JPH0114768Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はデイストリビユータキヤツプ、詳しく
は点火ケーブル付きデイストリビユータキヤツプ
に関するものである。

一般に、内燃機関点火用デイストリビユータキ
ヤツプと点火ケーブルは、第１図に例示する様
に、タワー部４の凹所にアルミ金具２を取付けた
デイストリビユータキヤツプ１に、別部材として
成形した点火ケーブル５の端末部６を嵌着して接
続する構造である。なお図中の７は点火ケーブル
５の端部に取付けた端子、８は保護用ゴムキヤツ
プである。

しかし、前記の構造によるものは、・部品点数
と結合部分が多く、品質信頼性を確保することが
困難・誰もが脱着容易であり、不完全な挿着によ
る事故の危険がある、等の問題がある。

以上から、その改良を図るものとして、第２図
に示す様に、端部に端末金具３を取付けた点火ケ
ーブル５に、デイストリビユータキヤツプ１をモ
ールド成形する、一体化構造のものが提案されて
いる。

しかし乍ら、該一体化構造のものは、デイスト
リビユータキヤツプ１に例えば変性ポリプロピレ
ン、エポキシ等が用いられ、点火ケーブル５のシ
ース材は、例えばEPDM（エチレンプロピレンジ
エンミツクスチヤー）塩素化ポリエチレン、クロ
ロスルフオン化ポリエチレン、シリコン、クロロ
プレン等からなる為、材質の相違に基づいてデイ
ストリビユータキヤツプ１と点火ケーブル５が接
着し難く、シール性能に劣る欠陥がある。

本考案は以上の従来欠陥を解消することを目的
とするもので、端末金具を有する点火ケーブル端
部には、該端末金具を埋めるように、溶融接着剤
樹脂によつてモールド成形された接着部と、該接
着部を埋め込むように、耐高温性能を有する樹脂
によつて二次成形された結合部が有り、前記結合
部がデイストリビユータキヤツプのタワー部の凹
部に、シール剤等によつて気密に嵌入組合せられ
ると共に、前記結合部と前記タワー部に設けた係
止機構によつて、一体に固着された構造が特徴で
ある。

そして、本考案によるとシール性能が良く、か
つ強固に結合一体化すると共に、高温の使用環境
において、充分な強度を有し電気的性能を安定持
続する点火ケーブル付きデイストリビユータキヤ
ツプを提供することができる。

以下実施例図面に基づいて詳しく説明する。ま
づ一実施例を示す第３〜７図を参照して、点火ケ
ーブル５の端部には、アルミニウム等の金属から
なる端末金具１０が取付けてあり、端末金具１０
の先端部１０′を残して端末金具１０およびその
近傍の点火ケーブル５を埋める様にして、接着部
１１がモールド成形してある。接着部１１は点火
ケーブル５とのシール性能向上を意図して設けた
もので、例えば変性ポリプロピレン、変性ポリエ
チレン等の溶融接着剤樹脂（例えば、住友化学工
業株式会社製のBondfast（商標）Ｇ等で、加熱す
ると接着効果を有する樹脂）によつて薄くモール
ド成形されている。（このモールドの際は点火ケ
ーブル５のシース材との接着性向上の為、加圧す
るのが好ましい）。そして、さらに接着部１１の
上には、端末金具１０の先端部１０′を残して接
着部１１の全周を埋め込む結合部１２が二次成形
され、点火ケーブル５の端部を構成している。

そして、結合部１２は後述するデイストリビユ
ータキヤツプ１のタワー部４の凹部に挿入されて
結合される部分で、高温の使用環境に耐え得るよ
う、高温領域において優れた機械的性質を有する
ポリアミド（例えば炭酸カルシウム等を充填した
66ナイロン）、ポリプロピレン等の樹脂によつて
成形されている。

また、結合部１２の下端には、スリツト１６を
介して円周上に配列され下方に突出する数個の弾
性係止片１４（図は円周に８個）が連設してあ
る。弾性係止片１４は後述するタワー部４の凹部
１８内に形成した逆止突起１９と係合し、凹部１
８に嵌入した結合部１２を逆止固定する係止機構
を構成するもので、下端の自由端に係止爪１５を
有する弾性片持梁形状であり、その背面と端末金
具１０の先端部１０′間には撓用空間がある。

なお、図中の１３は結合部１２が凹部１８に嵌
入したとき、タワー部４上縁と接合するフランジ
部、また１７は、凹部１８下方の案内部２０に適
合させる為のテーパー部である。

一方、デイストリビユータキヤツプ１は、変性
ポリプロピレン、エポキシ等で別部材として成形
され、そのタワー部４には結合部１２を嵌入する
凹部１８が設けてあり、凹部１８の下方には弾性
係止片１４を係止する逆止突起１９が、円周に沿
つて環状に形成してある。そして、逆止突起１９
と凹部１８内面との接合部分は、弾性係止片１４
の挿入を案内する傾斜状の案内部２０に形成され
ている。

以上の結合部１２は、その周面に第７図の様に
例えばシリコン系のシール剤２１が施され、シー
ル剤２１を介して凹部１８に気密に嵌入されて両
者は組合せられる。そして、弾性係止片１４の係
止爪１５と逆止突起１９が係合し、結合部１２を
有する点火ケーブル５の端部はデイストリビユー
タキヤツプ１と機械的に固着一体化される。

なお、以上の本考案は、前記実施例の縦出し方
式のみでなく、図示しないが横出し方式のデイス
トリビユータキヤツプにも適応は可能である。ま
た、本考案における結合部１２とタワー部４との
固着手段は、前記の弾性係止片１４等以外の適宜
な機械的係止機構に変更しても良く、結合部１２
とタワー部４とのシール手段は前記のシール剤２
１のみでなく、例えば結合部１２の外周にＯリン
グを嵌着することもある。

以上の本考案によると、接着部１１によつて埋
め込まれた点火ケーブル５は、モールド成形時の
加熱と加圧によつて接着部１１と完全に接着する
ので点火ケーブル５のシール性能は良好に確保さ
れる。また接着部１１と結合部１２は、結合部１
２の成形時の加熱によつて両者は接着し、当該部
分のシール性能も確保される。そして、結合部１
２はシール剤２１等のシール手段によつてタワー
部４とのシール性能が確保されると共に、弾性係
止片１４等の係止機構によつてタワー部４と、機
械的に固着されるので、点火ケーブル５とデイス
トリビユータキヤツプ１は完全に結合一体化する
ことができる。

さらに、結合部１２は高温領域における機械的
性質に優れる樹脂から成つて接着部１１を内在保
護するので、高温の使用環境において当該部分の
機械的強度は充分に維持され、電気的性能を安定
維持する特有効果がある。

この様に、本考案は従来欠陥を解消し、シール
性能に優れると共に、電気的性能を安定維持し、
完全に固着一体化した点火ケーブル付きデイスト
リビユータキヤツプを提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１，２図：従来のデイストリビユータキヤツ
プの構造を示す正面図、第３図：本考案一実施例
の点火ケーブル端部を示す正面図、第４図：第３
図の縦断面図、第５図：第３図の底面図、第６
図：本考案一実施例のデイストリビユータキヤツ
プのタワー部を示す正面断面図、第７図：本考案
一実施例の全体を示す正面断面図。 主な符号、１：デイストリビユータキヤツプ、
３：端末金具、４：タワー部、５：点火ケーブ
ル、１０：端末金具、１１：接着部、１２：結合
部、１４：弾性係止片、１８：凹部、１９：逆止
突起、２１：シール剤。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 端末金具を有する点火ケーブルの端部には、
   前記端末金具の先端部を残して前記端末金具を
   埋める様に、溶融接着剤樹脂によつてモールド
   成形された接着部と、前記接着部を埋め込む様
   に、耐高温性能を有する樹脂によつて二次成形
   された結合部があり、前記結合部がデイストリ
   ビユータキヤツプのタワー部に気密に嵌入組合
   せられると共に、前記結合部と前記タワー部に
   設けた係止機構によつて、固着一体化された構
   造を特徴とする点火ケーブル付きデイストリビ
   ユータキヤツプ。 (2) 変性ポリプロピレンまたは変性ポリエチレン
   の群から選ばれた少くとも一つの溶融接着剤樹
   脂を用いた実用新案登録請求の範囲第(1)項記載
   の点火ケーブル付きデイストリビユータキヤツ
   プ。