JP3472549B2 - 生分解性導電性複合シート、それを用いてなる成形体及びキャリアテープ - Google Patents

生分解性導電性複合シート、それを用いてなる成形体及びキャリアテープ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、生分解性樹脂か
ならる導電性複合シート、これを用いた成形体及びキャ
リアテープに関する。
【0002】
【従来の技術】キャリアテープとしては、従来、スチレ
ン系樹脂からなる基材層の表裏に、多量の導電性フィラ
ーを混練したスチレン系樹脂組成物を共押出しにより一
体積層した導電性シート、塩化ビニル系樹脂にカーボン
ブラック等の導電性フィラーを混練した塩化ビニル系樹
脂組成物をシート状に成形した導電性シート、又はスチ
レン系樹脂やエチレンテレフタレート系樹脂等の熱可塑
性樹脂からなるシートの少なくとも片面に導電層を設け
た導電性シートを、プレス成形や真空成形等で二次成形
したものが用いられてきた。
【0003】しかし、上記の導電性シートからなるキャ
リアテープは、環境上の問題点を有するため、使用中は
キャリアテープに適した物性を有し、使用後は自然環境
下で短期間に生分解するキャリアテープが要望される。
【0004】そのような生分解性樹脂をキャリアテープ
として使用したものとしては、特開平11−39945
号公報に開示された、ポリ乳酸系樹脂及びポリアルキル
アルカノエート系樹脂に導電性フィラー等を添加した生
分解性導電性シートから形成される生分解性導電性キャ
リアテープが知られている。
【0005】また、特開2000−85837号公報に
は、生分解性樹脂からなるベース層に、導電性材料を含
む被覆層を設けることを特徴とするキャリアテープが提
案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、生分解
性導電性キャリアテープにおいては、所望の表面抵抗を
得るためには、導電性フィラーが多量に必要となる。こ
のため、フィラーが凝集してブツが発生しやすくなり、
またコスト的な問題も生じる。
【0007】さらに、生分解性キャリアテープにおいて
は、耐熱性については考慮されていない為、例えば、輸
送コンテナでの輸送中、倉庫での貯蔵等、50℃以上の
環境にさらされると、変形等の発生により、製品として
使用できなくなる場合がある。
【0008】そこで、この発明は、導電性フィラーの使
用量が少なくても十分な表面導電性を有する導電性複合
シートを得ること、及び、輸送中、倉庫等での貯蔵にお
いて、温度管理をしていないと夏場等の条件下でも変形
を生じない乳酸系重合体からなるキャリアテープを得る
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、複数の層からなる生分解性導電性複合
シートにおいて、この複合シートのJIS K7198
に基づく動的粘弾性の温度依存性に関する試験方法にお
ける120℃での貯蔵弾性率E’を100MPa以上と
し、上記複合シートの外層に、ポリ乳酸系重合体及び3
〜15重量%の導電剤を含有させ、上記複合シートの内
層として、ポリ乳酸系重合体を用いることにより、上記
の問題点を解決したものである。
【0010】所定条件下での貯蔵弾性率E’を100M
Pa以上としたので、耐熱性を向上したキャリアテープ
を製造することができ、輸送コンテナでの輸送中や倉庫
等での貯蔵において温度上昇が生じても、変形の発生を
抑制できる。
【0011】また、生分解性導電性複合シートの外層に
導電性フィラーを配したので、導電性フィラーの使用量
を減少させることができ、使用量が少なくても十分な表
面導電性を有することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明につき詳細に説明
する。
【0013】この発明にかかる生分解性導電性複合シー
トは、複数の層から形成される積層体である。この生分
解性導電性複合シートは、所定の貯蔵弾性率E’を有
し、この生分解性導電性シートの外層は、ポリ乳酸系重
合体及び3〜15重量%の導電剤を含有し、この生分解
性導電性シートの内層は、ポリ乳酸系重合体からなる複
合シートである。
【0014】上記積層体の層の数は、少なくとも3層で
あればよく、4層以上であってもよい。3層の場合は、
中間層を上記の条件を満たす内層を構成し、4層以上で
ある場合は、外層以外の層のうち少なくとも1層が上記
の条件を満たす内層を構成すればよい。
【0015】上記貯蔵弾性率E’とは、JIS K71
98に基づく動的粘弾性の温度依存性に関する試験方法
における120℃での貯蔵弾性率をいう。この貯蔵弾性
率E’は、100MPa以上がよく、100〜500M
Paが好ましい。100MPa未満だと、耐熱性に劣る
場合がある。また、100〜500MPaの範囲内とす
ると、成形性と耐熱性の特徴をより発揮することができ
る。
【0016】上記生分解性導電性シートの外層及び内層
を構成する乳酸系重合体とは、構造単位がL−乳酸であ
るポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ
(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸及びD−乳酸である
ポリ(DL−乳酸)やこれらの混合体をいい、さらに
は、後述するヒドロキシカルボン酸単位との共重合体で
あってもよい。
【0017】乳酸系重合体の重合法としては、縮重合
法、開環重合法など公知のいずれの方法を採用すること
ができる。例えば、縮重合法ではL−乳酸又はD−乳酸
あるいはこれらの混合物を直接脱水縮重合して任意の組
成を持ったポリ乳酸系重合体を得ることができる。
【0018】また、開環重合法では乳酸の環状2量体で
あるラクチドを、必要に応じて重合調整剤等を用いなが
ら、選ばれた触媒を使用してポリ乳酸系重合体を得るこ
とができる。ラクチドにはL−乳酸の2量体であるL−
ラクチド、D−乳酸の2量体であるD−ラクチド、さら
にL−乳酸とD−乳酸からなるDL−ラクチドがあり、
これらを必要に応じて混合して重合することにより任意
の組成、結晶性をもつポリ乳酸を得ることができる。
【0019】さらに、必要に応じ、少量共重合成分とし
て、テレフタル酸のような非脂肪族カルボン酸及び/又
はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のよう
な非脂肪族ジオールを用いてもよい。
【0020】さらにまた、分子量増大を目的として少量
の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキ
シ化合物、酸無水物などを使用できる。重合体の重量平
均分子量の好ましい範囲としては6万から100万であ
り、この範囲を下回る場合は実用物性がほとんど発現さ
れず、上回る場合には、溶融粘度が高すぎ成形加工性に
劣る。
【0021】ポリ乳酸に共重合される上記他のヒドロキ
シカルボン酸単位としては、乳酸の光学異性体(L−乳
酸に対してはD−乳酸、D−乳酸に対してはL−乳
酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロ
キシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ
−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル
酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の
2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸やカプロラクトン、
ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げ
られる。
【0022】上記生分解性脂肪族ポリエステルとして
は、ポリ乳酸を除くポリヒドロキシカルボン酸、脂肪族
ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪
族ポリエステル、環状ラクトン類を開環重合した脂肪族
ポリエステル、合成系脂肪族ポリエステル、菌体内で生
合成される脂肪族ポリエステル等が挙げられる。
【0023】上記のポリ乳酸を除くポリヒドロキシカル
ボン酸としては、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ
酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−
3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪
酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等のヒ
ドロキシカルボン酸の単独重合体や共重合体があげられ
る。
【0024】上記脂肪族ジオールとしては、エチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール等があげられる。また、上記脂肪族
ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリ
ン酸、セバシン酸及びドデカン二酸等が代表的にあげら
れる。これらの脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を
縮合して得られる脂肪族ポリエステルとしては、上記の
各化合物の中からそれぞれ1種類以上選んで縮合重合
し、あるいは必要に応じてイソシアネート化合物等でジ
ャンプアップして所望のポリマーを得ることができる。
【0025】上記の環状ラクトン類を開環重合した脂肪
族ポリエステルは、環状モノマーとして、ε−カプロラ
クトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロ
ラクトン等の1種類又はそれ以上を重合されることによ
り製造される。
【0026】上記の合成系脂肪族ポリエステルとして
は、環状酸無水物とオキシラン類、例えば、無水コハク
酸とエチレンオキサイド、プロピオンオキサイド等との
共重合体等があげられる。
【0027】上記の菌体内で生合成される脂肪族ポリエ
ステルとしては、アルカリゲネスユートロファスを始め
とする菌体内でアセチルコエンチームA(アセチルCo
A)により生合成される脂肪族ポリエステルが知られて
いる。この脂肪族ポリエステルは、主にポリ−β−ヒド
ロキシ酪酸(ポリ3HB)であるが、プラスチックとし
ての実用特性向上のために、吉草酸ユニット(HV)を
共重合し、ポリ(3HB−co−3HV)の共重合体に
することが工業的に有利である。HV共重合比は一般的
に0〜40%である。さらに長鎖のヒドロキシアルカノ
エートを共重合してもよい。
【0028】この発明に使用されるポリ乳酸系重合体の
重量平均分子量は6万以上70万以下がよい。重量平均
分子量が6万未満ではシート成形時に引き取った溶融重
合体が固化する前に流動してしまい、膜厚の均一なシー
トを得ることが難しい場合がある。また、得られるシー
トは脆く、わずかな応力や変形で容易に破断、割れが発
生する場合がある。
【0029】一方、重量平均分子量が70万を越える
と、シート成形時に高負荷によってスクリュー回転速度
が一定しないことや口金内部で溶融重合体の圧力(樹脂
圧)が高くなり、メルトフラクチャー等による押出不良
につながる場合がある。また、口金出口で溶融重合体に
高剪断が加わりシートの外観に悪影響を及ぼす等の問題
も生じる。なお、押出温度を高くすることにより、樹脂
の溶融粘度を下げることができるが、ポリ乳酸は熱分解
しやすいので好ましい方法ではない。
【0030】上記生分解性導電性複合シートの外層に使
用される導電剤としては、例えば、導電性カーボン、酸
化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウムがあげられ
る。これらは単独で用いても、2種類以上を組み合わせ
て用いてもよい。これらの中でも、成形性や成形後の抵
抗率等の点から、導電性カーボンが好ましい。上記導電
性カーボンとしては、例えば、ケッチェンブラックE
C、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチ
レンブラック等をあげることができるが、少量の添加量
で高い導電性が得られる点で、ケッチェンブラックEC
がより好ましい。ケッチェンブラックECを使用した場
合、添加量が少量で済むため、生分解導電性複合シート
の機械的性質の低下が少ない。
【0031】上記導電剤の平均粒子径は、0.01〜1
0μmが好ましく、0.05〜5μmが特に好ましい。
0.01μm未満では、原料樹脂中での分散が悪く、1
0μmを超えると、得られる生分解性導電性複合シート
の剛性が高くなり、キャリアテープとして要望される特
性が失われる場合があるからである。
【0032】上記の外層における導電剤の量は、後述す
る生分解性導電性複合シートの表面抵抗率が所定の範囲
内となるようにするのがよく、具体的には、外層全体に
対し、3〜15重量%が好ましく、3〜10重量%がよ
り好ましい。3重量%より多いと、得られる生分解性導
電性複合シートの表面の導電性を十分得ることができ、
また、15重量%より少ないと、得られる生分解性導電
性複合シートのコスト削減につなげることができ、ま
た、柔らかくすることができ、さらには、ブツの発生を
抑制できる。
【0033】上記の外層及び内層は、上記の各成分以外
に、この発明の効果を阻害しない範囲で、滑剤、可塑
剤、各種界面活性剤、染料、顔料、その他の添加剤やポ
リマーを添加することができる。上記滑剤としては、ベ
ヘニン酸、ステアリン酸、ペンタエリスリトールモノエ
ステル、ペンタエリスリトールジエステル、ペンタエリ
スリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトール
−アジピン酸−ステアレート複合エステル、ジペンタエ
リスリトールーアジピン酸−ステアリン酸複合エステ
ル、ジペンタエリスリトールへキサステアレート等があ
げられる。可塑剤としては、ジオクチルフタレート等が
あげられる。界面活性剤としては、アセチレングリコー
ル、アセチレンアルコール、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪族エステル等があげられる。
【0034】この発明にかかる生分解性導電性複合シー
トの製造方法としては、通常に用いられる共押出法、加
熱圧着法等の積層方法を用いることができる。上記共押
出法とは、複数の押出機からフィードブロック式あるい
はマルチマニホールド式にひとつの口金に連結する方法
であり、この口金としては、Tダイ、Iダイ、丸ダイ等
があげられる。これらの口金等から溶融押し出しを行っ
たシート状物又は円筒状物を冷却キャストロールや水、
圧空等により急冷し非晶質に近い状態で固化させた後、
ロール法、テンター法、チューブラー法等により一軸又
は二軸に延伸することにより得られる。
【0035】未延伸乳酸系重合体シートの延伸条件とし
ては、延伸温度50〜100℃、延伸倍率1.5倍〜5
倍、延伸速度100%/分〜10,000%/分がよ
い。この延伸条件は、重合体の組成や未延伸シートの熱
履歴によって異なるため、成形品の120℃での貯蔵弾
性率E’の値を見ながら適宜決められる。また、延伸
後、乳酸系重合体の結晶化温度(Tc)より−20℃か
ら乳酸系重合体の融点(Tm)の範囲内で、再熱処理す
る事により、貯蔵弾性率E’を向上させることが出来
る。
【0036】製造時に発生する生分解性導電性複合シー
トの端材(端部や不良品等)は、積層内部の層であっ
て、上記の内層の要件を満たさない中層に使用すること
ができる。これにより、結果的に中層の導電剤を添加す
ることが可能となる。
【0037】このようにして得られた生分解性導電性複
合シートの表面抵抗率は、103 〜108 Ωの範囲にあ
ることが好ましい。表面抵抗率を103 Ω以上とする
と、電子部品の端子が導通してショートするおそれがな
くなり、108 Ω以下とすると、十分な導電性を得るこ
とができ、静電気の発生を抑制することができる。
【0038】得られた生分解性導電性複合シートから熱
成形により成形体を得るには、この生分解性導電性複合
シートを赤外線ヒータ、熱板ヒータ、熱風などにより成
形温度に予熱し熱成形する。予熱温度は乳酸系重合体の
ガラス転移点(Tg)から乳酸系重合体の融点(Tm)
の範囲内で予熱を行う。予熱温度がTg以下ではシート
が柔らかくならず成形が困難であり、Tm以上では予熱
中にシートがドローダウン(自重で垂れ下がる)するこ
とにより、均一な成形体が得られにくいからである。
【0039】熱成形の方法としては真空成形法、圧空成
形法、雄雌型成形法、成形雄型に沿ってシートを変形し
た後に成形雄型を拡張する方法等がある。
【0040】成形体としては、キャリアテープ等があげ
られる。上記生分解性導電性複合シートの成形体をキャ
リアテープとして使用する場合、上記生分解性導電性複
合シートの厚さは通常のキャリアテープとして実用的に
使用できる程度の厚さであればよく、通常、100〜1
000μmの範囲である。
【0041】
【実施例】以下に実施例を示すが、これらにより本発明
は何ら制限を受けるものではない。
【0042】〔測定方法〕表面抵抗率 試験片を23℃50%RHに90時間静置した後、JI
S K−6911に準拠して、表面抵抗率コンパレータ
ー付き表面抵抗計(MCP−TESTER(三菱化学社
製、商品名))を用いて、得られた積層フィルムの表面
抵抗率を測定する。
【0043】ブツ 目視により、得られた積層フィルムのブツの多少を評価
する。
【0044】ガラス転移点、結晶化温度、融点 示差走査熱量計DSC−7(パ−キンエルマ−社製)を
用い、フィルムサンプル10mgをJIS−K7122
に基づいて、昇温速度10℃/分で昇温したときのサ−
モグラムから、ガラス転移点、結晶化温度、融点を求め
る。
【0045】120℃での貯蔵弾性率E’ 岩本製作所製の動的粘弾性測定装置VES−F型を用
い、JISK7198に基づいて室温〜融解温度の範囲
で、昇温速度1℃/分、周波数10Hzで測定を行う。
得られた粘弾性カーブから120℃での貯蔵弾性率E’
を求める。
【0046】耐熱性評価 成形されたキャリアテープを、50℃の熱風乾燥機中に
150時間保管した後、外観変化を目視にて観察する。
【0047】(実施例1)乳酸系重合体(カーギル社
製、EcoPLA4030D(ガラス転移点58℃、融
点175℃、重量平均分子量24万))、及び導電剤
(インターナショナル社製、ケッチェンブラックEC)
を、ポリ乳酸系重合体/導電剤=95/5の重量比で混
合し40mmφ同方向二軸押出機に供給して、溶融混練
してストランド状に押し出した後、ペレタイザーにてペ
レット上にカットして、外層用ペレットを得た。
【0048】上記の外層用ペレットと内層用とし上記乳
酸系重合体単体ペレットを各同方向二軸押出機に供給
し、マルチマニフォールドダイから押し出し、厚さが外
層/内層/外層=150/1950/150(μm)の
総厚2.25mmの未延伸シートを得た。
【0049】上記未延伸シートを長手方向に70℃で
2.5倍にロール延伸、次いで、幅方向にテンターで7
0℃で3.0倍に延伸した。引続き、熱処理をテンター
の熱処理ゾーンで温度120℃、処理時間25秒で行っ
て厚み0.3mmの延伸乳酸系導電性重合体シートを得
た。
【0050】得られたシートの120℃での貯蔵弾性率
E’は、205MPaであった。また、得られた積層シ
ートの表面抵抗率は、3×107 Ωであり、ブツはなか
った。
【0051】得られた延伸乳酸系重合体導電性シートを
用いてCKD社製の熱盤接触加熱式圧空成形機にて、成
形温度140℃、成形圧1MPaにて、長さ20mm、
幅15mmで、深さ3mmのポケット形状を持ったキャ
リアテープを成形した。
【0052】得られたキャリアテープを、50℃の熱風
乾燥機中に150時間保管した後の、外観変化を目視に
て観察したところ、変形などの異常は見られなかった。
【0053】(実施例2)乳酸系重合体(カーギル社
製、EcoPLA(D%=3.2%、ガラス転移点54
℃、融点151℃、結晶化温度125℃、重量平均分子
量24万))を用いた以外は、実施例1と同様に行なっ
た。
【0054】得られたシートの120℃での貯蔵弾性率
E’は、190MPaであった。また、得られた積層シ
ートの表面抵抗率は、3×107 Ωであり、ブツはなか
った。
【0055】得られた延伸乳酸系重合体導電性シートを
用いてCKD社製の熱盤接触加熱式圧空成形機にて、成
形温度140℃、成形圧1MPaにて、長さ20mm、
幅15mmで、深さ3mmのポケット形状を持ったキャ
リアテープを成形した。
【0056】得られたキャリアテープを、50℃の熱風
乾燥機中に150時間保管した後の、外観変化を目視に
て観察したところ、変形などの異常は見られなかった。
【0057】(実施例3)乳酸系重合体(カーギル社
製、EcoPLA(D%=5.1%、ガラス転移点58
℃、融点145℃、結晶化温度121℃、重量平均分子
量20万))を用いた以外は、実施例1と同様に行なっ
た。
【0058】得られたシートの120℃での貯蔵弾性率
E’は、155MPaであった。また、得られた積層シ
ートの表面抵抗率は、2×107 Ωであり、ブツはなか
った。
【0059】また、得られたキャリアテープを、50℃
の熱風乾燥機中に150時間保管した後の、外観変化を
目視にて観察したところ、変形などの異常は見られなか
った。
【0060】(比較例1)乳酸系重合体(カーギル社
製、EcoPLA(D%=8.5%、ガラス転移点58
℃、融点140℃、結晶化温度120℃、重量平均分子
量20万))を用いた以外は、実施例1と同様に行なっ
た。
【0061】得られたシートの120℃での貯蔵弾性率
E’は、95MPaであった。また、得られた積層シー
トの表面抵抗率は、5×107 Ωであり、ブツはなかっ
た。
【0062】また、得られたキャリアテープを、50℃
の熱風乾燥機中に150時間保管した後の、外観変化を
目視にて観察したところ、成形した部分が収縮し、大き
く変形していた。
【0063】(比較例2)実施例1の外層の構成をポリ
乳酸系重合体/導電剤=98/2とする以外は、実施例
1と同様にした。その結果、表面抵抗率は1×10
9 Ω、あった。ブツはなかった。また得られたシートの
120℃での貯蔵弾性率E’は、200MPaであっ
た。
【0064】
【発明の効果】この発明によれば、所定の貯蔵弾性率
E’を有する生分解性導電性複合シートを用いるので、
耐熱性を向上したキャリアテープを製造することがで
き、輸送コンテナでの輸送中や倉庫等での貯蔵において
温度上昇が生じても、変形の発生を抑制できる。
【0065】また、生分解性導電性複合シートの外層及
び内層を所定の構成とするので、導電性フィラーの使用
量が少なくても十分な表面導電性を有することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の層からなる生分解性導電性複合シ
    ートにおいて、この複合シートのJIS K7198に
    基づく動的粘弾性の温度依存性に関する試験方法におけ
    る120℃での貯蔵弾性率E’が、100MPa以上で
    あり、上記複合シートの外層は、ポリ乳酸系重合体及び
    3〜15重量%の導電剤を含有し、上記複合シートの内
    層は、ポリ乳酸系重合体からなる生分解性導電性複合シ
    ート。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の生分解性導電性複合シ
    ートを用いてなる成形体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の生分解性導電性複合シ
    ートを用いてなるキャリアテープ。
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