JP4452293B2 - 熱成形用ポリ乳酸系多層シートおよびその成形物 - Google Patents
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また、医薬品の錠剤やカプセルなどの包装に使用されるPTP(プレススルーパツク)包装用の容器も熱成形方法で成形され、樹脂シートには透明性、成形性、水蒸気バリア性があるポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどのシートが使用されている。
ここで、前記他方の層にポリ乳酸以外の生分解性脂肪族系ポリエステルが含有されることができる。
また、前記一方の層が両外層であり、前記他方の層が両外層に挟まれる層の少なくとも一層であることができる。
本発明の成形体は、上記ポリ乳酸系多層シートを熱成形して成形されたことを特徴とする。
シート一方向(縦方向)の成形品の曲率半径RMD(cm)、それに直行する方向(横方向)の曲率半径RTD(cm)、縦方向のシートの抗張力σMD(kg/cm2)、横方向のシートの抗張力σTD(kg/cm2)、シートの厚みをt(cm)とするとき、成形に必要な圧力P(kg/cm2)は
P=σMD×t/RMD + σTD×t/RTD ・・・・・式(1)
で表せる(第1図参照)。
P=2σ×t/R ・・・・・・式(2)
で表せる。
すると、式(2)から抗張力σ
σ=P×R/2t ・・・・・・式(3)
である。
ポリ乳酸系多層シートの厚さは、通常の熱成形技術に使用できる程度の厚さで有れば、特に制限されないが、通常は総厚さが0.07〜2.0mmの範囲である。本発明の一方の層厚と全層の層厚の関係は、一方の層厚比が全層の層厚に対して0.07〜0.65である。具体的には、一方の層の厚さは、好適には0.005mm以上、更に好適には0.01mm以上ある。他方の層の厚さは全層の厚さから一方の層の厚さを差し引いた厚さである。
また、本発明の目的を損なわない範囲で、製造過程で生じる端材を他方の層に再生混入してもよい。
ポリ乳酸系多層シートのヘーズはJIS K 7105に基づき測定することで求めることができる。ヘーズはシートの透明性を示し、その値が20%を越すとシートをブリスター等に成形した際に、内装される物品を透視しにくい。特に、透明成形体を所望するなら、ポリ乳酸系多層シートのヘーズは20%以下が好ましい。
これらの混合物には、諸物性を調整する目的で、熱安定剤、光安定剤、光吸収剤、可塑剤、無機充填材、着色剤、顔料等を添加することもできる。
本発明でいうポリ乳酸とは構造単位がL−乳酸又はD−乳酸であるホモポリマー、すなわち、ポリ(L−乳酸)又はポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸及びD−乳酸の両方である共重合体、すなわち、ポリ(DL−乳酸)や、これらの混合体が挙げられる。
さらにまた、分子量増大を目的として、少量の鎖延長剤、例えばジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物等を使用することもできる。
(1)重量平均分子量;東ソー製HLC−8120GPCゲルパーミエーションクロマトグラフ装置を用い、以下の測定条件で、標準ポリスチレンで検量線を作製し、重量平均分子量を求めた。
使用カラム:島津製作所製Shim−Packシリーズ
GPC−801C
GPC−804C
GPC−806C
GPC−8025C
GPC−800CP
溶媒:クロロホルム
サンプル溶液濃度:O.2wt/vol%
サンプル溶液注入量:200μl
溶媒流速:1.0ml/分
ポンプ、カラム、検出器温度:40℃
JIS−K−7121に基づき、示差走査熱量測定法(DSC)にて昇温速度が10℃/minでポリエステルのガラス転移温度(Tg)及び融点(Tm)を測定した。
得られたシートを135℃に予熱した後、第1図に示すφ100mm、深さ30mm、絞り比0.3、底部コーナー部Rが0.01(cm)の成形金型を用いて、金型温度50℃,圧空成形(空気圧:4kg/cm2)条件で成形を行った。得られた成形品のコーナーRをRゲージで計測し、成形時の抗張力を、上述した式σ=P×R/2tから求めた。
上記(4)で得られる成形体の型賦形状態を観察し、3段階で評価を行った。評価基準は、良好な形態の成形体が形成されている場合を「○」、実用可能なレベル程度の場合を「△」、不良形状の成形体の場合を「×」で示した。
上記(4)で得られる成形体に水を充填し、開口部をシールして、1mの高さからコンクリート上に落下させ、成形体の破損の有無を調べた。
上記(4)で得られる成形体を、恒温槽において60℃、30分間放置した後、成形体の容積減容率(%)を下記式にて算出した。
容積減容率=
{1−(熱処理後の成形体容積/熱処理前の成形体容積)}×100
容積変化率が3%未満では優れており、6%以下では実用範囲であり、6%を越えると使用できない。
上記(4)で得られる成形体の総合評価を示す。評価基準は実用上良好に使用できるもの「○」、実用可能なレベル程度の場合を「△」、実用に適さないものを「×」で示した。
製造例1
ピューラックジャパン社製のL−ラクチド(商品名:PURASORB L)100kgに、オクチル酸スズを15ppm添加したものを、攪拌機と加熱装置を備えた500Lバッチ式重合槽に入れた。窒素置換を行い、185℃、攪拌速度100rpmで、60分間重合を行った。得られた溶融物を、真空ベントを3段備えた三菱重工社製の40mmφ同方向2軸押出機に供給し、ベント圧4torrで脱揮しながら、200℃でストランド状に押出してペレット化した。
得られたポリ乳酸系樹脂の重量平均分子量は20万であり、L体含有量は99.5%であった。またDSCによるガラス転移温度は58℃、融点は171℃であった。
L−ラクチド90KgとDL−ラクチド10Kgを用いた以外は実験例1と同様にして重量平均分子量は20万、L体含有量は94.8%のポリ乳酸系樹脂を得た。DSCによるガラス転移温度は56℃、融点は165℃であった。
L−ラクチド80KgとDL−ラクチド20Kgを用いた以外は実験例1と同様にして重量平均分子量は20万、L体含有量は89.7%のポリ乳酸系樹脂を得た。DSCによる融点は存在せず、非晶であることを確認した。
製造例2で得られたポリ乳酸系樹脂(L−乳酸:D−乳酸=94.8:5.2、ガラス転移温度56℃、融点165℃)100質量部にガラス転移点が−45℃で融点94℃の生分解性脂肪族ポリエステルであるポリブチレンサクシネート/アジペート(商品名:ビオノーレ#3003、昭和高分子(株)製)0.1質量部を各々乾燥した後、混合して溶融押し出しにてペレット形状にした得られたペレットから40mmφ単軸押し出し機にて210℃でマルチマニホールド式の口金より中間層(他方の層用)として押し出した。
得られたシートの抗張力を表1に示した。実施例は本発明の範囲にあり、比較例は範囲外である。さらに、シートから得られる成形体の形状を示す成形性、耐熱性、耐衝撃性、総合評価を表1に示した。
表2に示すように、後述する以外は実施例4と同様にして、実施例9〜11と比較例3,4を得た。
実施例9〜11は中間層に用いる生分解性脂肪族ポリエステルとして、以下に示す化合物を使用した。実施例9はポリカプロラクトン(商品名セルグリーンP−H7、ダイセル化学工業(株)製、ガラス転移温度−60℃、融点60℃)を使用し、実施例10はポリブチレンサクシネート(商品名ビオノーレ#1001、昭和高分子(株)製、ガラス転移温度−40℃、融点111℃)を使用し、実施例11はポリブチレンアジペートテレフタレート(商品名Ecoflex、BASF社製、ガラス転移温度−30℃、融点109℃)を使用した。
比較例3は中間層にポリヒドロキシブチレート(商品名ヒ゛オク゛リーン、三菱カ゛ス化学製、ガラス転移温度4℃、融点180℃)を使用した。比較例4は延伸後、熱処理を行っていない。また、比較例5は延伸および熱処理を行っていない。
得られたシートの抗張力を表2に示した。実施例9〜11と比較例4は本発明の範囲にあり、比較例3,5は範囲外である。さらに、シートから得られる成形体の形状を示す成形性、耐熱性、耐衝撃性、総合評価を表2に示した。
表裏層(一方の層)のポリ乳酸系重合体部分の融点は171℃であり、中間層(他方の層)のポリ乳酸系重合体部分の融点は165℃である。
実施例9〜11は上記各評価測定に実用範囲以上の結果を示し、総合評価は△以上である。特に、実施例10,11は特に総合評価は○である。一方、抗張力が発明範囲より大きい比較例3は成形体の形状が不良である。また熱処理を施していない比較例4は抗張力が発明範囲内であっても耐熱性が不足している。さらに延伸かつ熱固定されておらず、表裏層が延伸されていない比較例5は抗張力が発明範囲内であっても耐熱性と耐衝撃性が劣る。
製造例1で得られたポリ乳酸系樹脂(L−乳酸:D−乳酸=99.5:0.5)を実施例1と同様にして押し出しシートを得た。続いて得られたシートを三菱重工業(株)製フィルムテンターを用い、温水循環式ロールと接触させつつ赤外線ヒーターを併用して75℃に加熱し、周速差ロール間で縦方向に3.0倍、次いでこの縦延伸シートをクリップで把持しながらテンターに導き、シート流れの垂直方向に75℃で3.0倍に延伸した後、135℃で約15秒間緊張間熱処理し、15μmと25μm厚みの延伸シートを作成した。
実施例12は上記各評価測定に実用範囲以上の結果を示し、総合評価は△である。
2 金型
3 熱盤
4 圧空
5 成形体
Claims (2)
- ポリ乳酸系重合体を主成分とし延伸かつ熱固定された一方の層と、前記一方の層を構成するポリ乳酸系重合体より、融点が2℃以上低いポリ乳酸系重合体を主成分とする他方の層を有するポリ乳酸系多層シートにおいて、該他方の層は、ガラス転移温度が0℃以下かつ融点が60℃以上の、ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステルを含有し、該ポリ乳酸系多層シートの135℃における抗張力が2〜30kg/cm2であることを特徴とする熱成形用ポリ乳酸系多層シート。
- 請求項1に記載のポリ乳酸系多層シートを熱成形して成形されたことを特徴とする成形体。
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