JPH0113705Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、屋根に設けた換気口に装着し、屋内
の換気を行なうための屋根換気装置に関するもの
で、特に虫や雨水の侵入防止を図つた屋根換気装
置に関するものである。

工場建屋の屋根等にあつては、屋内の熱気や粉
塵等のまじつた内気を放出し、新鮮な外気を取入
れるため、屋根に換気口を設けることが多いが、
換気口を設けると虫や雨水等が屋内に侵入しやす
くなるため、これを防止する手段が必要となる。

本考案の目的は、屋内の換気は勿論、虫や雨水
等の侵入を防止するのに好適な屋根換気装置を提
供することにある。具体的には、本考案に係る屋
根換気装置は、屋根に設けた換気口に装着する屋
根換気装置であつて、中央室を有する内側型材
と、これを覆う断面形状を有する外側型材とで側
室を区画形成し、中央室は下部を屋根の換気口に
連通させると共に上部を側室に連通させ、かつ側
室には外部と連通する通気口を設けると共に下部
に排水口を設け、側室の通気口の内側において該
通気口を挟んでその上下に、長手方向に連続する
突片と外側型材の側面部とによつて断面Ｖ字形状
の係止部を設け、通気口の内側に設けた上下の係
止部の間に、長手方向に連続する防虫網を係止装
着するように構成したものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第
２図は分解図、第３図は屋根へ複数装着した状態
の斜視図である。図示の例では本考案に係る屋根
換気装置は内側型材１と外側型材２とを組合せ、
折板屋根を形成する鋼板製の屋根材３の突部４屋
外側へ取付けるものとなつている。

内側型材１は、断面が略矩形の本体部５と、該
本体部５の下部に形成された断面が八字形状の水
切板６及び取付片７とから構成してある。本体部
５は、開口８を形成した上板９と、この上板９の
両縁に水切１０を残して下方に連なる二枚の側板
１１とから形成され、これら上板９と側板１１と
で中央室１２が区画形成されている。また上板９
の開口８は、屋根材３の突部４に長手方向で複数
設けられている換気口１３と対応する位置に複数
設けてあり、換気口１３と共に縁部を立上げた止
水部１４を備えている。そして側板１１には、外
側型材２と結合するため下縁近くに断面が略円形
状の凹部１５が形成してある。

水切板６は、途中から取付片７が突出し、この
取付片７の付け根から側板１１との間がいわば肩
部として屋根材３の突部４の上面４ａ上に載置さ
れるようになつている。また取付片７は、突部４
へ内側型材１を嵌合、載置するにあたり突部４の
側面４ｂに密接し、パツキング１６を介してボル
ト１７で固定取付けできるようになつている。

外側型材２は、断面がアーチ形状の天井部１８
と、該天井部１８に連なる側面部１９と、該側面
部１９の下端近辺から内方に突出する差込部２０
とから形成され、差込部２０を内側型材１の側板
１１に設けた凹部１５内へ差し入れて内側型材１
と結合するようになつている。そして、この外側
型材２は内側型材１と結合した状態で内側型材１
との間に側室２１を区画形成し、中央室１２は開
口８によつて上部が側室２１と連通する。

側面部１９には屋根材３の突部４の長手方向
で、外部と連通するための複数の通気口２２が設
けてある。この通気口２２は、側面部１９の一部
を所定の長さだけ切込み、しかる後に切込んだ部
分の下側を押し込んで開口斜板部２３を内部の側
室２１に突出させて形成したものである。開口斜
板部２３は、雨水が通気口２２から直接に側室２
１内へ侵入することを防止可能としているもので
ある。

側室２１の通気口２２を設けた部位の内側に
は、通気口２２を挟んでその上下に、突片２４が
屋根材３の突部４の長手方向に沿つて設けてあ
り、側面部１９との間に断面Ｖ字形状の係止部２
５を形成している。この係止部２５には側室２１
ひいては中央室１２から屋内３０への虫や雨水等
の侵入を防ぐための防虫網２６が装着される。

防虫網２６は開口斜板部２３を避けてアーチ状
に湾曲させ、両端部を図示の如く係止部２５へ差
し入れることで装着されるようになつている。実
際にこの防虫網２６を係止部２５へ装着するにあ
たつては、外側型材２の一端側から防虫網をアー
チ状に湾曲させつつ挿入してゆくか、又は外側型
材２の全長に亘つて防虫網２６の一方の縁を一方
の係止部２５へ差込んでおき、防虫網２６を全体
的にアーチ状に湾曲させつつその縁を他方の係止
部２５内へ一気に嵌めこむようにする。但し、後
者の取付け方法は外側型材２を内側型材１へ取付
ける前に行なわなければならないことは勿論であ
る。尚、防虫網２６は防錆の必要性からステンレ
ス製やコーテイングを施したもの等が好ましい。
またそのメツシユの大きさは通気性と侵入を防止
すべき虫の大きさ等を勘案して適宜選定すればよ
い。

外側型材２の差込部２０は、縁部２７を内側型
材１の側板１１に設けた凹部１５と相応する形状
の断面円形状としてある。外側型材２を内側型材
１へ取付けるにあたつては、縁部２７を内側型材
１の一端側で凹部１５内へ差し込み、その後外側
型材２全体を凹部１５でガイドさせつつ摺動さ
せ、差込部２０の全長に亘つて縁部２７を凹部１
５と嵌合させればよい。また差込部２０には、所
定間隔を置いて排水口２８が複数形成してあり、
たとえ通気口２２から雨水等が侵入してもすぐに
外部へ排水できるようになつている。

尚、上記した本装置を屋根材３の突部４へ取付
けるに際しては、先に内側型材１を突部４へ載置
固定した上で外側型材２を取付けるようにして
も、内，外両側型材１，２を組合せた後に突部４
へ載置固定するようにしても、いずれでもよい。
また上記の内側型材１、外側型材２は、アルミニ
ウム等の押出し型材で形成してあり、両端には蓋
２９が配されるものである。

本装置を屋根に取付けると、屋内３０の空気、
熱気等は屋根材３の突部４の換気口１３から中央
室１２を通り、中央室１２上部の開口８から天井
部１８内面に沿つて側室２１内を流れ、防虫網２
６を通過して通気口２２から外部へと流出する。
一方屋外の新鮮な空気は上記とは逆の経路で屋内
３０へと流入する。

雨水等は、風の具合によつて通気口２２から直
接に側室２１内へ吹き込んでくるか、又は開口斜
板部２３に当つて跳ねることによつて入り込んで
くるが、ほとんどが防虫網２６に付着し、防虫網
２６を伝つて差込部２０上に垂れ、排水口２８か
ら外部に排水される。また防虫網２６を通過して
も、内側型材１の上板９に設けた水切１０や止水
部１４によつて止められ、中央室１２内へ侵入す
ることはできない。

本考案に係る屋根換気装置は、以上説明してき
たように、内側型材と外側型材とで中央室と側室
を区画形成し、該中央室は下部を屋根に設けた換
気口に連通させると共に上部を側室に連通させ、
側室には外部と連通する通気口を設けると共に該
通気口の内側に通気口を挟んで防虫網を装着する
ものとしたため、防虫網によつて換気口内に虫が
侵入するのを確実に防止することができ、また防
虫網を装着したことにより、雨水の跳ね返りによ
つて飛散する水滴が中央室内へは浸入しないよう
になり、また微少なりとも側室に浸入した雨水は
側室下部の排水口より排水されるという種々の効
果がある。

しかも上記した防虫網は、その上下係止部と共
に長手方向に連続するものであるため、その上下
係止部に対しスライド方式等によつて簡単に取付
けることができる。

更に上記各係止部は、断面Ｖ字形状に形成され
てあるので、防虫網の装着が容易に行えると共
に、強固な装着をなし得て外れにくいという効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す拡大斜視図、
第２図はその分解図、第３図は第１図の実施例を
屋根に複数数装着した状態の斜視図である。 １……内側型材、２……外側型材、３……屋根
材、４……突部、１２……中央室、１３……換気
口、２１……側室、２２……通気口、２５……係
止部、２６……防虫網、２８……排水口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 屋根に設けた換気口に装着する下記要件を備え
   たことを特徴とする屋根換気装置。 (イ) 中央室を有する内側型材と、これを覆う断面
   形状を有する外側型材とで側室を区画形成す
   る。 (ロ) 中央室は下部を屋根の換気口に連通させると
   共に上部を側室に連通させ、かつ側室には外部
   と連通する通気口を設けると共に下部に排水口
   を設ける。 (ハ) 側室の通気口の内側において該通気口を挟ん
   でその上下に、長手方向に連続する突片と外側
   型材の側面部とによつて断面Ｖ字形状の係止部
   を設ける。 (ニ) 通気口の内側に設けた上下の係止部の間に、
   長手方向に連続する防虫網を係止装着する。