JPH0117635B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、CATVシステム等に用いられる双
方向伝送用のコンバータ入出力装置に関するもの
である。

従来例の構成とその問題点 従来のCATVシステムに用いられていたコン
バータ入出力装置の一例を第１図に示して説明す
る。ここで、CATVセンター局より端末に向け
て送出されるテレビFM信号及びデータ伝送のた
めのデータ信号を下り信号と呼ぶ。また、加入者
宅に備えられた端末からセンター局に向けて送出
されるデータ信号等を上り信号と呼ぶ。下り信号
はセンター局よりケーブル等を介して加入者宅の
端末へ伝送され、上り信号はその逆に加入者宅の
端末よりセンター局へ伝送される。端末の
CATVコンバータ装置においては、テレビ信号
はコンバータ装置の入出力端子１より低損失の方
向性結合器２を通つてチユーナ３に入力され、選
局受信される。この時、方向性結合器２の通過損
失が大きいとコンバータとしての雑音指数が大き
くなり、信号対雑音比が劣化する。

一方、下りデータ信号はテレビ信号と同様に入
出力端子１に入力され、方向性結合器２を通して
モデム４に入力される。この時の結合損失は約
10dB程度である。

上りデータ信号はモデム４より出力され、下り
データ信号の逆経路を通り、方向性結合器２を通
してコンバータの入出力端子１より出力される。
この時の結合損失も下りデータ信号と同様に約
10dBとなる。

ところで、米国におけるCATVシステムの場
合には、下り信号としては50〜450MHzの周波数
の信号が、上り信号としては５〜30MHzの周波数
の信号が使用される。

このような従来例の装置では次のような欠点が
ある。この第１は、方向性結合器２の損失が約
10dBあるためにモデム４の出力レベルはコンバ
ータの上り出力レベルよりも約10dB高くしなけ
ればならないことになり、＋60dBｍＶ（120dBμ）
の出力を出すためには、モデム４として＋70dB
ｍＶ（130dBμ）の出力を出す必要があり、高出力
増幅器及びスプリアス除去のため帯域外減衰量の
十分取れた出力フイルタを付加する必要がある。
また、高出力となるために不用輻射も増大し、シ
ールド性と高めることが要求されて高価になる。

第２には、モデム４には下リデータ信号のみで
なくテレビ信号等も同様に入力されるので、モデ
ム４の入力部混信を防ぐために急峻な帯域通過フ
イルタが必要となり、構成が複雑になる。

第３には、上りデータ信号が方向性結合器２の
逆結合によりチユーナ３に入力される。この逆結
合量は多くても30dBしか取れない。これはチユ
ーナ３の入力回路が上り帯域に完全に整合しない
からである。従つて、モデム４の上りデータ出力
が＋70dBｍＶの時であればチユーナ３への入力
レベルは＋40dBｍＶ以上となる。一方、テレビ
信号はCATVシステムの場合には入力レベルと
して０〜＋20dBｍＶである。従つて、テレビ信
号より高いレベルの上りデータ信号がチユーナ３
に入力されることになり、チユーナ３の入力部で
相互変調歪を発生する。上りデータ信号は間欠的
に出力されるためにこの相互変調歪による妨害は
間欠的なものとなるが、相互変調歪をおこし易い
状態にあるためにその対策が大変である。

発明の目的 本発明は上記のような欠点を解消して、モデム
を高出力化する必要がなく、またモデムの入力部
での混信が生じず、さらに、逆結合によるチユー
ナでの相互変調歪も生じないコンバータ装置を提
供することを目的とする。

発明の構成 本発明においては、センター側等より送出され
てきた下り信号を受信し、かつ上りデータ信号を
送出するコンバータ装置のコンバータ入出力装置
であつて、コンバータ装置の入力端子とチユーナ
の入力端子との間に下り信号のみを通すフイルタ
を備え、チユーナの入力端子とモデムの入出力端
子との間に下りデータ信号のみを通すフイルタを
備え、コンバータ装置の入力端子とモデムの入出
力端子との間に上りデータ信号のみを通すフイル
タを備えるようにしている。

かくして、上り帯域のみを通すフイルタをコン
バータの入力端子とモデムの入出力端子との間に
入れることにより、上り帯域の損失を少なくし、
モデムの出力を小さくできる。

また、下り帯域の中から下りデータ信号のみを
抜き取るフイルタをチユーナの入力端子とモデム
の入出力端子との間に挿入し、他のテレビ信号等
に影響を与えないように粗結合にし、かつ急峻に
することによつて、モデム入力部での混信を防止
できる。この帯域通過フイルタの挿入損失は、モ
デムの入力感度の点から従来と同じく約10dBに
することが望ましい。

さらに、モデム入出力端子とチユーナ入力端子
間の上り帯域の損失を増加することにより逆結合
による相互変調歪を防止することが可能となる。
この結合は方向性結合器を使用する限り限度があ
り、さらに、従来以上の性能確保は望めない。と
ころが３つのフイルタの組合せにより方向性結合
器以上の性能確保が可能となり、この問題が解決
する。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例のコンバータ入出力装
置について、第３図を参照して説明する。
CATV用のコンバータ装置の入力端子５とチユ
ーナ９との間に下り信号のみを通す高域通過フイ
ルタ６を挿入し、コンバータの入力端子５とモデ
ム１０の入出力端子１２との間に上り信号のみを
通す低域通過フイルタ７を挿入し、チユーナ９の
入力端子１１とモデム１０の入出力端子１２との
間に下りデータ信号のみを通す帯域通過フイルタ
８を挿入する。

本実施例では、下りデータ信号に73MHz、上り
データ信号に25MHzを使用するものとしている。

上り信号のみを通すフイルタとして、第３図に
示すように低域通過フイルタ７を使用したが、上
りデータ信号である25MHzのみを通す帯域通過フ
イルタを使用しても良い。しかし、損失面では低
域通過フイルタの方が有利である。

第４図に入力端子５とチユーナ９の入力端子１
１との間の周波数特性を示す。30MHz以下では
40dB以上の減衰量が確保できている。50MHz以
上の周波数では減衰量は1dB以内となる。しか
し、73MHzでは、下りデータ信号用帯域通過フイ
ルタ８の影響によつて、約1dBのトラツプ効果が
発生する。このトラツプ効果は他のテレビ信号帯
に影響を与えないようにしなければならない。従
つて、この高域通過フイルタは従来の方向性結合
器の挿入損失1.5dBより少なくなり、コンバータ
として、従来よりわずかに改善できる。

次に、入力端子５とモデム１０の入出力端子１
２との間の周波特性を第５図に示す。30MHz以下
の帯域では1dB以内の挿入損失となり、従来の方
向性結合器に比べて約９〜10dB改善できること
になり、その分モデムの上りデータ信号の出力レ
ベルが小さくて済む。また、高域通過フイルタ６
の上りデータ信号の減衰量は40dB以上が確保で
きる。従つてコンバータの入力端子５に上りデー
タ信号を＋60dBｍＶ出力するためには、モデム
１０の出力としては約＋61dBｍＶと小さいもの
でよい。さらに、この上りデータ信号のチユーナ
９の入力端子１１への到達レベルは＋21dBｍＶ
以下となり、従来の方向性結合器に用いたものよ
りも20dB以上低いレベルとなり、チユーナ９に
おける相互変調歪についても20dB以上の改善が
なされる。

さらに、モデム１０の上りデータの信号の出力
レベルが小さくてよいため、コスト的に安くで
き、かつ、空間への不要輻射も10dB程度改善さ
れる。

一方、下りデータ信号のみを通す帯域通過フイ
ルタ８の挿入損失は約10dBとなるように設計し
ている。これは、第５図の73MHz付近のトラツプ
量を少なくし、テレビ信号帯への影響を少なくす
るためである。この帯域通過フイルタ８は下りデ
ータ信号のみを通すだけでよいため、狭帯域フイ
ルタをして構成し、テレビ信号を通過しにくくす
ることが可能となる。そのため、モデム１０での
下りデータ信号とテレビ信号の混信が生じにく
く、モデム１０の入力装置が簡単に安価に実現で
きる。

発明の効果 以上のように、本発明によれば、モデムの上り
データ信号の出力レベルを従来に比べて大幅に小
さくできるため、安価でかつ、不要輻射の少ない
装置にすることができる。また、上りデータ信号
がチユーナの入力回路で到達するレベルを約
20dB程度も低下させられるため、テレビ信号と
上りデータ信号とにより発生する相互変調歪を約
20dB以上も改善できる。さらに、下りデータ信
号をフイルタにて取り出しているため、モデムの
下り入力装置でのテレビ信号による混信を妨ぐこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例のコンバータ入出力装置の入出
力部分のブロツク図、第２図はCATVシステム
における周波数配列を示すスペクトラム図、第３
図は本発明の一実施例におけるコンバータ入出力
装置の入出力部分のブロツク図、第４図はそのコ
ンバータ入出力装置の入力端子とチユーナ入力端
子との間の周波数特性図、第５図はそのコンバー
タ入出力装置の入力端子とモデム入出力端子との
間の周波数特性図である。 ５……コンバータの入力端子、９……チユー
ナ、１０……モデム、６……高域通過フイルタ、
７……上りデータ信号用低域通過フイルタ、８…
…下りデータ信号用帯域通過フイルタ、１１チユ
ーナの入力端子、１２……モデムの入出力端子。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ センター側等より送出されてきた下り信号の
   テレビ信号を受信するチエーナと、双方向データ
   伝送のために下り信号の下りデータ信号と上りデ
   ータ信号の送受信を行なうモデムとを具備し、セ
   ンター側より送出されてきた下り信号を受信し、
   かつ上りデータ信号を送出するコンバータ装置の
   コンバータ入出力装置であつて、上記コンバータ
   装置の入力端子と上記チユーナの入力端子との間
   に設けた下り信号のみを通す第１のフイルタと、
   上記チユーナの入力端子と上記モデムの入出力端
   子との間に設けた下りデータ信号のみを通す第２
   のフイルタと、上記コンバータ装置の入力端子と
   上記モデムの入出力端子との間に設けた上りデー
   タ信号のみを通す第３のフイルタとを備えたコン
   バータ入出力装置。