JPH0115327Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、とうもろこしの実を芯から分離する
とうもろこし脱穀機に関する。

「従来の技術」 従来、とうもろこしを脱穀するには、脱穀室内
で、外周に撹拌ピンが植設された脱穀ドラムを回
動させ、撹拌ピンでとうもろこし原料を破砕し、
芯から実を分離させ、その後、実を芯、芯屑から
選別するものであつた。

「考案が解決しようとする問題点」 しかしながら、従来のとうもろこし脱穀機で
は、全体としての工程の流れが確立されておら
ず、単純に脱穀ドラムによりとうもろこしの原料
を破砕するだけであつたので、芯屑が詰まりやす
く、実の分離や装置内に溜まつた屑の処理に手間
どり能率がよくないという問題点があつた。

本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたもので、とうもろこしを脱穀し、選別し
て実を採取するまでを合理的に処理できるように
したとうもろこし脱穀機を提供することを目的と
している。

「問題点を解決するための手段」 かかる目的を達成するための本考案の要旨とす
るところは、とうもろこしの実を芯から分離する
ものであつて、略水平軸回りに回動される脱穀ド
ラムが一方の端壁から他方の端壁にわたして内部
に配置された脱穀室を上部に有し、該脱穀室の下
方に受けホツパを介して傾斜した送りシユートが
配置されて成り、前記脱穀室には、その端に偏位
して原料を該脱穀室内に供給する投入ホツパが設
けられ、前記脱穀ドラムは、該投入ホツパ側の前
記脱穀室の端壁に近接して配置された端部プレー
トと他方の端壁側の端部部材とが連結部材により
連結された円筒状をしていて、連結部材に外方に
向け撹拌ピンが多数植設されており、前記脱穀室
の底部と前記受けホツパとの間は大きな芯屑を選
別する篩部により仕切られ、前記送りシユート
は、脱穀機基台に揺動乃至振動可能に支持されて
いて、回転駆動軸に偏心円盤を介して連結され、
かつ該シユートの底面には実を通過させる選別孔
が多数穿設されるとともに、底面上を移動する実
および屑を押える軟質シートが覆設されているこ
とを特徴とするとうもろこし脱穀機に存する。

「作用」 しかして、脱穀室内で芯から分離された実は篩
部を通過可能な芯屑とともに受けホツパを介して
送りシユートに落ち、振動乃至揺動する送りシユ
ート内を傾斜に沿つて下方に移動し、その間に実
のみが選別孔を通過して回収され、芯屑は軟質シ
ートに押えられて舞い上がることなく送りシユー
トの末端まで移動して集められるものであり、全
体として実と芯屑とが合理的に処理されるように
したものである。

「実施例」 以下、図面に基づき本考案の一実施例を説明す
る。

第１図に示すように、脱穀機１０は、その基台
１１に支持されて、上部に略水平に円筒形の脱穀
室２０が設けられ、脱穀室２０の内部には脱穀室
２０の一方の端壁２１から他方の端壁２２にわた
して略水平軸回りに回動される脱穀ドラム３０が
配置され、脱穀室２０の下方には受けホツパ４０
を介して傾斜した送りシユート５０が配置されて
いる。

脱穀室２０の一方の端壁２１側に偏位してとう
もろこしの原料を脱穀室２０内に供給する投入ホ
ツパ２３が設けられている。

第１図および第２図でわかるように、脱穀ドラ
ム３０は、投入ホツパ２３側の端壁２１に近接し
て配置された端部プレート３１と他方の端壁２２
側の端部部材３２とが連結部材３３，３３…によ
り連結された円筒状をしている。

連結部材には適宜外方に向け撹拌ピン３３ａ，
３３ａ…が多数植設され、撹拌ピン３３ａ，３３
ａ…は投入ホツパ２３側の端壁２１から見たと
き、脱穀ドラム３０の回動方向に対して送り方向
の螺旋状を呈して連なるように植設されている。

脱穀室２０の少なくとも底部は実および小さな
芯屑と大きな芯屑とを選別して大きな芯屑は通過
させない篩部２４をなしており、脱穀室２０の下
方に設けられた受けホツパ４０と脱穀室２０とは
篩部２４により仕切られている。

第１図および第３図でわかるように、受けホツ
パ４０の下端は送りシユート５０の上に開口さ
れ、送りシユート５０は巾広の溝状をしていて、
底面５１には実を通過させる選別孔５１ａ，５１
ａ…が多数穿設され、底面５１に上から軽く載る
軟質シート５２が覆設されている。

送りシユート５０は、可撓性部材５３，５３を
介して基台１１に対し移動可能に支持されてい
る。

基台１１の隅には駆動源として電動モータＭが
取付けられ、基台１１に回動可能に支持された回
転駆動軸５４が電動モータＭの駆動軸Ｍ１にベル
ト５５を介して連結されており、第４図に示すよ
うに、送りシユート５０に突設された連結ブロツ
ク５６が、回転駆動軸５４の先端に偏心円盤５７
を介して連結されており、これにより送りシユー
ト５０は振動乃至揺動可能に支持されている。

送りシユート５０の下方には回収シユート５８
が沿設され、回収シユート５８の末端部には実の
吐出口５８ａが設けられている。

脱穀ドラム３０の芯軸３４は脱穀室２０の端壁
２１から突出され、そこで電動モータＭの駆動軸
Ｍ１にベルト３５を介して連結されている。

脱穀室２０の端壁２２の下部には篩部２４に連
結する大屑排出路２５が接続され、下方に延びた
大屑排出路２５の下端部は送りシユート５０の末
端の排出口５９が接続されてから、基台１１に固
設された吹き上げ筒１２の下部に接続されてい
る。

吹き上げ筒１２の下部の内部にはフアン１３が
設けられ、フアン１３の駆動軸１３ａが側方に延
ばされている。

そして、脱穀ドラム３０の芯軸３４が端壁２２
から突出して延ばされたその先端部３４ａへベル
ト１４を介してフアン１３の駆動軸１３ａが連結
されている。

吹き上げ筒１２の上端には屑回収ダクト（図示
省略）が連結される。

上記構成を有する脱穀機１０では、芯で実が固
着したとうもろこし原料は投入ホツパ２３から脱
穀室２０内に投入される。投入されたとうもろこ
し原料は、電動モータＭにより回転駆動されてい
る脱穀ドラム３０により脱穀室２０内で撹拌され
る。その際、撹拌ピン３３ａがとうもろこし原料
に突き当つて実を芯から分離させる。

撹拌ピン３３ａは螺旋状に連なるよう植設され
ているので、とうもろこし原料は端壁２１側の端
部プレート３１から端壁２２側の端部部材３２ま
で徐々に移動され、その間に実と芯とは全部分離
される。端部プレート３１は端壁２１に極めて近
接しており、最初の撹拌ピン３３ａは端部プレー
ト３１に極めて近接されているので、とうもろこ
し原料、実、屑が脱穀ドラム３０の始端部に停滞
することがない。

大きな芯屑は篩部２４を通過できないので、端
壁２２側の篩部２４の末端から大屑排出路２５内
に落ち、実と小さな芯屑とは篩部２４を通過して
受けホツパ４０内に落ち、送りシユート５０の上
部へ吐出される。

送りシユート５０は連結ブロツク５６、偏心円
盤５７を介して回転駆動軸５４により振動乃至揺
動されているので、実および小さな芯屑はゆすら
れて底面５１上を下方に移動する。その間に実は
選別孔５１ａを通過して回収シユート５８に落
ち、吐出口５８ａから回収される。

小さな芯屑はさらに送りシユート５０の底面５
１上を移動する。その際、軟質シート５２により
上から軽く押えられているので、舞い上がること
なく移動し、排出口５９から大屑排出路２５内に
入る。

大屑排出路２５内で一緒になつた大きな芯屑と
小さな芯屑とは共に吹き上げ筒１２の下部に入
り、そこで回転しているフアン１３により吹き上
げられ、屑回収ダクトから処理部へ搬送されて処
理される。

「考案の効果」 本考案に係るとうもろこし脱穀機によれば、と
うもろこし原料は実と芯とが分離されてからこれ
らを選別して回収するまでが一貫して処理され、
極めて能率よくとうもろこしを脱穀することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示しており、第１図は
一部を破断して示したとうもろこし脱穀機の正面
図、第２図は脱穀ドラムの斜視図、第３図は受け
ホツパの下部から送りシユートに至る部位の部分
斜視図、第４図は第１図矢視図であつて各種状
態をあらわしたものである。 １０……脱穀機、２０……脱穀室、２３……投
入ホツパ、２４……篩部、３０……脱穀ドラム、
３１……端部プレート、３２……端部部材、３３
……連結部材、３３ａ……撹拌ピン、４０……受
けホツパ、５０……送りシユート、５１……底
面、５１ａ……選別孔、５２……軟質シート、５
８……回収シユート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. とうもろこしの実を芯から分離するものであつ
   て、略水平軸回りに回動される脱穀ドラムが一方
   の端壁から他方の端壁にわたして内部に配置され
   た脱穀室を上部に有し、該脱穀室の下方に受けホ
   ツパを介して傾斜した送りシユートが配置されて
   成り、前記脱穀室には、その端に偏位して原料を
   該脱穀室内に供給する投入ホツパが設けられ、前
   記脱穀ドラムは、該投入ホツパ側の前記脱穀室の
   端壁に近接して配置された端部プレートと他方の
   端壁側の端部部材とが連結部材により連結された
   円筒状をしていて、連結部材に外方に向け撹拌ピ
   ンが多数植設されており、前記脱穀室の底部と前
   記受けホツパとの間は大きな芯屑を選別する篩部
   により仕切られ、前記送りシユートは、脱穀機基
   台に揺動乃至振動可能に支持されていて、回転駆
   動軸に偏心円盤を介して連結され、かつ該シユー
   トの底面には実を通過させる選別孔が多数穿設さ
   れるとともに、底面上を移動する実および屑を押
   える軟質シートが覆設されていることを特徴とす
   るとうもろこし脱穀機。