JP2004108522A - 透明柔軟ポリエステルを用いたチューブ - Google Patents

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阿部 和洋
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藤野 英俊
Tetsumori Atsuji
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Seiji Endo
遠藤 誠司
Atsushi Hara
原 厚
Shoji Tsujii
辻井 彰司
Yoshitaka Eto
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Abstract

【課題】透明性、柔軟性、ハンドリング性、耐熱性などを満足する透明柔軟ポリエステルからなるチューブを得ること。
【解決手段】柔軟ポリエステルを用いたチューブであって、前記柔軟ポリエステルが、共重合ポリエステルを主たる構成成分とするポリエステルであり、これを溶融成形して得られる未延伸シ−トの弾性率が1500MPa以下、広角X線で測定した結晶化指数Xcが5%以上、かつ前記シ−トのヘイズ(100μm換算)が15%以下であるポリエステルであることを特徴とするチューブ。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用基材や、食料品製造などに使用するためのチューブに関するものである。さらに詳しくは、透明で内容物が正確に把握でき、柔軟性や耐溶剤性にも優れるため、基材の破損による内容物の流出や、外部物質の流入が少ない。また、燃焼時に塩化水素ガスやダイオキシン等の有害物質を発生しない環境に優しい、また燃焼発熱量が低いために焼却炉を傷めないチューブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、柔軟性を持った基材で作ったチューブが、医療用基材や食料品製造などに使用するため、用いられてきた。
【0003】
このような柔軟性基材としては、従来より押出し法やゾルキャスト法により作成された可塑化ポリ塩化ビニルを主成分としたチューブが、価格、加工性や各種物性の点から使用されてきた。
【0004】
しかし、前記の可塑化ポリ塩化ビニルを用いた場合には、多量の可塑剤を含有するため、当該基材からチューブの内部及び外部へ可塑剤が移行する結果、人体、医療基材、食品等に移行し、汚染して安全上、衛生上、支障をきたす等の欠点があった。また、近年になって、環境問題に対する社会的な関心の高まりを受けて、燃焼時に塩化水素ガスやダイオキシン等の有害物質を発生するおそれのあるポリ塩化ビニル樹脂が敬遠される様になっており、環境への悪影響の少ない非塩素系の樹脂を使用した成形体が強く要請される様になっている。
【0005】
このような欠点がある柔軟な可塑化ポリ塩化ビニルに替わる他の材料として、ポリエステルにソフトセグメントを共重合して柔軟性を付与する方法が多数開示されている。
【0006】
例えば、ポリテトラメチレングリコ−ル(PTMG)などの長鎖ポリエ−テル、また、ダイマ−酸(DiA)などの長鎖脂肪族ジカルボン酸をPBTに共重合することで柔軟性を付与する技術が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら、これらの共重合ポリエステルは、ハ−ドセグメントにポリブチレンテレフタレ−ト(PBT)の結晶相を利用しているため、シートは高度に結晶化しやすく、白化により透明性が低下するため、特に透明性を要求されるチューブの用途には使用できないという問題がある。
【0007】
一方、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)をハ−ドセグメントとするポリエステルエラストマ−の開発も数多く試みられている。例えば、PETにPTMGやDiAを共重合して柔軟性を付与する技術が開示されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。しかしながら、これらのポリエステル共重合体は、成形直後は透明で柔軟な成形体を与えるが、ガラス転移点(Tg)以上の温度下で放置すると結晶化が進行し、白化により透明性が低下するため、特に透明性を要求される成形体の用途には、前記と同様に使用できないという問題がある。
【0008】
【特許文献1】
特公昭57−48577号公報
【特許文献2】
特公昭54−15913号公報
【特許文献3】
特開昭48−55235号公報
【特許文献4】
特公昭42−8709号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような軟質な可塑化ポリ塩化ビニルからなるチューブ、あるいは従来のポリエステルからなるチューブの問題点に着目し、また透明性、柔軟性、ハンドリング性、耐薬品性や加熱時の透明性の安定性などを満足する柔軟ポリエステルからなる医療用基材や、食料品製造などに使用するためのチューブを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の柔軟ポリエステルからなるチューブは、前記柔軟ポリエステルが、共重合ポリエステルを主たる構成成分とするポリエステルであり、これを溶融成形して得られる未延伸シ−トの弾性率が1500MPa以下、広角X線で測定した結晶化指数Xcが5%以上、かつ前記シ−トのヘイズ(100μm換算)が15%以下であるポリエステルであることを特徴とするチューブである。
【0011】
この場合において、前記ポリエステルが、そのハ−ドセグメントを構成するジカルボン酸成分の少なくとも70モル%以上が、テレフタル酸(TPA)、2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDA)、4,4′−ビフェニルジカルボン酸(BPA)の少なくとも1種以上であるポリエステルであることができる。
【0012】
この場合において、前記ポリエステルが、そのハ−ドセグメントを構成するグリコ−ル成分が、1,4−テトラメチレングリコ−ル(TMG)及びエチレングリコ−ル(EG)を含み、かつハ−ドセグメントを構成する全グリコ−ル成分に対する組成比が、TMGが20〜95モル%で、かつEGが5〜80モル%であるポリエステルであることができる。
【0013】
この場合において、前記ポリエステルが、そのソフトセグメントを構成するソフト成分が、数平均分子量が100〜1,000である長鎖脂肪族ジカルボン酸、数平均分子量が100〜1,000である長鎖脂肪族グリコ−ル、数平均分子量が500〜4,000であるポリアルキレンオキシドグリコ−ルの少なくとも1種以上であるポリエステルであることができる。
【0014】
この場合において、前記ポリエステルが、そのソフトセグメントを構成するソフト成分が、ダイマ−ジオ−ル(DDO)であり、かつポリエステルの全グリコ−ル成分に対するDDOの組成比が1〜60モル%であるポリエステルであることができる。
【0015】
この場合において、前記ポリエステルが、周期律表第I−a属または第II−a属の金属元素を有する金属塩化合物を、ポリエステルに対して金属元素として0.5〜5.0重量%含有してなるポリエステルであることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の透明柔軟ポリエステルを用いたチューブの実施の形態を具体的に説明する。
【0017】
[柔軟ポリエステル]
本発明に係る柔軟ポリエステルは、ハ−ドセグメントとソフトセグメントからなる共重合ポリエステルを主たる構成成分とする柔軟ポリエステルである。共重合ポリエステルとしては、ハ−ドセグメントとソフトセグメントからなる共重合ポリエステルであることが好ましい。ハ−ドセグメントをポリエステル分子鎖に導入する目的は、ポリエステルにブロッキング性と透明性とを付与することにある。一方、ソフトセグメントをポリエステル分子鎖に導入する目的はポリエステルに柔軟性を付与することにある。
【0018】
本発明に係る柔軟ポリエステルは、柔軟ポリエステルを溶融成形して未延伸シ−トとした際の弾性率が1500MPa以下であることから、柔軟性に優れている。
【0019】
また、本発明に係る柔軟ポリエステルは、広角X線で測定した結晶化指数Xcが5%以上であるため、ハンドリング性に優れている。さらに、該柔軟ポリエステルを溶融成形した未延伸シ−トのヘイズが、シート厚み100μm換算で15%以下であるため、透明性に優れている。
【0020】
(ハ−ドセグメント)
透明性、柔軟性、ハンドリング性の3つの性能をいずれも兼備する柔軟ポリエステルを開発するにあたって、最も困難な技術課題は透明性とハンドリング性の両立である。そのためには、ソフトセグメントを拘束するハ−ドセグメントの設計が重要である。
【0021】
結晶の観点からは、透明性とハンドリング性とは二律背反する特性である。なぜなら、結晶化の進行とともに透明性は悪くなるのに対し、ハンドリング性は逆に向上する。すなわち、透明性とハンドリング性という相反する特性をいかに両立させるかが、本発明における最も重要な技術課題である。
【0022】
一般に、結晶化速度の遅いPETは成形時に、溶融状態から急冷して過冷却状態(アモルファス)にすると、透明な成形体が得られる。ところが、得られた成形体をTg以上の温度下で放置すると結晶化が進行し白化する。この現象は、結晶化の進行とともに結晶が成長した結果である。従って、透明性を良好にする為には、結晶のサイズを限りなく小さくすること、つまり微結晶とする必要がある。
【0023】
一方、ハンドリング性、つまり、レジン乾燥時のブロッキングや成形・加工時の金型やロ−ラ−からの解離性、さらには成形体同士の接着等は、結晶サイズとは無関係に、結晶化の度合、換言すれば結晶化度によって支配される。結晶化度は、結晶の数と結晶サイズの積で定義される。
【0024】
以上のことから、結晶相でのハ−ドセグメントを構成する場合、透明性の観点から、結晶のサイズを微結晶とすること、かつ、結晶化度に支配されるハンドリングの観点からは、微結晶の数を多くすること、の2要件が必要不可欠である。そのためには、ハ−ドセグメントを構成するポリマ−構造の選択が非常に重要である。
【0025】
一般に、ポリエステルは、ポリマ−構造によって結晶性が大きく異なる。例えば、代表的なPETとPBTではその結晶性が大きく異なり、PBTは結晶化速度が非常に速い。結晶相に求められる性質としては、透明性とハンドリング性の両立の観点から、微結晶でしかも数が多いことである。
【0026】
これらの要件を満足できるポリエステルの組成としては、例えば、下記の2つの条件を満たすハ−ドセグメントを用いることにより、透明性とハンドリング性の両立を兼備したポリエステルが得られる。
【0027】
(1)ハ−ドセグメントを構成するポリエステルのグリコ−ル成分として、1,4−テトラメチレングリコール(TMG)及びエチレングリコール(EG)を含み、かつハ−ドセグメントを構成するポリエステルの全グリコ−ル成分に対する組成比が、TMGが20〜95モル%で、かつEGが5〜80モル%であること。
【0028】
(2)ハ−ドセグメントを構成するポリエステルのジカルボン酸成分として、テレフタル酸(TPA)、2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDA)、4,4′−ビフェニルジカルボン酸(BPA)から選ばれた少なくとも1種を70モル%以上含有すること。
【0029】
前記2条件を充足しない場合は、結晶が微結晶とはならず白化して透明性が無くなったり、軟化点が低下して接着性が増し、レジンの乾燥時や成形時のハンドリング性が悪くなるなど、実用的価値が無くなる。
【0030】
ハ−ドセグメントを構成するポリエステルの組成は、グリコ−ル成分として、TMG/EGが23〜94モル%/77〜6モル%であることがさらに好ましく、特に好ましくはTMG/EGが25〜93モル%/75〜7モル%である。一方、ジカルボン酸成分として、TPA、NDA、BPAから選ばれた少なくとも1種が75モル%以上であることがさらに好ましく、特に好ましくは80モル%以上である。
【0031】
ハ−ドセグメントを構成するポリエステルは、前記ジカルボン酸以外に、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などのジカルボン酸、またグリコ−ル成分としては、1,3−トリメチレングリコ−ル、1,5−ペンタメチレングリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサメチレンジメタノ−ル、等のグリコ−ルを共重合成分として使用することも可能である。
【0032】
さらに、微結晶化に対しては、金属塩化合物を結晶化促進剤として併用することが有効であり、透明性の点からさらに好ましい。
【0033】
特に、本発明に係る柔軟ポリエステルに対しては、周期律表第I−a属、または第II−a属に属する金属元素を有する金属塩化合物が好ましい。なかでも、脂肪族カルボン酸あるいはリン化合物のLi、Na、K、Ca塩が好ましい。
【0034】
金属塩化合物の含有量はポリエステルの組成によっても異なるが、ポリエステルに対して金属元素として0.5〜5.0重量%を含有させることが効果的である。ポリエステルに対する金属塩化合物の含有量が0.5重量%未満では結晶化促進効果が小さく、逆に5.0重量%を越えるとポリエステルへの分散性が悪くなるばかりでなく、成形性の悪化や物性低下が著しい。金属塩化合物の含有量は、下限値がポリエステルに対して0.8重量%であることがさらに好ましく、特に好ましくは1.0重量%である。また、金属塩化合物の含有量は、上限値がポリエステルに対して4.5重量%であることがさらに好ましく、特に好ましくは4.0重量%である。
【0035】
(ソフトセグメント)
ソフトセグメントはポリエステルに柔軟性を付与するために不可欠であり、エントロピ−弾性を有することが重要である。好適なソフト成分としては、ポリアレキレンオキシドグリコ−ル、脂肪族ポリエステル、長鎖脂肪族ジカルボン酸、長鎖脂肪族グリコ−ル等が挙げられる。
【0036】
ソフト成分として、長鎖脂肪族ジカルボン酸や長鎖脂肪族グリコ−ルを用いた場合には、数平均分子量が100未満では充分な柔軟性が得られにくい。一方、数平均分子量が1,000を越えると、ハ−ドセグメントとの相溶性が悪くなり透明性が低下しやすくなる。また、ポリアルキレンオキシドグリコ−ルを用いた場合は、数平均分子量の範囲が500未満、または4,000を越える場合には、いずれも目的とする柔軟ポリエステルとならない。
【0037】
本発明において、柔軟ポリエステルのソフト成分としては、長鎖脂肪族グリコ−ルであるダイマージオール(DDO)が透明性の点から最も有効である。DDOの組成比は、所望する柔軟性によって異なるが、ポリエステルの全グリコール成分に対して1〜60モル%が好ましく、より好ましくは2〜58モル%であり、特に好ましくは3〜55モル%である。DDOの組成比が1モル%未満では、柔軟性が不十分となり硬くなる。一方、60モル%を超えると、Tgが低くなり過ぎて、成形・加工性やハンドリング性が悪化しやすくなる。
【0038】
(柔軟ポリエステルの重合)
柔軟ポリエステルの重合方法は、従来公知の方法が適用できる。例えば、芳香族ジカルボン酸及びその低級アルキルエステルと、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ダイマージオールなどのジオールとのエステル化反応またはエステル交換反応により低分子量体を生成する初期反応と、この低分子量体を重縮合させ高分子量とする後期反応によって製造する方法が最も一般的である。
【0039】
柔軟ポリエステルの製造には、エステル交換触媒として、従来公知のチタン、亜鉛、マンガン、コバルト、鉛、カルシウム、マグネシウムなどの金属化合物を適用することができる。また重縮合触媒としては、チタン、アンチモン、ゲルマニウム、スズ等の金属化合物を適用することができる。これらの触媒以外に、熱酸化安定剤やリン化合物の添加もまた可能である。
【0040】
(金属塩化合物の溶融混合)
金属塩化合物のポリエステルへの混合は、一軸押出機、二軸押出機、あるいは成形加工時のポリエステルへの溶融工程への添加等によって行うことができる。一例として、二軸押出機を使用して金属塩化合物をポリエステルへ混合する場合について述べる。
【0041】
金属塩化合物の混合には、二軸押出機(東芝機械(株)製、TEM−37BS)を使用する。混合時の樹脂温度250℃、スクリュー回転数100rpm、ベント真空度1〜5hPa、フィ−ド量15kg/hrの条件で金属塩化合物をポリエステルに均一混合した後ストランド状に押出し、水冷下チップ状にカッティングする。また、金属塩化合物の混合時に、紫外線吸収剤や透明性に悪影響のない顔料等も同時にブレンドすることも可能である。
【0042】
(柔軟ポリエステルの特性値)
本発明に係る柔軟ポリエステルの特徴を弾性率、結晶化指数Xc、ヘイズという特性値を用いて表現している。
【0043】
弾性率は、柔軟ポリエステルの柔軟性を表す指標である。柔軟性は、例えば、ハ−ドセグメントの構造、使用するソフトセグメントの種類や量によって制御することができる。弾性率は、その値が大きくなるとともに硬く、逆に小さくなるとともに柔らかくなる。一般的に、シ−トとした際の弾性率を1500MPa以下とすることで柔軟性を示すが、好ましくは1200MPa以下であり、特に好ましくは1100MPa以下である。一方、弾性率の下限値は成形性の点から10MPaであることが好ましく、さらに好ましくは11MPaであり、特に好ましくは12MPaである。
【0044】
弾性率が1500MPaを越えると、柔軟性が不十分なために加工適性に劣り、多層成形体が歪に完全に追従できないために残留する応力による界面剥離等の原因となり易く問題である。また弾性率が10MPa未満であると、多層成形体の一層が本質的に柔軟である為に、腰が無くなり、取り扱い難くなり、実用的でない。さらに、ソフトセグメントの組成比が高くなるので、コスト的にも不利になる。
【0045】
結晶化指数Xcは、微結晶化の度合いを示す尺度であり、ハンドリング性や加熱処理時の白化に対して重要な指標である。Xcは、例えば、ハ−ドセグメントの構造によって制御することができる。ハンドリング性や白化の点からは、Xcは大きければ大きいほどよく、5%以上とすることが必要であり、好ましくは6%以上であり、特に好ましくは7%以上である。一方、結晶化指数Xcが55%を越えるようにすることはポリマー構造の面で技術的に困難である。結晶化指数Xcが55%以下であっても5%以上あれば一般的には十分なハンドリング性を有しているので、結晶化指数Xcを積極的に55%を越えるようにすることは技術的な困難さを考慮するとあまり実用的でない。
【0046】
本発明の透明柔軟ポリエステルを用いたチューブにおいては、内容物の視認性を高めるためには、これを構成する柔軟性ポリエステルの透明性は高い程好ましい。したがって、柔軟性ポリエステルのヘイズは低い程好ましい。ヘイズは、柔軟性ポリエステルの透明性を表す指標である。ヘイズは小さければ小さいほど透明性に優れ、厚み100μmのシ−トとした際に15%以下とすることが重要であり、好ましくは10%以下であり、特に好ましくは5%以下である。ヘイズが15%を超えると、白化が著しく、視認性を活かす用途には使用できなくなる。一方、ヘイズの下限は0.1%とすることが好ましい。ヘイズを0.1%未満としても目視評価による透明性に大きな差異がなく、ヘイズを積極的に0.1%未満とすることは技術的困難さを考慮するとあまり実用的でない。
【0047】
さらに、ヘイズは本発明にある金属塩化合物を含有させることによってさらに改善され、透明性が一層良好となる。金属塩化合物の含有によるヘイズの改善効果は、金属塩化合物を含有しない場合のヘイズと比較して、0.2%以上小さくなることが好ましい。ヘイズの改善効果が0.2%以下では、視覚的にみて透明性に殆ど差は見られない。好ましいヘイズの改善効果は、0.3%以上、特に好ましくは0.4%以上である。
【0048】
一般的に、柔軟性を有するポリエステルのTgは常温以下であり、Tgが高くなると通常の使用条件では柔軟性が不十分となる。本発明に係る透明柔軟ポリエステルもTgは低い。このため、溶融成形によって得られた成形体は、成形直後は透明であってもTg以上の雰囲気下に放置しておくと、結晶が徐々に成長し白化のため透明性が悪化することがある。この現象は、溶融状態から急冷することによって、過冷却状態(アモルファス状態)にあったものが、Tg以上の温度雰囲気下で結晶化が進行したことを意味する。
【0049】
ところが、本発明に係る柔軟ポリエステルは、これを溶融状態から急冷して得られるチューブが、この冷却過程で既に微結晶化しているため、Tg以上の温度雰囲気下で放置しても、もはや結晶が成長することはなく、白化しない。
【0050】
本発明に係る柔軟ポリエステルは、前述のように溶融後急冷することのみでも微細結晶化が可能であるため、成形体製造に加熱結晶化工程を省略することができ、生産性が高くなる。さらには、高熱環境下に放置しても、その高い透明性が低下することがない、可塑剤フリーであり、接着強度低下がない、他のものと接触した場合に可塑剤の移行がない、などのメリットがあり、様々な環境下で好適に用いることができる。
【0051】
また本発明に係る柔軟ポリエステルには、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、離型剤、安定剤、帯電防止剤、顔料などの各種の添加剤を本発明の目的とする特性を損なわない範囲で適宜添加することができる。
【0052】
[柔軟ポリエステルからなるチューブ]
本発明に係るチューブは、例えば、柔軟ポリエステルを乾燥後、押出機より溶融押出して、円型口金等を用いて円筒状に口金より吐出させ、水等の冷媒中に導いて固化させてチューブを得る。通常押出温度は融点+10〜融点+80℃の温度範囲であり、また、冷却温度は5〜90℃の範囲、好ましくは10〜50℃の範囲である。この時チューブの必要特性を満足させるならば、他の樹脂と共押出ししても良い。
【0053】
チューブの厚さには特に制限はない。一般的には2〜4000μm程度の範囲内とするのが良く、中でも5〜2000μm程度の範囲内とすることが最も望ましい。2μm未満では、いわゆる腰が足りなくなったり、破れたり、取り扱いが困難になる。また、4000μmを越えると、柔軟性に欠ける。
【0054】
本発明に係る柔軟ポリエステルには、例えば、脂肪族グリセリド、ベタイン系、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルスルホン酸金属塩等の帯電防止剤、脂肪酸若しくは脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、高級アルコール、金属せっけん等の有機のスリップ剤、無機粒子等のスリップ剤、ヒンダードフェノール系、燐酸系等の熱安定剤や酸化防止剤、耐候剤、UV吸収剤、顔料、難燃剤、充填剤、抗菌剤、防黴剤等の公知の添加剤を目的にあわせて用いることができる。
【0055】
本発明に係る柔軟ポリエステルには、その他のポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂を本発明の目的とする特性を損なわない範囲で適宜添加することができる。
【0056】
本発明に係る柔軟ポリエステルには、コロナ放電処理、低温プラズマ処理、火炎処理、コーティングなどの表面処理を施してもよい。また、エンボス加工などの表面凹凸処理を施してもよい。
【0057】
また、本発明のチューブには、易接着処理剤、水蒸気・ガスバリア剤、離型剤、難燃剤、紫外線吸収剤、マット化剤、顔料、染料などのコーティングや印刷を行なってもよく、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、パラジウムなどの金属やその化合物を遮光、水蒸気・ガスバリア、表面導電性、赤外線反射などの目的で真空蒸着してもよく、その目的、方法については上記に限定されない。
【0058】
さらに、本発明のチューブは、印刷層、コーティング層などの他の層を積層されていても良い。また、機能を付与するため、他の樹脂との積層であっても良い。
【0059】
積層される他の樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ブチラール樹脂、PMMAなどのポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ナイロン6、ナイロン10、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンジアミンアジペートなどのポリアミド、ポリビニルアルコール、PET、PEN、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)、PBT、ポリ乳酸、PTMG−PBT共重合体他のポリエステルなどが挙げられる。
これらの材料は、意匠性、ガスバリア性、強度アップ、剥離性、接着性、表面保護性、衛生性など、適宜目的に合わせて選択することができる。
【0060】
本発明の透明柔軟ポリエステルを用いたチューブは、熱湯で消毒しても白化しない点で医療用基材や食料品製造などに用いることができ、特に透明性や柔軟性、衛生性を要求される用途に適している。
【0061】
【実施例】
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定させるものではない。なお、本明細書中における主な特性値の測定法や評価法を以下に説明する。
【0062】
(1)測定試料の作成
得られたレジンを70℃で一昼夜減圧乾燥した後、以下の操作によって厚みが約100μmの未延伸シートを作成した。
平担な金属板の上に厚さ126μmのカプトンフィルム(東レ・デュポン社製)、15cm×15cmの型にくり抜いた金属製スペーサーの順に置き、さらに、その型が満たされるだけの樹脂ペレットを型に入れ、その上に再び同じカプトンフィルム、金属板の順に重ねた。これらを油圧プレス(神藤金属工業所社製、シンドー式F型)のプレス面に移し、融点よりも20〜30℃高い温度で4分間溶融後、同温度で9.8MPa(100kgf/cm)で1分間プレスした。プレス後5秒以内にシートを氷水中に移し急冷した。急冷後、シート表面に付着した水を直ちに拭き取り、25℃のドライオーブン中にて24時間保管した。
【0063】
(2)弾性率、降伏強度、破断強度、及び破断伸度
ドライオーブン中で保管した測定用試料を室温下で30分間以上放置した後、ASTM−D638に準じて、引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ製、RTC−1150A)を用い、測定温度23℃、試料長(チャック間距離)60mm、試料幅10mm、引張速度50mm/分、フルスケール2〜40kg、の条件下でシートの弾性率(MPa)、降伏強度(MPa)、破断強度(MPa)、及び破断伸度(%)を測定した。なお、サンプルは(1)で得られたシートをダンベル形状(くびれ部分の幅10mm、長さ60mm)に切り取ったものを用いた。
【0064】
(3)結晶化指数Xc
測定用試料を保管容器から取り出し、室温で30分間以上放置した後、20mm×18mmの大きさに切り出し、広角X線回折用測定試料とした。
X線回折の測定は、「X線解析の手引き 改訂第3版、84頁、1985.6.30発行、理学電機株式会社」に記載の方法に順じて下記に示す測定条件で、2θ−X線強度のプロファイルを反射法により求めた。
【0065】
Figure 2004108522
【0066】
(結晶化指数Xcの定義)
結晶化指数Xcの定義を、図1を用いて説明する。
まず、X線測定で得られた2θ−X線強度のプロファイルの移動平均近似線(区間:30)を求めた。
【0067】
縦軸のX線強度は、試料厚さ、粗さ等により変化するので、伸縮してもピーク高さの比率は変わらないとして、各移動平均近似線が2θ=13°におけるX線強度が250cpsとなるように、各値を一次変換した。次に、この移動平均近似線(AまたはB)の2θが9°と35°における2点を結びベースラインCとし、2θが9°から35°までの範囲の移動平均近似線(BまたはA)とベースラインCで囲まれた面積S(SBCまたはSAC)を求めた。
【0068】
この際、ハードセグメントのグリコール成分がEG100モル%の時の散乱プロファイル(具体例として比較例3)を非晶構造由来とし、ソフトセグメントの組成比を一定にしたまま、ハードセグメントのグリコール組成を変化させた時の散乱プロファイル(具体例として実施例1)との差が結晶構造由来によるものとして、結晶化指数Xcを下記の如く定義した。
【0069】
結晶化指数Xc(%)=((SBC−SAC)/SAC)×100
上式で、SACは非晶構造に起因する散乱プロファイルの面積を示し、SBCは結晶構造に起因する散乱プロファイルの面積を示す。
【0070】
(4)ヘイズ
測定用試料を保管容器から取り出し室温下に放置した後、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、Model NDH2000)にて測定した。測定値は下記式により、シート厚み100μmのヘイズ値に換算した。
ヘイズ(%)= Hz(%)×100(μm)/A(μm)
ここで、Hz(%)は測定試料の実測ヘイズ値であり、Aは測定試料の実測厚み(μm)を示す。
【0071】
(5)還元粘度
還元粘度(ηsp/C)は試料0.1gを25mlのフェノール/テトラクロロエタン=60/40(重量比)の混合溶液に溶解し、オストワルド粘度計を用い30℃で測定した。
【0072】
(6)ポリエステルの融点
示差走査型熱量計(島津製作所(株)社製、DSC−50)、試料10mgをアルミ製のパンに充填し、窒素雰囲気下20℃/分の昇温速度で290℃まで昇温し、同温度で3分間保持した後、アルミパンを液体窒素中に投じ急冷した。急冷したアルミパンを再度示差走査型熱量計にセットし、20℃/分の昇温速度で昇温した時に出現する吸熱ピークのピーク温度を融点とした。
【0073】
(9)融着性
基材シートを後記の(10)の方法で製膜し、製膜後重ね合わせて室温で放置し、一日放置後の剥離状態を次のように定性的に評価した。
○ : 融着せず、簡単に分離できる。
△ : 融着しているが、手で分離できる。
× : 融着して一体となり、分離不可能。
【0074】
(10)基材シートの製膜
得られた柔軟ポリエステルを70℃で一昼夜減圧乾燥した後、二軸押出機(池貝鉄工社製、PCM−30)を使用して、樹脂温度は融点+40℃、スクリュー回転数150rpmで溶融し、T−ダイスより表面温度30℃のチルロール上に押出し、厚みが100μmの基材シートを得た。
【0075】
(11)チューブの作製
(10)と同様に、得られた柔軟ポリエステルを70℃で一昼夜減圧乾燥した後、二軸押出機(池貝鉄工社製、PCM−30)を使用して、樹脂温度は融点+40℃、スクリュー回転数150rpmで溶融し、円筒口金より30℃の水中に押出し、内径2mm厚みが1mmのチューブを得た。
【0076】
(12)チューブの評価
1)耐折り曲げ性
チューブを180度から0度の角度に10000回折り曲げ、その後水を流して、漏れがないかどうか評価した。
2)耐熱性
チューブに、90℃の湯を、10cc/秒で1000時間流し、湯がもれないかどうか評価した。
【0077】
(実施例1)
ジメチルテレフタレート(DMT)84000重量部、EG 27000重量部、TMG37000重量部、DDO(ユニケマ社製、PRIPOL2033)10000重量部を用いて、エステル交換および重縮合を行い、還元粘度0.80dl/g、融点191℃、のポリエステルを得た。ポリエステルの組成は、EG成分が19.0モル%、TMG成分が65.0モル%、DDO成分が16モル%であった。
これを(1)の方法で測定用試料を作成し、特性を評価した。ヘイズは100μm換算で1.1%、結晶化指数は25%、弾性率は1070MPaであった。
さらに、(10)の方法で製膜して厚み250μmの透明なフイルム状物を得た。フイルム状物のヘイズは100μm換算で1.3%であった。(9)の方法により融着試験を行ったが、「○」で問題なかった。
さらに、(11)の方法で、内径2mm厚みが1mmのチューブを得た。得られたチューブを(12)の方法で評価したところ、10000回の折り曲げ後も水の漏れはなく、柔軟性が良好だった。また90℃の湯を1000時間流した後も湯の漏れや白化はなく、耐熱性も良好であった。
【0078】
(実施例2)
ジメチルテレフタレート(DMT)68300重量部、EG 22700重量部、TMG30000重量部、DDO(ユニケマ社製、PRIPOL2033)30000重量部を用いて、エステル交換および重縮合を行い、還元粘度0.75dl/g、融点171℃、のポリエステルを得た。ポリエステルの組成は、EG成分が18.5モル%、TMG成分が65.5モル%、DDO成分が16モル%であった。
これを(1)の方法で測定用試料を作成し、特性を評価した。ヘイズは100μm換算で0.8%、結晶化指数は32%、弾性率は192MPaであった。
さらに、(10)の方法で製膜して厚み250μmの透明なフイルム状物を得た。フイルム状物のヘイズは100μm換算で1.1%であった。(9)の方法により融着試験を行ったが、「○」で問題なかった。
さらに、(11)の方法で、内径2mm厚みが1mmのチューブを得た。得られたチューブを(12)の方法で評価したところ、10000回の折り曲げ後も水の漏れはなく、柔軟性が良好だった。また90℃の湯を1000時間流した後も湯の漏れや白化はなく、耐熱性も良好であった。
【0079】
(実施例3)
ジメチルテレフタレート(DMT)44000重量部、EG 4900重量部、TMG24000重量部、DDO(ユニケマ社製、PRIPOL2033)60000重量部を用いて、エステル交換および重縮合を行い、還元粘度0.75dl/g、融点123℃、のポリエステルを得た。ポリエステルの組成は、EG成分が1モル%、TMG成分が49モル%、DDO成分が50モル%であった。
これを(1)の方法で測定用試料を作成し、特性を評価した。ヘイズは100μm換算で1.5%、結晶化指数は17%、弾性率は18MPaであった。
さらに、(10)の方法で製膜して厚み250μmの透明なフイルム状物を得た。フイルム状物のヘイズは100μm換算で1.3%であった。(9)の方法により融着試験を行ったが、「○」で問題なかった。
さらに、(11)の方法でもう一層に、70℃で一昼夜減圧乾燥したポリプロピレン(「日本ポリケム(株)」ノバテックFY6C)を、二軸押出機(池貝鉄工社製、PCM−30)を使用して、柔軟ポリエステルと同条件で、柔軟ポリエステルを外層に、ポリプロピレンを内層にして、円筒口金より30℃の水中に押出し、内径2mm厚みが1mm(ポリプロピレン内層厚み150μm)のチューブを得た。得られたチューブを(12)の方法で評価したところ、10000回の折り曲げ後も水の漏れはなく、柔軟性が良好だった。また90℃の湯を1000時間流した後も湯の漏れや白化はなく、耐熱性も良好であった。
【0080】
(比較例1)
柔軟ポリエステルを用いずに、70℃で一昼夜減圧乾燥したポリプロピレン(「日本ポリケム(株)」ノバテックFY6C)のみを、二軸押出機(池貝鉄工社製、PCM−30)を使用して、樹脂温度は融点+40℃、スクリュー回転数200rpmで溶融し、円筒口金より30℃の水中に押出し、内径2mm厚みが1mmのチューブを得た。得られたチューブを(12)の方法で評価したところ、耐熱性は良好だったが、折り曲げ500回後に水を流したところ、水が漏れた。
ポリプロピレン単層シートを作製し、ヘイズを評価したところ、ヘイズは18.1であり、透明性が不良だった。
【0081】
【発明の効果】
本発明の透明柔軟ポリエステルを用いたチューブは、柔軟性、透明性および耐熱性に優れ、加熱時にも透明性を維持し、また燃焼時に塩化水素ガス等の有害物質を発生しないため環境に優しく、また燃焼発熱量が低いために焼却炉を傷めることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶化指数Xcを定義するための説明図である。
【符号の説明】
A ハードセグメントのグリコール成分がEG100モル%の時の2θ−X線強度プロファイルの移動平均近似線
B ソフトセグメントの組成比を一定にしたまま、ハードセグメントのグリコール組成を変化させた時の2θ−X線強度プロファイルの移動平均近似線
C 移動平均近似線(AまたはB)の2θが9°と35°における2点を結んだベースライン
AC 非晶構造に起因する散乱プロファイルの面積
BC 結晶構造に起因する散乱プロファイルの面積

Claims (6)

  1. 柔軟ポリエステルを用いたチューブであって、前記柔軟ポリエステルが、共重合ポリエステルを主たる構成成分とするポリエステルであり、これを溶融成形して得られる未延伸シ−トの弾性率が1500MPa以下、広角X線で測定した結晶化指数Xcが5%以上、かつ前記シ−トのヘイズ(100μm換算)が15%以下であるポリエステルであることを特徴とするチューブ。
  2. 前記ポリエステルが、ハ−ドセグメントとソフトセグメントからなる共重合ポリエステルであり、そのハ−ドセグメントを構成するジカルボン酸成分の少なくとも70モル%以上が、テレフタル酸(TPA)、2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDA)、4,4′−ビフェニルジカルボン酸(BPA)の少なくとも1種以上であるポリエステルであることを特徴とする請求項1記載のチューブ。
  3. 前記ポリエステルが、そのハ−ドセグメントを構成するグリコ−ル成分が、1,4−テトラメチレングリコ−ル(TMG)及びエチレングリコ−ル(EG)を含み、かつハ−ドセグメントを構成する全グリコ−ル成分に対する組成比が、TMGが20〜95モル%で、かつEGが5〜80モル%であるポリエステルであることを特徴とする請求項1または2記載のチューブ。
  4. 前記ポリエステルが、そのソフトセグメントを構成するソフト成分が、数平均分子量が100〜1,000である長鎖脂肪族ジカルボン酸、数平均分子量が100〜1,000である長鎖脂肪族グリコ−ル、数平均分子量が500〜4,000であるポリアルキレンオキシドグリコ−ルの少なくとも1種以上であるポリエステルであることを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載のチューブ。
  5. 前記ポリエステルが、そのソフトセグメントを構成するソフト成分が、ダイマ−ジオ−ル(DDO)であり、かつポリエステルの全グリコ−ル成分に対するDDOの組成比が1〜60モル%であるポリエステルであることを特徴とする請求項1、2、3、4のいずれかに記載のチューブ。
  6. 前記ポリエステルが、周期律表第I−a属または第II−a属の金属元素を有する金属塩化合物を、ポリエステルに対して金属元素として0.5〜5.0重量%含有してなるポリエステルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のチューブ。
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