JP3507777B2 - 生分解性導電性複合成形体及びその製造方法 - Google Patents

生分解性導電性複合成形体及びその製造方法

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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、生分解性導電性
複合成形体及びキャリアテープに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、表面実装技術の大幅な進歩に伴
い、高性能で小型の電子部品、特に、IC、トランジス
ター、ダイオード等のチップ型電子部品の需要が増加し
ている。これらのチップ型電子部品は、通常、プラスチ
ックシートを真空成形、圧空成形、あるいはプレス成形
等で二次成形して得られるキャリアテープ又はトレーに
収納され、搬送、保管される。上記のキャリアテープに
収納される場合は、蓋材であるトップテープでシールさ
れ、包装体にして供給される。
【0003】このキャリアテープとしては、従来、スチ
レン系樹脂からなる基材層の表裏に、多量の導電性フィ
ラーを混練したスチレン系樹脂組成物を共押出しにより
一体積層した導電性シート、塩化ビニル系樹脂にカーボ
ンブラック等の導電性フィラーを混練した塩化ビニル系
樹脂組成物をシート状に成形した導電性シート、あるい
はスチレン系樹脂やエチレンテレフタレート系樹脂等の
熱可塑性樹脂からなるシートの少なくとも片面に導電層
を設けた導電性シートを、プレス成形や真空成形等で二
次成形したものが用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
導電性シートからなるキャリアテープは、耐熱性が劣る
ため、ベーキング工程(100℃以上に加熱)を必要と
する電子部品のキャリアテープとしては使用されてこな
かった。
【0005】このような耐熱性を必要とする場合には、
ポリカーボネートが主に使用されてきた。しかし、これ
は、環境上の問題点を有するため、使用中はキャリアテ
ープとして適した物性を有し、使用後は自然環境下で短
期間に生分解するキャリアテープが要望される。
【0006】そのような生分解性樹脂をキャリアテープ
として使用したものとして、特開平10−120887
号公報、特開平10−120888号公報に、ポリ乳酸
系及びポリ乳酸系以外の脂肪族ポリエステルに、結晶性
SiO2 と結晶性無機充填材、及び導電性カーボンを添
加した組成物を85〜125℃の金型に充填して結晶化
させながら成形することにより、耐熱性に優れた成形品
が開示されている。ところが、上記の成形品は、射出成
形による導電性トレーを主としたものであり、積層体に
適用することはできない。
【0007】また、上記以外に生分解性樹脂をキャリア
テープとして使用したものとして、特開平11−399
45号公報に、ポリ乳酸系樹脂とポリアルキルアルカノ
エート系樹脂に無機充填材と導電性フィラー等を添加し
たものが開示されている。しかし、上記の生分解性導電
性キャリアテープにおいては、所望の表面抵抗を得るた
めには、導電性フィラーが多量に必要となる。このた
め、フィラーが凝集してブツが発生しやすくなり、また
コスト的な問題も生じる。さらに、上記には無機充填材
が、シートの導電性、剛性、生分解性速度の向上とコス
トカットのため、10〜40重量部と大量に添加されて
いる。このため、得られる生分解性導電性キャリアテー
プの表面にブツが発生しやすい。
【0008】さらにまた、特開2000−85837号
公報には、生分解性樹脂からなるベース層に、導電性材
料を含む被覆層を設けることを特徴とするキャリアテー
プが開示されている。しかし、この方法においては、表
面層のみが導電性を有するため、最も重要な表面抵抗率
を下げることができるが、厚み方向に体積抵抗率が下が
らず、使用法によっては、アースがとりにくく、キャリ
アテープの内面全体が帯電し、チップ型電子部品を破損
する可能性がある。
【0009】そこで、本発明は、生分解性を有し、ベー
キング工程にも使用でき、かつ、キャリアテープとして
使用可能な導電性複合成形体を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、少なくとも
3層から形成される生分解性導電性複合シートを結晶化
後、直ちに成形することにより、上記の課題を解決した
のである。
【0011】結晶化した生分解性導電性複合シートの成
形体を使用するので、耐熱性を有し、ベーキング工程に
使用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明につき詳細に説明
する。
【0013】この発明にかかる生分解性導電性複合成形
体は、生分解性導電性複合シートを所定条件下で成形し
たものである。
【0014】上記生分解性導電性複合シートは、少なく
とも3層の複数層から形成される積層体である。この積
層体の一方又は両方の外層は、ポリ乳酸系重合体、タル
ク、及び導電剤を含有する。また、上記積層体の内層
は、ポリ乳酸系重合体及びタルク、必要に応じて導電剤
を含有する。これらの外層と内層とは、異なる成分又は
成分割合、すなわち、異なる構成成分を有する。上記積
層体が4層以上の場合は、両外層以外の2層以上の内層
のうち、少なくとも1層が上記の成分を有すればよい。
【0015】上記ポリ乳酸系重合体とは、構造単位がL
−乳酸であるポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸で
あるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸及びD−乳
酸である、ポリ(DL−乳酸)やこれらの混合体をい
い、さらには、後述するヒドロキシカルボン酸単位との
共重合体であってもよい。
【0016】ポリ乳酸系重合体の重合法としては、縮重
合法、開環重合法など公知のいずれの方法を採用するこ
とができる。例えば、縮重合法ではL−乳酸又はD−乳
酸、あるいはこれらの混合物を直接脱水縮重合して任意
の組成を持ったポリ乳酸系重合体を得ることができる。
【0017】また、開環重合法では乳酸の環状2量体で
あるラクチドを、必要に応じて重合調整剤等を用いなが
ら、選ばれた触媒を使用してポリ乳酸系重合体を得るこ
とができる。ラクチドにはL−乳酸の2量体であるL−
ラクチド、D−乳酸の2量体であるD−ラクチド、さら
にL−乳酸とD−乳酸からなるDL−ラクチドがあり、
これらを必要に応じて混合して重合することにより任意
の組成、結晶性をもつポリ乳酸を得ることができる。
【0018】さらに、必要に応じ、少量共重合成分とし
て、テレフクル酸のような非脂肪族ジカルボン酸及び/
又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のよ
うな非脂肪族ジオールを用いてもよい。
【0019】さらにまた、分子量増大を目的として少量
の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキ
シ化合物、酸無水物などを使用できる。重合体の重量平
均分子量の好ましい範囲としては6万から100万であ
る。この範囲を下回る場合は実用物性がほとんど発現さ
れず、上回る場合には、溶融粘度が高すぎ成形加工性に
劣る場合がある。
【0020】ポリ乳酸に共重合される上記他のヒドロキ
シカルボン酸単位としては、乳酸の光学異性体(L−乳
酸に対してはD−乳酸、D−乳酸に対してはL−乳
酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロ
キシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ
−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル
酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の
2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸やカプロラクトン、
ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類があげ
られる。
【0021】上記の外層、内層には、ポリ乳酸以外に必
要に応じて、ポリ乳酸を除くポリヒドロキシカルボン
酸、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得
られる脂肪族ポリエステル、環状ラクトン類を開環重合
した脂肪族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエステル、
菌体内で生合成される脂肪族ポリエステル等を添加して
もよい。
【0022】上記のポリ乳酸を除くポリヒドロキシカル
ボン酸としては、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ
酪酸、2−ヒドロキシ−n一酪酸、2−ヒドロキシ−
3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪
酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等のヒ
ドロキシカルボン酸の単独重合体や共重合体があげられ
る。
【0023】上記脂肪族ジオールとしては、エチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール等があげられる。また、上記脂肪族
ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリ
ン酸、セバシン酸及びドデカン二酸等が代表的にあげら
れる。これらの脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を
縮合して得られる脂肪族ポリエステルとしては、上記の
各化合物の中からそれそれ1種類以上選んで縮合重合
し、あるいは必要に応じてイソシアネート化合物等でジ
ャンプアップして所望のポリマーを得ることができる。
【0024】上記の環状ラクトン類を開環重合した脂肪
族ポリエステルは、環状モノマーとして、ε−カプロラ
クトン、δ−バレロラクトン、β−メチルーδ−バレロ
ラクトン等の1種類又はそれ以上を重合されることによ
り製造される。
【0025】上記の合成系脂肪族ポリエステルとして
は、環状酸無水物とオキシラン類、例えば、無水コハク
酸とエチレンオキサイド、プロピオンオキサイド等との
共重合体等があげられる。
【0026】上記の菌体内で生合成される脂肪族ポリエ
ステルとしては、アルカリゲネスユートロフアスを始め
とする菌体内でアセチルコエンチームA(アセチルCo
A)により生合成される脂肪族ポリエステルが知られて
いる。この脂肪族ポリエステルは、主にポリ−β−ヒド
ロキシ酪酸(ポリ3HB)であるが、プラスチックとし
ての実用特性向上のために、ヒドロキシ吉草酸ユニット
(HV)を共重合し、ポリ(3HB−CO−3HV)の
共重合体にすることが工業的に有利である。HV共重合
比は一般的に0〜40%である。さらに長鎖のヒドロキ
シアルカノエートを共重合してもよい。
【0027】上記タルクとは、含水ケイ酸塩鉱物をい
い、上記ポリ乳酸系重合体を結晶化させる際の結晶核と
しての役割を有する。
【0028】上記導電剤としては、例えば、導電性カー
ボン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウムがあ
げられる。これらは単独で用いても、2種類以上を組み
合わせて用いてもよい。これらの中でも、成形性や成形
後の抵抗率等の点から、導電性カーボンが好ましい。上
記導電性カーボンとしては、例えば、ケッチェンブラッ
クEC、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ア
セチレンブラック等をあげることができるが、少量の添
加量で高い導電性が得られる点で、ケッチェンブラック
ECがより好ましい。ケッチェンブラックECを使用し
た場合、添加量が少量で済むため、生分解導電性複合シ
ートの機械的性質の低下が少ない。
【0029】上記導電剤の平均粒子径は、0.01〜1
0μmが好ましく、0.05〜5μmが特に好ましい。
0.01μm未満では、原料樹脂中での分散が悪く、1
0μmを超えると、得られる生分解性導電性複合シート
の剛性が高くなり、キャリアテープとして要望される特
性が失われるからである。
【0030】この発明においては、これらの原材料か
ら、特定構成の積層体を作ることが最も重要である。
【0031】上記の外層及び内層におけるタルクの平均
粒子径D50は、レーザー回折法による測定において、
3.0μm以下がよい。3.0μmより大きいと、結晶
化促進の効果が少ないからである。また、タルクの添加
量は、0.3〜15重量%がよく、0.3〜10重量%
が好ましい。0.3重量%より少ないと、結晶化促進の
効果が少なく、また、15重量%より多いと、上記ポリ
乳酸系重合体への分散性が悪くなりブツの原因となる場
合がある。
【0032】上記の外層における導電剤の量は、後述す
る生分解性導電性複合シートの表面抵抗率が所定の範囲
内となるようにするのがよく、具体的には、外層全体に
対し、3〜15重量%が好ましく、3〜10重量%がよ
り好ましい。3重量%より少ないと、得られる生分解性
導電性複合シートの表面の導電性が十分でなく、また、
15重量%より多いと、得られる生分解性導電性複合シ
ートのコストが高くなり、また、脆くなりやすく、さら
には、ブツも出やすい。
【0033】上記の内層における導電剤の量は、使用法
によっては、アースを取りにくいキャリアテープの内面
全体が帯電し、チップ型電子部品を破損する可能性があ
り、同様に後述する導電性複合シートの厚み方向の体積
抵抗率が所定の範囲となるようにするのがよい。具体的
には、内層全体に対し、3重量%以下がよく、0.1〜
3重量%が好ましい。0.1重量%より少ないと、生分
解性導電シートの厚み方向の導電率が十分でない場合が
あり、また、3重量%より多いと、ブツの発生やコスト
高につながる。
【0034】上記の外層及び内層には、上記の各成分以
外に、この発明の効果を阻害しない範囲で、滑剤、可塑
剤、各種界面活性剤、染料、顔料、その他の添加剤やポ
リマーを添加することもできる。上記滑剤としては、ベ
ヘニン酸、ステアリン酸、ペンタエリスリトールモノエ
ステル、ペンタエリスリトールジエステル、ペンタエリ
スリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトール
−アジピン酸−ステアレート複合エステル、ジペンタエ
リスリトールーアジピン酸−ステアリン酸複合エステ
ル、ジヘンタエリスリトールへキサステアレート等があ
げられる。可塑剤としては、ジオクチルフタレート等が
あげられる。界面活性剤としては、アセチレングリコー
ル、アセチレンアルコール、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪族エステル等があげられる。
【0035】この発明にかかる生分解性導電性複合シー
トの製造方法としては、通常に用いられる共押出法、加
熱圧着法等の積層方法を用いることができる。上記共押
出法とは、複数の押出機からフィードブロック式あるい
はマルチマニホールド式にひとつの口金に連結する方法
であり、この口金としては、Tダイ、Iダイ、丸ダイ等
があげられる。シートの厚みとしては、実用上0.05
〜3mmが好ましく、より好ましくは0.1〜1mmで
ある。
【0036】このとき、製造時に発生する生分解性導電
性複合シートの端材(端部や不良品等)は、積層内部の
層であって、上記の内層の要件を満たさない中層に使用
することができる。これにより、結果的に中層の導電剤
を添加することが可能となる。
【0037】上記加熱圧着法とは、巻き出した混合フィ
ルムの表面上に別種のフィルムをロールやプレス板を用
いて積層体を形成する方法である。
【0038】このようにして得られた生分解性導電性複
合シートの表面抵抗率は、103 〜108 Ωの範囲にあ
ることが好ましい。表面抵抗率が103 Ω未満では電子
部品の端子が導通してショートするおそれかあり、10
8 Ωを超えると十分な導電性が得られず、静電気が発生
しやすくなる。
【0039】また、得られた生分解性導電性複合シート
の体積抵抗率は、108 〜1013Ωの範囲にあれば良
い。なぜなら、局所的に発生した静電気は、まずは表面
を伝って広く拡散されるので、その結果、厚み方向には
局所的に多くの導電を確保する必要がないからである。
したがって、厚み方向には、表面ほどの高い導電性は要
らない。しかしながら、1013Ωを上回ると、静電気が
発生しやくすくなる。
【0040】上記生分解性導電性複合シートは結晶化
後、直ちに成形することにより、成形体が得られ、この
成形体に耐熱性を付与させることができる。上記結晶化
の方法としては、上記生分解性導電性シートを予熱する
方法があげられる。これにより、上記生分解性導電性複
合シートを構成する層に結晶を生じさせることができ
る。
【0041】上記の予熱は、120℃〜160℃の温度
で、1分以内、好ましくは30秒以内の条件下で行うこ
とが好ましい。1分を越えて加熱すると、予熱ゾーンが
長くなり、設備が大型になるので好ましくない。加熱を
1分以内とすると、特に、キャリアテープ製造に使用す
る場合、十分な耐熱性と導電性を発揮し得るので好まし
い。また、120℃未満の温度とすると、結晶化速度が
遅くなるため、1分以内では十分に結晶化せず、耐熱性
に劣る。また、160℃を越えると、結晶化が促進され
すぎて成形しにくくなる場合がある。従って、上記条件
下で予め結晶化処理することにより、耐熱性に優れた生
分解性導電性複合成形体が得られる。
【0042】上記予熱した後、直ちに成形、具体的には
熱成形するのがよい。上記予熱後、熱成形までの時間が
長くなると、成形が不可能となる場合があるからであ
る。
【0043】上記熱成形の方法としては、真空成形、圧
空成形、プレス成形等のシート成形法があげられる。こ
れらの方法により、各種の成形体が得られる。
【0044】上記生分解性導電性複合成形体としては、
例えば、キャリアテープ等があげられる。
【0045】
【実施例】以下に実施例を示すが、これらにより本発明
は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例中の物
性値は以下の方法により測定、評価した。
【0046】表面抵抗率 試験片を23℃、50%RHに90時間静置した後、J
IS K−6911に準拠して、表面抵抗率コンパレー
ター付き表面抵抗計(MCP−TESTER(三菱化学
社製、商品名))を用いて、得られた積層フィルムの表
面抵抗率を測定した。
【0047】体積抵抗率 試験片を23℃、50%RHに90時間静置した後、J
IS K−6911に準拠して、体積固有抵抗測定装置
(R8340A型(アドバンテスト社製、商品名))を
用いて、得られた積層フィルムの厚み方向の体積抵抗率
を測定した。
【0048】ブツ 目視により、得られた積層フィルムのブツの多少を評価
した。
【0049】耐熱性 100mmφで30mm高さの形状の金型を用いて、熱
盤接触加熱式圧空成形機にて、成形した容器を100℃
熱風乾燥機に20分間入れ、加熱前後の容積変化を測定
して容積変化率を求め、耐熱性の指標とした。 容積変化率(体積%)=〔(Vo−Vt)/Vo〕×1
00 Vo:加熱前の容積 Vt:加熱後の容積
【0050】(実施例1)ポリ乳酸系重合体(カーギル
社製、EcoPLA4030D)、タルク(日本タルク
社製:SG−1000、平均粒子径2.0μm)、及び
導電剤(インターナショナル社製、ケッチェン・ブラッ
クEC)を、ポリ乳酸系重合体/タルク/導電剤=81
/10/9の重量比で混合し、二軸押出機に供給し、溶
融混練してストランド状に吐出した後、ペレタイザーで
ペレット状に粉砕し、外層用ペレットを得た。
【0051】また、上記ポリ乳酸系重合体と、上記タル
ク、及び導電剤(インターナショナル社製、ケッチェン
・ブラックEC)を、ポリ乳酸系重合体/タルク/導電
剤=87/10/3の重量比で混合し、二軸押出機に供
給し、溶融混練してストランド状に吐出した後、ペレタ
イザーでペレット状に粉砕し、内層用原料ペレットを得
た。
【0052】上記の外層用ペレットと内層用ペレットと
を各単軸押出機に供給し、1つのTダイから押し出し、
厚さが、外層/内層/外層=10/280/10(μ
m)の積層フィルムを作製した。
【0053】得られた積層フィルムの表面抵抗率は6×
106 Ω、体積抵抗率は4×108Ωであった。また、
ブツはなかった。
【0054】また、得られた積層フィルムにて、上記の
耐熱性評価方法で記載した圧空成形機にて、130℃の
熱盤に40秒間接触させた後、0.04MPaの圧力に
て、冷却された金型に20秒間接触させて成形体を得
た。得られた成形体の耐熱性は、容積変化率が0体積%
で、耐熱性に優れていた。
【0055】(実施例2)上記内層を構成するタルクと
して、日本タルク社製:SG−2000(平均粒子径
1.0μm)を用い、成形時の熱盤接触時間を10秒間
にした以外は、実施例1と同様にした。その結果、表面
抵抗率は5×106 Ω、体積抵抗率は4×108 Ω、耐
熱性は0体積%で、ブツはなかった。
【0056】(実施例3)実施例2の内層と外層のタル
クの添加量を5%(10%から5%に減少した分は、ポ
リ乳酸系重合体にて埋め合わせた。)とし、成形時の熱
盤接触時間を40秒間にした以外は、実施例2と同様に
した。その結果、表面抵抗率は5×106Ω、体積抵抗
率は4×108 Ω、耐熱性は0体積%で、ブツはなかっ
た。
【0057】(実施例4)実施例1の内層の構成を、ポ
リ乳酸系重合体/タルク/導電剤=90/10/0(重
量比)とした以外は、実施例1と同様にした。その結
果、表面抵抗率は8×106 Ω、体積抵抗率は8×10
14Ωであった。
【0058】(比較例1)実施例1の内層の構成をポリ
乳酸系重合体/タルク/導電剤=91/0/9とし、外
層の構成をポリ乳酸系重合体/タルク/導電剤=97/
0/3とし、成形時の熱盤接触時間を70秒とした以外
は、実施例1と同様にした。その結果、表面抵抗率は5
×106 Ω、体積抵抗率は7×108 Ω、耐熱性は80
体積%で、耐熱性に劣るものであった。ブツはなかっ
た。
【0059】(比較例2)実施例1の内層と外層のタル
クの添加量を0.2%(10%から0.2%への減少分
は、ポリ乳酸系重合体で埋め合わせた。)とし、成形時
の熱盤接触時間を70秒間にした以外は、実施例1と同
様にした。その結果、表面抵抗率は5×106 Ω、体積
抵抗率は4×108 Ω、耐熱性は36体積%で、耐熱性
に劣るものであった。ブツはなかった。
【0060】(比較例3)実施例1にて、成形時の熱盤
の加熱温度を115℃にした以外は、実施例1と同様に
した。得られた成形体の耐熱性は54体積%で、耐熱性
に劣るものであった。
【0061】(比較例4)比較例1にて、成形時の熱盤
の加熱温度を165℃にした以外は、実施例1と同様に
したが良好な成形体が得られなかった。
【0062】(実施例5)実施例1で作製したシートを
スリットした後、140℃で20秒間加熱した後、圧空
成形し、ICチップを収納できる収納部を連続して成形
してキャリアテープを得た。
【0063】得られたキャリアテープにICチップを入
れ、100℃のベーキング工程を経たが、変形は生じな
かった。
【0064】(比較例5)比較例1で作製したシートを
スリットした後、140℃で20秒間加熱した後、圧空
成形し、ICチップを収納できる収納部を連続して成形
してキャリアテープを得た。
【0065】得られたキャリアテープにICチップを入
れ、100℃のベーキング工程を経たところ、変形が生
じ、実用に耐えるものではなかった。
【0066】
【発明の効果】この発明によれば、得られる生分解性導
電性複合成形体は、結晶成分を含むため、耐熱性に優
れ、ベーキング工程を必要とするキャリアテープに使用
することができる。
【0067】また、積層構造の外層と内層に異なる割合
の導電剤を含有させることができるので、導電剤の使用
量を少なくできる。
【0068】また、積層構造の外層に導電剤を多く含有
させると、導電剤の使用量を少なくしても、表面近くの
導電剤の密度を高くすることができ、十分な表面抵抗率
を得ることができる。
【0069】さらに、内層に導電剤を用いると、十分な
体積抵抗率を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B65D 85/86 C08K 3/00 C08K 3/00 C08L 67/04 ZBP C08L 67/04 ZBP B29K 67:00 // B29K 67:00 B29L 9:00 B29L 9:00 B65D 85/38 P S (56)参考文献 特開 平10−100353(JP,A) 特開2000−85837(JP,A) 特開 平10−120888(JP,A) 特開 平11−39945(JP,A) 特開2000−355089(JP,A) 特開2001−239634(JP,A) 特開2001−347624(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 49/00 - 49/80 B32B 27/18,27/36 C08L 67/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3層から形成され、 外層がポリ乳酸系重合体、外層全体に対して0.3〜1
    5重量%のタルク、及び外層全体に対して3〜15重量
    %の導電剤を含有して構成され、 内層がポリ乳酸系重合体、内層全体に対して0.3〜1
    0重量%のタルク、及び内層全体に対して0.1〜3重
    量%の導電剤を含有して構成された生分解性導電性複合
    シート。
  2. 【請求項2】 上記タルクのレーザー回折法による平均
    粒子径D50が3.0μm以下である請求項1に記載の
    生分解性導電性複合シート。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の生分解性導電性
    複合シートを、結晶化処理し、成形してなる生分解性導
    電性複合成形体。
  4. 【請求項4】 請求項に記載の生分解性導電性複合成
    形体から形成されるキャリアテープ。
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