突部１２に係り合わせられるようになされて
いるもので、キヤリヤ１７がコンベヤ・ライン１
の搬送往部１Ａより搬送復部１Ｂへと移行するさ
いには、後続のプツシヤ・ドツグを待つ必要がな
くそのまゝで移行せしめられるから、キヤリヤ１
７を非常に円滑に効率よく往復搬送することがで
きる。また第１および第２プツシヤ・ドツグ８，
９が同一の枢軸１０によつてパワー・トロリ５に
一緒に取り付けられていて、これらのプツシヤ・
ドツグ８，９によつて交互にキヤリヤ１７を搬送
するようになされているから、プツシヤ・ドツグ
８，９の取付け作業が非常に簡単であり、コンベ
ヤの製造を容易にかつ安価に行ない得るという効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の第１実施例を示す部分省略
左側面図で、左側コンベヤ・レールが除かれてい
る。第２図は第１図−線に沿う断面図、第３
図は第１図の要部拡大側面図、第４図は第３図
−線に沿う拡大断面図、第５図は第１および第
２プツシヤ・ドツグの拡大斜視図である。第６図
はこの発明の第２実施例を示す部分左側面図で、
左側コンベヤ・レールが除かれている。第７図は
第６図−線に沿う拡大断面図、第８図は第２
実施例における前後フリー・トロリの拡大斜視図
である。 １……コンベヤ・ライン、１Ａ……搬送往部、
１Ｂ……搬送復部、１Ｃ……上昇部、１Ｄ……下
降部、２……パワー・ライン、３……フリー・ラ
イン、５……パワー・トロリ、６……トロリ本
体、７……垂直ローラ、８……第１プツシヤ・ド
ツグ、９……第２プツシヤ・ドツグ、１０……枢
軸、１１……第１係合突部、１２……第２係合突
部、１３……錘、１５……ドライブ・チエン、１
７……キヤリヤ、１８……前部フリー・トロリ、
１９……後部フリー・トロリ、２４……係合ドツ
グ、２４ａ……右側係合ドツグ、２４ｂ……左側
係合ドツグ、２７……アキユームレート用カム。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ コンベヤ・ライン１が無端状パワー・ライン
   ２と、これの外側をめぐるように所定間隔をあけ
   て配置された無端状フリー・ライン３とによつて
   構成され、コンベヤ・ライン１の下部に搬送往部
   １Ａが形成されるとともに、同上部に搬送復部１
   Ｂが形成されており、パワー・ライン２を走行す
   るパワー・トロリ５に相互に長さの異なる左右一
   対の第１および第２プツシヤ・ドツグ８，９が揺
   動自在に取り付けられ、これらのプツシヤ・ドツ
   グ８，９のうちの短い方の第１プツシヤ・ドツグ
   ８の一端部が枢軸１０によりパワー・トロリ５に
   止められるとともに、同ドツグ８の他端部に第１
   係合突部１１が設けら、他方の長い第２プツシ
   ヤ・ドツグ９の長さの中央部が上記枢軸１０によ
   りパワー・トロリ５に止められるとともに、同ド
   ツグ９の上記第１係合突部１１と同側の端部に第
   ２係合突部１２が設けられかつ同ドツク９の他端
   部に錘１３が設けられており、フリー・ライン３
   を走行するキヤリヤ１７のフリー・トロリ１８に
   設けられた係合ドツグ２４が、コンベヤ・ライン
   １下部の搬送往部１Ａにおいて第１プツシヤ・ド
   ツグ８の垂れ下がり状の第１係合突部１１に係り
   合わせられるとともに、同上部の搬送復部１Ｂに
   おいて錘１３の作用により持ち上がり状に保持さ
   れた第２プツシヤ・ドツク９の第２係合突部１２
   に係り合わせられるようになされている複式トロ
   リ・コンベヤ。