JPH0115201Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案はたとえばストリツプラインと誘電体共
振器を使用した帯域阻止形のマイクロ波フイルタ
に用いることができる誘電体基板とストリツプラ
インとの接続構造に関する。

（従来技術） 一般に、この種の帯域阻止形のマイクロ波フイ
ルタは、第１図に示すように、阻止するマイクロ
波の波長の1/4の間隔ｄをおいて、ストリツプ導
体１とアース導体２との間に、コンデンサＣ，
Ｃ，…を介して誘電体共振器３，３，…を接続し
た回路構成を有する。上記誘電体共振器３は、第
２図に示すように、筒状の誘電体４の内周面およ
び外周面に夫々内導体５および外導体６が形成さ
れ、これら内導体５および外導体６が上記誘電体
４の一端（短絡端）にて短絡導体７により相互に
短絡されたもので、上記内導体５内にはバネ端子
８のバネ片８ａが挿入され、このバネ端子８にコ
ンデンサＣが半田付けされている。

ところで、上記の如きマイクロ波フイルタで
は、従来より、第３図に示すように、金属ケース
１１の一部を構成する金属板１１ａを間にして、
金属ケース１１の外側にストリツプライン１２
を、また、金属ケース１１の内側に誘電体共振器
３を夫々配置し、ストリツプライン１２のアース
電極１３および誘電体共振器３の外導体６を夫々
上記金属板１１ａに半田付けする一方、誘電体共
振器３の内導体５に取り付けられたコンデンサＣ
を、金属板１１ａに設けた透孔１１ｂを通る導線
１４により、ストリツプライン１２のストリツプ
導体１５に接続している。上記ストリツプ導体１
５は誘電体基板１６を介してアース導体１３と対
向している。

上記の如きマイクロ波フイルタでは、アース電
流は、誘電体共振器３の外導体６から金属板１１
ａを経由してストリツプライン１２のアース導体
１３へ流れるが、金属板１１ａの厚さによつてア
ース電流の経路が長くなる。その結果、マイクロ
波フイルタの通過ロスが大きくなつてＱ値が低下
するうえ、金属板１１ａの厚み分だけ金属ケース
１１の寸法が大きくなるといつた欠点があつた。

（考案の目的） 本考案は上記欠点を解消すべくなされたもので
あつて、その目的は、マイクロ波フイルタ等にお
いて、金属板に形成された孔に誘電体共振器を少
なくとも一部収容してこの孔の内部で導電性を有
する弾性部材をストリツプラインのアース導体と
誘電体共振器の外導体とに圧接させることによ
り、誘電体共振器とストリツプラインとの間隔を
小さくして、アース電流の経路を短くし、ロスを
改善するとともに、形状の小形化を図ることがあ
る。

（実施例） 以下、添付図面を参照して本考案の実施例を説
明する。

本考案に係るマイクロ波フイルタの一実施例を
第４図に示す。

第４図に示すマイクロ波フイルタは、第３図の
マイクロ波フイルタにおいて、金属ケース１１の
金属板１１ａに誘電体共振器３が少なくとも一部
嵌入する四角形状の孔１１ｃを形成し、この孔１
１ｃに誘電体共振器３を嵌入するとともに、この
孔１１ｃの内部に導電性を有する弾性部材として
の板バネ２１を設け、この板バネ２１の一部をそ
の弾性力によつてストリツプライン１２のアース
導体１３および誘電体共振器３の外部導体６に圧
接させるようにしたものである。

上記板バネ２１の弾性力により第４図において
下方に付勢される誘電体共振器３は、金属ケース
１１のカバー１１ｄにより受け止められている。

上記第４図においては、第３図と対応する部材
には同一の符号を付して示しており、重複を避け
るためにその部分の説明は省略する。

上記のようにすれば、金属板１１ａの厚みがた
とえば１mmであつても、板バネ２１として薄い金
属板を使用し、その湾曲部２１ａ，２１ａの突出
量を0.2mm程度とすれば、金属板１１ａの上記厚
みによる寸法増加を抑えることができ、アース電
流の経路もそれだけ短くなる。

上記板バネ２１に代えて、スチールウール等の
導電性を有する弾性部材を使用することもでき
る。

（考案の効果） 以上、詳述したことからも明らかなように、本
考案では、ストリツプラインのアース導体を導電
的に接着した金属板の孔の内部で導電性を有する
弾性部材を上記アース導体と誘電体共振器の外導
体とに圧接させるようにしたから、誘電体共振器
とストリツプラインのアース導体との間隔が小さ
くなり、アース電流の経路が短く通過ロスも小さ
くすることができ、誘電体共振器とストリツプラ
インを組合せた装置の寸法も小さくすることがで
きる。

また、誘電体共振器とストリツプラインとの間
には弾性部材が介装されているため、機械的な過
大接触圧、衝撃や熱的な衝撃により、ストリツプ
ラインの誘電体基板にワレ等が生じるのを防止す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はマイクロ波フイルタの等価回路図、第
２図は誘電体共振器の縦断面図、第３図は従来の
マイクロ波フイルタの一部断面斜視図、第４図は
本考案に係るマイクロ波フイルタの一実施例の一
部破断斜視図である。 ３……誘電体共振器、６……外導体、１１ａ…
…金属板、１１ｃ……孔、１２……ストリツプラ
イン、１３……アース導体、１４……導線、１５
……ストリツプ導体、１６……誘電体基板、２１
……板バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ストリツプラインのストリツプ導体に誘電体共
   振器の内導体が直接あるいは他の部品を介して導
   通され、誘電体基板を間にしてストリツプ導体と
   対向するアース導体と誘電体共振器の外導体とが
   相互に導通された構造であつて、金属板の一つの
   主表面にストリツプラインのアース導体が導電的
   に接着されるとともに、上記金属板に形成された
   孔に誘電体共振器が少なくとも一部嵌入され、こ
   の孔の内部で誘電体共振器の外部導体が導電性を
   有する弾性部材を介してストリツプラインのアー
   ス導体に圧接していることを特徴とする誘電体基
   板とストリツプラインとの接続構造。