JPH0114984Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ステレオマイクロホン入力に使用
するジヤツクを有した音響機器に関する。

従来、１本の軸からなるステレオプラグを有す
るマイクロホンは存在しなかつたため、ステレオ
マイクロホン入力のための１個のジヤツクという
ものも存在しなかつた。従来、ステレオのテープ
レコーダ、テープデツキ、ラジオカセツト、ビデ
オカメラ、アンプ等の音響機器では、１本の軸か
らなるモノラルプラグをさし込むマイクロホン入
力ジヤツクが２個設けられていた。この場合、プ
ラグをジヤツクにさし込む動作が２回必要であ
り、さらに左右をさし込み違えるおそれがあると
いう欠点があつた。

この考案のジヤツクは、新規な１本の軸からな
るプラグをもつステレオマイクロホンと接続する
もので１個でよく、従つてさし込み動作は１回で
すみ、さらにさし込み違いの生ずる余地がないの
で、前記の従来の欠点を取り除くことができる。

この考案は、前記の新規なステレオマイクロホ
ンの１本のプラグをさし込むための単一のジヤツ
クをもつ音響機器を提供することを目的とする。

また、従来、プラグを用いてステレオ録音とモ
ノラル録音を行うには、ＬチヤンネルとＲチヤン
ネルの両方のマイクジヤツクを設け、モノラル録
音のときにはＬ，Ｒ両チヤンネルの信号を加えた
り、内部回路を切換えてＬ，Ｒチヤンネルのどち
らか一方のみを加えるようにするなどしている
が、構成が複雑になるばかりでなく、操作性が悪
い欠点があつた。

この考案は上記の欠点をも除去するためになさ
れたものである。

以下、この考案を図面を参照して説明する。

第１図はこの考案の一実施例を示す回路図で、
Ｊはステレオマイクジヤツクで、可動接片S_RとS_L
とを有している。A₁は第１の増幅器、A₂は第２
の増幅器、R₁〜R₆は抵抗器、Ｑはトランジスタ、
＋Ｂは電源である。

第２図ａ，ｂはそれぞれステレオマイクプラグ
P_SとモノラルマイクプラグP_Mの要部を示すもの
で、いずれも第１図のステレオマイクジヤツクＪ
に挿入される。第２図ａに示すようにステレオマ
イクプラグP_Sは、接触部C_L，C_R，C_Eが設けられ、
絶縁体Ｉでそれぞれ分離されている。一方、モノ
ラルマイクプラグP_Mは第２図ｂに示すように、
接触部Ｃ，C_Eが絶縁体Ｉで分離されて設けられ
ており、接触部C_Eは第２図ａのステレオマイク
プラグP_Sの接触部C_R，C_Eとその間の絶縁体Ｉの
３ケ所分の大きさとなつている。

さて、第１図において、今、第２図ａのステレ
オマイクプラグP_SがステレオマイクジヤツクＪに
挿入されたとする。すると、電源＋Ｂは抵抗器
R₁と、可動接片S_Rに接続されたマイクの出力直
流抵抗分とで分圧される。マイクの出力直流抵抗
分は十分に大きいので、Ｐ点の電位は大きくな
り、これが抵抗器R₂を通つてトランジスタＱの
ベースに印加され、トランジスタＱはオンとな
る。したがつて、第１の増幅器A₁の入力端と第
２の増幅器A₂の入力端との間に配された抵抗器
R₃とR₄の接続点は接地され、各可動接片S_L，S_R
を通つたＬチヤンネル信号およびＲチヤンネル信
号は互いに混合されることなく、それぞれ第１、
第２の増幅器A₁，A₁により増幅されてステレオ
録音がなされる。

次に、第２図ｂのモノラルマイクプラグP_Mを
挿入した場合には、ステレオマイクジヤツクＪの
可動接片S_Rは、２図ｂの接触部C_Eに接触して接
地されるため、電源＋Ｂは抵抗器R₁を通して接
地され、Ｐ点の電位は下がり、したがつてトラン
ジスタＱはオフとなる。そのため、抵抗器R₆を
通つたＬチヤンネルからのモノラル信号は抵抗器
R₄，R₃を通つて第２の増幅器A₂に加えられ、第
２の増幅器A₂はＬチヤンネル信号のみのモノラ
ル信号を出力し、モノラル録音が行われる。な
お、第１の増幅器A₁もＬチヤンネルのみのモノ
ラル信号を出力し、モノラル録音を可能にする。
このようにして、抵抗器R₃及びR₄とスイツチン
グ素子としてのトランジスタＱとの作動により、
使用するプラグがステレオマイクプラグP_Sか、モ
ノラルマイクプラグP_Mかによつて、自動的に録
音をステレオ、モノラルに切換えることができ
る。

なお、上記実施例における第１、第２の増幅器
A₁，A₂は、ＬチヤンネルとＲチヤンネルを逆に
しても全く同様に動作する。また、トランジスタ
Ｑはスイツチング動作するものであれば他の素子
でもよい。

この考案のジヤツクをステレオ音響機器に設
け、前記のステレオマイクロホンの１本の軸から
なるプラグを１動作でこれにさし込むことによつ
て確実に左右両チヤンネルの回路が接続される。

この考案は、音響機器へのマイクロホン接続の
迅速、確実、容易性を高めるとともに、機器側の
ジヤツクの必要個数が１個ですみ、これと組み合
わせるマイクロホンにつけるプラグも１個ですむ
ため、部品点数が減り、機器側のジヤツク取付け
スペースが減るため機器の小型化に役立ち、省資
源と製造コストの減少と計ることができる。

またこの考案によればステレオマイクプラグと
モノラルマイクプラグのいずれかをステレオマイ
クジヤツクにさし込むだけでステレオ録音とモノ
ラル録音を自動的に切換えることができるので、
最小の部品点数でかつ、きわめて操作性のよいス
テレオマイクロホンジヤツクを有する音響機器が
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す回路図、第
２図ａ，ｂはこの考案に使用するステレオマイク
プラグとモノラルマイクプラグの要部を示す図で
ある。 図中、Ｊはステレオマイクロホンジヤツク、
S_L，S_Rは可動接片、A₁は第１の増幅器、A₂は第
２の増幅器、R₁〜R₆は抵抗器、Ｑはトランジス
タ、＋Ｂは電源、P_Sはステレオマイクプラグ、P_M
はモノラルマイクプラグである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １本の軸上に左右両側の出力を取り出す部分と
   アース出力を取り出す部分とを有したプラグがさ
   し込まれ、前記アース出力を取り出す部分に接続
   される１個のアース端子と前記左右両側の出力を
   取り出す部分にそれぞれ接続される２個の可動接
   片を有するステレオマイクロホンジヤツクと、 前記２個の可動接片にそれぞれ接続された第１
   及び第２の増幅器と、 該第１及び第２の増幅器の夫々の入力端間に配
   された２分割された抵抗器と、 該２分割された抵抗器の中点に接続された第１
   の端子、前記ステレオマイクロホンジヤツクにス
   テレオプラグが挿入されるとき、モノラルプラグ
   が挿入されるときに比して大なる値の電圧が供給
   される第２の端子、及び、接地された第３の端子
   を有し、前記ステレオマイクロホンジヤツクにモ
   ノラルプラグが挿入されたとき、上記モノラルプ
   ラグから上記第２の増幅器に供給されるモノラル
   信号が上記２分割された抵抗器を通つて上記第１
   の増幅器に供給されるべく非導通状態とされ、上
   記ステレオマイクロホンジヤツクにステレオプラ
   グが挿入されたとき、上記ステレオプラグからの
   一対のステレオ信号を前記第１及び第２の増幅器
   に夫々供給すべく導通状態とされるスイツチング
   素子と、 を備えたことを特徴とするステレオマイクロホン
   ジヤツクを有する音響機器。