JP4620372B2 - 軟質制電性樹脂組成物および半導体(半)製品キャリアシート - Google Patents

軟質制電性樹脂組成物および半導体(半)製品キャリアシート Download PDF

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Description

本発明は、バックグラインドテープ、ダイシングテープ、エンボスキャリアテープ等の半導体(半)製品キャリアシート形成に適した軟質制電性樹脂組成物およびこれからなる半導体(半)製品キャリアシートに関する。
半導体チップ等の半導体製品あるいはウエハ等のその半製品をその上に保持して加工あるいは搬送するために半導体(半)製品キャリアシートが使用されることが多い。例えば、パターンを形成した半導体ウエハを研削するバックグラインド工程においてパターン面を保護し、同時に研摩・研削により薄肉化した半導体ウエハを保持するための粘着シート(バックグラインド・テープ)あるいはパターン化したウエハを個々のパターン毎に切断し半導体素子として分割するダイシング工程においてウエハを保持保護するために用いる粘着シート(ダイシングテープ)等があり、これらはまとめて半導体加工用粘着シートと称されることもある。また形成された半導体素子(等の電子部品)の複数のものを収容するためのポケット状凹部をエンボス加工により形成し(更に半導体素子を収容後、粘着性のカバーシートで被覆して、これら半導体素子を電子装置に組み込むまでの保管・搬送を容易にし)た熱可塑性樹脂シートないしテープからなるエンボスキャリアテープもあり、上記粘着性のカバーシートおよび半導体加工用粘着シートも含めて、本明細書では、半導体(半)製品キャリアシートと称する。
これら半導体(半)製品キャリアシートに関しては、半導体産業の発展に従い特許文献1〜4等を含めて多くの提案がなされているが、一般に取扱いに際しての静電気の発生を防止するための導電性ないし制電性ならびに取扱いの容易性のための柔軟性が要求されている。
特開2001−200215号公報 特開2003−151940号公報 特開平5−114647号公報 特開2003−301140号公報 特開2003−26284号公報 特開昭42−2462号公報 特開平11−323275号公報 「静電気学会誌」第21巻第5号212〜219頁(1977)
上記従来技術も含めて一般に、従来の半導体(半)製品キャリアシートにおいては、静電気障害防止のために、シート基材に微粒状導電剤を配合している。これはダイシングテープにおける、ダイシング後にテープを引き伸ばしてチップの間隔を広げてチップの取出しを容易とするエキスパンド工程に必要な柔軟性の低下、あるいはエンボスキャリアテープのエンボス加工に際しての局所引き伸ばしによる導電性の低下などの不都合の原因となる。また柔軟性の付与のために可塑剤を配合することは、可塑剤のブリードアウトによるテープの柔軟性の低下、あるいはブリードアウトした可塑剤による半導体素子の表面汚染の原因となり、好ましくない。
従って、本発明の主要な目的は、可塑剤を含むことなしに必要な可撓性と静電気発生防止に必要な制電性を有し、半導体(半)製品キャリアシートの基材として好適な軟質制電性樹脂組成物およびこれからなる半導体(半)製品キャリアシートを提供することを目的とするものである。
本発明者等の研究によれば上述の目的の達成のためには、永久制電性を持つ親水性ポリマーを主成分とし必要に応じてその可撓性(弾性率)を他の熱可塑性樹脂の配合により調整した樹脂組成物を用いることが極めて有効であることが見出された。すなわち、静電気発生防止の機能を親水性ポリマーの持つ永久制電性に依存しているため、微粒導電剤を配合する場合のように、加工に際しての導電性の低下の問題を生ずることがなく、またその可撓性を可塑剤の配合によらずに調整しているため、可塑剤の使用に伴う不都合もない。
すなわち、本発明の軟質制電性樹脂組成物は、(a)親水性ポリマー20〜80重量%、及び(b)熱可塑性樹脂20〜80重量%が混合してなり、10〜30℃における貯蔵弾性率が100〜1500MPa、体積抵抗率が10〜1012Ωmであり、可塑剤を含まない軟質制電性樹脂組成物であって、前記親水性ポリマー(a)が、(i)アクリル酸エステルである単量体50〜95重量%、(ii)4〜500個のアルキレンオキサイド基を有しエチレン系不飽和結合を有する1種以上の単量体5〜50重量%、及び(iii)アクリル酸エステルと共重合可能な1種以上のエチレン系不飽和単量体0〜40重量%からなるゴム状幹重合体5〜95重量部、に(iv)メタクリル酸メチル5〜95重量部(ゴム状幹重合体との合計量が100重量部)をグラフト共重合したグラフト共重合体であり、前記熱可塑性樹脂(b)が、前記親水性ポリマー(a)よりも貯蔵弾性率の低い(メタ)アクリル酸エステルとスチレンとの共重合体からなるものである、半導体(半)製品キャリアシート形成用途のものである。
また、本発明は、更に上記軟質制電性樹脂組成物からなる(特に、基材を上記軟質制電性樹脂組成物により構成した)半導体(半)製品キャリアシートを提供するものである。
本発明の軟質制電性樹脂組成物のベース樹脂としての親水性ポリマー(a)は、非特許文献1(「静電気学会誌」第21巻第5号212〜219頁(1997))、特にその第216頁表6に記載されるような永久帯電防止剤として親水性ポリマーが用いられる。すなわち室温下で固体状態となり、高イオン導電率を有するポリマーである。より具体的には、ポリエチレンオキシド、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、エチレンオキシド−エピハロヒドリン共重合体、アルキレンオキサイド基を有するゴム状幹重合体のグラフト共重合体等を含むポリエーテル型親水性ポリマー;4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート共重合体、4級アンモニウム塩基含有マレイミド共重合体、4級アンモニウム塩基含有メタクリルイミド共重合体等の4級アンモニウム塩型親水性ポリマー;ポリスチレンスルホン酸ソーダ等のスルホン酸型親水性ポリマー;カルボベタイングラフト共重合体等のベタイン型親水性ポリマー;その他高分子電荷移動型結合体親水性ポリマーが含まれる。なかでも少なくとも一部が(ポリ)エチレンオキサイドである(ポリ)アルキレンオキサイド基を有するポリエーテル型親水性ポリマーが好ましく、なかでも本出願人が開発した特許文献6(特公昭54−2462号公報)に記載のものと基本的に同様の、下記の組成を有するグラフト共重合体が好ましく用いられる。すなわち、
(i)共役ジエン及びアクリル酸エステルから選ばれた1種以上の単量体50〜95重量%、
(ii)4〜500個のアルキレンオキサイド基を有し且つ好ましくは4個以上のエチレンオキサイドブロックを有しエチレン系不飽和結合を有する1種以上の単量体5〜50重量%、及び
(iii)共役ジエン及びアクリル酸エステルと共重合可能な1種以上のエチレン系不飽和単量体0〜40重量%
からなるゴム状幹重合体5〜95重量部、に
(iv)1種以上のエチレン系不飽和単量体5〜95重量部(ゴム状幹重合体との合計量が100重量部)、
をグラフト共重合したグラフト共重合体、である。特に透明性のよい組成物を与えるためには、単量体(i)および(iii)としてはアクリル酸エステルを用いることが好ましい。
本発明の軟質制電性樹脂組成物は、上記したような親水性ポリマー(a)20〜100重量%に対し、必要に応じて組成物の10〜30℃における貯蔵弾性率を10〜1500MPaとするように熱可塑性樹脂(b)0〜80重量%を組合せてなる。
組成物中において、親水性ポリマー(a)が20重量%未満では、良好な制電性(すなわち1012Ωm以下で充分に低い体積抵抗率)を実現することが困難になる。
熱可塑性樹脂(b)は、親水性ポリマー(a)との組合せにおいて、10〜30℃における貯蔵弾性率を100〜1500MPa、体積抵抗率を10〜1012Ωmの範囲に調整するために必要に応じて加えられるものであり、特に親水性ポリマー(a)と相溶性が比較的良好で、より柔軟性(貯蔵弾性率が低い)ものが好ましく用いられる。なかでもポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、などが好ましく用いられ、特に(メタ)アクリル酸エステルとスチレン等との共重合により柔軟性を向上した軟質アクリル樹脂が好ましく用いられる。
本発明の軟質制電性樹脂組成物の制電性を向上するために、界面活性剤を添加することもできる。このようにして添加された界面活性剤は、親水性ポリマー(a)に吸着して、永久制電性を向上させる作用を有する。良好な耐熱性を与えるために、JIS−K7120に定める熱重量減少開始温度(以下「Tng」と略記することがある)が250℃以上のアニオン系界面活性剤(d)が好ましく用いられる。熱重量減少開始温度は、アニオン系界面活性剤の構造とある程度の相関性が認められており、熱重量減少開始温度が250℃以上であるアニオン系界面活性剤の例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤を構成する金属種の選択もアニオン系界面活性剤の帯電防止剤としての効果に関係があり、本発明の目的のためには、原子番号が19(カリウム相当)以上であるアルカリ金属塩は、比較的少量の添加で必要な制電性が得られるので、親水性ポリマー(a)および熱可塑性樹脂(b)とのブレンド時間の短縮、成形品物性(特に耐温水白化性)の向上等の点で好ましく用いられる。
界面活性剤は、親水性ポリマー(a)と熱可塑性樹脂(b)との合計量100重量部当り、0.1〜5重量部の割合で用いることが好ましい。0.1重量部未満では、制電性改良効果が乏しく、また5重量部を超えて用いると成形体表面へのブリードアウトが顕著となり、成形体の特性上好ましくない。
本発明の制電性樹脂組成物には、上記成分以外にも、必要に応じて紫外線吸収剤、2価以上の金属塩を含む熱安定剤、酸化防止剤、滑剤、充填剤、染顔料などの添加剤を加えることができ、これらの添加は、重合時、混合時、成形時等の何れでもよい。
また、本発明の制電性樹脂組成物は、有機溶媒に分散させて塗布型あるいはフィルム成形性の分散液とすることもできる。有機溶媒としては、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム等の含塩素化合物類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素化合物類が良い。また2種類以上の溶媒を混合して使用しても良い。
分散液の濃度は特に限定されないが、5〜60重量%、更には5〜30重量%程度が好ましい。
本発明の軟質制電性樹脂組成物は、ジオクチルフタレート(DOP)等の可塑剤を含むことなく10〜30℃における貯蔵弾性率が100〜1500MPa、体積抵抗率が10〜1012Ω・mとなるように上記各成分を混合して得られる。ここで「10〜30℃における貯蔵弾性率が100〜1500MPa」とは、直接的には10〜30℃の温度域の一点において、組成物が100〜1500MPaの範囲内の貯蔵弾性率を示すことを意味するが、上記温度範囲全般にわたって100〜1500MPaの範囲内の貯蔵弾性率が満たされることが好ましく、換言すれば、100〜1500MPaの貯蔵弾性率を示す温度域が10〜30℃の範囲を包含することが好ましい。10〜30℃の温度域(すなわち通常使用温度域)において、貯蔵弾性率が1500MPaを超えると、半導体(半)製品キャリアシートとしたときの柔軟性が欠け、取扱いが困難となる。他方、100MPa未満では柔軟過ぎて、取扱い性が悪くなり、また強度的にも不足しがちである。
また体積抵抗率が1012Ω・mを超えると、所望の制電性が得られず、10Ω・m未満では静電気放に対するシールド効果が好ましくない。
前述したように本発明の軟質制電性樹脂組成物は、その柔軟性および制電性を利用したバックグラインドテープ、ダイシングテープ、エンボスキャリアテープ等の半導体(半)製品キャリアシート、特にその基材シート(ないしフィルム)として優れた適性を有する。このような用途における本発明の組成物の好ましいシート厚みは、一般に10〜1000μm、特に50〜500μmの範囲であって、慣用的に使用されることのあるシートとフィルムの境界厚み250μmを下回る範囲を包含するものである。本発明の軟質制電性樹脂組成物を基材シートの形成に用いることを除いて、これら半導体(半)製品キャリアシートの製造法ならびに構成は、特許文献1〜3等の従来技術に採用される通りである。
バックグラインドテープおよびダイシングテープなどの半導体加工用粘着シートを形成するためには、上記本発明の組成物により形成した基材シート上に導電性ないし制電性粘着剤層を形成する必要がある。このような導電性ないし制電性粘着剤層は、慣用のカーボンブラック、金属又は金属酸化物微粒子等の導電性微粒子を分散させた粘着剤の層を用いることができるほか、上述した本発明の軟質制電性樹脂組成物の分散液に、ロジン、テルペン等の粘着付与剤、および/またはエポキシ樹脂、ポリイソシアネート、金属キレート等の架橋剤を例えば固形分の0.1〜30重量%となるような割合で添加して得られた制電性粘着剤分散液の塗布層を形成してもよい。粘着剤層の厚さは、1〜100μm、特に5〜30μm程度が適当である。
このようにして形成された本発明の半導体加工用粘着シートは、例えば下記のようなエンボスキャリアテープとともに用いられる粘着性の保護シート(カバーシート)として、更には特許文献7に開示されるような電気製品のシールドバッグ形成用にも用いられる。
エンボスキャリアテープを構成するためには、上記のようにして本発明の軟質制電性樹脂組成物により形成された基材シートのその片面にエンボス加工を行い、半導体素子(チップ)またはこれを組み込んだ電子部品を収容するに適した凹所を形成すればよい。
本発明の軟質制電性樹脂組成物は、上述した半導体(半)製品キャリアシートの形成に好適に用いられるほか、その柔軟性と制電性を生かした各種用途、例えば、ゴミの付着を嫌う半導体製品の容器の開口周縁部をシールするためのOリング等の軟質ひも状パッキング材:例えば特許文献5に開示されるような導電性フレキシブルコンテナを構成するためのターポリン形成膜の形成等にも好適に用いられる。このようなターポリン膜の形成のためには、上記のような軟質制電性樹脂組成物シートの加熱あるいは溶剤貼付以外に上記した軟質制電性樹脂組成物分散液による塗膜形成も好ましい。
以下に、本発明を実施例によって、更に具体的に説明する。なお、実施例中の「部」は「重量部」を意味し、記載される物性は、代表的に以下の方法で測定したものである。
(i)貯蔵弾性率:動的粘弾性測定装置(東洋ボールドウィン社製「DVD−II」)を用い、試料組成物から形成した長さ25mm、幅2mm、厚さ0.2mmのフィルムについて、2℃/分の昇温速度で−100〜150℃の温度範囲において、周波数110Hzの引張りモードで動的粘弾性測定を行い、貯蔵弾性率を求めた。
(ii)体積固有抵抗率:ASTM D257に準拠して、温度23℃、湿度23%RHで3日間調湿して、極超絶縁計SM−10E(東亜電波工業製)で測定した。
≪親水性ポリマーの製造≫
攪拌機、温度計、圧力計を付した反応容器に、
(イ)ゴム状幹重合体形成用組成物
アクリル酸ブチル 50.3 部
スチレン 9.0 部
メタクリル酸アリル 0.7 部
メトキシポリエチレングリコールメタクリレート 10.0 部
(エチレンオキサイド基の数が平均23個)
ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート 0.08 部
t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.1 部
エチレンジアミンテトラ酢酸鉄(III)塩 0.005部
ピロリン酸2水素2ナトリウム 0.05 部
ピロリン酸4ナトリウム 0.05 部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5 部
脱イオン水 290 部
を仕込み、50℃で4時間攪拌した。
収率99%以上で平均粒子形80nmのゴム状重合体ラテックスが得られた。
(ロ)上記ゴム状幹重合体(固形分として70部)のラテックスにエチレン系不飽和単量体混合物として、
メタクリル酸メチル 29.0 部
スチレン 0.7 部
ノルマルオクチルメルカプタン 0.3 部
ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート 0.08 部
t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.1 部
脱イオン水 70 部
を添加して、窒素置換し、50℃で4時間グラフト共重合した。このラテックスを取出し70℃に加温後、70℃の塩酸水(濃度1.5%)1000部に添加し析出させた。その析出物を脱水洗浄乾燥することにより、白色粉末の親水性ポリマーが得られた。
(実施例1〜8、比較例1〜4)
上記で得られた親水性ポリマー20〜100部、軟質アクリル樹脂(クラレ社製「パラペットSA−NW」)0〜100部、質アクリル樹脂(住友化学社製「スミペックスEX」)0〜100部、アニオン性界面活性剤:ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム0〜1.0部を、それぞれ下記表1に示す割合でヘンシェルミキサーにて混合することにより、実施例1〜8および比較例1〜4の粉末樹脂成物を得た。
これらの粉末樹脂成物の各々を、8インチのロールミル(温度160℃)で混練し、厚さ500μmのシートにした。このシートを、プレス成型機(温度180℃)で厚さ200μmのフィルムに成型し、上記方法により体積抵抗率および貯蔵弾性率を測定した。結果をまとめて下表1に示す。
Figure 0004620372
上記表1の結果を見れば、親水性ポリマーと軟質アクリル樹脂(および必要に応じて硬質アクリル樹脂)との適宜の割合での混合により、本発明所定の体積抵抗率と貯蔵弾性率を有する軟質制電性樹脂組成物が得られていることがわかる。
(実施例9)バックグラインドテープの作成
1)親水性ポリマー
上記と同様にして作成した。
2)テープ基材用フィルム1の作成
上記親水性ポリマーおよび上記実施例で用いたものと同じ軟質および硬質アクリル樹脂ならびに界面活性剤を、下記の比でヘンシェルミキサーにより混合した。
親水性ポリマー 40 部
軟質アクリル樹脂 40 部
硬質アクリル樹脂 20 部
界面活性剤 0.4 部
得られた混合粉末をTダイ式押出機により、樹脂温度200℃でダイリップ幅で成形し、これを300μmの厚みになるようにドラフト比を設定し、60℃のチルロール上で急冷し、ドラフトしてフィルムを得た。このフィルムの、10〜30℃における貯蔵弾性率は約500MPa、体積抵抗率は約10Ωmであった。
3)バックグラインドテープの作成
前項2)で作成したフィルムの片面に水系エマルジョンのアクリル系の導電性粘着剤(固形分50%、粘度35,000〜45,000cps)を厚みが20μmとなる量塗布し、100℃で10分間乾燥させて粘着テープを作成し、更にその粘着剤層に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付け、バックグラインドテープを作成した。
4)バックグラインドテープの使用
前項3)で作成されたバックグラインドテープのPETフィルム(剥離フィルム)を剥がし、粘着面を半導体ウエハの回路の形成された面に貼り付け、反対側の面を切削研磨し、ウエハの厚みを適切に調節した。この際、バックグラインドテープの適切な強度に支持されてウエハの反りは発生しなかった。
(実施例10)ダイシングテープの作成
1)親水性ポリマー
上記と同様にして作成した。
2)テープ基材用フィルム2の作成
上記親水性ポリマーおよび上記実施例で用いたものと同じ軟質アクリル樹脂ならびに界面活性剤を、下記の比でヘンシェルミキサーにより混合した。
親水性ポリマー 50 部
軟質アクリル樹脂 50 部
界面活性剤 0.4 部
得られた混合粉末をTダイ式押出機により、樹脂温度200℃でダイリップ幅で成形し、これを100μmの厚みになるようにドラフト比を設定し、60℃のチルロール上で急冷し、ドラフトしてフィルムを得た。このフィルムの、10〜30℃における貯蔵弾性率は約200MPa、体積抵抗率は約10Ωmであった。
3)ダイシングテープの作成
前項2)で作成したフィルムの片面に、水系エマルジョンのアクリル系の導電性粘着剤(固形分50%、粘度35,000〜45,000cps)を厚みが20μmとなる量塗布し、100℃で10分間乾燥させて粘着テープを作成し、更にその粘着剤層に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付け、ダイシングテープを作成した。
4)ダイシングテープの使用
前項3)で作成したダイシングテープのPETフィルム(剥離フィルム)を剥がし、粘着面を半導体ウエハの回路の形成された面の反対側の面に貼り付け、ダイヤモンドブレードにてウエハを格子状に切り分け、次にエキスパンド工程にてダイシングテープを引き伸ばすことによって個々の半導体素子の間隔を適切に広げ、続くピックアップ工程にて個々の半導体素子をダイシングテープから円滑に取り外すことができた。
(実施例11)エンボスキャリアテープの作成
1)親水性ポリマー
上記と同様にして作成した。
2)テープ基材用フィルム2の作成
上記親水性ポリマーおよび上記実施例で用いたものと同じ軟質および硬質アクリル樹脂ならびに界面活性剤を、下記の比でヘンシェルミキサーにより混合した。
親水性ポリマー 40 部
軟質アクリル樹脂 40 部
硬質アクリル樹脂 20 部
界面活性剤 0.4 部
得られた混合粉末をTダイ式押出機により、樹脂温度200℃でダイリップ幅で成形し、これを400μmの厚みになるようにドラフト比を設定し、60℃のチルロール上で急冷し、ドラフトしてフィルムを得た。このフィルムの、10〜30℃における貯蔵弾性率は約500MPa、体積抵抗率は約10Ωmであった。
3)エンボスキャリアテープの作成
前項2)で得たフィルムに、成形温度200℃、成形時間1ポケット20秒、最大延伸率200%で、プレス成形によりエンボス加工してポケットを形成し、エンボスキャリアテープを作成した。
4)エンボスキャリアテープの使用
前項3)のエンボスキャリアテープの凹部に電子部品を入れ上部にカバーテープを貼り付けて収納を完了した。エンボスキャリアテープは透明であるため収納した部品が外部から容易に観察できた。また電子部品を収納完了した状態で、振騰機で30分間振騰後、カバーテープを剥がしたが、収納した部品が静電破壊することはなかった。
上述したように、本発明によれば、親水性ポリマーに適宜熱可塑性樹脂および界面活性剤を配合することにより、バックグラインドテープ、ダイシングテープ、エンボスキャリアテープ等の半導体(半)製品キャリアシートの形成に適した柔軟性(貯蔵弾性率)と制電性(体積抵抗率)を有する軟質制電性樹脂組成物が得られる。この軟質制電性樹脂組成物は、また軟質ひも状パッキング材、ターポリン膜、電気製品シールドバッグの形成にも好適に用いられる。

Claims (2)

  1. (a)親水性ポリマー20〜80重量%、及び(b)熱可塑性樹脂20〜80重量%が混合してなり、10〜30℃における貯蔵弾性率が100〜1500MPa、体積抵抗率が10〜1012Ωmである、可塑剤を含まない軟質制電性樹脂組成物であって、
    前記親水性ポリマー(a)が、
    (i)アクリル酸エステルである単量体50〜95重量%、
    (ii)4〜500個のアルキレンオキサイド基を有しエチレン系不飽和結合を有する1種以上の単量体5〜50重量%、及び
    (iii)アクリル酸エステルと共重合可能な1種以上のエチレン系不飽和単量体0〜40重量%
    からなるゴム状幹重合体5〜95重量部、に
    (iv)メタクリル酸メチル5〜95重量部(ゴム状幹重合体との合計量が100重量部)をグラフト共重合したグラフト共重合体であり、
    前記熱可塑性樹脂(b)が、前記親水性ポリマー(a)よりも貯蔵弾性率の低い(メタ)アクリル酸エステルとスチレンとの共重合体からなるものである、
    半導体(半)製品キャリアシート形成用途の軟質制電性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の軟質制電性樹脂組成物からなる半導体(半)製品キャリアシート。
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