JPH0113706Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、折板屋根の換気装置に関するもの
で、特に換気と共に雨水の侵入防止と装着の容易
化とを実現した折板屋根の換気装置に関するもの
である。

工場建屋の屋根等にあつては、屋内の熱気や紛
塵等のまざつた内気を放出し、新鮮な外気を導入
するため、屋根に換気口を設ける必要性が感じら
れることが多いが、換気口を設けると雨水が屋内
に侵入し易くなるためこれを防止する手段も必要
となるという問題があつた。また工場建屋に多く
用いられる折板屋根の場合は、凹凸が激しいため
簡単には換気装置を装着しにくいという問題もあ
つた。

本考案は上記の問題に着目してなしたもので、
折板屋根の換気と共に、雨水の侵入防止を図れて
取付けの容易な折板屋根の換気装置を提供するこ
とを目的としている。

具体的には、本考案に係る折板屋根の換気装置
は、折板屋根材の突部に形成した換気口に換気覆
い体を装着する折板屋根の換気装置であつて、上
記換気覆い体は、内側型材と外側型材とを組合わ
せて形成し、かつ内部に迂回換気路を有してな
り、上記内側型材の左右両側板にそれぞれ凹部を
形成し、該凹部に外側型材の左右両側面部の内方
に形成した差込部を嵌合して組合わせ、上記換気
覆い体を構成する内側型材の下部に、折板屋根材
の突部上端に嵌合し止着する八字状の取付片を設
け、上記内側型材の取付片の付け根に肩部を形成
し、折板屋根材の突部上面に載置して構成したも
のである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図は、本考案の一実施例を示す斜視図、
第２図は分解図、第３図は折板屋根へ複数装着し
た状態の斜視図である。図示の例では、本考案に
係る折板屋根の換気装置に係る換気覆い体１を、
主に内側型材２と外側型材３とを組合わせて構成
し、この換気覆い体１を折板屋根材４の突部５の
上端へ装着するものとしている。

内側型材２は、断面が略矩形の本体部６と、該
本体部６の下部に形成された断面が略八字形状の
取付片７と、該取付片７の途中から突出形成され
た水切板８とから構成してある。本体部６は、開
口部９を形成した上板１０と、この上板１０の両
縁に水切１１を残して下方に連設された二枚の側
板１２とから形成され、内部が中央換気路１３と
なつている。本体部６の上板１０に設けた開口９
は、折板屋根材４の突部５の上面５ａに長手方向
で複数設けられた換気口１４と対応する位置に複
数設けてあり、換気口１４と共に縁部を立上げた
止水部１５を備えている。また側板１２は、下縁
近くに断面が略円形状の凹部１６が外側型材３と
の結合用として形成してある。

外側型材３は、断面がアーチ状の天井部１７
と、該天井部１７に連なる側面部１８と、該側面
部１８の下端近辺で内方に突出する差込部１９と
から形成され、差込部１９を上記内側型材２の側
板１２の凹部１６内へ差し入れて内側型材２と結
合するようになつている。尚、これら内側型材２
と外側型材３とはアルミニウム等の押出し型材で
形成してある。

外側型材３は、内側型材２と結合した状態で内
側型材２との間に側方換気路２０を形成し、上記
中央換気路１３と共に迂回換気路２１を構成す
る。即ち、この迂回換気路２１は、屋内２２に換
気口１４を介して直接外気が侵入しないようにす
るため、いわゆる迂回路となるもので、内気は換
気口１４から中央換気路１３、内側型材２の上板
１０の開口部９、側方換気路２０を経て、外側型
材３の側面部１８に設けた通気口２３から屋外に
排出されることになる。勿論外気の流入は逆の経
路で行なわれる。

外側型材３の側面部１８に設けた通気孔２３
は、側面部１８の一部を所定の長さに切込み、切
込んだ部分の下側を押込んで開口斜板部２４を側
方換気路２０内に突出させて形成したものであ
る。この開口斜板部２４は、雨水が通気に２３か
ら直接に側方換気路２０内へ侵入することを防止
可能としている。外側型材３の差込部１９は縁部
２５が断面円形状にしてあり、内側型材２の側板
１２の凹部１６内へこの縁部を挿入することによ
り内側型材２と外側型材３とを組合せられるよう
になつている。尚、図中２６は排水口で、差込部
１９に複数設けてあり、通気口２３から吹込んだ
雨水等をすぐに外部へ排水できるようにしてあ
る。

内側型材２の下部に形成された取付片７は、本
体部６の側板１２と結合する付け根の部分が折れ
曲り、換気覆い体１を折板屋根材４の突部５の上
面５ａへ載置するための肩部２７となつている。

外側型材３の側面部１８には、通気口２３を挾
んで上下に突片２８が側方換気路２０内へ突出形
成され、上下の突片２８間には防虫網２９が装着
できるようになつている。防虫網２９は図示の如
く開口斜板部２４を避けてアーチ状に湾曲させた
状態で上記突片２８間に取付けられ、通気口２３
からの虫の侵入防止と共に、吹き込んでくる雨滴
を付着させて迂回換気路１内への飛散を極力防止
するためのものである。実際の装着に際しては、
外側型材３の一端側から突片２８間に予め湾曲さ
せて差し込むか、一方の突片２８と側面部１８と
の間に一方縁側を挿入し、全体を湾曲させつつ他
方縁も挿入するか、いずれかの方法で行なう。

上記の如く構成した換気覆い体１を折板屋根材
４の突部５へ取付けるには、内側型材２下部の取
付片７間にパツキング３０を介して突部５を嵌合
させ、取付片７の付け根の肩部２７を突部５の上
面５ａに載置してボルト３１で止着する。勿論、
先に内側型材２と外側型材３とを組合せた後に突
部５に取付けるようにすることも、まず内側型材
２を突部５に取付けた後に外側型材３を組合せる
ようにすることも、いずれでも可能である。尚、
図中３２は蓋で、換気覆い体１の開口端を塞いで
いる。

本装置を折板屋根に取付けると、屋内２２の空
気、熱気等は折板屋根材４の突部５の換気口１４
から迂回換気路２１を経て通気口２３から屋外へ
と流出する。一方外気は上記とは逆の経路で屋内
２２へと流出する。

雨水等は、風の具合によつて通気口２３から直
接に側方換気路２０内へ吹込んでくるか、あるい
は開口斜板部２４に当つて飛散することによつて
入り込んでくる。これらの雨水は多くが防虫網２
９に付着して排水口２６から外部に排水されるこ
とになるが、防虫網２９を通過して入り込んだ雨
水は、側方換気路２０から中央換気路１３へ続く
迂回換気路２１を、直接的に折板屋根材４の換気
口１４が外部へ通じないようにしているため、屋
内２２へ入り込むことはできず、結局は排水口２
６から排水される。

以上説明してきたように、本考案に係る折板屋
根の換気装置は、その構成を、内部に迂回換気路
を有すると共に下部に折板屋根材の突部上面に載
置するための肩部を形成した取付片を備える換気
覆い体を、折板屋根材の突部に形成した換気口に
装着するものとしたため、折板屋根への装着が非
常に簡単な装置で、内部の換気が可能となり、加
えて換気口からの雨水の侵入を防止することがで
きるという、多くの効果がある。しかも上記換気
覆い体は、内側型材に外側型材を嵌合させて構成
してあるので、外側型材を簡単に取外すことがで
きて、紛塵の掃除や換気装置の修理等を簡単にな
すことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す拡大斜視
図、第２図はその分解図、第３図は第１図の実施
例を折板屋根に複数装着した状態の斜視図であ
る。 １……換気覆い体、２……内側型材、３……外
側型材、４……折板屋根材、５……突部、７……
取付片、１３……中央換気路、１４……換気口、
１６……凹部、１９……差込部、２０……側方換
気路、２１……迂回換気路、２３……通気口、２
６……排水口、２７……肩部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 折板屋根材の突部に換気口を形成し、該換気口
   に換気覆い体を装着する下記要件を備えたことを
   特徴とする折板屋根の換気装置。 (イ) 上記換気覆い体は、内側型材と外側型材とを
   組合わせて形成し、かつ内部に迂回換気路を有
   してなる。 (ロ) 上記内側型材の左右両側板にそれぞれ凹部を
   形成し、該凹部に外側型材の左右両側面部の内
   方に形成した差込部を嵌合して組合わせる。 (ハ) 上記換気覆い体を構成する内側型材の下部
   に、折板屋根材の突部上端に嵌合し止着する八
   字状の取付片を設ける。 (ニ) 上記内側型材の取付片の付け根に肩部を形成
   し、折板屋根材の突部上面に載置する。