JPH0115717Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は底板に対してその両側の側板を組付け
る構造のコンクリート製の水路ブロツクに関する
ものである。

〈従来の技術〉 従来、この種の構造をした水路ブロツクは、第
８図にみられるように底板１１と左右両側板１２
を底板１１の両側面に設けた側板支持立縁１３に
より支持固定するに際して、主として複数のボル
ト１４による締結構造がとられていた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記のような従来の構造であると、製造に際し
て組付け用のボルトを必要とする上に、ボルトと
その挿通穴に精度が要求され、施工時にはボルト
の締結作業を要し、組付け後には経時変化により
リボルトが腐蝕して底板１１と側板１２間が離れ
易く、強度面からも問題点となつていた。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は上記のような従来の問題点を解決した
水路ブロツクに関するもので、その構造は底板１
と左右両側板２，２とを底板１の両側面に設けた
側板支持立縁３，３により支持固定してなる水路
ブロツクにおいて、底板１の側板支持立縁３はそ
の上部を外方に突出させて段部４を形成すると共
に下部に欠溝５を形成し、側板２はその内面下方
を切欠いて前記側板支持立縁３への載置面６と前
記段部４への嵌合当接面７及び前記欠溝５への嵌
合縁８とし、前記嵌合当接面７を凹側面９と凸側
面１０とで形成したことを特徴とするものであ
る。

〈作用〉 上記のような本考案の水路ブロツクは、底板１
へ両側の側板２，２を組付けるには、第１図及び
第２図にみられるように、底板１の欠溝５へ側板
２の嵌合縁８を挿入し、底板１と欠溝５の隙間へ
クサビ１５を打込むだけの簡単な操作で固定され
る。側板２が受ける土圧は載置面６から側板支持
立縁３で受け（Ｐ点）、その回転モーメントによ
る転倒を前記クサビ１５の打込みによつて防ぎ
（Ｑ点）、地盤沈下時にも底板支持立縁３の段部４
と側板２の嵌合当接面７との（Ｒ点）係止効果に
より両者が分離しない。

〈実施例〉 以下図面によつて本考案の実施例を詳細に説明
する。

第１図は本考案の水路ブロツクを示す側面図で
あり、第２図は同一部破断斜視図である。第３図
は底板の一例を示す正面図であり、第４図は第３
図中Ａ−Ａ断面図である。第５図は側板の一例を
示す正面図であり、第６図は第５図中Ｂ−Ｂ断面
図である。第７図は他の実施例の第６図相当断面
図である。

第１図及び第２図に示した本考案の実施例は、
基本的な構成が底板１と左右両側板２，２とを底
板１の両側面に設けた側板支持立縁３，３により
支持固定してなるものである。

底板１の構造例を第３図及び第４図に示してい
る。底板１はこの例では所定間隔で梁を設けて接
地面に動植物の棲息環境を確保し、かつ土壌の排
水を良好にするための土砂の現われる穴が設けら
れている。もちろん、本考案は底板１の接地面が
このような梁構造でなく、総てコンクリート面と
したものにも適用できる。底板１の側板支持立縁
３はその上部を外方に突出させて段部４を形成す
ると共に下部に欠溝５を形成している。

側板２は第５図〜第７図にその構造例を示して
いる。これらの例では軽量化と所要コンクリート
の低減及び強度向上を図つて内面（第５図、第６
図）又は外面（第７図）をリブ構造としている。
また、側板２は前記のようにその内面下方を切欠
いて前記側板支持立縁３への載置面６と前記段部
４への嵌合当接面７及び前記欠溝５への嵌合縁８
を形成している。前記嵌合当接面７は凹側面９と
凸側面１０とで形成したのである。

〈考案の効果〉 以上のような構造であるから、下記のような効
果が得られる。

製造に際してボルトとボルト穴による締結構
造のような高精度を必要としない。従つて、製
造が容易である。

ボルトが不要で経済的である。

ボルト締結方式の場合、底板には強度計算値
以上にボルト締めに耐える所定の厚みが必要と
されるが、本考案品ではその必要がない。

搬送が容易である。

施工が簡単で迅速である。

ボルトの腐蝕等が生じないし、底板と側板が
離れないので、水路が半永久的に壊れない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の水路ブロツクを示す側面図で
あり、第２図は同一部破断斜視図である。第３図
は底板の一例を示す正面図であり、第４図は第３
図中Ａ−Ａ断面図である。第５図は側板の一例を
示す正面図であり、第６図は第５図中Ｂ−Ｂ断面
図である。第７図は他の実施例の第６図相当断面
図である。第８図は従来の水路ブロツクの底板と
側板との接続状態を示す要部側面図である。 １……底板、２……側板、３……側板支持立
縁、４……段部、５……欠溝、６……載置面、７
……嵌合当接面、８……嵌合縁、９……凹側面、
１０……凸側面、１５……クサビ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底板１と左右両側板２，２とを底板１の両側面
   に設けた側板支持立縁３，３により支持固定して
   なる水路ブロツクにおいて、底板１の側板支持立
   縁３はその上部を外方に突出させて段部４を形成
   すると共に下部に欠溝５を形成し、側板２はその
   内面下方を切欠いて前記側板支持立縁３への載置
   面６と前記段部４への嵌合当接面７及び前記欠溝
   ５への嵌合縁８とし、前記嵌合当接面７を凹側面
   ９と凸側面１０とで形成してなることを特徴とす
   る水路ブロツク。