JPH1139945A - 生分解導電性シート及びそれを用いた生分解導電性キャリアテープ - Google Patents

生分解導電性シート及びそれを用いた生分解導電性キャリアテープ

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JPH1139945A
JPH1139945A JP19366797A JP19366797A JPH1139945A JP H1139945 A JPH1139945 A JP H1139945A JP 19366797 A JP19366797 A JP 19366797A JP 19366797 A JP19366797 A JP 19366797A JP H1139945 A JPH1139945 A JP H1139945A
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sheet
carrier tape
conductive sheet
biodegradable
weight
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JP19366797A
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Takashi Gonda
貴司 権田
Kimiyuki Mitsuhashi
公之 三觜
Tadashi Kobori
忠司 小堀
Yasuyuki Takao
康幸 高尾
Hiroshi Kato
浩 加藤
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 優れた剛性、靭性等の機械的性質及び導電性
を有すると共に、自然環境下で容易に生分解する導電性
シート及びそれを用いた生分解導電性キャリアテープを
提供する。 【解決手段】 ポリ乳酸系樹脂(A)と、脂肪族ジカル
ボン酸又はその誘導体とグリコールを構成単位として含
むポリアルキルアルカノエート系樹脂(B)が、重量組
成比(A)/(B)=99/1〜20/80(A+B=
100)からなる脂肪族ポリエステル系樹脂100重量
部に対し、無機充填剤5〜50重量部、導電性フィラー
3〜30重量部を含む組成物からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解導電性シー
ト及びそれを用いた生分解導電性キャリアテープに関す
る。詳しくは、剛性と靭性に優れ、さらに、自然環境下
での生分解性を備えた生分解導電性シート及びそれを用
いた生分解導電性キャリアテープに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、表面実装技術の大幅な進歩に伴
い、高性能で小型の電子部品、特に、IC、トランジス
ター、ダイオード等のチップ型電子部品の需要が増加し
ている。これらのチップ型電子部品は、通常、プラスチ
ックシートを真空成形、圧空成形あるいはプレス成形等
で二次成形して得られるキャリアテープ又はトレーに収
納され、搬送、保管される。キャリアテープに収納され
る場合は、蓋材であるトップテープでシールされ、包装
体にして供給される。
【0003】従来、キャリアテープとしては、スチレン
系樹脂からなる基材層の表裏に、多量の導電性フィラー
を混練したスチレン系樹脂組成物を共押出しにより一体
積層した導電性シート、塩化ビニル系樹脂にカーボンブ
ラック等の導電性フィラーを混練した塩化ビニル系樹脂
組成物をシート状に成形した導電性シート、あるいはス
チレン系樹脂やエチレンテレフタレート系樹脂等の熱可
塑性樹脂からなるシートの少なくとも片面に導電層を設
けた導電性シートを、プレス成形や真空成形等で二次成
形したものが用いられてきた。
【0004】これらの導電性シートからなるキャリアテ
ープは、環境問題の点から、使用中はキャリアテープに
適した物性を有し、使用後は自然環境下で短期間に生分
解するキャリアテープが要望されてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、良好な剛
性、靭性及び導電性を有し、かつ、自然環境下で容易に
生分解する生分解導電性シート及びそれを用いた生分解
導電性キャリアテープの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、ポリ乳酸系樹脂と
ポリアルキルアルカノエート系樹脂の樹脂組成物に、無
機充填剤及び導電性フィラーを添加した組成物よりなる
シートにより、その目的を達成しうることを見い出し、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、ポリ乳酸系樹脂(A)と、脂肪族ジカル
ボン酸又はその誘導体とグリコールを構成単位として含
むポリアルキルアルカノエート系樹脂(B)が、重量組
成比(A)/(B)=99/1〜20/80(A+B=
100)からなる脂肪族ポリエステル系樹脂100重量
部に対し、無機充填剤5〜50重量部、導電性フィラー
3〜30重量部を含む組成物からなることを特徴とし、
好ましくは引張弾性率が1〜5kN/mm2 である生分
解導電性シート、及びそれを用いた導電性キャリアテー
プである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用する脂肪族ポリエス
テル系樹脂は、分子中に芳香環を含まないポリ乳酸系樹
脂及び分子中に芳香環を含まないポリアルキルアルカノ
エート系樹脂である。ポリ乳酸系樹脂は、ポリアルキル
アルカノエート系樹脂の剛性、成形性、耐熱性等を向上
させる働きがある。本発明に使用されるポリ乳酸系樹脂
としては、例えば、乳酸を二量化反応によりラクチドと
した後、開環重合したもの、あるいは乳酸を直接脱水縮
重合したものが挙げられる。ポリ乳酸系樹脂は不斉炭素
原子を有するため、D体、L体及びDL体が存在する
が、いずれを選択してもよい。物性、耐熱性及び入手の
容易さの点からは、L体の含有率が85%以上、特に
は、95%以上であることが好ましい。
【0008】ポリ乳酸系樹脂の分子量は、特には制限が
ないが、分子量が大きくなると、強度は向上するが、溶
融粘度が高くなり成形加工性が低下する。そのため、重
量平均分子量で20,000〜1,000,000、特
には、50,000〜500,000が好ましい。重量
平均分子量が20,000未満の場合は、実用物性がほ
とんど発現しなくなる。また、重量平均分子量が1,0
00,000を超える場合は、溶融粘度が著しく高くな
り成形が困難となる。
【0009】ポリアルキルアルカノエート系樹脂は、ポ
リ乳酸系樹脂の靭性及び生分解性を向上させる働きがあ
る。本発明で使用するポリアルキルアルカノエート系樹
脂は、脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体とグリコール
を構成単位として含み、構造単位中に芳香族環を含まな
いものであればよい。上記脂肪族ジカルボン酸又はその
誘導体としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベ
リン酸、セバシン酸、ドデカン二酸やこれらの無水物が
挙げられ、少なくとも1種類を適宜選択する。必要に応
じて、これらにリンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のオキシ
カルボン酸を加えてもよい。また、脂肪族ジカルボン酸
等及びオキシカルボン酸の中から、それぞれ1種類以上
選択して縮重合した樹脂も必要に応じて用いることがで
きる。
【0010】上記グリコールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、シクロヘキサメチレングリコールを挙げることがで
き、これらの中から少なくとも1種を適宜選択する。
【0011】ポリアルキルアルカノエート系樹脂の分子
量は、特には制限がないが、分子量が大きくなると、強
度は向上するが、成形加工性が低下するので好ましくな
い。好適な分子量の範囲をメルトフローレートで示す
と、温度190℃、荷重2.16kgfにおけるメルト
フローレートが、0.5〜50g/10分の範囲、さら
に好ましくは1.0〜30g/10分の範囲である。メ
ルトフローレートが0.5g/10分未満の場合は、溶
融粘度が著しく高くなり成形が困難となる。また、メル
トフローレートが50g/10分を超える場合は、実用
物性がほとんど発現しなくなる。
【0012】上記したポリ乳酸系樹脂とポリアルキルア
ルカノエート系樹脂からなる脂肪族ポリエステル系樹脂
には、乳酸とジカルボン酸とグリコールとを脱水縮合し
た脂肪族ポリエステル及び/又はジカルボン酸とポリエ
ーテルポリオールとを脱水縮合したポリエーテルポリエ
ステルも本発明の効果を阻害しない範囲で添加すること
ができる。
【0013】上記ポリ乳酸系樹脂(A)と、脂肪族ジカ
ルボン酸又はその誘導体とグリコールを構成単位として
含むポリアルキルアルカノエート系樹脂(B)との重量
組成比は、(A)/(B)=99/1〜20/80(A
+B=100)、特には(A)/(B)=90/10〜
30/70の範囲であることが好ましい。ポリ乳酸系樹
脂の重量組成比が99/1を超えると、生分解導電性シ
ートの靭性が低下し、導電性キャリアテープとして要望
される特性が失われる。また、ポリ乳酸系樹脂の重量組
成比が20/80未満になると、生分解導電性シートの
剛性が低下し、導電性キャリアテープとした場合、内容
物を衝撃から保護することができなくなる。
【0014】本発明では、無機充填剤を添加することに
より、生分解導電性シートの導電性、剛性、生分解速度
等を向上させることができ、また、製造コストを削減す
ることができる。本発明で使用する無機充填剤は、特に
は制限がなく、例えば、マグネシウム、カルシウム、バ
リウム、ホウ素、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジル
コニウム、ハフニウム等の金属より選ばれた1種の金属
酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩又はケイ酸塩を挙げ
ることができる。特に好適な無機充填剤は、酸化マグネ
シウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化アルミニウ
ム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の酸
化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウ
ム等の炭素塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム等の硫酸化物、含
水ケイ酸マグネシウム、含水ケイ酸アルミニウム等のケ
イ酸塩である。これらは単独で用いてもよいし、2種以
上を組み合わせてもよい。また、無機充填剤には、粒子
同士の凝集及び脂肪族ポリエステルとの親和性を向上さ
せる目的で、シランカップリング剤、チタネート系カッ
プリング剤、アルミネート系カップリング剤、ステアリ
ン酸あるいはステアリン酸エステル等の表面改質剤を用
いて、乾式法、湿式法あるいはインテグラルブレンド法
により表面改質してもよい。
【0015】無機充填剤の平均粒径は、0.01〜10
μm、特には0.05〜5μmが好ましい。0.01μ
m未満では、脂肪族ポリエステル系樹脂中での無機充填
剤の分散が悪く、凝集し、溶融粘度が高くなり、溶融押
出成形が困難になる。また、10μmを超えると生分解
導電性シートの靭性が低下する恐れがある。
【0016】無機充填剤の添加量は、脂肪族ポリエステ
ル系樹脂100重量部に対して、5〜50重量部、好ま
しくは10〜40重量部である。5重量部未満の場合
は、生分解導電性シートの表面抵抗率を低下させる効果
がほとんど認められない上、製造コストを低減させるこ
とが困難となる。また、50重量部を超える場合は、生
分解導電性シートの剛性が高くなり、キャリアテープと
して要望される特性が失われる上、溶融粘度が高くな
り、生分解導電性シートの成形が困難となる。
【0017】本発明で使用する導電性フィラーとして
は、例えば、導電性カーボン、酸化スズ、酸化アンチモ
ン、酸化インジウムが挙げられる。これらは単独で用い
ても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。成形性
や成形後の抵抗値等の点から、導電性カーボンが好適で
ある。導電性カーボンとしては、例えば、ケッチェンブ
ラックEC、ファーネスブラック、チャンネルブラッ
ク、アセチレンブラックを挙げることができるが、少量
の添加量で高い導電性が得られる点で、ケッチェンブラ
ックECが好適である。ケッチェンブラックECを使用
した場合、添加量が少量で済むため、生分解導電性シー
トの機械的性質の低下が少ない。
【0018】導電性フィラーの平均粒子径は、0.01
〜10μm、特には0.05〜5μmが好ましい。0.
01μm未満では、脂肪族ポリエステル系樹脂中での分
散が悪く、10μmを超えると、生分解導電性シートの
剛性が高くなり、キャリアテープとして要望される特性
が失われる。
【0019】導電性フィラーの添加量は、脂肪族ポリエ
ステル系樹脂100重量部に対し、3〜30重量部、好
ましくは、5〜20重量部である。3重量部未満の場合
は、所望する導電性が得られない。30重量部を超える
場合は、溶融粘度が高くなり、生分解導電性シートの靭
性が低下する。また、二次成形後のキャリアテープの表
面抵抗率が104 Ω未満となり、電子部品の端子が導通
してショートするおそれがある。
【0020】本発明の生分解導電性シートには、本発明
の効果を阻害しない範囲で、ベヘニン酸、ステアリン
酸、ペンタエリスリトールモノ・ジエステル、ペンタエ
リスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトー
ル−アジピン酸−ステアレート・複合エステル、ジペン
タエリスリトール−アジピン酸−ステアリン酸・複合エ
ステル、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート等
の滑剤、ジオクチルフタレート等の可塑剤、アセチレン
グリコール、アセチレンアルコール、グリセリン脂肪酸
エステル、ポリグリセリン脂肪族エステル等の各種界面
活性剤、染料、顔料、その他の添加剤を添加することが
できる。
【0021】本発明の生分解導電性シートは、表面抵抗
率が104 〜108 Ωの範囲にあることが好ましい。表
面抵抗率が104 Ω未満では電子部品の端子が導通して
ショートするおそれがあり、108 Ωを超えると十分な
導電性が得られず、静電気が発生しやすくなる。
【0022】また、生分解導電性シートの引張弾性率
は、1〜5kN/mm2 の範囲にあることが好ましい。
引張弾性率が1kN/mm2 未満では、剛性が低く、キ
ャリアテープとして成形した場合、形状保持性が劣り、
内容物を衝撃から保護できない。また、スプロケットで
キャリアテープを送る際、スプロケット孔とピンによる
位置ズレが生ずる。一方、5kN/mm2 を超える場合
は、衝撃に対して弱くなる恐れがあり、さらに、リール
に巻けなくなる。
【0023】生分解導電性シートを製造するには、ま
ず、脂肪族ポリエステル系樹脂、無機充填剤、及び導電
フィラーからペレット状成形物を成形した後、シート状
成形物を作製する。ペレット状成形物は、例えば、上記
各成分を加圧ニーダーで溶融混練し、続いて、ミキシン
グロールでシート状成形物とし、このシート状成形物を
ペレタイザーを用いて粉砕する方法、あるいは上記各成
分を単軸あるいは多軸押出機で溶融混練し、ストランド
状に押出した後、ペレタイザーを用いて粉砕する方法に
より製造することができる。シート状成形物は、例え
ば、ペレット状成形物を単軸あるいは多軸押出機を用い
て、Tダイ押出成形あるいはカレンダー成形する方法に
より製造することができる。
【0024】生分解導電性シートの厚さは、通常50〜
1000μm、好ましくは100〜800μmである。
生分解導電性シートの厚さが、50μm未満及び100
0μmを超える場合は、成形品の剛性や真空成形、圧空
成形、プレス成形等による二次成形後の型再現性が低下
する。
【0025】前記生分解導電性シートを用いた生分解導
電性キャリアテープは、従来、キャリアテープを作製す
る際に慣用されている方法、例えば、真空成形、圧空成
形、プレス成形等の方法で、生分解導電性シートを二次
成形することにより作製することができる。なお、本発
明の生分解導電性キャリアテープの蓋材であるトップテ
ープには、本発明の効果を損なわない材質のものを使用
すればよい。
【0026】
【実施例】以下、本発明の具体的態様を実施例及び比較
例により説明する。なお、本発明は実施例の記載に限定
されるものではない。導電性シート及びそれを用いたキ
ャリアテープの性能は、下記の方法に従って評価した。 (1)導電性シートの引張弾性率 JIS K7113に従って行った。 (2)導電性シート及びキャリアテープ成形後の表面抵
抗率 コンパレーター付き表面抵抗計[MCP−TESTER
(三菱化学社製、商品名)]を用いて、導電性シート及
びキャリアテープ成形後の底部の表面抵抗率を測定し
た。 (3)キャリアテープの10℃における割れ キャリアテープを10℃の恒温槽に24時間放置したの
ち、キャリアテープの真上10cmの高さから、重さ5
0gの鋼球を落下させた際に生ずる割れの有無を目視に
より観察し、次の判定基準に従って評価した。 ○:割れが認められた。 ×:割れが認められなかった。 (4)キャリアテープの生分解性 埼玉県大宮市の野外で、土中20cmの深さの所にキャ
リアテープを埋設して、6ヶ月後の外観変化を目視によ
り観察し、次の判定基準に従って評価した。 ○:外観変化が認められた。 ×:外観変化が認められなかった。
【0027】ポリ乳酸系樹脂、ポリアルキルアルカノエ
ート系樹脂、無機充填剤、及び導電性フィラーには、以
下に示すものを用いた。 <ポリ乳酸系樹脂> ラクティ1012:ポリ乳酸[島津製作所社製、商品
名] <ポリアルキルアルカノエート系樹脂> ビオノーレ1001・メルトフローレート1.0[g/
10分]、[190℃、2.16kgf]:ポリブチレ
ンサクシネート乳酸[昭和高分子社製、商品名] ビオノーレ3010・メルトフローレート10.0[g
/10分]、[190℃、2.16kgf]:ポリブチ
レンサクシネート・アジペート乳酸[昭和高分子社製、
商品名] <無機充填剤> ホワイトンS.B:重質炭酸カルシウム[白石カルシウ
ム社製、商品名、平均粒径1.4μm] タルク:タルク[日本タルク社製、商品名、平均粒径
2.0μm] <導電性フィラー> ケッチェンブラックEC:ケッチェン・ブラック[イン
ターナショナル社製、商品名、平均粒径2.0μm]
【0028】導電性シート及びそれを用いたキャリアテ
ープを、以下の工程により作製した。 (工程1)ポリ乳酸系樹脂、ポリアルキルアルカノエー
ト系樹脂、無機充填剤及び導電性フィラーからなる、表
1、表2に示した各組成物を、180℃に加熱した加圧
ニーダーで20分間溶融混練後、直ちに180℃に加熱
したミキシングロールで5分間溶融混練を行い、シート
状成形物を作製した。このシート状成形物を室温で70
℃以下まで冷却した後、ペレタイザーで粉砕し、ペレッ
ト状成形物を作製した。
【0029】(工程2)工程1で得られた各ペレット状
成形物を、L/D=32、圧縮比3のフルフライトスク
リューを取り付けた65mm汎用一軸スクリュー押出機
に供給し、シリンダー温度170〜210℃で溶融混練
した。そして、225℃に加熱した幅600mmのT−
ダイスより吐出し、シート厚300μmの生分解導電性
シートを作製した。
【0030】(工程3)工程2で得られた各シート厚3
00μmの生分解導電性シートを幅24mmにスリット
した後、プレス成形して、QFJ32ピン用の収納部を
有するキャリアテープを作製した。
【0031】上記工程で得られた導電性シート及びキャ
リアテープを、前記した方法に従って性能を評価した。
結果を表1及び表2に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】評価の結果、ポリアルキルアルカノエート
系樹脂とポリ乳酸系樹脂の組成については、実施例1と
比較例1を比較すると分かるように、ポリ乳酸系樹脂で
あるラクティ1012の組成重量比率が、本発明で規定
する比率より大きい比較例1では、実施例1に比べて引
張弾性率が大きく、引張破断伸びがMD方向、TD方向
とも10%以上となりシートの靭性が失われ、10℃で
の割れが認められた。また、実施例6と比較例2を比較
すると分かるように、ポリ乳酸系樹脂の組成重量比率
が、本発明で規定する比率より小さい比較例2では、実
施例6に比べて引張弾性率が小さく、1.0kN/mm
2 以下であった。
【0035】無機充填剤については、実施例2と比較例
3を比較すると分かるように、無機充填剤の添加量が、
本発明で規定する量より少ない比較例3は、実施例2と
比べてシートの表面抵抗率が大きく、成形後の表面抵抗
率も大きかった。また、実施例6と比較例4を比較する
と分かるように、無機充填剤の添加量が本発明で規定す
る量より多い比較例4では、シートの引張弾性率が7k
N/mm2 を超えてしまい、10℃における割れの発生
が認められた。
【0036】導電性フィラーについては、実施例3と比
較例5を比較すると分かるように、本発明で規定されて
いる添加量より少ない比較例5は、実施例3と比較して
シートの表面抵抗率が大きく、さらにシートの成形後の
表面抵抗率も大きかった。また、実施例7と比較例6を
比較すると分かるように、比較例6は、シートの表面抵
抗率及び成形後の表面抵抗率が104 Ω未満となってし
まった。生分解性に関しては、全てのサンプルで土中埋
設6ヶ月後、外観に形状変化が認められた。
【0037】(比較例7)実施例1の脂肪族ポリエステ
ル系樹脂を、表面温度が185℃、12インチのミキシ
ングロールで10分間溶融混練し、シート厚700μm
となるように分出しした。このシートの引張弾性率を測
定した結果、9.5kN/mm2 であった。10℃にお
ける割れを測定した結果、割れが認められた。
【0038】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の生分解
導電性シートは、良好な剛性、靭性及び導電性を有する
と共に、自然環境下で優れた生分解性を示すため、IC
やトランジスタ等の電子部品の搬送、保管、実装に使用
するキャリアテープ、トレー、蓋、TABテープ用スペ
ーサ等の材料として好適である。また、該導電性シート
を用いた本発明のキャリアテープは、自然環境下で短期
間に生分解されるため、廃棄処理が容易で、環境保護に
役立つ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高尾 康幸 埼玉県大宮市吉野町1丁目406番地1 信 越ポリマー株式会社東京工場内 (72)発明者 加藤 浩 埼玉県大宮市吉野町1丁目406番地1 信 越ポリマー株式会社東京工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ乳酸系樹脂(A)と、脂肪族ジカル
    ボン酸又はその誘導体とグリコールを構成単位として含
    むポリアルキルアルカノエート系樹脂(B)が、重量組
    成比(A)/(B)=99/1〜20/80(A+B=
    100)からなる脂肪族ポリエステル系樹脂100重量
    部に対し、無機充填剤5〜50重量部、導電性フィラー
    3〜30重量部を含む組成物からなることを特徴とする
    生分解導電性シート。
  2. 【請求項2】 引張弾性率が1〜5kN/mm2 である
    ことを特徴とする請求項1記載の生分解導電性シート。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の生分解導電
    性シートからなる生分解導電性キャリアテープ。
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