JPH0115903Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はデイストリビユータキヤツプ、詳しく
は点火ケーブル付きデイストリビユータキヤツプ
に関するものである。

一般に、内燃機関点火用デイストリビユータキ
ヤツプと点火ケーブルは、第１図に例示する様
に、タワー部４の凹所にアルミ金具２を取付けた
デイストリビユータキヤツプ１に、別部材として
成形した点火ケーブル５の端末部６を嵌着して接
続する構造である。なお図中の７は点火ケーブル
５の端部に取付けた端子、８は保護用ゴムキヤツ
プである。

しかし、前記の構造によるものは、・部品点数
と結合部分が多く、品質信頼性を確保することが
困難・誰もが脱着容易であり、不完全な挿着によ
る事故の危険がある、等の問題がある。

以上から、その改良を図るものとして、第２図
に示す様に、端部に端末金具３を取付けた点火ケ
ーブル５に、デイストリビユータキヤツプ１をモ
ールド成形する、一体化構造のものが提案されて
いる。

しかし乍ら、該一体化構造のものは、デイスト
リビユータキヤツプ１に例えば変性ポリプロピレ
ン、エポキシ等が用いられ、点火ケーブル５のシ
ース材は、例えばEPDM（エチレンプロピレンジ
エンミツクスチヤー）塩素化ポリエチレン、クロ
ロスルフオン化ポリエチレン、シリコン、クロロ
プレン等からなる為、材質の相違に基づいてデイ
ストリビユータキヤツプ１と点火ケーブル５が接
着し難く、シール性能に劣る欠陥がある。

本考案は以上の従来欠陥を解消することを目的
とするもので、端末金具を有する点火ケーブル端
部には、前記端末金具の取付部と点火ケーブルを
埋め込む様に、溶融接着剤樹脂によつてモールド
成形された接着部があり、さらに前記端末金具の
先端部のみを残して前記接着部を埋め込む結合部
が、デイストリビユータキヤツプと同質樹脂によ
つてモールド成形されており、前記結合部の下半
部を前記デイストリビユータキヤツプの凹部に嵌
入組合せると共に、前記結合部の下端に脚状に形
成した係止片と、前記凹部下端に前記係止片と重
合外接して設けた接着片を、外方へ変形させ、前
記凹部の下縁に「溶着かしめ」した一体化構造を
特徴としている。

そして、本考案によるとシール性能が良く、か
つ強固に一体化した点火ケーブル付きデイストリ
ビユータキヤツプを提供することができる。

以下実施例図面に基づいて詳しく説明する。ま
づ一実施例を示す第３〜７図において、点火ケー
ブル５の端部には、アルミニウム等の金属からな
る端末金具９が取付けてあり、端末金具９の取付
部９′と端未金具９近傍の点火ケーブル５を埋め
込む様に接着部１０がモールド成形してある。接
着部１０は点火ケーブル５とのシール性能向上を
意図して設けたもので、例えば変性ポリプロピレ
ン、変性ポリエチレン等の溶融接着剤樹脂（例え
ば、住友化学工業株式会社製のBondfast（商標）
Ｇ等で、加熱すると接着効果を有する樹脂）によ
つて薄くモールド成形されている（このモールド
の際は点火ケーブル５のシース材との接着性向上
のため加圧するのが好ましい）。そして、さらに
接着部１０の上には、端末金具９の先端部９″を
残して接着部１０と端末金具９の中間部分を埋め
込む結合部１１がモールド成形されており、結合
部１１は後述するデイストリビユータキヤツプ１
と同質樹脂の例えば変性ポリプロピレンまたはエ
ポキシ等で成形され、図示点線で区画される上半
部１１′と下半部１１″を有し、下半部１１″はデ
イストリビユータキヤツプ１の凹部１５に嵌入し
て一体に結合される部分で円柱状を成している。
また結合部１１の下端には脚状に垂設した環状の
係止片１２が、若干の長さで形成してある。

一方、デイストリビユータキヤツプ１は結合部
１１と同質樹脂によつて別部材として成形され、
第５図の様に、そのタワー部４には結合部１１を
密に受け入れる凹部１５が形成してあり、凹部１
５の下端には下方に突設した溶着片１４が環状に
設けてある。そして第６図の様に、凹部１５に結
合部１１の下半部１１″を嵌入したとき、溶着片
１４は係止片１２と重合し、かつ係止片１２に外
接する形状に成つている。

なお、結合部１１の下半部１１″の上端外周に
は嵌合部分のシール性を向上する為のＯリング１
３（またはパツキン）が外嵌してあり、凹部１５
の上縁にはＯリング１３を受け入れるＯリング溝
１６が形成してある。

以上の結合部１１は、その下半部１１″が第６
図の様に凹部１５に嵌入して両者は組合せられ、
係止片１２と溶着１４は密に接して重合する。し
かるのち、図示点線の様に超音波溶着装置用ホー
ン１７を、係止片１２溶着片１４の下方から当接
して超音波加工し、係止片１２と溶着片１４を外
方に軟化変形させる。そして、軟化変形した係止
片１２と溶着片１４は、タワー部４の下縁４′を
押え込むと共に、同質樹脂からなる係止片１２溶
着片１４および下縁４′が相互溶着して「溶着か
しめ」される。そして、結合部１１とタワー部４
は機械的に強固に固着されて一体化する。

つぎに、第８図は縦出し方式の、デイストリビ
ユータキヤツプに本考案を用いた他の実施例を示
したもので、前記と同一の接着部１０と結合部１
１が形成され、その下半部がタワー部４の凹部に
嵌入しており、結合部１１下端の係止片１２と凹
部１５下端の溶着片１４が外方に変形されて、タ
ワー部４の下縁４′に「溶着かしめ」され、結合
部１１とタワー部４が固着一体化されている。

以上の本考案によると、溶着部１０によつて埋
め込まれた点火ケーブル５は、モールド成形時の
加熱と加圧によつて接着部１０と完全接着するの
で、点火ケーブル５のシール性能は必要にして充
分に確保される。そして、接着部１０を埋め込ん
だ結合部１１は、係止片１２と溶着片１４との
「溶着かしめ」によつて、係止片１２溶着片１４
ならびにタワー部４の下縁４′の３者が、相互溶
着して一体物になり強固に係合するので、結合部
１１とタワー部４の結合は、必要にして充分なシ
ール性能と結合力が付与される。そして、点火ケ
ーブル５とデイストリビユータキヤツプを完全に
結合一体化することができる。

以上の様に、本考案は従来欠陥を解消し、シー
ル性能に優れ、かつ完全に固着一体化した点火ケ
ーブル付きデイストリビユータキヤツプを提供す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１，２図：従来構造のデイストリビユータキ
ヤツプを示す正面図、第３〜７図：本考案一実施
例を示し、第３図はその点火ケーブル端部を示す
正面図、第４図は第３図の底面図、第５図はその
タワー部を示す正面図、第６図はその点火ケーブ
ル端部とタワー部の接合状態を示す正面図、第７
図はその全体正面図、第８図：本考案の他の実施
例を示す正面図。 主な符号、１：デイストリビユータキヤツプ、
３：端末金具、４：タワー部、５：点火ケーブ
ル、９：端末金具、１０：接着部、１１：結合
部、１２：係止片、１４：溶着片、１５：凹部、
１７：超音波溶着装置用ホーン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 端末金具を有する点火ケーブル端部には、前
   記端末金具の取付部と点火ケーブルを埋め込む
   様に、溶融接着剤樹脂によつてモールド成形さ
   れた接着部があり、さらに前記端末金具の先端
   部のみを残して前記接着部と前記端末金具を埋
   め込む結合部が、デイストリビユータキヤツプ
   と同質樹脂によつてモールド成形されており、
   前記デイストリビユータキヤツプのタワー部に
   は、前記結合部の下半部を受け入れる凹部が設
   けられており、さらに前記結合部の下端には脚
   状の係止片と、前記凹部の下端には前記係止片
   と重合して外接する溶着片が形成されており、
   前記結合部が前記凹部に嵌入組合せられると共
   に、前記係止片と溶着片が外方に変形されて前
   記タワー部の下縁に「溶着かしめ」され、固着
   一体化した構造を特徴とする点火ケーブル付き
   デイストリビユータキヤツプ。 (2) 変性ポリプロピレンまたは変性ポリエチレン
   の群から選ばれた少くとも一つの溶融接着剤樹
   脂を用いた実用新案登録請求の範囲第(1)項記載
   の点火ケーブル付きデイストリビユータキヤツ
   プ。