JPH0117157Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、豆類の脱粒に使用する脱粒機に関
するものであるが、特に効率よく穀粒と莢屑等を
選別することができるようにした脱粒機における
選別装置に関するものである。

〈従来の技術及びその問題点〉 一般に、豆類脱粒機の脱粒室の排塵口から排出
される脱穀残渣を機外に向けて搬出するようにす
るために、豆類脱粒機の機内に装架する選別コン
ベアを搬出方向に向けて上昇傾斜するように設け
て、搬送する脱穀残渣内に混入している豆類が搬
送方向に逆に流下していくようにするとともに、
その選別コンベアの上面側にこのコンベアの搬送
方向に吐出風が吹き流れるように送風機の吐風口
を連通させることで、このコンベアで脱穀残渣の
搬出と豆類の分離風選とが行えるようにした際、
からみ合つて固つている脱穀残渣や、その残渣の
中の莢屑等の転がり易いものが、穀粒とともに選
別コンベアの搬送方向始端部側に転がり落て、選
別コンベアの始端部から取出す穀粒中に莢屑等が
多く混入するようになる問題点を解消する目的で
例えば実公昭59−12025号公報に示す選別装置が
開発された。

しかしこの公報に示されている選別装置による
と、選別の手段としてフオーク上又は櫛歯状とも
称しうるスクリーンを使用しているので、一度に
多量の穀粒が選別コンベア上を流下してきた場
合、このスクリーン部分に滞留し（これはこのス
クリーンが不動のため）、作業能率が低下すると
いう問題及び細かな莢屑等はスクリーンの歯の隙
間から回収路に落下してしまう、つまり有効な選
別機能を発揮しえないという問題を有していた。

〈問題点を解決するための手段〉 そこでこの考案は、機体の内腔長手方向に、多
数の扱刃を植設した扱胴を回転自在に横架軸支
し、この扱胴の下方には受網を配設し、機体の一
側でかつ扱胴に通じる部分に未脱粒の穀桿を供給
するための供給口を設け、さらに受網の下方には
機体の後面に形成した放出口方向に向うにしたが
い徐々に下降傾斜せしめた穀粒流下板を装設し、
穀粒流下板の終端部下方には、この穀粒流下板の
終端部下方から機体後方に向けて徐々に上昇傾斜
する選別コンベアを配設するとともに、穀粒流下
板の下方には前記選別コンベア上面を機体後方に
送風する送風機を、また選別コンベアの下方には
この選別コンベア後端方向に送風する送風機をそ
れぞれ配設した脱粒機において、前記穀粒流下板
の下部でかつ選別コンベアの下方上面に、複数の
円盤を所望間隔を保持して軸に配設して、前記円
盤により構成されている選別部材を、選別コンベ
アの回転とともに回転せしめ、選別コンベア上に
多量の穀粒が存在していてもこれを拡散させ、も
つて効率のよい選別を可能にするとともに、莢屑
等は選別部材を通過しないようにしたものであ
る。

〈実施例〉 次にこの考案にかかる脱粒機における選別装置
の一実施例を図面にもとづいて述べると、１は機
体２の内腔長手方向に回転自在に横架軸支した扱
胴であり、この扱胴１周面には多数の扱刃３が螺
旋状に植設してあり、機体２一側の扱胴１側部に
は未脱粒の穀桿を供給する為の供給口４が設けて
ある。５は扱胴１の下部に配設した受網であり、
受網５の終端部には偏心伝動機構により上下に揺
動せしめた受線６が配設してある。７は前記受網
５の下方で機体２の後面に形成した放出口８方向
に向うに従い下降傾斜せしめて装設した穀粒流下
板であり、９は穀粒流下板７の終端部下方から搬
送方向が機体２後方に向うように駆動せしめ、且
つ後方の放出口８に向け上昇傾斜せしめて張設し
てある選別コンベアである。１０は穀粒流下板７
下方に配設した風選用の送風機、１１は選別コン
ベア９下方に配設した排塵用の送風機、１２は選
別風路である。１３は選別コンベア９の下縁に沿
わして設けた移送用スクリユーであり、１４は機
底側部に水平に位置せしめ、その端部に穀粒搬送
用の送風機１５を連設し、他端に緩やかな穀粒の
助走路をとつてから揚穀部１６を設け、穀桿供給
口４近辺に設けた穀粒回収口１７に接続した穀粒
回収路である。そして、この穀粒回収路１４の水
平部分には移送用スクリユー１３の移送終端に連
通する落下口１８が形成してある。１９は第２処
理受函であり、２０は放出口８より排出された排
桿を上方に搬送しながら排出するための排桿コン
ベアである。２１は第２図に示すように多数の円
盤刃２２を１本の軸２３に定間隔で配設し、選別
コンベア９の始端部部分において、この選別コン
ベア９の上面に円盤２２の終面が接触するように
配設した選別部材である。この選別部材２１は回
転するものであるが、そのためにはそれ自体独自
の駆動源を有して回転させてもよいが、選別コン
ベア９との接触によつて従動せしめてもよい。ま
たこのように選別部材２１を選別コンベア９に従
動せしめる場合においては、この選別コンベア９
に対して選別部材２１の円盤２２がスリツプする
ことも憂慮されるが、これを防止するために、こ
の円盤２２の周面に細かな凹凸（歯車状）を形成
することもある。なお、図面中２４は扱胴１の終
端部（排出側）に配設した板体であり、この板体
２４の形状はＷ字状に曲折形成して第３図のよう
な形状をなしている。この板体２４が存在するこ
とによつて扱胴１の終端部に至つた排桿（幹）は
板体２４により積極的に下方にたたき落され確実
に排出されるのである。したがつて、この板体２
４の形状にさらにネジリを付加すると、より効果
的である。

〈作用〉 次に本考案の作用について述べると、供給口４
より未脱粒の穀桿を投入すると扱胴１の回転に伴
ない扱刃３の作用で扱胴１の軸芯方向に沿つて後
方（すなわち扱胴１と並行方向）に移送されなが
ら穀桿から穀粒が分離される。この場合、扱胴１
の回転にともなつて板体２４も回動するため、扱
胴１の終端部に達つした排桿は、この板体２４の
回転作用によつて強制的に下方に落下せしめられ
ることになる。穀粒及び小さ目の莢屑等は受網５
の目を通つて下方の穀粒流下板７に落下し、流下
して選別コンベア９に至る。既脱粒の穀桿及び受
網５から落下し得なかつた大き目の莢屑等は受線
６が振動することにより選別され、選別コンベア
９に落下する。そして、選別コンベア９上に落下
した穀粒は選別コンベア９上を傾斜面に沿つて転
がつて、移送用スクリユー１３方向に落下し、既
脱粒穀桿及び莢屑等は選別コンベア９により上方
に搬送され、或いは風選用の送風機１０により吹
き飛ばされて、外部に放出される。この場合、選
別部材２１は選別コンベア９と接しながら第１図
に示す矢印方向に回転するのであるが、選別コン
ベア９上の穀粒はこの選別部材２１の円盤２２の
隙間を通過してさらに下方の移送用スクリユー１
３に達するが、仮に選別コンベア９上に１ケ所に
穀粒が集中したとしてもこの選別部材２１によつ
てこれらの穀粒は選別コンベア９のほぼ全幅にわ
たつて分散されるとともに、莢屑等は選別コンベ
ア９の上方に押し上げられるのである。選別され
て移送用スクリユー１３に至つた穀粒は機体２一
側に移送されて、穀粒回収路１４の水平部分に形
成した落下口１８により穀粒回収路１４内に落下
する。穀粒回収路１４に至つた穀粒は穀粒搬送用
の送風機１５の風圧を受けて穀粒回収路１４内を
揚穀部１６を経由して穀粒回収口１７より回収さ
れる。排塵用の送風機１１は選別コンベア９の下
側にまわりこんだホコリとか莢屑及び受線６から
選別コンベア９上に落下した既脱粒穀桿を吹き飛
ばす働きをする。又、選別できなかつた穀粒は莢
屑等と共に第２処理用受函１９内に回収されるの
で再度供給口４に投入してやると選別作用を受け
て完全に穀粒のみを回収できるものである。

〈考案の効果〉 以上のように本考案にかかる脱粒機における選
別装置によれば供給により投入した未脱粒穀桿は
脱粒作用を受けながら迅速に放出口方向に向けて
移送されるので扱胴内における穀桿の滞留時間が
短かくて済み、短時間に大量の穀桿を投入しても
スムースに脱粒処理でき、しかも選別だけでなく
穀粒の回収も風力によつて行なつているので穀粒
を損傷することなく回収できるという効果を有す
るのみならず、選別部材の円盤を回転させている
ので選別コンベア上の一部に集中した穀粒を選別
コンベアのほぼ全幅に拡散せることができること
になり、効率のよい選別をなすことができ、しか
もこの選別部材は上方に向つて回転するようにし
てあるので莢屑等はこの選別部材によつて上方に
押し上げられ移送用スクリユー側に落下すること
がないという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案にかかる脱粒機における選別装
置の一実施例を示すものであり、第１図は断面
図、第２図は選別部材の側面図イと正面図ロ、第
３図は板体の斜視図である。 １……扱胴、２……機体、３……扱刃、４……
供給口、５……受網、６……受線、７……穀粒流
下板、８……放出口、９……選別コンベア、１
０，１１，１５……送風機、１２……選別通路、
１３……移送用スクリユー、１４……穀粒回収
路、１６……揚穀部、１７……穀粒回収口、１８
……落下口、１９……第２処理受函、２０……排
桿コンベア、２１……選別部材、２２……円盤、
２３……軸、２４……板体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体の内腔長手方向に、多数の扱刃を植設した
   扱胴を回転自在に横架軸支し、この扱胴の下方に
   は受網を配設し、機体の一側でかつ扱胴に通じる
   部分に未脱粒の穀桿を供給するための供給口を設
   け、さらに受網の下方には機体の後面に形成した
   放出口方向に向うにしたがい徐々に下降傾斜せし
   めた穀粒流下板を装設し、穀粒流下板の終端部下
   方には、この穀粒流下板の終端部下方から機体後
   方に向けて徐々に上昇傾斜する選別コンベアを配
   設するとともに、穀粒流下板の下方には前記選別
   コンベア上面を機体後方に送風する送風機を、ま
   た選別コンベアの下方にはこの選別コンベア後端
   方向に送風する送風機をそれぞれ配設した脱粒機
   において、前記穀粒流下板の下部でかつ選別コン
   ベアの下方上面に、複数の円盤を所望間隔を保持
   して上方に向つて回転する軸に配設したことを特
   徴とする脱粒機における選別装置。