JPH01163750A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH01163750A
JPH01163750A JP23750187A JP23750187A JPH01163750A JP H01163750 A JPH01163750 A JP H01163750A JP 23750187 A JP23750187 A JP 23750187A JP 23750187 A JP23750187 A JP 23750187A JP H01163750 A JPH01163750 A JP H01163750A
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film
photoconductive layer
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菅田 正夫
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透 田
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達夫 竹内
Susumu Ito
進 伊藤
Hiroshi Satomura
里村 博
Keiji Hirabayashi
敬二 平林
Yoshihiro Oguchi
小口 芳弘
Keiko Ikoma
生駒 圭子
Akio Maruyama
晶夫 丸山
Noriko Kurihara
栗原 紀子
Keishi Saito
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Kuniji Osabe
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    • G03G5/082Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic and not being incorporated in a bonding material, e.g. vacuum deposited
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は例えば電子写真装置に用いられる電子写真用感
光体に関する。なお、本明細書において、炭素主体膜と
は膜中の炭素原子濃度が65原子%以上でマトリックス
の主体が炭素原子であるものを意味し、標準条件とは大
気中1気圧、温度20℃、湿度50%であることを言う
〔従来の技術〕
従来、例えば電子写真用感光体の光導電層は、A−5e
(非晶質Se) 、(:dS 、 ZnO、A−5i 
(非晶質シリコン)等の無機光導電材料で構成したり、
ポリ−N−ビニルカルバゾール(PVK)とトリニトロ
フルオレノン(TNF)の電荷移動鎖体、トリフェニル
メタン誘導体とチアピリリウム塩をポリカーボネート中
に含む系、ジスアゾ顔料やフタロシアニン顔料などの有
機顔料系の材料等を含む電荷発生層ととドラシン誘導体
やトリフェニルアミン誘導体などの電子供与性分子を有
機ポリマー中に含む電荷輸送層との積層構造としたりす
るのが一般的である。
〔解決すべき問題点〕
しかしながら、これらの電子写真用感光体においては、
未だ種々の解決されるべき点がある。
例えばA−5eを光導電層形成材料とする電子写真用感
光体は、Se単独ではその分光感度領域が可視域の短波
長側に偏っているので応用範囲が限られてしまう。そこ
でTe 9 Asを添加して分光感度領域を拡げること
が試みられている。しかしこの様なTeやAsを含むS
e系の光導電層を有する電子写真用感光体は、その分光
感度領域は改良されるものの、光疲労の増大、高温環境
での帯電性低下、あるいは低温環境での残留電位上昇な
どがあり、画質の低下や繰り返し使用時の安定性が失な
われてしまう等の問題点があった。しかもSe、 As
、 Te、特にAsやTeは人体に対し極めて有害な物
質であるので製造時に於いて人体への接触がない様な製
造装置を使用する工夫が必要であった。また、光導電層
の硬度が低く、クリーニングの確実性と装置の小型化に
優れたブレードクリーニングを適用すると、光導電層表
面が露出している場合には、光導電層表面がじかに摺擦
されることによって、その一部が削り取られて現像剤中
に混入したり、あるいは複写機内に飛散したり、複写画
像中に混入したりして人体に接触する原因を与える結果
を生じる。また、Seは結晶化温度が低いので、少しの
加熱や光照射などで容易に結晶化を起こし、これが原因
で帯電性の低下を引き起こすことがあった。
一方、ZnO、CdS等を光導電層構成材料として使用
する電子写真感光体は、一般的にはその光導電層がZn
OやCdS等の光導電材料粒子を適当な樹脂結着材中に
均一に分散して形成されている。
しかしながら、ZnOを使用する場合には可視光に感度
を持たせるために有機顔料を添加するなどの分光増感が
必要になる、あるいは繰り返し使用により感度が低下し
ていくという欠点があるため余り多数回の繰り返し使用
はできなかった。又、CdSはZnOと違って人体に影
響がある為に、GdSを使用する場合には製造時及び使
用時に於いて人体に・接触したり或いは周囲環境に飛散
したりすることのない様にする必要があった。更に、バ
インダー系光導電層は、光導電材料の粒子が樹脂結着材
中に均一に分散されなければならないという特殊性の為
に、光導電層の電気的及び光導電的特性や物理的化学的
特性を決定するパラメータが多く、かかるパラメータを
厳密に調整しなければ所望の特性を有する光導電層を再
現性良く形成する事が出来ず、そのため歩留りの低下を
招き量産性に欠けるという欠点があった。加えてバイン
ダー系光導電層は分散系という特殊性故に層全体がポー
ラスになっており、湿度依存性が著しく、多湿雰囲気中
で使用すると電気的特性の劣化を来たし高品質の複写画
像を得られなくなる場合が少なくないなどの問題もあっ
た。
又、これとは別にPVK/TNF電荷移動鎖体、有機顔
料、電子供与性分子あるいは有機ポリマー等の有機材料
を用いる電子写真感光体は、耐コロナイオン性が低いた
め使用中に特性が劣化する、トナーと同様に有機ポリマ
ーを使うためクリーニング性に問題が生じ易い、機械強
度が弱いため表面が傷つき易い等の問題があり、長期間
にわたフて高画質を維持しながら使用するのが困難なこ
とが多かった。また、比較的自由な分子設計が可能であ
るといっても、実際には例えば電荷輸送層の場合、電子
供与性分子とバインダーポリマーとの相溶性不良などの
ために使用出来るバインダーポリマーにかなり制約が出
るなどの問題があった。また、これら有機光導電材料の
中でも広く利用されている電子吸引性分子や電子供与性
分子などには人体に害を及ぼすものも多く、発癌性を有
するものも多々あるので、これらの面からの制約も実際
の材料選択の際に大きな障害となることが多かフた。
一方、電子写真用感光体では、現像、転写の後に感光体
表面のクリーニングを通常行なうが、このクリーニング
にはクリーニングブラシやウレタン樹脂製クリーニング
ブレードが用いられている。現在では小型化が可能であ
る、クリーニング性が良い等の利点のために、後者のク
リーニングブレードが主流となっている。しかしながら
クリーニングブレードを用いる場合、クリーニングブレ
ードと感光体ドラム間の摩擦が問題となる場合が多かっ
た。例えば動摩擦係数とクリーニング性との間の関係は
、その間にトナーがある等の複雑さがあるために明らか
になっていない部分も多いが、動摩擦係数が大きいと、
クリーニングブレードと感光体間に大きな圧力を加える
ことが困難になってクリーニング性が悪くなってしまう
ことがあった。
本発明は、上記の事情に基づいて成されたものであフて
、従来の問題点の総てを解決した電子写真用感光体を提
供することを主たる目的とする。
本発明の別の目的は、機械的強度及び熱的安定性に優れ
た電子写真用感光体を提供することでもある。
本発明の更に別の目的は、高い帯電特性と高い光感度を
有する電子写真用感光体を提供することでもある。
本発明のもう1つの目的は、表面潤滑性に優れ、繰り返
し連続使用を行ってもコロナ放電生成物や紙粉等の汚染
物の付着の少ない電子写真用感光体を提供することでも
ある。
本発明の更にもう1つの目的は、熱的キャリアの生成及
び捕獲準位の少ない光導電層を有する電子写真用感光体
を提供することでもある。
本発明の更に別のもう1つの目的は、後に詳述される製
造条件に従えば原料ガスの流量制御のみで安定した再現
性のある成膜が可能である電子写真用感光体を提供する
ことでもある。
本発明の他の目的は高い帯電能を持ち、少ない帯電電流
と少ない露光エネルギー量で画像形成可能な電子写真用
感光体を提供する事にある。
また、本発明の他の目的は、高速画像形成が可能な電子
写真用感光体を提供することにある。
本発明のさらに他の目°的は濃度が高く、ハーフトーン
が鮮明に出て且つ解像度の高い、高品質な画像を得る事
が容易に出来る電子写真用感光体を提供する事にある。
本発明のさらに他の目的は温度、湿度等の使用環境の変
動に対して安定な画像を維持する事が可能な電子写真用
感光体を提供する事にある。
本発明のさらに他の目的は繰り返し使用の際のコロナ放
電生成物や紙粉などの付着の影響が少なく、また表面に
傷がつかず長期間継続的に安定な画像を維持しながら使
用可能な電子写真用感光体を提供する事にある。
本発明のさらに他の目的は、光導電層の化学変化や劣化
あるいは結晶化等の変質がおこらず、長期間の悪環境下
での保管に耐えて保管前と変わらない良好な画質を再現
する事が可能な電子写真用感光体を提供する事にある。
本発明のさらに他の目的は、製造工程の途中やオフィス
等での取扱いの際に人体に触れても全く害がなく、また
現像剤中に光導電層の一部が削れて混入し、それがコピ
ー上のトナー画像に含まれて人体に接触したりしても全
く安全で、必要ならば使用終了後に一部ゴミと一緒に廃
棄する事も安全上全く問題なく、一般家庭で使用する際
にも特別の注意なしに安全に使用可能で、火災などの非
常時に他のものと一緒に燃えてしまっても有毒な気体を
放出しない、従ってあらゆる点で全く安全な電子写真用
感光体を提供する事にある。
本発明のさらに他の目的は、製造時に有害な原料を使用
せず、又は従来に較べて必要な有害原料の使用量が極端
に少なくても製造可能で、このため製造設備に取り付け
る必要のある有害物除外装置やそ°の他の製造上の安全
対策に要するコストを著しく削減出来る電子写真用感光
体を提供する事にある。
本発明のさらに他の目的は製造用の原料として入手し易
く、安価な原料を使用する事の出来る低コストな電子写
真用感光体を提供する事にある。
本発明のさらに他の目的は不均一材料の混合や分散ある
いは粒度分布制御などといった複雑な工程を取る事なく
、また塗布液の調液や塗布中の粘度制御あるいは多層構
造の際に起きる層間汚染や溶剤排気の処理などを必要と
しない簡略化された工程で製造でき、またメンテナンス
の容易な製造装置を用いて製造出来る電子写真用感光体
を提供する事にある。
本発明のさらに他の目的は製造時の微粉未形成や製造容
器内に付着した膜のはがれによる微粒子の発生がなく、
長時間安定して欠陥のない均一な光導電層を得る事の出
来る電子写真用感光体を提供する事にある。
本発明の他の目的はクリーニング性を向上させた電子写
真用感光体を提供するものであり、さらには高速におけ
るクリーニング性をも可能にし、また長時間の使用後に
も使用前と同様なりリーニング性と画像を示す耐久性を
持たせた電子写真用感光体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は温度、湿度等の使用環境の変
動に対して安定なりリーニング性と画像を維持する事が
可能な電子写真用感光体を提供する事にある。
本発明のさらに別の目的は、高速クリーニング、高速画
像形成が可能な電子写真用感光体を提供することにある
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の上記目的は、支持体と、マトリックスの主体が
炭素原子である炭素質膜で構成する光導電層とを有する
電子写真用感光体によって達成される。
本発明における炭素質膜とは、例えばポリエチレンの様
な炭化水素系の高絶縁性直鎖有機ポリマーや、炭素原子
からなる黒鉛の真空蒸着膜の様な低抵抗のグラファイト
多結晶膜の如きものとは、その特性が大きく異なるもの
である。本発明の目的は、この様な従来の炭素膜では達
成されない。
その理由は、水素を多量に含む上記ポリエチレンの様な
有機ポリマーを光導電層に使用した場合には、帯電能を
向上することはできたとしても、可視域や近赤外域の光
に対する電子写真用感光体としての感度がほとんど得ら
れないためである。
また、上記グラファイト多結晶膜のようなものでは、帯
電能が低く、実用的な電子写真用感光体が得られないた
めである。
本発明における炭素原子を主体とする膜は、多結晶、非
晶質、あるいはこれらの混合相、またはこれらの相構造
に単結晶構造が混合した相のいずれの形態をとっても良
いが、少なくとも露光時の電気伝導度σpと非露光時(
暗中)の電気伝導度σdの比σP/σdが102以上で
あって、しかも暗中の電気伝導度σdが10−IIΩ−
1cm”’ l:以下である事が好ましい。σp/σd
が102未満では露光エネルギーの増大を生じるか、露
光部の光導電層表面の電荷の除去能力が低下し、その結
果階調性の再現に乏しいものになる。
さらには、光導電層を構成する炭素質膜の厚みが、光照
射によって生成されるキャリアの移動度と寿命及び内部
電界強度との積よりも小さいことが好ましい。加えて、
下達の物性条件、化学組成及び結晶構造を有するのが好
ましい。上記のような特性を有する炭素質膜は後述の実
施例でも実証されるように、暗中では高絶縁性を有し、
キセノンランプ等によって露光する事によって、電気伝
導度が増大し、且つ露光によって生成される電荷が電場
により輸送され、電子写真用感光体として高速連続繰り
返し使用に適している。
ところで、従来炭素を加えた層を電子写真用感光体の構
成層の1つとして利用した例としては、特開昭54−5
5439、特開昭55−4040 、特開昭55−49
304、特開昭56−121041 、特開昭60−2
6345、特開昭61−94048、特開昭61−94
049、特開昭61−105551などがある。しかし
これらはA−5i又はA−Geから得られる機能を維持
させつつ、炭素の添加によりその膜特性を改良したもの
であり、炭素原子をマトリックスの主体とすることによ
って得られる機能を利用したものではない。すなわち、
第1に本発明の炭素質膜には、上記SiやGeは含まれ
ないか、もしくは含ませたとしてもなるべく少なくされ
たものである。さらに上記の諸提案で成膜に使われてい
る成膜条件はA−5iやA−Ge層の形成の際に適用さ
れているものであって、その様な条件では本発明の目的
を達成する膜は出来ない。
本発明の炭素質膜は、水素原子を多量に含むことは好ま
しくなく、水素原子含有量としては30原子%以下、望
ましくは20原子%以下であることが好ましい。多すぎ
る水素原子量、は光感度低下、残留電位上昇あるいは表
面の傷のつき易さの原因になるからである。しかし水素
原子の膜中への構造的含有は、帯電性の向上や残留電位
の低減に効果があるので、好ましくは、その下限を0.
O11原子とするのが望ましい。又、上記水素原子のみ
ならず、フッ素原子等のハロゲン原子の含有も水素原子
と同様の効果が得られるので望ましい。この場合、水素
原子の含有量をハロゲン原子の含有量よりも多くして、
好ましくは水素原子とハロゲン原子とを共存させること
が望ましい。
又、窒素原子や酸素原子の含有もその含有のさせ方によ
っては帯電性の向上に効果があるので光導電層の設計に
合せて含有させても良い、特にフッ素原子等のハロゲン
原子や、窒素原子、酸素原子の各種原子は光導電層表面
近傍あるいは支持体近傍により多く含有する事により、
帯電性の向上を一層計ることが効果的に出来る。
本発明における炭素質膜は非晶質であってもよいし、単
結晶または多結晶の構造を部分的に含むものであっても
良いが、ラマンスペクトルの1550〜1650cm″
!領域、及び1333c+n−’を含む領域に於けるラ
マンスペクトルで特徴づけられる構造を有する事が熱安
定性、光感度、機械的強度及び帯電能の向上の点で望ま
しい。又、光導電層中における光吸収によるキャリアの
発生を効果的且つ効率的に行う為にその光学的バンドギ
ャップEgoptが1.5eV以上、3.OeV以下の
範囲に調整する事が好ましい。この光学的バンドギャッ
プは水素原子やハロゲン原子の濃度や成膜条件あるいは
他の原子の含有量等によって、可変可能である。例えば
、成膜時の水素又はハロゲンの流量比を高める事により
目的とするEgoptを有する炭素質膜を得る事が出来
る。
本発明に於ける炭素質膜は周期律表中の遷移金属元素や
、第■族又は第V族に属する原子のドーピングを行ない
、その特性を改善する事が出来、特に■族、V族の原子
のドーピングによる膜特性の改善効果が大きい。特に光
導電層中にこれ等の原子のドーピング濃度を層厚方向に
分布させる事によって、効率よくキャリアの生成及び輸
送を行なう事が可能である。あるいは、所望の伝導型に
制御することも容易である。このような第■族又は第V
族原子のドーピングは、本発明の電子写真用感光体を正
極性帯電又は負極性帯電、あるいは両極性帯電で使用す
ることを可能にし、その際の帯電能を高め、光感度を向
上させ、残留電位を下げる効果がある。これは、これら
原子のドーピングにより炭素質膜中の電荷キャリアの濃
度が変化するか、又は電荷キャリアの輸送性が変化する
ためと考えられる。特にドーピング濃度は支持体近傍で
高くするか、光導電層表面で高くする事によって、光導
電層の下部層領域または上部層領域に、あるいは両者に
高濃度層領域(■、■)を設けることで、より効果的に
帯電性の向上及び感度の向上を計る事ができるので望ま
しい。上部および下部の両層領域に高濃度層領域(■、
■)を設ける場合には、両者の伝導型は反対にするのが
望ましい。
これらの原子の添加量は、好ましくは5原子ppI11
以上5原子%以下の範囲、より有効な範囲としては50
原子ppm以上1原子%以下とするのが望ましい。又、
高濃度層領域(■、■)の厚みは、好ましくは0.旧〜
10p、゛より好ましくは0.1〜8−の範囲とされる
のが望ましく、この厚み範囲に於いて、ドーピング量の
増大を計ればよい。これらのより詳しい条件は実施例中
で述べる。半導体的不純物としての第■族に属する原子
としては、B 、 AI、 Ga、 In、 T1等が
挙げられる。第■族の原子としてはN% P、 As、
Sb、 Bi等が挙げられる。
これ等の中で製造安定性、コスト、効果の大きさなどか
らB、P、Nなどが特に好ましい。
光導電層の層厚の上限は、前述のとおり電荷キャリアの
移動度、キャリアの寿命、光導電層内部電場の積よりも
小さくする事が残留電位の増大を防止する上で特に望ま
しく、一方その下限は、あまり薄すぎると光導電層の内
部電場が大きくなり過ぎ、絶縁破壊が生じる可能性があ
る。従って本発明においては、光導電層の層厚としては
、商業的観点も加味して、好ましくは、1−以上io。
μ以下、特に好ましくは5戸以上50μ以下とするのが
良い。
光導電層を構成する本発明に用いる炭素質膜中にハロゲ
ン原子を含有させる場合、そのハロゲン原子の濃度は、
10原子ppm以上I5原子%以下とすることにより、
以下のような効果を得ることができる。
一般に、電子写真用感光体における電荷の伝導形態は成
膜条件にかなり大きく依存し、きれいなバンド伝導を起
こせる炭素質膜成膜条件は必ずしも広くなく、分散型の
性格の強い過渡電流波形が得られる場合が多い。このこ
とは本発明においても同様であるが、本発明における上
記範囲のハロゲン原子濃度を有する炭素を主体とする膜
(炭素質膜)は、このような状態にあっても電子写真用
感光体として充分に使用可能なものである。
ハロゲン原子含有炭素質膜は、例えば炭素化合物とハロ
ゲン原子を含む化合物とを原料とする気相成膜法により
、先に述べたような特定の性状や特性を有する炭素質膜
を形成できるような条件、具体的には後述の実施例に記
載されたような成膜条件を設定して形成する事が出来る
。この条件の設定は、本発明者によって初めてなされた
ものである。成膜のメカニズムについては必ずしも定か
ではないが、原料ガスの放電や原料ガスの加熱などによ
って原料気体分子にエネルギーを与えたり、成膜中の基
板を加速電子でたたいたり、成膜途中で生じるイオンを
電場で加速したり、プラズマ生成領域に磁場印加したり
する事が本発明に言うところの炭素質膜を得る上で有効
である。
また、本発明においては、光導電層の支持体側と反対側
の主表面は、自由表面となってい色ので、クリーニング
特性を一層向上させる目的で、炭素質膜同士の標準条件
下における動摩擦係数を0.5以下とすることが好まし
い。
すなわち、本発明の好適な実施態様例においては、特殊
な条件下で成膜することにより炭素主体膜(炭素質膜)
同士の摩擦係数が0.5以下とすることができ、そのよ
うな場合においてクリーニング特性が非常に向上し、さ
らに高絶縁性でありながらその層中に電荷が注入される
と注入された電荷が電場により高効率で輸送される。
ここで本発明における動摩擦係数の測定法について触れ
ておく。動摩擦係数の測定は非常に敏感であり、原因は
定かではないが温度、湿度によって値が2〜3倍、場合
によっては10倍程度変化してしまう。よって測定には
、まず測定環境を規定しておく必要がある。動摩擦係数
は一般に次の式1式% ここでμは動摩擦係数であり、Fが加える力、Pが垂直
加重である。(1)式によりμが接触面積によらないの
でドラムのような円柱状のものでも測定が容易である。
実際のクリーニングの際には、感光体とクリーニングブ
レード間の動摩擦係数が問題となり、またその間にはト
ナーがあり、クリーニングブレードの材質、トナー量等
の不安定要素があるので、はっきりした動摩擦係数が決
定できない。このことから本明細書では、感光体表面同
士の動摩擦係数を°規定するが、後に記載するように、
この動摩擦係数とクリーニング特性の間には良い相関が
得られ、この規定が十分に意義のあるものであることが
わかった。
次に第5図(a)および(b)にて動摩擦係数の実際の
測定法について説明する。測定には2本の感光体ドラム
illを用い、第5図のように一方を固定し、他方をあ
る一定速度で回転させ、両方を力Fで押しつける。そう
するとトルクを受は回転しにくくなる。このトルクを測
定し、力Fの値が分っているので動摩擦係数が測定でき
る。
実際には、動摩擦係数が力Fや回転速度に依存する場合
が出てくるが、この場合本明細書における動摩擦係数を
次のように規定する。すなわち、力Fに動摩擦係数が依
存する場合、力Fを変え、力Fに対し動摩擦係数をプロ
ットし、力Fを0に外挿した値をこの材料の動摩擦係数
とする。又、動摩擦係数がドラムの回転速度に依存する
場合、やはり回転速度に対し動摩擦係数の値をプロット
し、回転速度が0のところに外挿する。しかし双方とも
外挿する場合、極端に0に近いポイントは接触の不安定
さや、静摩擦係数の値を測る可能性があるので、そこの
ポイントを除いたものでグラフを描き外挿するものとす
る。又、測定を同じドラムで何回も行なうと、最初と最
後に得られた動摩擦係数に変化が生じるが、この場合は
測定初期の値を動摩擦係数とする。このように動摩擦係
数の値に変動が生じる原因として、摩擦による熱の発生
、摩耗、またそれによる微粒子の発生等が挙げられる。
つまり測定はそれらの原因が発生しない程度の条件で行
なうのが良いとされている。
次に前記の方法で、動摩擦係数をopc、アモルファス
シリコン、Se、そして今回作成の炭素主体の感光体に
て測定したところ、OPCとSeの感光体で0.6〜0
.7、アモルファスシリコンで0.7〜0.8の値を得
た。作成した炭素質膜で構成される光導電層を有する感
光体に関しては、炭素原子の含有量65原子%以上で基
体温度が高めの条件のもとで成膜されたもので0.05
〜0.2の値が得られた。このことから本発明における
炭素質膜が低い動摩擦係数をもつことが分る。この動摩
擦係数は、膜中にフッ素原子を含有させることによって
より効果的に低下させることができる。
更に、本発明における炭素質膜の場合、本発明の目的を
より効果的に達成するために、そのギャップステート密
度は、5 X 10”cm’以下とされることが望まし
い。
本発明におけるこのような物性範囲の炭素原子を主体と
する膜は、それが高絶縁性でありながらその層中に電荷
が注入されると注入された電荷が電場により効率良く輸
送されることが後の実施例から実証される。
ところで、ギャップステート密度を測定する手段として
は、通常半導体分野で行なわれている容置注や電界効果
法等が用いられる。アモルファスシリコンの場合、ギャ
ップステートが多くなる原因としてダングリングボンド
等による構造欠陥や不純物準位等が挙げられているが、
炭素質膜の場合には現在のところ定かではないが、やは
り構造欠陥等が考えられる。
第1図に本発明の電子写真用感光体(非機能分離型)の
最も代表的な構成例を示す。この図において、符号11
で示すものが炭素質膜からなる光導電層、12は支持体
である。
光導電層11は、水素原子の他に必要に応じてハロゲン
原子を含む。光導電層11を構成する炭素質膜は、ハロ
ゲン原子を多量に含むことは好ましくなく、ハロゲン原
子の含有量としては好ましくは15原子%以下、より好
ましくは10原子%以下であることが望ましい。ハロゲ
ン原子の含有量が多すぎる場合には、光感度低下、残留
電位上昇あるいは表面の傷のつき易さの原因になる。し
かしハロゲン原子の適量の含有は、クリーニング特性、
帯電性の向上や、残留電位の低減に非常に効果がある。
また、上記ハロゲン原子のみならず、光導電層11は、
窒素原子も含有してよく、これら原子の場合も上記ハロ
ゲン原子と同様の効果がある。更に、酸素原子の含有も
帯電性の向上に効果的である。また、光導電層11はそ
の電気伝導度が大きすぎると帯電性の低下や画像のぼけ
(いわゆる画像流れ)を生ずる場合があるので、より好
ましくは1o−12Ω−1cm−1以下であることが望
ましい。さらに光導電層11の光学的バンドギャップE
goptは1.5eV以上、望ましくは2.OeV以上
であることが望ましい。
光導電層11に用いられる炭素質膜は非晶質であっても
良いし、ダイヤモンドのような結晶構造領域を少なくと
も部分的に含むものであっても良い。殊に、ラマンスペ
クトルの1333cm“1を含む領域のストークス線で
特徴づけられる構造を少なくとも部分的に含む事が望ま
しい。光導電層11を構成する炭素質膜が完全なダイヤ
モンド構造の領域をある程度の量含む膜であれば、電子
写真用感光体の帯電性及び感度、表面硬度、耐久性等を
向上させることができる。その場合、結晶粒径はできる
だけ小さい方が望ましい。
光導電層11を構成する炭素質膜は半導体的不純物とし
て、周期律表第■族又は第V族に属する原子のドーピン
グを行ない、その特性を改善する事が出来る。このよう
な第1族又は第V族原子によるドーピングは、本発明の
電子写真用感光体を正帯電又は負帯電で使用する際の帯
電性を高め、感度を向上させ、残留電位を下げる効果が
ある。これは、これら原子のドーピングにより光導電層
11の電荷キャリアの濃度が変化するか、又は電荷キャ
リアーの輸送性が変化するためと考えられる。この変化
は比較的おだやかであるので、その制御は容易である。
これら原子の添加量は5原子pplI+以上5原子%以
下の範囲、より有効な範囲としては50原子ppm以上
1原子%以下であるのが望ましい。これらのより詳しい
条件は実施例中で述べる。第1族に属する原子としては
B、 AI、、Ga、In、 TI等が挙げられる。第
V族の元素としてはN、  P、 As、 Sb、 B
i等が挙げられる。製造安定性、コスト、効果の大きさ
などからはN、  P、B、 AIなどが特に望ましい
光導電層11の膜厚は前述したとおり使用条件等により
適宜選択することができ、好ましくは1μm以上100
−以下とされる。これは、1μ以下では可視化手段であ
る現像の観点からすれば通常の現像方法では満足出来る
目視画像濃度が得られない場合があり、 100μ以上
では残留電位が大きすぎるだけでなく成膜に要する時間
や支持体との密着性等に問題を生じる場合があるためで
ある。前記層厚のより好ましい範囲は、5μs以上50
p以下である。この範囲では使用条件がゆるやかになっ
て使い易いばかりか、従来の感光体に比して膜厚が薄く
ても画像濃度が高くなる傾向があるので、製造コスト低
減にとって有利である。
本発明を第1図のような非機能分離型の感光体に適用す
る場合、光導電層自体に電荷発生の機能を充分もたせる
。には、rc<Jの二重結合をある程度の範囲で含ませ
ることによフて可能となる。
すなわち、本発明の光導電層を構成する炭素質膜の膜構
造は、例えば、ラマンスペクトルの分析によって検知さ
れる。炭素質膜が、完全なグラファイト構造を有する場
合には、1580cm−’付近に鋭いラマンピークが検
出される。グラファイト構造からの乱れが大きくなる(
結晶性が崩れアモルファスの傾向が増す)につれてI:
160cm−’付近に新たにラマンビークが現れ、15
80cm−’付近のラマンビークは高周波側にシフトし
、1620cm−’付近にショルダーが現れてくる。そ
して、ピーク幅も広くなっていく。炭素質膜がSe2の
炭素からなるダイヤモンド構造の場合は、1333cm
−’に非常に鋭いピークが検出される。このピーク幅に
よってダイヤモンド構造において結晶性が高いかどうか
、ア1モルファス性が高いかどうかを判断することがで
きる。
本発明において好適に使用される炭素質膜としては、ラ
マンスペクトルにおける1333cm−’のピーク強度
I0と1580cm−’のピーク強度I。の比to、/
loが好ましくは0.16〜1.9 、更に好ましくは
1.6〜1.9となるように作成されるのが望ましい。
本発明においてはラマンスペクトルのピーク強度は、測
定されたラマンスペクトルを通常この分野において採用
されている方法によってピーク分割し、分割された所定
の各ピークごとに三角形近似法に従って求められる値が
採用される。
上記膜構造の炭素質膜の場合、光導電特性の向上の為に
第■族、第■族、第V族元素のドーピングが可能である
ばかりか、そのドーピング効率を非常に高めることがで
きる。
本発明においては、上記のような半導体的不純物をドー
ピングしても、炭素原子の含有量が65原子%以上であ
れば、特定の条件下において動摩擦係数が0.5以下の
膜が作成可能である。
本発明における炭素質膜のギャップステート密度は前述
したとおり好ましくは5X1017cIn゛3以下とさ
れるが、より好ましくは1.5 X 1017cm’以
下であることが望ましい。
ギャップステート密度が大きいと、光導電層中で発生し
た電荷が輸送途中でトラップされ易く、残留電位が上が
る等のことから、画質に悪影響を及ぼす。ギャップステ
ート密度を下げるには、前記した特別な条件の成膜方法
の他に、水素原子やハロゲン原子、窒素原子を所望に従
って管理された成膜条件で含有させることも効果的であ
る。
本発明の電子写真用感光体の支持体I2は、支持体とし
ての機械的強度が満たされれば絶縁体であっても導電体
であっても良いが、くり返し使用する場合には少なくと
も支持体12の光導電層と接する側が導電性処理されて
いることが望ましい。
導電性支持体としてはAI、 Fe、 Ni、ステンレ
ス、 Sn、  Zn、 Cr、  Mo、  Ti、
  Ta、  W  、  Au、  Ag、  PL
等の金属やSi、 Ge、グラファイトなどが使用可能
である。光導電層の接着性等の改良その他の目的で導電
性支持体の表面に支持体金属とは別の導電性の物質をコ
ーティングし°ても良い。
絶縁性支持体としてはポリエステル、ポリウレタン、ポ
リカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチ
レン(PE)等の有機ポリマーの他、ガラス、セラミッ
クスなどの無機材料も使用出来る。
支持体の大きさ及び形状は本発明の電子写真用感光体の
使用用途により自由に選択する事が出来、手の平に乗る
様な小さなカード状のものや円筒型あるいはベルト状の
ものなどどれも使用可能である。
本発明の電子写真用感光体おいては、支持体と光導電層
間に電荷注入阻止層を設ける事は、帯電性の一層の向上
や画質欠陥の発生防止の上で好ましい結果をもたらす。
電荷注入阻止層としては水素原子を含有し、半導体的不
純物が適量含有された、炭素質膜やA−5i膜などが使
用可能である。
殊に原料ガスの流量及び流量比の調整で電荷注入阻止層
と光導電層とを連続して成膜出来るので電荷注入阻止層
として炭素質膜を用いる事が望ましい。
支持体上に自由表面を有する光導電層を具備する電子写
真用感光体を正帯電で使用する場合には、電荷注入阻止
層はP型伝導のもの、または電子移動度の低いもの、負
帯電で使用する場合には、n型伝導のもの、または正孔
移動度の低いものとされる。
本発明の電子写真用感光体の炭素質膜は、前述したよう
な気相成膜法を用いて作成される。すなわち、原料ガス
を放電エネルギーや熱エネルギーあるいは光エネルギー
を利用して励起、イオン化あるいは分解する等により得
る事が出来る。この成膜の際、基体(支持体)を加速電
子でたたいたり、途中で生じるイオンを電場で加速した
り、プラズマ生成領域に磁場を印加したりすることによ
り膜特性の改良や成膜速度の向上をはかることができる
。もちろん、炭素化合物分子気体を全く用いず、炭素又
は炭素化合物を主体とする固体をターゲットするスパッ
タリングを利用する事も可能である。
成膜のメカニズムの詳細は定かではないが、炭素イオン
又は炭素化合物のイオンあるいは炭素化合物のラジカル
生成と、水素を用いる場合には水素の供給量が良質の膜
を得る上で重要である。水素を用いる場合には成膜前の
励起過程で少なくとも部分的にラジカル化又はイオン化
させておくとよい。さらに、基体はバイアス電圧をかけ
て成膜面をイオン衝箪するか、又は基体方向へ電子を加
速して成膜面付近で炭素化合物を電子で励起するのも有
効である。この場合の電子の供給は、プラズマによる他
、加熱したフィラメントを利用しても良い。また、基体
に直接外部電源によりバイアス電圧を印加しない場合で
あっても、例えばRF! プラズマCVDを実施する場合におけるように基体を接
地させず、この基体側に高周波印加する事によって生じ
る自己バイアスを利用することが望ましい。基体温度も
重要なパラメータであって、250℃以上に設定する事
が望ましい。
本発明の電子写真用感光体の光導電層を作製するための
成膜条件は、成膜方法、使用される装置の構造、寸法、
材質、使用する原料の種類などによフて種々異なるもの
であり、また、各成膜パラメータの値は独立的に決めら
れるものではなく各成膜パラメータの有機的関係に基づ
いて適宜所望に従って決められる。
放電を利用する気相成膜法(CVD)の場合、一般的に
は、放電パワー(P、)として、250〜650 W、
成膜時の圧力(P)として、7 X 10−’〜10T
orr、基体温度(Ts)としては、250〜700℃
、基体バイアス(Esua)としては、−300〜OV
、磁場(H)としては、RFの場合は400〜800G
auss 、マイクロ波の場合は、875Gaussま
たはその近くの値とされるのが望ましい。
本発明においては、これらの成膜パラメータの値の中よ
り本発明の目的とする炭素質膜で構成された光伝導層が
作製されるように装置に合せて適宜所望にしたがって各
成膜パラメータの値が具体的に選択されて成膜条件がデ
ザインされる。
その場合、暗導電率(σ0)は、放電パワー、基体温度
、基体バイアスを上げることによって下げることができ
る。また、暗導電率は、炭素化合物の原料ガスと水素ガ
スとを使用する場合には、炭素化合物の原料ガスの水素
ガスに対する流量比を増大させることによって上げるこ
とができる。
バンドギャップを増大させるには、原料ガス種を適当に
選択して使用したり、あるいは、放電パワー、基体温度
、基体バイアスを増大させることによって成される。
動摩擦係数を下げるには、一般的に、放電パワー、基体
温度、基体バイアスを増大させることによって成される
。また、前記の炭素化合物のガスの流量を減少させれば
、一般的には、動摩擦係数を下げることができる。
本発明においては、上記の点を十分考慮した上で本発明
の目的とする炭素質膜を得る成膜条件が適宜選択され、
そのいくつかの例が以降の実施例において具体的に示さ
れる。
第2図に本発明の電子写真用感光体の製造に好適な成膜
装置の一例を示す。この第2図において、符号27.2
8.29.30.32.33.34.62.63゜66
、67で示すものは、成膜に使用するガスのコントロー
ルに用いるバルブである。41.42.60.61は原
料ガス、エツチングガス、キャリアーガスあるいはドー
ピング用ガス等の所望のガスを保持するガスボンベ、4
0は高濃度ガスの稀釈に用いるガス溜である。37.3
8.64.65はマスフロコントローラーである。52
は真空槽で主バルブ25を介して真空排気ポンプへ通じ
ている。真空槽52は全体を水冷出来る様にしである。
45及び48は電極で、直流又は交流の電圧を印加でき
るようになっている。電極46の表面には必要に応じて
スパッタリング用ターゲットを置くことができる。54
.68はガード電極で、真空槽52と同様にアースされ
ており、不要な場合は取り外せるようになっている。
53は基体で、この表面に光導電層を成膜する644は
基体加熱ヒーターで、高さを調節することが出来、タン
グステン、タンタル等のワイヤー、うず巻線又はメツシ
ュ等の種々の形状のものを必要に応じて使用し、加熱す
る際には通常は50Hzの交流電力を印加する。43は
真空槽52のまわりに巻いたコイルで、必要に応じて直
流を流して磁場を発生させる。47は13.56MLl
zの高周波電源で負荷インピーダンスに応じてマツチン
グを取れる様にしである。48は直流電源、50および
51はキャパシター、49はインダクタンスコイルであ
る。69.70は電極45および46の高周波印加側を
上下に入れ換えるための切り換え回路である。
第3図に本発明の電子写真用感光体の製造に好適な成膜
装置の一例を示す。この第3図において、符号26.2
7.28.29.30.31.32.33.34゜62
、63.66、67で示すものは、成膜に使用するガス
のコントロールに用いるバルブである。39゜40、4
1.42.80は原料ガス、エツチングガス、キャリア
ーガスあるいはドーピング用ガス等の所望のガスを保持
するガスボンベ、61は液体材料を気化させる装置で必
要に応じ水素ガスやアルゴンガスを一緒に流す事が出来
る様になっている。
35、38.37.38.64.65はマスフローコン
トローラーである。52は真空槽で主バルブ25を介し
て真空排気ポンプへ通じている。真空槽52は全体を水
冷出来る様にしである。45及び46は電極で、直流又
は交流の電圧を印加できるようになっている。
電極46の表面には必要に応じてスパッタリング用ター
ゲットを置くことができる。54.68はガード電極で
、真空[52と同様にアースされており、不要な場合は
取り外せるようになっている。53は基体で、この表面
に感光層を成膜する。44は基体加熱ヒーターで、高さ
を調節することが出来、タングステン、タンタル等のワ
イヤー、うず巻線又はメツシュ等の種々の形状のものを
必要に応じて使用し、加熱する際には通常は50Hzの
交流電力を印加する。43は真空[52のまわりに巻い
たコイルで、必要に応じて直流を流して磁場を発生させ
る。47は13.56MHzの高周波電源で負荷インピ
ーダンスに応じてマツチングを取れる様にしである。
48は直流電源、50および51はキャパシター、49
はインダクタンスコイルである。69.70は電極45
および4日の高周波印加側を上下に入れ換えるための切
り換え回路である。
第4図は本発明の電子写真用感光体の製造に好適な成膜
装置の他の一例である。この第4図において、符号79
.80.81.’82.83.84.85.8B。
87、88.89.90.91.92で示すものは、成
膜に使用するガスのコントロールに用いるバルブである
。バルブ86ど85を使いわける事によりガス導入場所
を選択出来るようになっている。72.73゜74、7
5.713は原料ガス、エツチングガス、キャリアーガ
ス、あるいはドーピング用ガス等の所望のガスを保持す
るガスボンベ、78は液体材料を気化させる装置で必要
に応じ水素ガスやアルゴンガスを一緒に流す事が出来る
様になっている。93゜94、95.96.97.98
はマスフローコントローラーである。71は真空槽で主
バルブ104を介して真空排気ポンプへ通じている。1
07はマイクロ波電源、109はマイクロ波の導波管で
ある。108はインピーダンスのマツチングを取るため
のチューナーである。110はマイクロ波投入口の窓ガ
ラスで、石英板もしくはその他のマイクロ波を吸収しに
くい材料で出来ている。99は仕切り板で、その設置位
置を変化させる事が出来るようになっており、この仕切
板99の位置を調整することにより真空層71内へ入射
したマイクロ波を反射して、その位置により共振を起こ
させ、効率よくマイクロ波が原料ガス等へ吸収される様
にする事が出来るようになっている。106は電磁コイ
ルで直流印加により静磁場を発生させる事が出来る。1
00は基体ホルダーで基体103を支えている。基体1
03は基体ヒーター101及び102により基体を加熱
する事が出来るようになっている。基体ホルダー100
はアースから絶縁されており、直流電源105で電圧印
加する事が出来る。108はガード電極である。
本発明における炭素原子を主体とする膜(炭素質膜)の
製造原料として用いることのできる炭素化合物としては
、メタン、エタン、プロパン、ブタン等のアルカン系炭
化水素又はその誘導体、またエチレン、プロピレン、ブ
チレン、アミジノ等のアルカン系炭化水素又はその誘導
体、またアセチレン、ペンチン、ブチン、ヘキシン等の
アルキン系炭化水素又はその誘導体が挙げられる。さら
にはベンゼン、ナフタリン、アントラセン、トルエン、
キシレン、あるいはとリジン、ピコリン、キノリン、イ
ンドール、アクリジン、フェノール、クレゾール等の芳
香族炭化水素又はその誘導体、メタノール、エタノール
、プロパツール、ブタノール等のアルコール、アセトン
、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピ
ルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセチル等のケトン
類又はその誘導体、アセトアルデヒド、プロピオンアル
デヒド、ブチルアルデヒド等のアルデヒド又はその誘導
体、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン
、エチルアミン、プロピルアミン等のアミン又はその誘
導体、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、メチルnブチルエーテル等のエー
テル又はその誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸
誘導体なども使用可能である。
また、本発明における炭素質膜にハロゲン原子としての
フッ素を導入する場合のフッ化炭化水素及びフッ化炭素
化合物としては、フッ化メタン、フッ化エタン、フッ化
プロパン、フッ化シクロヘキサン、ジフッ化メタン、ト
リフッ化メタン、テトラフッ化メタン、フルオルアセチ
レン、フルオルベンゼン、フッ化アセチル、フッ化ホル
ミル等が挙げられる。これら炭素化合物とフッ素と混合
して用いる場合や、フッ化炭化水素のみを用いる場合、
またフッ化炭化水素と炭化水素化合物を混合する場合、
またフッ化炭化水素と水素を用いる場合等の組み合わせ
が可能である。これらのうち常温で液体又は固体のもの
は、水素、アルゴン等のキャリアーガスを用いて、バブ
リングその他により反応室内へ運ぶか、又は加熱により
気化させて用いることが好ましい。上記の様なガスとと
もに、他のハロゲンガス、アンモニアなどを反応室内へ
送り込んでも良い。
また、周期律表第■族又は第■族の元素をドーピングす
る場合には、BH3,B2H6、PH3、As)13、
N113の様な水素化物などやAl(CH3)3、Ga
 (CH3) 、などの気体を同時に送り込んで成膜を
行なうと良い。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
実施例1 円筒状の基体上に成膜出来るように改造した第2図の装
置を用い、本発明による電子写真用感光体を以下のよう
に作成した。
まず、円筒状の純アルミニウム6064基体53をトリ
クレンで洗浄後、上部電極45に回転可能に固定した。
次に真空槽52を密閉し、真空排気系により約2 x 
10’ Torr迄減圧した。次に基体53の円筒形状
に合わせてうす巻き状にまいたタングステンワイヤー4
4に50Hzの交流電力を印加してこのワイヤー44を
約2500℃迄加熱して得られる輻射熱により上記アル
ミニウム基体53を加熱し、アルミニウム基体53の裏
側の温度を350℃(不図示の熱電対で測定)にした後
に、ワイヤー44の加熱温度を約2000℃布下げて基
体温度を安定させた。
次に電磁コイル43に直流電力を流して真空槽52の上
部容器表面での磁場が800Gaussになるように電
流の大きさを調整した。さらに切り換え回路69、70
の切り換え位置をへの位置にセットし、直流電源48の
極性を基板側が一100■になるように合せた。そして
マスフローコントローラ36.37.38を最も絞った
状態でC:2H2のボンベ41にバルブ28及び33、
H2のボンベ42のバルブ29及び34を開いた。
さらにマスフローコントローラー36を最も閉じた状態
でガス溜40のバルブ27.32を開いた。次にマスフ
ローコントローラー6’4.65を最も閉じた゛状態で
H2のボンベ60のバルブ66及び62.5 mo1%
水素希釈B2H6のボンベ61のバルブ67、63のバ
ルブを開いた。そして、各々のボンベからのガス流量が
、ボンへ42からハ90SCCM、ボンへ41カらは2
0SCCM。
ガス溜40からハ1O5(tl:M、ボンベ60カラは
605(:CM。
ボンベ61からは40SCCMとなるように各々のマス
フローコントローラー36.37.38.64.65を
セットした。この時の真空槽52内の圧力は0.06T
orrであった。
次に電源47をONにして放電を開始し、投入パワーを
350Wとして成膜を開始した。放電及び圧力が安定状
態に達してから40分後に、ボンベδ1からの流量を1
時間かけて、0.45(:(:Mに線型的に減少させた
。引き続き、この状態を保ったまま30分成膜を続けた
後マスフローコントローラ37を6時間かけて徐々に締
めて行き、6時間後の流量が35(:CMになるように
設定した。この操作の後42時開成膜を続けた後に放電
電源47と48をoffにし、バルブ30を閉じて放電
を停止した。さらに加熱フィラメント44の電力を切り
基体が十分冷却した後、真空を破って真空H!52から
成膜された基体を取り出した。
以上より、円筒状アルミニウム基体上に炭素を主体とし
た光導電層を有する電子写真用感光体を得た。得られた
電子写真用感光体に就いて通常電子写真分野に於いて行
われている手法に従って光導電性と帯電性を測定したと
ころ良好な結果を示した。この電子写真用感光体を実験
用に改造したキャノン■製複写機NP7550にセット
して、繰り返し連続複写をしたところ1万枚目の画像も
1枚目と何等変わらない高解像度、鮮明な極めて良好な
画像が得られた。
また、この感光体の成膜の化学組成分析をしたところ水
素原子濃度は5原子%であり光導電層が炭素主体の感光
体であることが確認された。
実施例2 成膜条件を以下のように変更する以外実施例1と同様に
して電子写真用感光体を作成した。
成膜初期のC2H2の流量を205CCMとし、7時間
かけて徐々に流量を3 SC,CMに変化させる一方、
5%水素希釈82H6(B2H2(5) / H2)の
流量も成膜初期から1.5時間かけ405CCMから5
5O(:M迄徐々に変化させた。成膜初期から7時間後
からはC2H2を35C,CM、 H7を11005C
Cとして40時間かけて、成膜して電子写真用感光体を
得た。この感光体の光導電層中の水素原子濃度は7原子
%であった。又、この電子写真用感光体に就いて実施例
1と同様に評価を行なったところ良好な帯電性と感度を
示し正帯電で明瞭な画像が得られた。
実施例3 第1図の装置を用い、以下の手順と成膜条件に従って電
子写真用感光体を作成した。1.5cmX 15cmの
純アルミニウム基体を用い、基体温度を350℃に設定
し、各ガスの流量をメチルブロマイド5SIILI:M
、水素100SにC:M 、10 mo1%水素希釈フ
ォスフイン(PH3(10)/H2) 0.55C(:
Mとし、圧力0.5Torr、 RFパワー600W、
磁場400Gauss、基体バイアス−200Vで成膜
を10時間行った。その後PH3(10)/H2ガスの
流量を0.015C(:M/ minの割合いで増加さ
せながら1時間放電を続けた。さらに30分かけてメチ
ルブロマイドの流量を0.IS(:CM/ minの割
合いで減少させ、同時にPH3(10)/H2ガスの流
量を0.02511:CM/ minの割合いで減少さ
せながら30分間放電を続けた後、放電を、停止し、各
々のガスの流入を停止した。以上により得られた電子写
真用感光体を実験機にセットし正帯電極性を測定したと
ころ正帯電特性を有する電子写真用感光体であることが
示された。この電子写真用感光体に就いて、トナー画像
出し用の実験装置にセットして、トナー画像出しを行な
ったところ良質な画像が得られた。
又、この感光体の光導電層中の水素原子濃度は5原子%
であることが確認された。
実施例4 実施例1と同様の成膜装置を用いて電子写真用感光体を
作成した。但し、バルブ27は常に閉じた状態であり、
また、ボンベ41をC2H2からCH4に変更した。ま
ず、円筒状のアルミニウム6064基体53をトリクレ
ンで洗浄後、上部電極45に回転可能に固定した。次に
真空[52を密閉し、真空排気系により約2 X 10
’ Torr迄減圧した。次に基体53の円筒形状に合
わせてうす巻き状にまいたタングステンワイヤー44に
50Hzの交流電力を印加してこのワイヤー44を約2
500℃迄加熱して得られる輻射熱により上記アルミニ
ウム基体53を加熱し、アルミニウム基体53の裏側の
温度を300℃にした後に、ワイヤー44の加熱温度を
約2000℃布下げて基体温度を安定させた。
次に電磁コイル43に直流電力を流して真空槽52の上
部容器表面での磁場が800Gaussになるように電
流の大きさを調整した。さらに切り換え回路69、70
の切り換え位置をへの位置にセットし、直流電源48の
極性を基板側が一100Vになるように合せた。
そしてマスフローコントローラー37.38を最も絞っ
た状態でCH4のボンベ41にバルブ33および28、
H2のボンベ42のバルブ34および29を開け、さら
にバルブ30を開けた。それぞれのボンベからのガス流
量がボンベ4Iからl05C:CM、ボンベ42から1
00SG(:Mとなるように各々のマスフローコントロ
ーラー37.38を調整した。この時の圧力は0.1O
Torrであった。
次に電源47をONにして放電を始め、投入パワーを4
00Wとした。全体が安定状態に達してから30分後に
ボンベ41からの流量を1時間かけて徐々に5 SCC
Mになるまで減少させ、更にこの状態を保って9時開成
膜を続けた。さらにボンベ41からの流量を3時間かけ
て155(:(:Mに徐々に増加さ ・せ、引き続きこ
の状態を22時間保ち成膜した。その後、放電電源47
および48をOFFにし、バルブ28、29.30.3
3.34を閉じて放電を停止した。さらに加熱フィラメ
ント44の電流を切り基体53を十分に冷却した後、真
空を破って真空槽52から取り出した。以上より炭素を
主体とした、内部に明確な層界面を有しない電子写真用
感光体を得た。得られた電子写真用感光体は、正負両極
性において良好な帯電特性を示し、また光導電性も電子
写真用感光体として良好であることが確認できた。この
電子写真用感光体を実施例1と同様の改造実験装置にセ
ッ°トして繰り返し画像形成プロセスを通用させたとこ
ろ良好な画像が得られた。
また、この感光体の光導電層中の水素原子濃度はIO原
子%であることが確認された。
実施例5 成膜条件を以下のように変更する以外、実施例4と同様
にして電子写真用感光体を作成した。
タングステンワイヤー44に交流電力を印加して、アル
ミニウム基体の裏側の温度が250℃になるように設定
し安定させた。次に電磁コイル43に磁場を800Ga
uss、直流電源48を基体側が一100Vになるよう
に合わせた。
そしてマスフローコントローラー37.38を最も絞っ
た状態でCH4のボンベ41のバルブ28.33、H2
のボンベ42のバルブ29.34を夫々開け、さらにバ
ルブ30を開けた。それぞれのガス流量がボンベ41か
らIO5CCM、ボンベ42から11005CCとなる
ように各々のマスフローコントローラー37.38を調
整した。この時の圧力は0.10Torrであった。
次に電源47をONにして放電を始め、投入パワーを4
00Wとし全体が安定状態に達してから30分後に基体
53の裏側温度を30分かけて400℃に調整して、こ
の状態を保って7時開成膜を続けた。
さらに基板の裏側温度を5時間かけて300℃に下げて
、この状態を20時間保ち成膜した。その後放電電源4
7および48をOFFにし、バルブ28.29゜30、
33.34を閉じて放電を停止した。さらに加熱フィラ
メント44の電力を切り、基体53を十分に冷却した後
、真空を破って真空槽52から取り出した。このように
して炭素を主体とした内部に明確な層界面を有しない電
子写真用感光体を得た。得られた電子写真用感光体は、
実施例4の場合と同様に正負両極性において良好な帯電
特性を示し、また良好な光導電性も確認できた。又、実
施例4と同様に実験装置にセットして画像出しをしたと
ころ良好な画像が得られた。
又、この感光体の光導電層中の水素原子濃度はlO原千
%であることが確認された。
実施例6 第4図の装置を用い、以下のようにして電子写真用感光
体を作成した。
成膜条件として、純アルミニウム基体上にまず、マイク
ロ波パワー100W、原料ガスとしてell、と水素と
1%水素希釈ジボラン(E2H6(1) /H2)の混
合ガスを用いた。マイクロ波周波数は2.45GHzと
し、CH4の流量を55CCM、水素の流量を5osc
cu、 m2H6(1) /)+2ガス505CCMで
、圧力は10Torrとした。磁場は875ガウスとし
て、電子サイクロトロン共鳴が起きる様にした。この条
件で隔壁99の位置を調節し、真空槽71がマイクロ波
の空洞共振器として動作する様にし、隔壁99の開口部
からプラズマの吹き出しを起させた。この状態で基体温
度を600℃とし、基体バイアス電圧−150Vとした
。この条件で成膜を25時間行なりだ後、1分間当り0
.5 SC:CMの割り合いでCH4の流量を増しなが
ら、圧力を増加させ90分後にCH4流量50SCGM
圧力+5Torrとなるように条件をゆるやかに変化さ
せた。引き続きこの条件を維持した状態で1.5時開成
膜を行なった。
その後真空槽71内部の圧力をI Torr迄、1分間
にI Torrの割で減少させかツBzH6(1) /
H2の流量をI SCCM/ minの割合で減少させ
た。圧力を減じてI Torrとなってから引き続いて
4時開成膜を行なった。得られた感光体は負帯電特性を
有する良好な感光体で、帯電露光により十分良好なトナ
ー転写画像が得られた。
又、この感光体の光導電層中の水素原子濃度は15原子
%であることが確認された。
実施例7 実施例1〜6で得られた電子写真用感光体と同様の手順
及び成膜条件で各実施例で得た電子写真用感光体に対応
した電気伝導度σD測定用(試料No、1〜6)、光学
的バンドギャップGgopt測定用(試料No、7〜1
2)、ラマン分光測定用(試料No、13〜18)の試
料を夫々作成して、電気伝導度oD、光学的バンドギャ
ップ、ラマン分光を測定した。試料N001〜6の電気
伝導度はいずれもlO″目Ω−1cm−1以下であり、
試料No、7〜12の光学的バンドギャップEgopt
はいずれも1.5eV以上であり、ラマン分光では、い
ずれのサンプルも1333cm’を含むような領域にス
トークス線が認められることが確認された。
実施例8 第3図の装置を用い、第1図の構成の電子写真用感光体
を作成した。
光導電層11の成膜はC2H4と水素の混合ガスを用い
て行ない、流量はC,H4を5 SCCM、水素を95
SCCM、フッ化水素10 mo1%の水素による希釈
ガスを35CCMとした。圧力は0.06Torr、基
体温度を最初250℃として1で71w1nの割合で上
昇させ100分後に350℃とした。RFパワー250
W 、基体バイアス−100V、磁場800Gauss
で成膜を行なった。
この条件で成膜した光導電層の本明細書中で先に詳述し
た方法で測定した動摩擦係数は0.25であった。
できあがった電子写真用感光体の電子写真特性を実験用
電子写真複写装置にセットして測定したところ、良好な
帯電能と感度を示した。更に、正帯電し、像露光して、
トナー現像したところ、良好な画質のトナー画像が得ら
れた。しかも、そのクリーニング特性も良好であった。
これとは別に、表面層の膜組成分析用の試料を上記と同
様の成膜条件で作成して、その組成について測定したと
ころ、上記条件で成膜した表面層を形成する膜中には、
水素原子が14原子%含まれている事が傍証された。
実施例9 第3図の装置を用い、第1図に例示した電子写真用感光
体を作成した。
C2H4と水素とF2の混合ガスを用いて行ない、流量
はC,H4をIO5GCMから1On+inにI S(
CMの割合で減少させ50m1n後に5 S[:CMと
し、水素を605CCM、フッ素を205C(:Mとし
た。そして、圧力は0.06Torr、基体温度350
℃、磁場強度を800Gauss、RFパワー350W
、基体バイアス−80Vで成膜を行な〕た。
こうして得られた電子写真用感光体を実験用の電子写真
複写装置にセットして、電子写真特性を測定したところ
、良好な帯電性と光感度を示した。続いて負帯電し像露
光して、トナー現像したところ良好な画像が得られた。
上記のようにして得られた電子写真用感光体の光導電層
と同様の成膜条件で膜厚1.5−として、電気伝導度及
びフッ素原子濃度測定用の各試料を作成した。こうして
得られた各試料の測定の結果により、前記感光体の光導
電層は電気伝導度1.3X 10−”Ω−1cm−1で
水素原子を8原子%、フッ素原子を5原子%含んでいる
ことが傍証された。
実施例IO 第3図の装置を用い、第1図に例示の電子写真用感光体
を作成した。
光導電層の成膜はC2H4と水素の混合ガスを用いて行
ない、流量はC2H4を5 S(、CM、水素を955
11:CM、ジボランガス10%の水素による希釈ガス
10S+IC:Mを1時間かけて徐々に00−l5CC
にした。圧力は0.01Torr、基体温度400℃、
RFパワー400W、基体バイアス−100V、[場8
00Gaussで成膜を行なった。
得られた電子写真用感光体の電子写真特性を実験用電子
複写装置にセットして測定したところ、良好な帯電性を
示し、実用的に使用し得ることが確認された。
又、この感光体の光導電層中の水素原子濃度は12原子
%であることが認められた。
これとは別に、本明細書規定の方法で求めた測定結果か
ら成膜した光導電層のギャップステート密度は、 1.
7X 10”cm’であることが傍証された。
(発明の効果) 以上に説明したように、本発明によってもたらされる効
果としては下記に列挙するようなものを挙げることがで
きる。
l)高い帯電能を持ち、少ない帯電電流と少ない露光エ
ネルギー量で画像形成可能な電子写真用感光体を提供す
る事が可能となった。
2)高速画像形成が可能な電子写真用感光体を提供する
ことが可能となった。
3)濃度が高く、ハーフトーンが鮮明に出て且つ解像度
の高い、高品質な画像を得る事が容易に出来る電子写真
用感光体を提供する事が可能となった。
4)温度、湿度等の使用環境の変動に対して安定な画像
を維持する事が可能な電子写真用感光体を提供する事が
可能となった。
5)繰り返し使用の際のコロナ放電生成物や紙粉などの
付着の影雪が少なく、また表面に傷がつかず長期間継続
的に安定な画像を維持しながら使用可能な電子写真用感
光体を提供する事が可能となった。
6)光導電層の化学変化や劣化あるいは結晶化等の変質
がおこらず、長期間の悪影響下での保管に耐えて保管前
と変わらない良好な画質を再現する事が可能な電子写真
用感光体を提供する事が可能となった。
7)製造工程の途中やオフィス等での取扱いの際に人体
に触れても全く害がなく、また現像剤中に感光層の一部
が削れて混入し、それがコピー上のトナー画像に含まれ
て人体に接触したりしても全く安全で、必要ならば使用
終了後に一部ゴミと7緒に廃棄する事も安全上全く問題
なく、一般家庭で使用する際にも特別の注意なしに安全
に使用可能で、火災などの非常時゛に他のものと一緒に
燃えてしまっても有毒な気体を放出しない、従フてあら
ゆる点で全く安全な電子写真用感光体を提供する事が可
能となった。
8)製造時に有害な原料を使用せず、又は従来に較べて
必要な有害原料の使用量が極端に少なくても製造可能で
、このため製造設備に取り付ける必要のある有害物除害
装置やその他の製造上の安全対策に要するコストを著し
く削減出来る電子写真用感光体を提供する事が可能とな
フた。
9)製造用の原料として入手し易く、安価な原料を使用
する事の出来る低コストな電子写真用感光体を提供する
事が可能となった。
10)不均一材料の混合や分散あるいは粒度分布制御な
どといった複雑な工程を取る事なく、また塗布液の調液
や塗布中の粘度制御あるいは多層構造の際に起きる層間
汚染や溶剤排気の処理などを必要としない簡略化された
工程で製造でき、またメンテナンスの容易な製造装置を
用いて製造出来る電子写真用感光体を提供する事が可能
となった。
11)製造時の微粉未形成や製造容器内に付着した膜の
はがれによる微粒子の発生がなく、長時間安定して欠陥
のない均一な感光層を得る事の出来る電子写真用感光体
を提供する事が可能となつ゛た。
12)クリーニング性を向上させた電子写真用感光体を
提供する事が可能となった。
13)高速におけるクリーニング性のみならず、長時間
の使用後にも使用前と同様なりリーニング性と画像を示
す耐久性を持った電子写真用感光体を提供することが可
能となった。
14)温度、湿度等の使用環境の変動に対して安定なり
リーニング性と画像を維持する事が可能な電子写真用感
光体を提供する事が可能となった。
15)fiり返し使用の際のコロナ放電生成物や紙粉な
どの付着の影響が少なく、また表面に傷がつかず長期間
継続的に安定なりリーニング性や画像を維持しながら使
用可能な電子写真用感光体を提供する事が可能となった
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電子写真用感光体の実施形態の例を示
す模式的構成断面図、第2図、第3図及び第4図はそれ
ぞれ本発明の電子写真用感光体の製造に用いることので
きる装置の一例を示す模式的概略図、第5図(a)およ
び(b)は動摩擦係数の測定方法を示す概略図である。 12は支持体、11は光導電層、52.71は成膜を行
なう真空槽、47は高周波電源、107はマイクロ波電
源、45.46は電極、100は基体ホルダー、43及
び106は電磁コイル、111はドラム、112.11
3は中心棒である。 特許出願人  キャノン株式会社

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)支持体と、マトリックスの主体が炭素原子である
    炭素質膜で構成された光導電層とを有する事を特徴とす
    る電子写真用感光体。
  2. (2)前記光導電層が周期律表第IIIA族及び同第VA
    族のいずれかに属する原子を少なくとも一種含有してい
    る特許請求の範囲第1項に記載の電子写真用感光体。
  3. (3)前記含有される原子の層厚方向の分布濃度が不均
    一である特許請求の範囲第2項に記載の電子写真用感光
    体。
  4. (4)前記分布濃度が前記基体側に他よりも高い部分を
    有する特許請求の範囲第3項に記載の電子写真用感光体
  5. (5)前記炭素質膜が水素原子を30原子%以下含有す
    る特許請求の範囲第1項に記載の電子写真用感光体。
  6. (6)前記炭素質膜が光学的バンドギャップ1.5eV
    以上且つ電気伝導度10^−^1^1Ω^−^1cm^
    −^1以下の物性を有し水素原子含有濃度が30原子%
    以下である特許請求の範囲第1項に記載の電子写真用感
    光体。
  7. (7)前記炭素質膜がラマン・スペクトルの1333c
    m^−^1を含む領域のストークス線で特徴づけられる
    膜構造を有する特許請求の範囲第1項に記載の電子写真
    用感光体。
  8. (8)前記炭素質膜が10原子ppm以上15原子%以
    下の範囲のハロゲン原子を含有する特許請求の範囲第1
    項に記載の電子写真用感光体。
  9. (9)前記炭素質膜同士の動摩擦係数が標準条件下にお
    いて0.5以下である特許請求の範囲第1項に記載の電
    子写真用感光体。
  10. (10)前記炭素主体膜中のギャップステート密度が5
    ×10^1^7cm^−^3以下である特許請求の範囲
    第1項に記載の電子写真用感光体。
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