JPH01121334A - ポリエステルシート及びその熱成形体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はポリエステルシート及びその熱成形体に関し、
更に詳しくは、例えばオーブン調理可能（オーブナブル
ということもある）な耐熱変形性及び耐衝撃性の優れた
容器等を効率よく成形し得るポリエステルシート及びそ
の熱成形体に関する。

［従来技術Ｊ ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートよりな
るシートは熱成形により、トレイ状或いはカップ状に成
形可能であり、各種容器用の原材料として広く使用され
ている。特にポリオレフィン樹脂が添加されたポリエチ
レンテレフタレート（ＰＥＴと略記する場合がある）シ
ートより、ＰＥＴが結晶化しうる条件で熱成形せしめた
成形品は、特開昭５９−６２６６０号公報に記載の如く
、耐熱性が優れており、オーブナブルトレイの如き耐熱
容器として使用し得る。しかしながら、かかる技術によ
り得られるＰＥＴ製容器は、ヒートシール性が悪く適当
な器材が見出せないこと或いは苛酷な調理条件で使用し
た際に容器の耐衝撃性が極端に低下する欠点を有してお
り、その改善が望まれていた。

［発明の目的］ 本発明はかような事情を背景としてなされたものであり
、その目的とするところは、優れたヒートシール性及び
耐熱性を有し、かつ彎酷な温度条件で使用された後の耐
衝撃性が優れた熱成形容器を成形し得るポリエステルシ
ート及びその熱成形体を提供することにある。

［発明の構成］ 本発明は、前記の如き欠点のないポリエステルシート及
びその熱成形体に関し鋭意研究の結果、特定のポリエス
テル樹脂と結晶化促進剤とを特定の割合でＰＥＴと溶融
混合せしめて得られる特定の結晶化速度を有するシート
及び熱成形体であれば欠点を改善し得ることを見出し本
発明に到達した。

即ち本発明は、 １、　エチレンテレフタレートに対し、エチレンテレフ
タレート以外の成分を２〜１０モル％共重合せしめたポ
リエステルに結晶化促進剤を配合せしめてなるポリエス
テルシートであって、該シー１への密度が１．３４ｇ　
／ｃｍ３以下でおり、かつ、示差熱量計にて測定した降
温時結晶化ピ゛−り温度と昇温時結晶化ピーク温度との
差が４０〜８０℃の範囲であることを特徴とするポリエ
ステルシー１〜、及び ２、特許請求の範囲第１項に記載のポリエステルシート
を熱成形して得られる熱成形体であって、該熱成形体の
密度が１．３６〜１．３８（ｊ　／Ｃｍ３の範囲であり
、かつ平坦部の引張衝撃強度が６０Ｋ（］・ｃｍ／Ｃｍ
２以上であることを特徴とするポリエステル熱成形体、 である。

本発明においてポリエステルとはポリエチレンテレフタ
レート（以下ＰＥＴと略す）のテレフタル醸成分の一部
を２〜１６モル％の範囲で変性したものであり、例えば
イソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルジ
カルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカル
ボン酸等の如き芳香族ジカルボン酸；ヘキサヒドロテレ
フタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の如き脂環族ジ
カルボン酸；アジピン酸、セパチン酸、アビライン酸等
の如き脂肪族ジカルボン酸；ｐ−β−ヒドロキシエトキ
シ安息香酸、ｐ−オキシ安息香酸、ε−オキシカプロン
酸等の如きオキシ酸等の他の二官能性カルボン酸の１種
以上の成分で、及び／又はエチレングリコール成分の一
部を例えばトリメチレングリコール、テトラメチレング
リコ−／し、ヘキサメチレングリコール、デカメチレン
グリコール、メオペンヂレングリコール、ジエヂレング
リコール、１，１−シクロヘキサンジメチロール１，４
−シクロヘキサンジメチロール、２，２−ビス（４−β
−ヒドロキシエトキシフェニル）プロパン、ビス（４−
β−ヒドロキシエトキシフェニル）スルホン等の他のグ
リコールの１種以上の成分で置換したコポリエステルで
ある。

該コポリエステル中の共重合成分の総割合は全酸成分に
対し、２〜１０モル％の範囲であり、特に３〜５モル％
の範囲が好ましい。

共重合割合が２モル％未満であると、耐衝撃性改良効果
が乏しく、また１０モル％を超えると、耐熱性不良・成
形性不良となる。

本発明に用いるポリエステルシートとは、ポリエチレン
テレフタレート共重合体（Ｃｏ−ＰＥＴと略記する場合
がある）を主成分とする実質的に非晶質のシートであり
、シートを構成するＣｏ−１）２丁の固有粘度は０．８
以上であることが好ましい。

固有粘度（ＩＶと略記する場合がある）が０．８よりも
低いと、熱成形体の衝撃強度が低下するため好ましくな
い。本発明のシートの密度は、１．３４ｇ／Ｃｍ３以下
であり、実質的に非晶質のものである。シートの密度が
１．３４ｇ／ｃｍ３よりも高いと、熱成形により成形体
を製造する際に、成形体の賦型性が不良となること、或
いは熱成形体の衝撃強度が低くなること等のため好まし
くない。この非晶質のポリエステルシートは本発明の組
成物を押出機により溶融混合せしめた後、スリッ１〜状
のダイから吐出せしめ、冷却ドラムにより急冷すること
により得られる。

更に、本発明では、示差熱量計（以後、ＤＳＣと略記す
る場合がある）にて測定した降温時結晶化ピーク温度（
以後、ＴＣＤと略記する場合がある）と非晶状態より昇
温した際の結晶化ピーク温度（以後、ＴＣ＋と略記する
場合がある）との差（以後ΔＴＣと略記する場合がある
）が４０〜８０℃の範囲となるものを用いる。ΔＴｃが
４０℃未満であると、結晶化速度が小さ過ぎて、シート
を熱成形する際の生産効率が悪いこと、離型が不良とな
ること、１ｑられた熱成形体の耐熱寸法安定性が不十分
となること等のため好ましくない。また、ΔＴｃが８０
℃を超えると、熱成形の際に賦型性が不良となること、
得られた熱成形体の耐衝撃強度が低くなること等のため
好ましくない。

共重合ポリエステルシートの結晶化速度を上記の適正な
範囲（ΔＴｃ　＝４０〜８０℃）とするためには、結晶
化促進剤を配合する必要があり、例えば、珪酸マグネシ
ウムを主成分とする無機化合物（タルクという場合もあ
る）をＰＥＴ共重合体に対し、０．１〜２重量％の範囲
で配合することにより１りられる。添加割合が０．１％
よりも少い場合は、結晶化速度促進効果が不十分となり
、２％を超える場合は、熱成形後の機械的強度が低下す
るため好ましくない。珪酸マグネシウム以外のＰ　Ｅ　
Ｔ＃−ｆｆｉ合体の結晶化促進剤として、モンタン酸ナ
トリウム塩、バルミチン酸ナトリウム塩等の有機カルボ
ン酸のナトリウム塩等、周期律表第■族金属の酸化物、
１４Ｍ塩、燐酸塩、ケイ酸塩、ステアリン酸塩、安息香
酸塩、リリチル酸塩、酒石酸塩等を本発明のΔＴＣの範
囲となるように配合せしめることもできる。

本発明の熱成形体は、上記ポリエステルシートより１９
られた、密度１．３６〜１．３８０　／Ｃｍ３の範囲で
、しかも平坦部の引張衝撃強度が６０Ｋｑ　−ｃｍ／ｃ
ｍ２以上のものである。密度がｉ、３６ｇ　／ｃｍ３よ
りも低いと、熱成形体の耐熱性が不良となり、密度が１
．３８ｇ７Ｃｍ３よりも高いと強度不良となる。熱成形
体は平坦部（例えばトレイ状成形体の底部或いは側部）
の引張衝撃強度が６０Ｋｇ−ｃｍ／ｃｍ２以上となる範
囲のものである。

本発明の熱成形体は、第１発明のポリエステルシートを
熱成形して得られる。かかる熱成形体は、例えばトレイ
、カップ等の形状のものであって耐熱性及び耐衝撃性の
優れた成形体である。熱成形は、シートを加熱軟化せし
めて所望の型に押し当て、型と材料の間隙にある空気を
排除し、大気圧により型に密着せしめ成形する真空成形
、或いは大気圧以上の圧縮空気によりシートを型に密着
せしめる圧空成形及び真空、圧空を併用する成形等を総
称する。耐熱性の優れた成形体を成形する方法としては
例えばポリエステルシートのＴＣＩ以上ＴＣＤ以下の範
囲に保った金型（Ａ）でシートを熟成形し、次いでＴｏ
以下に保った金型（Ｂ）で該成形体を更に熱成形して冷
却賦型する方法がある。金型（Ａ）と金型（８）とは実
質的に同一形状の成形品を得るための彫込形状のもので
あるが、金型（＾）が凹型、金型（Ｂ）が成形体の肉厚
を考慮した若干寸法の異なる凸型であることが好ましく
、或いはその逆であっても良い。

なお、耐熱溶融安定性を改良するための安定剤を含有さ
せてもよい。

［実施例］ 以下実施例により本発明を詳述する。

なお、主な物性値の測定条件は次のとおりである。

ｇ）固有粘度［ＩＶ］　：Ｏ−クロロフェノール又はフ
ェノール／テトラクロルエタン混合溶媒中で３５℃にて
測定。

（２）密度［ρ］；四塩化炭素とｎ−へブタンにより作
成した密度勾配管により２５℃にて測定。

（３）ガラス転移温度［ＴＯ］：示差熱量計（セイコー
電子工業株式会社製ＤＳＣ−２０型）により２０℃／ｍ
ｉ口の昇温速度で測定。

（４）昇温時結晶化ピーク温度［ＴＣＩ］　：Ｔｇと同
様の条件で測定。

（５）融点（ポリエステル＞［ＴｍＥ］　：Ｔｇと同様
の条件で測定。

（６）降温時結晶化ピーク温度［ＴＣＤ］　　：示差熱
量計にて２９０℃で３分間保持したサンプルを２０℃／
ｍｉｎの降温速度で測定。

（７）融点（ポリオレフィン＞　　［Ｔｍｏ］　：ＴＣ
Ｄと同様の条件で測定。

（８）熱収縮率［ＳＨ］　：内容積ＶＯのトレイを２３
０℃のオーブン中で１０分間熱処理した後、室温迄冷却
した際のトレイ容積ＶＨより次式で算出。

ＶＯ−Ｖｌｌ Ｓ　Ｈ＝　−Ｘ　１００［％］ （９）弾性率［Ｙ］；シートより打抜いた引張試験片を
試験法ＡＳＴＨＤ６３Ｂに準じて測定。

ｇ０）引張衝撃強度［Ｔｉｌ：テスター産業■製引張衝
撃試験機によりサンプルより打抜いたダンベルの強度を
２０℃にて測定。

ｇ１）成形性 ■浅野研究所製ＦＣ−１＾Ｐ＾−型真空圧空成形機に、
トレイ状金型を装着し、所定金型温度でシートの加熱時
間を種々変えて、真空成形を行った際の適性条件中の広
さが１秒以上のものを良好、１秒未満のものを不良とし
た。

ｇ２）ヒートシール性 ＰＥＴとインフタル［９３０モル％共重合ＰＥＴとをフ
ィルム状に共押出しせしめた後、面積倍率１０倍となる
ように２軸延伸せしめて得られた、多層フィルムを蓋材
として用い、熱成形体と該フィルムの共重合ＰＥＴ層と
をヒートシール温度を１４０〜２４０℃の範囲でヒート
シールせしめた際の接着強度が０．８ＫＣＩ　／１５ｍ
ｍ以上のものを良好、０．８にＱ　／１５ｍｍより低い
ものは不良とした。

実施例１〜６および比較例１〜６ 表−１に示すＣＯ−Ｐ　Ｅ　Ｔを、真空乾燥器内にて７
０℃で２４時間乾燥して得られた乾燥チップと、表−１
に示すポリオレフィン樹脂及び表−１に示す添加剤とを
表−１に示す割合でブレンドした後、先端にシート押出
し用ダイスを装着しである３０ｍｍφスクリュー径の押
出様に供給した。押出機シリンダー設定温度２４０〜２
８０℃の条件にて溶融混練し、押出シートを冷却ロール
にて冷却して肉厚的ｏ、　ｓｍｍのポリエステルシート
を得た。各シートの密度、ＩＶ、ＳＤＣ測定結果を表−
１に併せて示す。

該シートを浅野研究所製ＦＣ−ＩＡＰＡ−Ｗ型圧空・真
空成形機により金型（Ａ）として彫込形状、縦１３５１
１町横５ｈ＋ｍ、深さ１８ｕの凹型トレイ型を、金型（
８）として、縦１３３ｍｍ　、横５６ＩＩｌｌＩ１．深
さ１８ｍｍの凸型トレイ型を用い、シートの加熱時間を
変え（加熱シート表面温度１６０〜１８０℃）、金型（
Ａ）との接触時間５秒、金型（８）の温度２０〜５０℃
、金型（８）との接触時間５秒の条件で真空成形を行っ
た。かくして得られたトレイの評価結果を表−１に示す
。

尚、比較例６は冷却ドラムに冷却水を通さず、徐冷によ
りシートを得た。

表−１の結果のうち、比較例１の如く、ポリエステルに
ＣＯ−Ｐ　Ｅ　Ｔを用いない場合は、衝撃強度が劣る。

比較例２の如くポリエチレン（ＰＥ）を添加した場合は
器材のヒートシール性が不良であり、比較例３の如く結
晶化促進剤を配合しない場合、或いは比較例４の如く共
重合割合が多過ぎる場合は、いずれも結晶化速度が遅い
（ΔＴＣが４０℃より小さい）ため、成形性不良となる
。また、比較例５の如く結晶化速度が高過ぎる場合は熱
成形品の衝撃強度が劣り、比較例６の如くシートの密度
が高過ぎる場合は、成形性不良となる。これに対し実施
例１〜６に示す本発明のシート及び該シートより得られ
る熱成形体は、成形性、耐衝撃性、耐熱寸法安定性が優
れ、かつ蓋材のヒートシール性が良好なものでめった。

［発明の効果］ エチレンテレフタレート系ポリエステルを２〜１０モル
％共単合化せしめることにより到達結晶化度を抑えるこ
と、結晶化促進剤を配合して生産性を向上せしめ得るこ
と、成形性が良好なこと、熱成形体として耐熱性及び耐
衝撃性を改良できオーナブルトレイの如き容器として有
用であることが本発明の優れた利点である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、エチレンテレフタレートに対し、エチレンテレフタ
   レート以外の成分を２〜１０モル％共重合せしめたポリ
   エステルに結晶化促進剤を配合せしめてなるポリエステ
   ルシートであって、該シートの密度が１．３４ｇ／ｃｍ
   ＾３以下であり、かつ、示差熱量計にて測定した降温時
   結晶化ピーク温度と昇温時結晶化ピーク温度との差が４
   ０〜８０℃の範囲であることを特徴とするポリエステル
   シート。 ２、特許請求の範囲第１項に記載のポリエステルシート
   を熱成形して得られる熱成形体であって、該熱成形体の
   密度が１．３６〜１．３８ｇ／ｃｍ＾３の範囲であり、
   かつ平坦部の引張衝撃強度が６０Ｋｇ・ｃｍ／ｃｍ＾２
   以上であることを特徴とするポリエステル熱成形体。