JP3007282B2 - プラスチック製粘着テープ用基材 - Google Patents

プラスチック製粘着テープ用基材

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JP3007282B2
JP3007282B2 JP7135839A JP13583995A JP3007282B2 JP 3007282 B2 JP3007282 B2 JP 3007282B2 JP 7135839 A JP7135839 A JP 7135839A JP 13583995 A JP13583995 A JP 13583995A JP 3007282 B2 JP3007282 B2 JP 3007282B2
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恭裕 服部
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粘着テープ用基材に関
し、特に、その製造時に溶剤ベースのコーティング剤を
使用することのないプラスチック製粘着テープ用基材に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、剥離層を片面に有する粘着テープ
用基材は、熱可塑性樹脂からなるフィルムの片面に、長
鎖アルキルペンダント型ポリマー等(例えば、ピーロイ
ル1010、一方社油脂工業(社)製の商品名)をトル
エン、キシレンなどの芳香族溶剤やヘキサン、ハロゲン
溶剤などの揮発性溶剤に溶解してなるコーティング液を
塗布し、揮発性溶剤を揮散させることによって製造され
てきた。
【0003】しかしながら、このような工法ではコーテ
ィング装置が必要である上溶剤を除去するための乾燥炉
まで必要であるため、生産コストがかかりすぎるのみな
らず、溶剤の揮散により作業環境も悪化し、作業環境を
良くするためには、また、そのための設備が必要となる
と言う欠点があった。更に、長鎖アルキルペンダント型
ポリマーでは、十分な剥離性を持たせることができない
という欠点もあった。
【0004】そこで、フィルムの摺動性を改善するため
に、塗布層にシリコーン油やポリジメチルシロキサンガ
ムなどの摩擦係数低減化剤を添加することが提案された
(特開昭59−133050号公報等)が、粘度が35
0〜800,000csのシリコーンオイル等を使った
場合には、離型性が不足する上、シリコーンオイルが粘
着層へ移行するという欠点があった。また、350cs
以下の粘度のシリコーンオイル等を使用しても、中剥離
タイプや重剥離タイプのものを得ることができないとい
う欠点があった。
【0005】同様に、フィルムの高速包装及びヒートシ
ール性を改善するために、重合度が3,500〜8,0
00のポリジオルガノシロキサンガムを0.1〜1.0
重量部、上述した長鎖アルキルペンダント型ポリマーに
添加することも提案されている(特公平2−60745
号公報等)が、この場合も、離型性が不十分であるた
め、プラスチックフィルム製粘着テープ用基材として実
用することができなかった。このように、溶剤ベースの
コーティング剤を用いて粘着テープ用基材を製造する方
法には種々の欠点があるため、他の製造方法の開発が急
がれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
溶剤ベースのコーティング剤を使わずに剥離強度を制御
することについて鋭意検討したところ、剥離層中に一定
量のオルガノポリシキロサン化合物の単独重合体、及び
/又は、そのラジカル共重合体を含有させた場合には、
従来に比べて十分な離型性を有する上、剥離層の上に貼
着する粘着剤層の粘着力を低下させないということを見
出し、本発明に到達した。
【0007】従って、本発明の第1の目的は、溶剤を使
用する必要のない、粘着テープ用基材を提供することに
ある。本発明の第2の目的は、軽剥離、中剥離及び重剥
離の何れにも容易に対応することのできる粘着テープ用
基材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の諸目的
は、主として熱可塑性樹脂からなるプラスチックフィル
ム及び該フィルムの片面に設けた剥離層とからなる粘着
テープ用基材であって、前記剥離層が、少なくとも、熱
可塑性樹脂、並びに、下記化2で表されるオルガノポリ
シキロサン化合物の単独重合体、及び/又は、前記オル
ガノポリシロキサン化合物とラジカル重合性モノマーと
をラジカル重合してなる共重合体とからなることを特徴
とするプラスチック製粘着テープ用基材によって達成さ
れた。
【化2】 但し、化2中のR1 は、水素原子又はメチル基であり、
2 は酸素原子により中断されていても良い炭素原子数
1〜12の2価の炭化水素基、R3 は炭素原子数1〜6
の1価の炭化水素基であり、mは1、2又は3、nは2
0〜200の整数を表わす。
【0009】本発明で使用するプラスチックフィルム
は、公知の熱可塑性樹脂の中から適宜選択して使用する
ことができる。このようなプラスチックフィルムの具体
例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニ
ル、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタン、セロハ
ン、フッ化ビニリデン、PET、ポリスチレン及び塩化
ビニリデン等のフィルムが挙げられるが、これらの中で
も特にポリプロピレンフィルムが作業性や耐久性の面か
ら好ましい。尚、フィルムの厚みは適宜決定するころが
できるが、通常は10〜100μmであり、好ましくは
20〜80μm、更に好ましくは30〜70μmであ
る。
【0010】上記プラスチックフィルムの片面に塗布す
る剥離層は、少なくとも、前記化2で表されるオルガノ
ポリシキロサン化合物の単独重合体、及び/又は、前記
オルガノポリシロキサン化合物とラジカル重合性モノマ
ーとをラジカル重合してなる共重合体(以下シリコーン
変性ポリマー等と略す)と、熱可塑性樹脂とからなるも
のであって、剥離層中に占めるシリコーン部分は2〜4
0重量%であることが好ましい。この場合に使用する熱
可塑性樹脂は、前記プラスチックフィルムに使用するも
のと同様に適宜選択することができるが、プラスチック
フィルムと剥離層との接着を十分にする観点から、両者
の熱可塑性樹脂を同種のものとすることが好ましく、特
に同一組成の熱可塑性樹脂とすることが好ましい。
【0011】剥離層中におけるシリコーン部分の含有率
が2重量%未満では十分な離型性が得られないため、粘
着テープ用剥離層として使用できない。また、40重量
%を越えると、剥離層の強度が低下し、プラスチックフ
ィルムとの接着が損なわれて好ましくない上経済的にも
不利となる。シリコーン部分の含有率は特に4〜20重
量%が好ましい。
【0012】本発明で用いられる、前記シリコーン変性
ポリマー等に使用される化2で表されるオルガノポリシ
ロキサン(以下、ラジカル重合性シリコーンモノマーと
する)は通常の製造方法で得ることができるため、その
合成方法は限定されないが、好ましい方法としては、下
記化3で表される(メタ)アクリレート置換クロロシラ
ン化合物と下記化4で表される末端水酸基含有ジメチル
ポリシロキサン化合物とを、常法に従って脱塩酸反応さ
せるか、前記化3で表される化合物と下記化5で表され
る末端にLiを含有するジメチルポリシロキサン化合物
とを、常法に従って脱塩化リチウム反応させる方法が挙
げられる。
【化3】
【化4】
【化5】
【0013】また、上記の方法以外にも、側鎖にSi−
H結合を1ケ有するオルガノハイドロジェンポリシロキ
サンにアリル(メタ)アクリレートを、pt触媒存在下
で付加反応させることによって得る方法等が用いられ
る。上記の合成方法で製造された、前記化2で表された
ラジカル重合性シリコーンモノマーの具体例としては、
下記化6および化7に示される化合物が挙げられる。
【化6】
【化7】
【0014】本発明で用いられる、オルガノポリシロキ
サンと共重合し得るラジカル重合性モノマーとしては、
アクリル酸エステル誘導体、メタクリル酸エステル誘導
体又はスチレン誘導体等が挙げられる。その具体例とし
ては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メ
タ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート類;
【0015】トリフロロプロピル(メタ)アクリレー
ト、パーフロロブチルエチル(メタ)アクリレート、パ
ーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のフッ
素置換アルキル(メタ)アクリレート類、グリシジル
(メタ)アクリレート、3,4’−エポキシシクロヘキ
シルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有
(メタ)アクリレート類、スチレン、α−メチルスチレ
ン、4−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−ビ
ニルアニソール、2−クロロスチレン、3−クロロスチ
レン、4−クロロスチレン等のスチレン類が挙げられ
る。
【0016】更に、本発明の特性を損なわない程度であ
れば、他のラジカル重合性モノマーを共重合させても良
い。その具体例としては、例えば、マレイン酸、フマル
酸、アクリル酸、メタクリル酸等の有機酸類、アクリル
アミド、N−メチロールアルキルアミドや、3−トリメ
トキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、3−トリ
エトキシシリル(メタ)アクリレート、3−ジメトキシ
メチルシリルプロピル(メタ)アクリレート;
【0017】ビニルトリエトキシシラン、4−ビニルフ
ェニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシ
ラン、4−トリメトキシシリル−1−ブテン、6−トリ
メトキシシリル−1−ヘキセン等のラジカル重合性シラ
ン化合物、アクリロニトリル、ビニルピリジン、ビニル
ピロリドン、酢酸ビニル、ビニルアルキルエーテル類、
分子中に1個のラジカル重合性基を有するポリオキシア
ルキレン及びポリカプロラクトン等のラジカル重合性マ
クロモノマー等が挙げられる。
【0018】本発明における共重合体中のシリコーンモ
ノマーに対する他の重合性モノマーの配合比は、重量比
で(5〜80):(20〜95)であることが好まし
く、特に、(10〜70):(30〜90)であること
が好ましい。シリコーンモノマーが80重量%を越える
と熱可塑性樹脂に対する分散性が乏しくなる上、剥離層
への添加量が多くなる為、フィルムの物性を著しく損な
い、またコスト的にも不利となる。一方、5重量%未満
では剥離性が殆ど期待できない。
【0019】本発明におけるシリコーン変性ポリマー等
は、例えば溶液重合法や塊状重合法等の通常の方法で製
造することができる。この場合に使用するラジカル重合
開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾイルパーオキ
シド、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド
等の有機過酸化物類、2,2’−アゾビス−(2−メチ
ルブチロニトリル)、2,2−アゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ系化合物等が挙げられる。
【0020】前記した溶液重合法において使用する溶媒
の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸
n−ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類、エタノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノー
ル等のアルコール類等を挙げることができる。これらの
溶媒は、単独で使用しても2種以上を併用しても良い。
【0021】シリコーン変性ポリマー等を製造する場合
の重合温度は、50〜180℃、特に60〜120℃の
範囲である事が好ましく、この温度条件下であれば、5
〜10時間程度で重合反応を完結させることができる。
この様にして製造されるシリコーン変性ポリマー等のG
PCによるポリスチレン換算の重量平均分子量は、5,
000〜500,000であり、本発明においては、特
に10,000〜100,000の範囲内であることが
好ましい。本発明においては分子量調整剤として、ブチ
ルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、3−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、四塩化炭素、α−メチ
ルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を使用しても良い。
【0022】また、本発明におけるシリコーン変性ポリ
マー等は、水性媒体中で懸濁重合することにより、或い
は界面活性剤を用いて乳化分散した後ラジカル重合する
ことによっても得ることができる。例えば、ラジカル重
合性シリコーンモノマーと他のラジカル重合性モノマー
の混合物に界面活性剤を添加し、水性媒体中で乳化分散
した後、水溶液中にラジカル開始剤を添加して乳化重合
すれば良い。この場合に使用する界面活性剤の具体例と
しては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスル
ホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル
スルホン酸モノエステルナトリウム、ラウリル硫酸ナト
リウム等が挙げられる。
【0023】また、前記乳化重合に使用する水溶性ラジ
カル重合開始剤の具体例としては、過硫酸カルシウム、
過硫酸ナトリウム等の無機系過酸化物、t−ブチルパー
オキシマレイン酸、コハク酸パーオキシド、t−ブチル
ハイドロパーオキシド等の有機過酸化物、2、2’−ア
ゾビス−(2−N−ベンジルアミジノ)プロパン塩酸
塩、2,2’−アゾビス−(2−(N−2−ヒドロキシ
エチル)アミジノ)プロパン、2,2’−アゾビス−
(2−メチル−N−ヒドロキシエチル)ブロピオンアミ
ド等のアゾビス系化合物が挙げられる。以上の如く、溶
液重合法或いは乳化重合法等により製造されたシルコー
ン変性ポリマー等から、スプレードライ、減圧濃縮等の
公知の方法により分散媒を除去し、必要により更に粉砕
して、粒子状のシリコーン変性ポリマー等を得ることが
できる。
【0024】本発明の粘着テープ用剥離層を製造するに
は、シリコーン変性ポリマー等を高濃度で熱可塑性樹脂
に分散してなるマスターペレットを調製し、次いでこの
マスターペレットと熱可塑性樹脂を、前記シリコーン変
性ポリマー等に含有されているシリコーン部分の量が2
〜40重量%となるように混合して希釈し、多層押し出
し機等によってフィルム状に成形すれば良い。また、前
期シリコーン部分の含有量を調節することにより、それ
ぞれ、軽剥離、中剥離及び重剥離の粘着テープ用基材を
得ることができる。
【0025】尚、上記マスターペレットは、熱可塑性樹
脂パウダーとシリコーン変性ポリマー等を、二軸押出機
を使い、各樹脂の溶融温度以上で加熱溶融混練して製造
することができる。多層押出機を使用する場合には、熱
可塑性樹脂フィルムと剥離層を共押し出しして、本発明
の粘着テープ用基材を一度に製造することもできるが、
上述した製造方法以外にも、シリコーン部分を2〜40
重量%含有する、熱可塑性樹脂とシリコーン変性ポリマ
ー等の混合物から直接粘着テープの剥離層フィルムを形
成させ、別に調製した無添加プラスチックフィルムとラ
ミネートすることもできる。いずれの製造方法にして
も、剥離層の厚みは1〜50μmとすることが好ましい
が、特に、2〜25μmであることが好ましい。
【0026】
【発明の効果】本発明の粘着テープ用基材は溶剤ベース
のコーティング剤を使用しないので、塗布工程がなく製
造適性に優れる上、環境保全にも寄与することができ
る。また、使用するシリコーン変性ポリマー等に含有さ
れているシリコーン部分の離型性が優れている上、熱可
塑性樹脂と共に剥離層を構成するので、離型面の剥離性
及び離型性が著しく改善され、粘着層との剥がれが円滑
に行われる。また、そのシリコーン部分の含有率を2〜
40重量%の間で調節することにより、軽剥離から重剥
離の基材迄目的に合わせて容易に製造することができ
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、下記「%」及び、「部」は特に記載がない限り「重
量%」及び「重量部」とする。
【0028】製造例1.トルエン100部に、下記化8
で表されるモノマー30部、メチルメタクリレート70
部、及び、アゾビスイソブチロニトリル2部の混合物
を、N2 通気下で80〜90℃で2時間かけて滴下し
た。
【化8】 滴下終了後、80〜90℃で8時間熟成した後トルエン
を減圧留去した。得られたシリコーン変性ポリマーをハ
ンマーミルで粉砕し、重量平均分子量が35,000の
グラフト共重合体−1を得た。
【0029】製造例2.トルエン100部に、下記化9
で表されるモノマー70部、スチレン50部、ブチルメ
タクリレート20部及びアゾビスイソブチロニトリル2
部の混合物を、N2 通気下80〜90℃で2時間かけて
滴下した。
【化9】 滴下終了後、80〜90℃で8時間熟成した後トルエン
を減圧留去し、得られたシリコーン変性ポリマーをハン
マーミルで粉砕し、重量平均分子量が43,000のグ
ラフト共重合体−2を得た。
【0030】実施例1.ポリプロピレン樹脂(メルトイ
ンデックス2g/10分、230℃、融点165℃)に
上記グラフト共重合体−1を2:1の割合で配合し、ヘ
ンシェルミキサーで混合した。得られた混合物を、二軸
混練機にて220℃の温度で混練した後、グラフト共重
合体−1を33%含有するマスターペレットを得た。
【0031】得られたマスターペレットを、剥離層中の
グラフト共重合体−1が20%となるようにポリプロピ
レン樹脂に添加し、2層ダイを用いて、ポリプロピレン
フィルムの片面に剥離層を積層した2層構造のフィルム
となる様に、250℃で溶融共押し出ししてシートを成
形した。次に115℃で縦方向に6倍延伸し、更に16
5℃のオーブン中で横方向に10倍延伸し、155℃で
熱セットして二軸延伸複層フィルムを製造した。このフ
ィルムの剥離層の厚さは10μmであり、ポリプロピレ
ン層の厚みは40μmであった。得られた粘着テープ用
基材の特性を下記の測定試験によって調べた結果は表1
に示した通りである。
【0032】
【表1】
【0033】剥離力の試験 常態剥離力は、剥離層側に標準粘着テープ(積水化学
(製)で、商品名:オリエンテープ、粘着力は810g
/25mm)を貼り付けて、得られたサンプルを、20
g/cm2 の荷重で圧着した後、23℃、65%RHで
3時間放置した、次いで剥離具合を調べ、下記のように
して評価した。 ◎:軽い剥がれ; ○:中程度の剥がれ; △:重い剥がれ; ×:剥がれ難い
【0034】接着力の測定 剥離層側に標準粘着テープ(積水化学(製)で、商品
名:オリエンテープ、粘着力は810g/25mm)を
貼り付けて得られたサンプルを20g/m2 の荷重で圧
着し、次いで23℃、65%RHで3時間放置した後標
準粘着テープを剥がした後ステンテス板に貼りあわせ、
2kgのテープローラー(ASTM−D−1000−5
5T)で1往復圧着した後、引き剥がして接着具合を調
べ、下記のようにして評価した。 ◎:強く接着性; ○:中程度の接着性; △:軽い接着性; ×:接着不良 尚、この測定で用いられたステンレス板はJISG43
05規定のステンレス板をJISR6253規定の#2
80耐水研磨紙で磨いたものであり、また、経時変化
は、50℃で24時間、20g/cm2 の荷重下で放置
したものについて測定した。
【0035】実施例2.グラフト共重合体−1をグラフ
ト共重合体−2に代えた他は、実施例1と全く同様にし
てマスターペレットを得、複層フィルムを製造した。得
られた粘着テープ用基材の特性を、実施例1の場合と同
様にして測定した結果は、表1に示した通りである。
【0036】実施例3.ポリプロピレン樹脂とグラフト
共重合体−2を配合比が1:3の割合で使用した他は、
実施例1と全く同様にしてグラフト共重合体−2を75
%含有するマスターペレットを得た。得られたマスター
ペレットを、剥離層中のグラフト共重合体−2が30重
量%となるようにポリプロピレン樹脂に添加した他は、
実施例1と全く同様にして粘着テープ用基材を得、その
特性を実施例1の場合と同様にして測定した結果は、表
1に示した通りである。
【0037】比較例1.ポリプロピレン樹脂(メルトイ
ンデックス:2.0g/10分、230℃、融点165
℃)を250℃で溶融押し出ししてシートを成形し、次
に115℃で縦方向に6倍延伸した後、165℃のオー
ブン中で横方向に10倍延伸し、155℃で熱セットし
て二軸延伸フィルムを製造した。このフィルムの剥離層
として、長鎖アルキルペンダント型ポリマー(ピーロイ
ル1010:一方社油脂工業(株)の商品名)をトルエ
ンで希釈し、乾燥後の塗布量が0.3g/m2 になるよ
うにコーティングした。得られた粘着テープ用基材の特
性を実施例1と全く同様にして調べた結果は、表1に示
した通りである。
【0038】比較例2.ポリプロピレン樹脂(メルトイ
ンデックス:2.0g/10分:230℃、融点165
℃)に対して、シリコーンオイル(信越化学工業(株)
KF96H、10,000cs)を5%練り込んだペレ
ットを剥離層の組成物として使用した他は、実施例1と
全く同様にして粘着テープ用基材を得、その特性を実施
例1と全く同様にして調べた結果は、表1に示した通り
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック製粘着テープ用基材の概
念図である。
【符号の説明】
1:プラスチックフィルム 2:剥離層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−316517(JP,A) 特開 平3−79685(JP,A) 特開 平8−301954(JP,A) 特開 平6−16941(JP,A) 特開 平5−131598(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 7/02 C08F 20/18 C08F 30/08 C08F 290/06 C08F 299/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として熱可塑性樹脂からなるプラスチ
    ックフィルム及び該フィルムの片面に設けた剥離層とか
    らなる粘着テープ用基材であって、前記剥離層が、少な
    くとも、熱可塑性樹脂、並びに、下記化1で表されるオ
    ルガノポリシキロサン化合物の単独重合体、及び/又
    は、前記オルガノポリシロキサン化合物とラジカル重合
    性モノマーとをラジカル重合してなる共重合体とからな
    ることを特徴とするプラスチック製粘着テープ用基材。 【化1】 但し、化1中のR1 は、水素原子又はメチル基であり、
    2 は酸素原子により中断されていても良い炭素原子数
    1〜12の2価の炭化水素基、R3 は炭素原子数1〜6
    の1価の炭化水素基であり、mは1、2又は3、nは2
    0〜200の整数を表わす。
  2. 【請求項2】 化1で表されたオルガノポリシロキサン
    化合物と共重合し得る他のラジカル重合性モノマーが、
    アクリル酸エステル誘導体、メタクリル酸エステル誘導
    体、スチレン誘導体からなる群の中から選択される少な
    くとも1種の化合物である請求項1に記載されたプラス
    チック製粘着テープ用基材。
  3. 【請求項3】 剥離層中の、化1で表されるオルガノポ
    リシキロサン化合物の単独重合体、及び/又は、そのラ
    ジカル共重合体に含有されている、シリコーン部分の合
    計量が2〜40重量%である、請求項1又は2に記載さ
    れたプラスチック製粘着テープ用基材。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂がポリエチレン、ポリプロ
    ピレン、塩化ビニル、ポリカーボネート、熱可塑性ポリ
    ウレタン、セロハン、フッ化ビニルデン、PET、ポリ
    スチレン及び塩化ビニルデンの中から選択される何れか
    である請求項1〜3の何れかに記載されたプラスチック
    製粘着テープ用基材。
  5. 【請求項5】 プラスチックフィルムが、剥離層に含有
    される熱可塑性樹脂と同一組成の熱可塑性樹脂からな
    る、請求項1〜4の何れかに記載された粘着テープ用基
    材。
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