JPH0114213Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は座盤が前後に傾動可能な機能を有する
椅子に関する。

従来、椅子で座盤前部が下方へ傾動即ち首ふり
運動可能なようにしたものが各種開示されてい
る。例えば実公昭50−15766号の椅子にあつては、
座部支持用脚部の支持部材を十字状に配し、各支
持部材先端で座盤を支持しているが、支持部材先
端は夫々座盤の四辺中央を支持する状態となり、
該椅子の前後傾即ち座盤前部の前傾運動に対して
は支持部材の一本のみが、この座盤を前方で支持
する状態となつている。従つて、座盤とこの支持
部材の支持状態は、一点での支持となり安定した
前傾動作を支持することにはならずこれを安定さ
せる為には支持部材を強力なものとし、しかも支
持部材先端と座盤下の取付状態は強固でなければ
前傾動作と同時に左右の横揺れ動作がなされ正し
い椅子の前傾使用状態を得ることができない問題
点を有している。

本考案は従来のこのような問題点に鑑み座盤の
前傾並びに後傾に対し安定した支持をなしその各
動作を前後動のみでなさしめるとともに前傾動作
の時における座盤の傾斜運動が片寄りなく安定し
た状態でなし得るものを提供せんとするものであ
る。

この考案の目的を達成する為に、本考案では、
端部開口を上方に向けた側面視略Ｕ字形の一対の
中空パイプ製支脚の上端部をそれぞれ連結する奥
行方向に配した両側ビームの中央部に椅子座盤を
前後傾動可能に傾動支持手段にて枢支するととも
に、該支脚の上端を座盤下面の前方２点、後方２
点で支持する位置に設定し、該支脚のそれぞれの
上端部には、頭部上面を球面形状となした杆体を
上下スライド移動可能に嵌装し且つ支脚又は杆体
内に配したスプリングにて該杆体を支脚に対して
上方弾性付勢してなる支持部材を取付け、該支持
部材の杆体頭部により前記座盤下面を当接支持す
ることにより達成した。

図示した実施例に基づき本考案の詳細を更に説
明すると、 椅子座盤１の下面を支脚２上端で前方２点、後
方２点で支持してなり各支持部分においては支脚
２上端に上方へ向け弾性付勢してなる支持部材３
を取付け座盤１を支持させてなるとともに座盤１
を支脚２に対し前後傾斜可能に傾動支持手段４を
座盤１と支脚２間に設けてなるものであつて、図
例のものは側面視略Ｕ字型の一対の中空パイプ製
支脚２をその上端開口を上方に向けて該上端を椅
子座盤１の下面に対し前方２点後方２点で支持す
る位置に配し支脚２上端には支脚２内から弾性付
勢し支脚パイプ内径より大なる上面が球面形状の
頭部をもつ支持部材用杆体５を上下スライド可能
に取付けたものである。即ち一対の略Ｕ字型の中
空パイプ製支脚２は左右対向して配置しその上端
部分はビーム６，７によつて互いに強固に連結さ
れ、支脚２上端に設けた支持部材３により座盤１
下面を支持し、かつこの座盤１下面と支脚２上端
を互いに連結した奥行方向のビーム７の中央部と
の間に傾動支持手段４が設けられている。尚、座
盤１背部には関節部材８を介して背もたれ９が連
接されている。ここに支脚２上端に上方へ向け弾
性付勢してなる支持部材３として第３図のものは
中空パイプの支脚２上端内に一端を固定したスプ
リング１０を内装し、このスプリング１０の他端
で受止められた支持部材用杆体５を挿入しスプリ
ングが自然状態で杆体５先端が支脚２の上端から
突出した状態（第１図参照）に設定したものであ
る。又図例の傾動支持手段４は略Ｌ型の板材を座
盤１下面の左右両側に取付け該板材の垂下片１１
とビーム７とを軸１２で枢着してなるものであ
る。もつて一対の支脚２，２上端の支持部材３で
弾性的に支持されてなる座盤１に対し第１図のＡ
又はＢの荷重がかけられることにより夫々の支脚
２上端における支持部材３は支脚２内に没入しも
つて座盤１に一定角度の傾斜を与えるとともにこ
の荷重を解除した時には元の位置に復帰する。そ
して夫々の荷重時における前後傾斜運動は傾動支
持手段４を中心として前後になされる。第４図で
示した支持部材３に関する他の実施例は、第３図
のものが支持部材用杆体５が支脚２上端内部に内
装された状態であるのに対し、支脚２上端に外嵌
した状態のものを示す。

従つて支脚上端で支持されたスプリング１３
は、この支脚２に外嵌してなる支持部材用杆体１
４頭部内面との間に介在され、もつて外嵌状態の
支持部材用杆体１４を上方から押圧することによ
り第４図の想像線と実線状態の上下動即ち弾性付
勢状態が得られるものである。

以上のように本考案に係る椅子は椅子座盤の下
面を支脚上端により前方２点後方２点で支持して
なり、各支持部分においては支脚上端に上方へ向
け弾性付勢してなる支持部材を取付け座盤を支持
させてなるとともに座盤の奥行方向中央部を支脚
に対し前後傾斜可能に支持する傾動支持手段を座
盤と支脚間に設けてなることから、座盤に対し前
後夫々の荷重が加えられても傾動支持手段を中心
として座盤の各部は傾動しその時支脚上端の支持
部材はその傾斜動に対し傾斜動を弾性的に支持し
ながら受止め荷重が解除された時即ち椅子使用者
が立上つた時には第１図の状態に復帰するもので
ある。また支持部材の杆体頭部を球面形状となし
たことから、前記座盤の傾斜動の際には該頭部が
座盤下面をスムースに摺動支持することができ、
更に杆体と支脚上端部は互いに上下スライド可能
に嵌装した関係にあるとともに、支脚に対して杆
体を上方へ弾性付勢するためのスプリングを支脚
又は杆体内部に配したことにより、杆体の没入時
に該スプリングが他の構成部材に衝突したり、湾
曲したりして金属音を発生することなく、座盤を
スムースに確実に支持することができ、そのうえ
スプリングが外部に露出することがないので外観
性にも優れたものとなすことができる。

このような支脚上端で前方２点後方２点で支持
する関係上、座盤の前後傾斜動に対しては安定し
て１点ではなく２点で支持することから座盤は安
定した傾斜角度をとることができる上に傾動支持
手段が座盤に取付けられているので、座盤は第２
図の左右方向への傾斜はなされず常に前方又は後
方への傾斜のみに規制され安定した前後傾斜機能
を有する椅子が提供されるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図並びに第２図は本考案の実施例を示す説
明図、第３図は第１図の支脚上端部分の実施例断
面図、第４図は同様な他の実施例を示す。 １……座盤、２……支脚、３……支持部材、４
……傾動支持手段、５……杆体、６……ビーム、
７……ビーム、８……関節部材、９……背もた
れ、１０……スプリング、１１……垂下片、１２
……軸、１３……スプリング、１４……杆体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 端部開口を上方に向けた側面視略Ｕ字形の一対
   の中空パイプ製支脚の上端部をそれぞれ連結する
   奥行方向に配した両側ビームの中央部に椅子座盤
   を前後傾動可能に傾動支持手段にて枢支するとと
   もに、該支脚の上端を座盤下面の前方２点、後方
   ２点で支持する位置に設定し、該支脚のそれぞれ
   の上端部には、頭部上面を球面形状となした杆体
   を上下スライド移動可能に嵌装し且つ支脚又は杆
   体内に配したスプリングにて該杆体を支脚に対し
   て上方弾性付勢してなる支持部材を取付け、該支
   持部材の杆体頭部により前記座盤下面を当接支持
   してなることを特徴とする椅子。