JP2009107649A - ブリスターパッケージ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、耐衝撃性の弱いシートを用いて形成した外装体を使用した場合、落下したときに外装体が割れることのないブリスターパッケージを提供せんとするものである。
【解決手段】ブリスターパッケージの外装体は、少なくとも5層からなるポリ乳酸系樹脂積層シートを用いて形成され、ブリスターパッケージ下端部の台紙中央部に位置する箇所には切欠き部が設置され、該切欠き部において、切欠き巾の間に歯ブラシが設置され、かつ、切欠き巾および切欠き深さを特定し、さらに、外装体は歯ブラシ柄下端部を支えるドーム形状を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】ブリスターパッケージの外装体は、少なくとも5層からなるポリ乳酸系樹脂積層シートを用いて形成され、ブリスターパッケージ下端部の台紙中央部に位置する箇所には切欠き部が設置され、該切欠き部において、切欠き巾の間に歯ブラシが設置され、かつ、切欠き巾および切欠き深さを特定し、さらに、外装体は歯ブラシ柄下端部を支えるドーム形状を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、ドーム部に商品を収容した状態で、バイオマス度の高いポリ乳酸系樹脂積層シートを用いて成形した外装体を、台紙上に固着してなるブリスターパッケージに関するものである。特に、商品として歯ブラシを収容したブリスターパッケージとして好適なものに関する。
近年では、地球環境保全の見地から、土中や水中に存在する微生物の作用により自然環境下で分解される生分解性ポリマーが注目されており、様々な生分解性ポリマーが開発されている。これらのうち溶融成形が可能な生分解性ポリマーとして、例えばポリヒドロキシブチレートやポリカプロラクトン、コハク酸やアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸成分と、エチレングリコールやブタンジオールなどのグリコール成分とからなる脂肪族ポリエステルおよびポリ乳酸などがよく知られている。これらの中でも、ポリ乳酸樹脂は、モノマーである乳酸を、とうもろこしなどのバイオマスを原料として、微生物を利用した発酵法により安価に製造できるようになり、また、透明性を有し、融点もおよそ170℃と高く、溶融成形可能なバイオポリマーとして期待されている。そのような特性を活かして、各種製品の素材として使用されつつある。例えば、特許文献1には、ポリ乳酸樹脂からなるシートを食品容器に用いることが記載されている。
しかしながら、ポリ乳酸樹脂は、ガラス転移温度が60℃付近にあり、この温度近傍での熱変形や剛性低下が大きいため、例えば、食品容器として用いると、通常の使用条件においても熱変形しやすく使用することが困難になるという問題点があり、食品容器として使用可能な耐熱性に優れたポリ乳酸系材料が望まれていた。
一方、複数の樹脂を配合する技術は、ポリマーアロイ技術として広く知られており、個々の熱可塑性樹脂の欠点を改良する目的で広く利用されている。例えば、特許文献2には、ポリ乳酸樹脂とポリメチルメタクリレート樹脂をブレンドすることが記載されているが、そのブレンド物を容器に加工する方法は一切記載されていない。また、特許文献3は、ポリ乳酸樹脂と熱可塑性樹脂を配合したシート・容器に関するものであり、熱可塑性樹脂としてポリメチルメタクリレート樹脂が使用されている。しかしながら、ブリスターパッケージとしての耐熱性は問題があり、さらなる耐熱性の向上が必要であった。
ブリスターパッケージに関して、例えば、特許文献4では、外装体にポリエチレンテレフタレート樹脂を使用していることが記載されており、バイオマス度が全く考慮されておらず、近年のバイオマス度の高い外装体を求める要望に応えらない。
特開平6−298236号公報
特開平8−59949号公報
特開2006−328368号公報
実開平5−49664号公報
従来、歯ブラシ用ブリスターパッケージとしては、その外装体が石油系樹脂シートからなるものであり、例えば図3において示すような包装形態であった。図3において、1は透明プラスチック樹脂シートなどから形成されるブリスタータイプの外装体、2は外装体を固着される紙、合成樹脂シート、ラミネート紙などからなる台紙である。外装体1には、その内部に収容される歯ブラシ3の形状に合わせたドーム部4が形成されており、外装体1はこのドーム部4内に歯ブラシ3を収容した状態で、その周縁部5を台紙2上に熱溶着などの手段で固着されている。また、歯ブラシ柄6には金具などに吊り下げるための吊り下げ用穴7が形成されている。
ところが、バイオマス度の高いポリ乳酸系樹脂シートのような耐衝撃性の弱いシートを用いて形成した外装体1を使用した場合、図3に示す従来品のブリスターパッケージでは、ブリスターパッケージが落下したときに、歯ブラシ柄6の落下衝撃力が、外装体1の歯ブラシ柄下端受け部8に集中し、歯ブラシ柄6が外装体に割れを生じさせ、パッケージとしての役割を果たせなかった。
このような従来の問題点に鑑みて考案されたのが本発明に係るブリスターパッケージであって、落下したときに外装体1が割れることのないブリスターパッケージを提供せんとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために次のような手段を採用するものである。
(1)台紙と、商品を収容するためのドーム部が形成された外装体とからなり、ドーム部に商品を収容した状態で、外装体を台紙に固着したブリスターパッケージにおいて、
外装体が、少なくとも5層から成るポリ乳酸系樹脂積層シートを用いて形成され、
該シートが、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物からなる層A、層B及び層Cを有し、かつ、該層A、該層B、該層Cが、以下の条件を満たし、かつ、層A/層B/層C/層B/層Aの層構成で積層された、ブリスターパッケージ。
外装体が、少なくとも5層から成るポリ乳酸系樹脂積層シートを用いて形成され、
該シートが、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物からなる層A、層B及び層Cを有し、かつ、該層A、該層B、該層Cが、以下の条件を満たし、かつ、層A/層B/層C/層B/層Aの層構成で積層された、ブリスターパッケージ。
7≧Xa(PLA)≧0、30≧Xb(PLA)≧10、100≧Xc(PLA)≧95
ただし、
Xa(PLA):該層Aを構成するポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物の総量(重量)に対するポリ乳酸系樹脂の含有量(重量%)
Xb(PLA):該層Bを構成するポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物の総量(重量)に対するポリ乳酸系樹脂の含有量(重量%)
Xc(PLA):該層Cを構成するポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物の総量(重量)に対するポリ乳酸系樹脂の含有量(重量%)
(2)前記商品が歯ブラシであることを特徴とする、前記(1)に記載のブリスターパッケージ。
ただし、
Xa(PLA):該層Aを構成するポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物の総量(重量)に対するポリ乳酸系樹脂の含有量(重量%)
Xb(PLA):該層Bを構成するポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物の総量(重量)に対するポリ乳酸系樹脂の含有量(重量%)
Xc(PLA):該層Cを構成するポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物の総量(重量)に対するポリ乳酸系樹脂の含有量(重量%)
(2)前記商品が歯ブラシであることを特徴とする、前記(1)に記載のブリスターパッケージ。
(3)ブリスターパッケージ下端部の台紙中央部に切欠き部を設け、
該切欠き部において、該切欠き部の巾(切欠き巾)の間に歯ブラシが設置され、
該切欠き巾が、歯ブラシ柄巾の110〜300%の範囲内であることを特徴とする、前記(2)に記載のブリスターパッケージ。
該切欠き部において、該切欠き部の巾(切欠き巾)の間に歯ブラシが設置され、
該切欠き巾が、歯ブラシ柄巾の110〜300%の範囲内であることを特徴とする、前記(2)に記載のブリスターパッケージ。
(4)ブリスターパッケージ下端部の台紙中央部に切欠き部を設け、
該切欠き部において、該切欠き部の巾(切欠き巾)の間に歯ブラシが設置され、
該切欠き巾が、台紙の横巾に対して40〜90%の範囲内であることを特徴とする、前記(2)または(3)に記載のブリスターパッケージ。
該切欠き部において、該切欠き部の巾(切欠き巾)の間に歯ブラシが設置され、
該切欠き巾が、台紙の横巾に対して40〜90%の範囲内であることを特徴とする、前記(2)または(3)に記載のブリスターパッケージ。
(5)ブリスターパッケージ下端部の台紙中央部に切欠き部を設け、
該切欠き部において、該切欠き部の巾(切欠き巾)の間に歯ブラシが設置され、
該切欠き部の切欠き深さが、台紙の縦巾に対して1〜10%の範囲内であることを特徴とする、前記(2)から(4)のいずれかに記載のブリスターパッケージ。
該切欠き部において、該切欠き部の巾(切欠き巾)の間に歯ブラシが設置され、
該切欠き部の切欠き深さが、台紙の縦巾に対して1〜10%の範囲内であることを特徴とする、前記(2)から(4)のいずれかに記載のブリスターパッケージ。
(6)前記外装体が、歯ブラシ柄下端部の凹みまたは穴を支える、凹みを備えたことを特徴とする、前記(2)から(5)のいずれかに記載のブリスターパッケージ。
上記(3)、(4)、(5)などの態様の本発明のブリスターパッケージは、パッケージ下端部の台紙中央部に位置する箇所に切欠き部を設け、該切欠き部において、切欠き巾の間に歯ブラシ柄が設置され、切欠き巾および切欠き深さを特定している。また本発明のブリスターパックは、外装体にポリ乳酸系樹脂積層シートを使用しているので、環境に優しいブリスターパッケージを提供することができる。
本発明によれば、バイオマス度の高いブリスターパッケージを提供することができる。さらに本発明の好ましい態様によれば、バイオマス度の高いポリ乳酸系樹脂シートのような耐衝撃性の弱いシートを用いて形成した歯ブラシ用ブリスターパッケージであっても、落下したときに歯ブラシ柄が外装体に衝撃を与えることで生じる割れを大幅に改善させることができる。
以下、本発明の好ましい様態について詳細に説明する。
本発明は、バイオマス度の高いポリ乳酸系樹脂積層シートを用いたブリスターパッケージについて、鋭意検討した結果、外装体が特定な樹脂を特定な量関係で含有するポリ乳酸系樹脂からなる層を特定の順に積層したシートを用いて成形され、そのシートを特定のブリスターパッケージに形成してみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明に用いられるポリ乳酸系樹脂の重量平均分子量は、適度な製膜、延伸適性および実用的な機械特性を満足させるため、5万〜50万であることが好ましく、より好ましくは10万〜25万である。なお、ここでいう重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでクロロホルム溶媒にて測定を行い、ポリメチルメタクリレート換算法により計算した分子量をいう。
本発明に用いられるポリ乳酸系樹脂とは、L−乳酸および/またはD−乳酸を原料として得ることができる構造を主たる構成成分とするポリマーであるが、乳酸以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。
かかる他の単量体としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、カプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどのラクトン類を挙げることができる。上記他の共重合成分の共重合量は、本発明のポリ乳酸系樹脂であるポリ乳酸を主体とするポリマーの全単量体成分100モル%に対し、0〜30モル%であることが好ましく、0〜10モル%であることがより好ましい。
かかる他の単量体としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、カプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどのラクトン類を挙げることができる。上記他の共重合成分の共重合量は、本発明のポリ乳酸系樹脂であるポリ乳酸を主体とするポリマーの全単量体成分100モル%に対し、0〜30モル%であることが好ましく、0〜10モル%であることがより好ましい。
本発明において、特に高い耐熱性を有するポリ乳酸系樹脂積層シートおよびそれを用いたブリスターパッケージを得るためには、ポリ乳酸系樹脂として乳酸成分の光学純度が高いものを用いることが好ましい。ポリ乳酸系樹脂の総乳酸成分のうち、L体が80%以上含まれるかあるいはD体が80%以上含まれることが好ましく、L体が90%以上含まれるかあるいはD体が90%以上含まれることがより好ましく、L体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれることが特に好ましい。
ポリ乳酸系樹脂の製造方法としては、詳細は後述するが、既知の重合方法を用いることができ、乳酸からの直接重合法、ラクチドを介する開環重合法などを挙げることができる。
ポリ乳酸系樹脂の融点は、特に制限されるものではないが、120℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましい。ポリ乳酸系樹脂の融点は通常、乳酸成分の光学純度を高くすることにより高くなり、融点120℃以上のポリ乳酸系樹脂は、L体が90%以上含まれるかあるいはD体が90%以上含まれることにより、また融点150℃以上のポリ乳酸系樹脂は、L体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれることにより得ることができる。
本発明におけるポリ(メタ)アクリレート系樹脂とは、アクリレートおよびメタクリレートから選ばれる少なくとも1種の単量体を構成単位とするものであり、2種以上の単量体を共重合して用いても構わない。ポリ(メタ)アクリレートを構成するアクリレートおよびメタクリレートとしては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、シアノエチルアクリレート、シアノブチルアクリレートなどのアクリレート、およびメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのメタクリレートが挙げられるが、ガラス転移温度が60℃以上のものが好ましい。これらの中で、より高い高温剛性を付与するには、ポリメチルメタクリレートを用いることが好ましい。
これらの単量体を重合あるいは共重合する方法については特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合等の公知の重合方法を用いることができる。
ポリ(メタ)アクリレート系樹脂としてポリメチルメタクリレートを用いる場合、ポリ乳酸系樹脂との相溶性の観点、また、積層製膜時における各層の粘度調整の観点から、JIS K7210に準じて230℃で測定したポリメチルメタクリレートの流動性が、1〜22g/(10min)であるものが好ましく、1.5〜15g/(10min)であるものがさらに好ましく、2〜10g/(10min)であるものが特に好ましい。
本発明で用いられるポリ(メタ)アクリレート系樹脂は、重量平均分子量が2万〜50万であることが好ましく、10万〜20万であることがより好ましい。重量平均分子量が2万未満ではシートまたは成形品の強度が低下する場合があり、重量平均分子量が50万を超えると積層製膜時に粘度斑の発生や、成形時の流動性が低下する場合がある。
本発明のブリスターパッケージの外装体に用いるポリ乳酸系樹脂積層シートは、少なくとも5層から成るポリ乳酸系樹脂積層シートを用いて形成され、より具体的には上記したポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物からなる層A、層B及び層Cを有し、かつ、該層A、該層B、該層Cが、以下の条件を満たし、かつ、層A/層B/層C/層B/層Aの順に、順次積層されたことを特徴とする、ポリ乳酸系樹脂積層シートである。
7≧Xa(PLA)≧0、30≧Xb(PLA)≧10、100≧Xc(PLA)≧95
ただし、
Xa(PLA):該層Aを構成するポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物の総量(重量)に対するポリ乳酸系樹脂の含有量(重量%)
Xb(PLA):該層Bを構成するポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物の総量(重量)に対するポリ乳酸系樹脂の含有量(重量%)
Xc(PLA):該層Cを構成するポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物の総量(重量)に対するポリ乳酸系樹脂の含有量(重量%)
Xa(PLA)、Xb(PLA)、Xc(PLA)のいずれかが上記関係式を満たさない場合、シートの耐熱性、耐衝撃性、また植物度を全て同時に満足させることができなくなることがある。
ただし、
Xa(PLA):該層Aを構成するポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物の総量(重量)に対するポリ乳酸系樹脂の含有量(重量%)
Xb(PLA):該層Bを構成するポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物の総量(重量)に対するポリ乳酸系樹脂の含有量(重量%)
Xc(PLA):該層Cを構成するポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物の総量(重量)に対するポリ乳酸系樹脂の含有量(重量%)
Xa(PLA)、Xb(PLA)、Xc(PLA)のいずれかが上記関係式を満たさない場合、シートの耐熱性、耐衝撃性、また植物度を全て同時に満足させることができなくなることがある。
つまり、所望の耐熱性を持たせるために、シートの全層にポリ(メタ)アクリレート系樹脂を高比率で配合すると、植物度が低くなってしまい、耐衝撃性も低下する。一般的にポリ乳酸系樹脂にポリ(メタ)アクリレート系樹脂を配合し均一に混合させると、ポリ乳酸系樹脂全体としての耐熱性は向上するが、耐衝撃性は悪化することが多い。
ポリ乳酸系樹脂とポリ(メタ)アクリレートの含有量に関しての具体的な値を記す。
該層Aについては、該層Aを構成するポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物の総量(重量)に対するポリ乳酸系樹脂の含有量(重量%)をXa(PLA)とした時に、Xa(PLA)は0重量%以上7重量%以下が好ましく、より好ましくは、0重量%以上2重量%以下、さらに好ましくは0重量%以上1重量%以下である。Xa(PLA)が7重量%を上回った場合、耐熱性が低くなってしまうことがあるために好ましくない。さらに耐熱性の観点からは、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂に比べ耐熱性が低い特性を有するポリ乳酸系樹脂組成物Xa(PLA)が0重量%であることがもっとも好ましい。
また、該層Bについては、該層Bを構成するポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物の総量(重量)に対するポリ乳酸系樹脂の含有量(重量%)をXb(PLA)とした時に、Xb(PLA)は10重量%以上30重量%以下が好ましく、より好ましくは、10重量以上20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以上15重量%以下である。Xb(PLA)が30重量%より大きい場合、シートの耐熱性が不十分となることがあるために好ましくない。またXb(PLA)が10重量%より小さい場合、各層間に粘度斑が発生し外観が悪くなることがあるために好ましくない。
また、該層Cについては、該層Cを構成するポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物の総量(重量)に対するポリ乳酸系樹脂の含有量(重量%)をXc(PLA)とした時に、Xc(PLA)は95重量%以上100重量%以下が好ましく、より好ましくは97重量%以上100重量%以下、さらに好ましくは98重量%以上100重量%以下、最も好ましくは100重量%である。Xc(PLA)が95重量%より小さい場合、バイオマス度が低くなってしまい燃焼時発生する炭酸ガス量をあまり軽減できず、ポリ乳酸系樹脂を使用するメリットが薄れてしまう。
また、本発明のブリスターパッケージの外装体に用いるポリ乳酸系樹脂積層シートは、以下の条件を満たすポリ乳酸系樹脂積層シートである場合がより好ましい。
40≧Ya≧20、30≧Yb≧10、70≧Yc≧50
ただし、
Ya:シートの総厚みに対する該層Aの総厚み比率(%)
Yb:シートの総厚みに対する該層Bの総厚み比率(%)
Yc:シートの総厚みに対する該層Cの総厚み比率(%)
樹脂積層シートの総厚みに対する該層Aの総厚み比率(%)をYaとした場合、Yaは20%以上40%以下であることが好ましい。より好ましくは20%以上30%以下であり、さらに好ましくは20%以上26%以下である。ここでYaは、樹脂積層シートの総厚みに対する2層の層Aを合計した厚みの比率(%)である。Yaが40%より大きい場合は、シート全体の植物度が低くなることがある。また、20%より小さい場合は、耐熱性が低くなってしまうことがある。
ただし、
Ya:シートの総厚みに対する該層Aの総厚み比率(%)
Yb:シートの総厚みに対する該層Bの総厚み比率(%)
Yc:シートの総厚みに対する該層Cの総厚み比率(%)
樹脂積層シートの総厚みに対する該層Aの総厚み比率(%)をYaとした場合、Yaは20%以上40%以下であることが好ましい。より好ましくは20%以上30%以下であり、さらに好ましくは20%以上26%以下である。ここでYaは、樹脂積層シートの総厚みに対する2層の層Aを合計した厚みの比率(%)である。Yaが40%より大きい場合は、シート全体の植物度が低くなることがある。また、20%より小さい場合は、耐熱性が低くなってしまうことがある。
樹脂積層シートの総厚みに対する該層Bの総厚み比率(%)をYbとした場合、Ybは10%以上30%以下であることが好ましい。より好ましくは12%以上28%以下であり、さらに好ましくは15%以上25%以下である。ここでYbは、樹脂積層シートの総厚みに対する2層の層Bを合計した厚みの比率(%)である。Ybが30%より大きい場合は、シート全体のバイオマス度が低くなることがある。また、10%より小さい場合は、粘度斑が発生してしまうことがある。
樹脂積層シートの総厚みに対する該層Cの厚み比率(%)をYcとした場合、Ycは50%以上70%以下であることが好ましい。より好ましくは55%以上65%以下であり、さらに好ましくは58%以上63%以下である。Ycが50%より小さい場合は、シート全体のバイオマス度が低くなることがあるために好ましくない。また、70%より小さい場合は、耐熱性が低くなってしまうことがあるために好ましくない。
本発明のブリスターパッケージの外装体に用いるポリ乳酸系樹脂積層シートは、層A/層B/層C/層B/層Aの順に順次積層されたことを特徴としている。
層C/層B/層A/層B/層Cのように、PLAの含有量が多い層を外層とした場合、シート表面の耐熱性が不足するために、溶融状態にて粘着性を生じることがあるために好ましくない。
また、層A/層C/層B/層C/層A、もしくは、層B/層A/層C/層A/層B とした場合、隣接する層間のPLA含有量が大きく異なるために、溶融状態にて各層間に大きな粘度差が生じ、厚み斑が大きく、外観品位が劣ることがある。
また層Bを欠き、2種3層構成とした場合、すなわち、層A/層C/層A、もしくは、層C/層A/層Cであった場合も、隣接する層間のPLA含有量が大きく異なるために、溶融状態にて各層間に極度の粘度差が生じ、フローマークなど極度の外観不良を発生させることがある。
これらの点から、本発明のブリスターパッケージの外装体に使用するポリ乳酸系樹脂積層シートは、層A/層B/層C/層B/層Aの順に、順次積層されたことを特徴とし、かつ、Xa(PLA)は0重量%以上7重量%以下、Xb(PLA)は10重量%以上30重量%以下、Xc(PLA)は95重量%以上100重量%以下、を満たすことが好ましい。
つまり本発明のポリ乳酸系樹脂積層シートは、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂量が多い場合に発現する耐熱性と、ポリ乳酸系樹脂量が多い場合に発現する植物度・耐衝撃性、といった物性を両立するため、各層のポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂の配合量を特定範囲に制御した積層構成としている。さらに、外層(A層)と内層(C層)の粘度差の違いに起因する外観不良(フローマーク等)の発生を抑制するため、中間層(B層)を設けることで、隣り合う各層の粘度差を低減して外観を向上した発明である。
ポリ乳酸系樹脂はバイオマス、つまり再生可能な生物由来の資源であり、具体的には、トウモロコシやサツマイモなどの植物を原料として製造されている。よって、該樹脂の使用がそのままシートのバイオマス度向上につながる。バイオマスは空気中の二酸化炭素と水から植物が生み出すものなので、分解されても燃やされても大気中の二酸化炭素を増加させることがない。したがって、近年懸念されている地球温暖化防止に役立っており、また、石油資源の枯渇にも対応できる。
本発明では、シートを積層構成とし、耐熱性向上に寄与する成分であるポリ(メタ)アクリレート系樹脂の各層への含有割合の関係を規定することで、耐熱性を維持したまま、高いバイオマス度とすることが可能となった。
各層におけるポリ乳酸系樹脂やポリ(メタ)アクリレート系樹脂の正確な含有量を特定する方法の一つに、NMRによる特定が挙げられる。例えば、ポリ乳酸とポリメチルメタクリレートの配合量を特定するには、重クロロホルム溶媒中55℃で1H核のNMR測定を行い、ポリ乳酸に由来するピーク(例えばメチン基に由来するピーク)とポリメチルメタクリレートに由来するピーク(例えばメトキシ基に由来するピーク)の強度比から算出することができる。1H核のピークが重複して算出できない場合は、さらに13C核の測定を行い、特定することができる。
本発明にかかるポリ乳酸系樹脂組成物は、各成分を溶媒に溶かした溶液を均一混合した後、溶媒を除去して組成物を製造することも可能であるが、溶媒への原料の溶解、溶媒除去等の工程が不要で、実用的な製造方法である、各成分を溶融混練することにより組成物を製造する溶融混練法を採用することが好ましい。
その溶融混練方法については、特に制限はなく、ニーダー、ロールミル、バンバリーミキサー、単軸または二軸押出機等の通常使用されている公知の混合機を用いることができる。中でも生産性の観点から、単軸または二軸押出機の使用が好ましい。またその混合順序についても特に制限はなく、例えばポリ乳酸系樹脂とポリ(メタ)アクリレート系樹脂をドライブレンド後、溶融混練機に供する方法や、予めポリ乳酸系樹脂とポリ(メタ)アクリレート系樹脂を溶融混練したマスターバッチを作製後、該マスターバッチとポリ乳酸系樹脂とを溶融混練する方法等が挙げられる。また必要に応じて、その他の添加剤を同時に溶融混練する方法や、予めポリ乳酸系樹脂とその他の添加剤を溶融混練したマスターバッチを作製後、該マスターバッチとポリ乳酸系樹脂とポリ(メタ)アクリレート系樹脂とを溶融混練する方法を用いてもよい。また溶融混練時の温度は190℃〜250℃の範囲が好ましく、またポリ乳酸の劣化を防ぐ意味から、200℃〜240℃の範囲とすることがより好ましい。
本発明のポリ乳酸系樹脂積層シートの層Aおよび/または層Bおよび/または層Cには、本発明の目的、効果を損なわない範囲内で、必要に応じて、ポリ乳酸系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂以外の樹脂を混合してもよい。例えば、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリビニル化合物などの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、エチレン/プロピレンターポリマー、エチレン/ブテン−1共重合体などの軟質熱可塑性樹脂が挙げられる。
その中でも特に、ガラス転移温度が60℃以上となるポリビニル化合物は、ポリ乳酸系樹脂組成物の耐熱性を向上させる効果があるために好ましい。ガラス転移温度が60℃以上となるポリビニル化合物の具体例としては、ポリスチレン、ポリ(4−アセチルスチレン)、ポリ(2−メチルスチレン)、ポリ(3−メチルスチレン)、ポリ(4−メチルスチレン)、ポリ(4−メトキシスチレン)、ポリ(4−ヒドロキシスチレン)(ポリビニルフェノール)、ポリ(2−ヒドロキシメチルスチレン)、ポリ(3−ヒドロキシメチルスチレン)、ポリ(4−ヒドロキシメチルスチレン)等の各種スチレン系重合体、およびポリ(ベンゾイルオキシエチレン)、ポリ(シクロヘキサノイルオキシエチレン)、ポリ(4−エトキシベンゾイルオキシエチレン)、ポリ(2−メトキシベンゾイルオキシエチレン)、ポリ(4−メトキシベンゾイルオキシエチレン)、ポリ(4−フェニルベンゾイルオキシエチレン)等の各種ポリビニルエステルが挙げられるが、これらの中でもポリ乳酸系樹脂との相溶性の観点からポリ(4−ヒドロキシスチレン)やポリビニルフェノールを用いるのが好ましい。
本発明のブリスターパッケージの外装体に用いるポリ乳酸系樹脂積層シートは、さらなる耐衝撃性付与、成形性向上の観点から、ガラス転移温度が60℃以下のポリエステル系樹脂を、積層された各層を構成するポリ乳酸系樹脂組成物100重量%に対して、各層毎に好ましくは0.1重量%以上40重量%以下、より好ましくは0.2重量%以上30重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以上20重量%以下含有する層を少なくとも1層有するのがよい。
該層は前記層Aおよび/または前記層Bおよび/または前記層Cおよび/または前記層A、層B、層C以外の第4の層Dのいずれであっても構わない。かかるガラス転移温度が60℃以下のポリエステル系樹脂の含有量が40重量%を超える層を有すると、耐熱性、透明性が低下することがある。またかかるガラス転移温度が60℃以下のポリエステル系樹脂の含有量が0.1重量%未満である層を有すると、耐衝撃性の改良効果が低くなることがある。
ポリマーの耐衝撃性と柔軟性は相関しており、ポリマーの柔軟性を評価する一つの目安としてガラス転移点があげられる。本発明のポリ乳酸系樹脂積層シートの耐衝撃性を向上させるために、該ポリエステル系樹脂は、ポリ乳酸のガラス転移温度を考慮して、ガラス転移温度が60℃以下であることが好ましい。
該ガラス転移温度が60℃以下のポリエステル系樹脂の重量平均分子量には特に制限は無いが、主に耐熱性を維持する観点とポリ乳酸系樹脂との相溶性の観点から、それぞれ下限と上限の好ましい値が存在し、2,000〜200,000であることが好ましく、より好ましくは5,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜80,000である。
このガラス転移温度が60℃以下のポリエステル系樹脂の種類については特に制限は無いが、芳香族および/または脂肪族ポリエステル、ポリエーテル系および/またはポリエステル系セグメントとポリ乳酸セグメントで構成される樹脂組成物であることが好ましい。
ガラス転移温度が60℃以下のポリエステル系樹脂の具体例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンセバケート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/サクシネート、ポリプロピレンセバケート、ポリプロピレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート/テレフタレート、ポリプロピレンアジペート/テレフタレート、ポリプロピレンアジペート/サクシネートなどが挙げられる。
ポリエーテル系および/またはポリエステル系セグメントとポリ乳酸セグメントで構成される樹脂組成物は、ポリエーテル系および/またはポリエステル系樹脂とポリ乳酸系樹脂のブロック共重合体であることがさらに好ましい。またこのブロック共重合体一分子中に数平均分子量が1,500以上のポリ乳酸セグメントを一つ以上有することが好ましい。この場合、該ポリ乳酸セグメントが、母材であるポリ乳酸系重合体から形成される結晶中に取り込まれることで母材につなぎ止められる作用を生じ、該ブロック共重合体のブリードアウトを十分に抑制することができる。
ポリエーテルの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体などが挙げられる。
ポリエステルの具体例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンセバケート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/サクシネート、ポリプロピレンセバケート、ポリプロピレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート/テレフタレート、ポリプロピレンアジペート/テレフタレート、ポリプロピレンアジペート/サクシネートなどが挙げられる。
本発明のポリ乳酸系樹脂積層シートの層Aおよび/または層Bおよび/または層Cには、ポリ乳酸系樹脂の結晶の過大な成長を抑制し、微細化するため、また、結晶化速度を促進するために透明核剤を混合してもよい。かかる透明核剤は、ポリ乳酸系樹脂との相溶性が良好である必要があり、また、結晶化速度を高め、結晶化した時は該樹脂の透明性を維持する必要がある。このような透明核剤としては、脂肪族カルボン酸アミド、脂肪族カルボン酸塩、脂肪族アルコール及び脂肪族カルボン酸エステルが挙げられる。
透明核剤として用いられる脂肪族カルボン酸アミドの具体例としては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、リシノール酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミドのような脂肪族モノカルボン酸アミド類、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘニン酸アミドのようなN−置換脂肪族モノカルボン酸アミド類、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスベヘニン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ブチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、へキサメチレンビスステアリン酸アミド、へキサメチレンビスベヘニン酸アミド、へキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、m−キシリレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミドのような脂肪族ビスカルボン酸アミド類、N,N´−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N´−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N´−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N´−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N´−ジステアリルイソフタル酸アミド、N,N´−ジステアリルテレフタル酸アミドのようなN−置換脂肪族カルボン酸ビスアミド類、N−ブチル−N´−ステアリル尿素、N−プロピル−N´−ステアリル尿素、N−ステアリル−N´−ステアリル尿素、N−フェニル−N´−ステアリル尿素、キシリレンビスステアリル尿素、トルイレンビスステアリル尿素、ヘキサメチレンビスステアリル尿素、ジフェニルメタンビスステアリル尿素、ジフェニルメタンビスラウリル尿素のようなN−置換尿素類が挙げられる。これらは一種類又は二種類以上の混合物であってもよい。この中でも、脂肪族モノカルボン酸アミド類、N−置換脂肪族モノカルボン酸アミド類、脂肪族ビスカルボン酸アミド類が好適に用いられ、特に、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、リシノール酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、m−キシリレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミドが好適に用いられる。
透明核剤として用いられる脂肪族カルボン酸塩の具体例としては、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸水素カリウム、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸銀等のラウリン酸塩、ミリスチン酸リチウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸水素カリウム、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸カルシム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸銀等のミリスチン酸塩、パルミチン酸リチウム、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、パルミチン酸鉛、パルミチン酸タリウム、パルミチン酸コバルト等のパルミチン酸塩、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸鉛、オレイン酸タリウム、オレイン酸銅、オレイン酸ニッケル等のオレイン酸塩、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸タリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸ベリリウム等のステアリン酸塩、イソステアリン酸ナトリウム、イソステアリン酸カリウム、イソステアリン酸マグネシウム、イソステアリン酸カルシウム、イソステアリン酸バリウム、イソステアリン酸アルミニウム、イソステアリン酸亜鉛、イソステアリン酸ニッケル等のイソステアリン酸塩、ベヘニン酸ナトリウム、ベヘニン酸カリウム、べヘニン酸マグネシウム、ベヘニン酸カルシウム、ベヘニン酸バリウム、ベヘニン酸アルミニウム、べヘニン酸亜鉛、ベヘニン酸ニッケル等のベヘニン酸塩、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カリウム、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸バリウム、モンタン酸アルミニウム、モンタン酸亜鉛、モンタン酸ニッケル等のモンタン酸塩等が挙げられる。これらは一種類又は二種類以上の混合物であってもよい。特に、ステアリン酸の塩類やモンタン酸の塩類が好適に用いられ、特に、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、モンタン酸カルシウムが好適に用いられる。
透明核剤として用いられる脂肪族アルコールの具体例としては、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール等の脂肪族モノアルコール類、1,6−ヘキサンジオール、1,7−へプタンジール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族多価アルコール類、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール等の環状アルコール類等が挙げられる。これらは一種類又は二種類以上の混合物であってもよい。特に脂肪族モノアルコール類が好適に用いられ、特にステアリルアルコールが好適に用いられる。
透明核剤として用いられる脂肪族カルボン酸エステルの具体例としては、ラウリン酸セチルエステル、ラウリン酸フェナシルエステル、ミリスチン酸セチルエステル、ミリスチン酸フェナシルエステル、パルミチン酸イソプロピリデンエステル、パルミチン酸ドデシルエステル、パルミチン酸テトラドデシルエステル、パルミチン酸ペンタデシルエステル、パルミチン酸オクタデシルエステル、パルミチン酸セチルエステル、パルミチン酸フェニルエステル、パルミチン酸フェナシルエステル、ステアリン酸セチルエステル、べヘニン酸エチルエステル等の脂肪族モノカルボン酸エステル類、モノラウリン酸グリコール、モノパルミチン酸グリコール、モノステアリン酸グリコール等のエチレングリコールのモノエステル類、ジラウリン酸グリコール、ジパルミチン酸グリコール、ジステアリン酸グリコール等のエチレングリコールのジエステル類、モノラウリン酸グリセリンエステル、モノミリスチン酸グリセリンエステル、モノパルミチン酸グリセリンエステル、モノステアリン酸グリセリンエステル等のグリセリンのモノエステル類、ジラウリン酸グリセリンエステル、ジミリスチン酸グリセリンエステル、ジパルミチン酸グリセリンエステル、ジステアリン酸グリセリンエステル等のグリセリンのジエステル類、トリラウリン酸グリセリンエステル、トリミリスチン酸グリセリンエステル、トリパルミチン酸グリセリンエステル、トリステアリン酸グリセリンエステル、パルミトジオレイン、パルミトジステアリン、オレオジステアリン等のグリセリンのトリエステル類等が挙げられる。これらは一種類又は二種類以上の混合物であってもよい。この中でもエチレングリコールのジエステル類が好適であり、特にエチレングリコールジステアレートが好適に用いられる。
これらの透明核剤の具体的な添加量は、各層を構成する組成物全体100重量%に対して、0.1〜2.5重量%が好ましく、より好ましくは0.3〜2重量%、さらに好ましくは0.5〜1.5重量%である。0.1重量%より小さいと、透明核剤としての効果が不十分となり、耐熱性が低くなることがある。2.5重量%より大きいと、透明性が低下するばかりか、外観や物性の変化を来す場合がある。
本発明のポリ乳酸系樹脂積層シートには、各種粒子を含有することができる。その平均粒子径は0.01〜10μmであることが好ましい。また含有量は、シート全体のポリ乳酸系樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部であることが好ましい。平均粒子径は、より好ましくは0.02〜5μm、さらに好ましくは0.03〜2μmである。含有する粒子の含有量は、より好ましくはシート全体のポリ乳酸系樹脂100重量部に対して0.02〜1重量部、さらに好ましくは0.03〜0.5重量部である。平均粒子径が0.01μmより小さいと、または混合する粒子がシート全体のポリ乳酸系樹脂100重量部に対して0.01重量部より少ないと、成形金型とフィルムとの滑りが悪くなりやすく、成形ムラが生じたり、フィルムが破断したり、また、金型からの離型性が悪くなるなど、成形性が不良となることがある。一方、平均粒子径が10μmより大きいと、または含有する粒子がシート全体のポリ乳酸系樹脂100重量部に対して10重量部より多いと、フィルムの透明性が低下することがある。
かかる粒子の種類は、目的や用途に応じて適宜選択され、本発明の効果を損なわなければ特に限定されないが、無機粒子、有機粒子、架橋高分子粒子、重合系内で生成させる内部粒子などを挙げることができる。もちろん、各粒子は、それぞれ単独で使用しても、混合して用いても構わない。混合して用いる場合は、それぞれの種類の粒子が、上記平均粒子径の範囲内となるようにすればよく、また、全ての種類の粒子の総含有量が上記範囲内となるようにすればよい。
無機粒子としては、特に限定されないが、シリカ等の酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の各種炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の各種硫酸塩、カオリン、タルク等の各種複合酸化物、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等の各種リン酸塩、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の各種酸化物、フッ化リチウム等の各種塩等からなる微粒子を使用することができる。
また有機粒子としては、シュウ酸カルシウムや、カルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム等のテレフタル酸塩などからなる微粒子が使用される。架橋高分子粒子としては、ジビニルベンゼン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸のビニル系モノマーの単独または共重合体からなる微粒子が挙げられる。その他、ポリテトラフルオロエチレン、ベンゾグアナミン樹脂、熱硬化エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂などの有機微粒子も好ましく使用される。
重合系内で生成させる内部粒子としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などを反応系内に添加し、さらにリン化合物を添加する公知の方法で生成される粒子も使用される。
本発明のブリスターパッケージの外装体に使用されるポリ乳酸系樹脂積層シートの全体の厚みは、特に限定されないが、好ましくは100〜2000μm、より好ましくは200〜1000μm、特に好ましくは250〜500μmである。かかるシート厚みが100μmより小さい場合は、成形時にシートに破れが発生しやすくなり成形性が悪化するだけでなく、成形できた場合でも成形体の強度が弱くなってしまうといった問題が発生しやすくなる。また、シート厚みが2000μmより大きい場合は、成形前の加熱が長時間必要になってしまい、うまく成形できた場合でも脆くなりやすいといった問題が発生しやすくなる。
また、本発明のポリ乳酸系樹脂積層シートには、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて添加剤、例えば、難燃剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、粘着性付与剤、脂肪酸エステル、ワックス等の有機滑剤またはポリシロキサン等の消泡剤、顔料または染料等の着色剤を適量配合することができる。
また、ブロッキング防止、帯電防止、離型性付与、耐傷付き性改良などの目的で、表面に主にシリコーン系のコーティング機能層を設けることが有効であり、この機能層の形成には、シートの製造工程内で行うインラインコーティング法、シートの巻き取り後に行うオフラインコーティング法を用いることができる。
本発明のポリ乳酸系樹脂積層シートは、シートおよびこれを用いて得られる成形体の分解による強度低下を抑制し、耐熱性を良好とする点から、該積層シートのカルボキシル基末端濃度が0当量/(102kg)以上30当量/(102kg)以下であることが好ましく、より好ましくは20当量/(102kg)以下、さらに好ましくは10当量/(102kg)以下である。ポリ乳酸系樹脂中のカルボキシル基末端濃度が30当量/(102kg)を超える場合には、該積層シートおよびブリスターパッケージの外装体が高温多湿条件下あるいは熱水との接触条件下で使用される際に加水分解により強度が低下し、容器などの成形体が脆くなり割れやすい等といった問題が発生する場合がある。
該積層シートのカルボキシル基末端濃度を30当量/(102kg)以下とする方法としては、例えば、ポリ乳酸系樹脂の合成時の触媒や熱履歴により制御する方法、シート製膜時の押出温度を低下あるいは滞留時間を短時間化する等熱履歴を低減する方法、反応型化合物を用いカルボキシル基末端を封鎖する方法等が挙げられる。
反応型化合物を用いカルボキシル基末端を封鎖する方法では、シート中のカルボキシル基末端の少なくとも一部が封鎖されていることが好ましく、全量が封鎖されていることがより好ましい。反応型化合物としては、例えば、脂肪族アルコールやアミド化合物等の縮合反応型化合物やカルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物等の付加反応型化合物が挙げられるが、反応時に余分な副生成物が発生しにくい点で付加反応型化合物が好ましい。
本発明のポリ乳酸系樹脂積層シートは、該積層シート中に含まれるラクチド量がシート全体のポリ乳酸系樹脂100重量%に対して0重量%以上0.5重量%以下であることが好ましい。より好ましくはラクチド量がシート全体のポリ乳酸系樹脂100重量%に対して0.4重量%以下、さらに好ましくは0.3重量%以下である。該積層シート中に含まれるラクチド量が0.5重量%を超えると、該積層シート中に残留しているラクチドが粉末状あるいは液状として析出したときに、ハンドリング性、透明性が悪化する場合がある。また、ポリ乳酸系樹脂の加水分解を進行させ、シートの耐経時性が悪化する場合がある。
本発明のブリスターパッケージの外装体に使用されるポリ乳酸系樹脂積層シートにおける、シート中に含まれるラクチドとは、上述したポリ乳酸を主体とするポリマーを構成する乳酸成分の環状2量体を意味するものであって、LL−ラクチド、DD−ラクチドおよびDL(メソ)−ラクチドが挙げられる。
本発明のブリスターパッケージの外装体に使用されるポリ乳酸系樹脂積層シートを構成する樹脂組成物全体100重量%に対するポリ乳酸系樹脂の含有量は、50重量%以上75重量%以下が好ましく、より好ましくは65重量%以上75重量%以下である。50重量%未満であるとバイオマス度が低くなってしまい燃焼時発生する炭酸ガス量をあまり軽減できず、ポリ乳酸系樹脂を使用するメリットが薄れてしまう。75重量%を超えてしまうと、耐熱性に劣る場合がある。
本発明のブリスターパッケージの外装体に使用されるポリ乳酸系樹脂積層シートは、ヘイズが0%以上10%以下であることが好ましい。より好ましくは0%以上5%以下である。ヘイズが10%を超えると、透明性が悪化し、本発明のポリ乳酸系樹脂積層シートを容器類に用いた際に、容器の内容物を確認することができなくなる場合があるために好ましくない。ヘイズは低いほど透明性が向上するために好ましいが、ヘイズを10%以下とすることで、透明性としては十分なポリ乳酸系樹脂積層シートとすることができる。本発明のポリ乳酸系樹脂積層シートのヘイズを0%以上10%以下とすることにより、本発明のポリ乳酸系樹脂積層シートを通してシートの内容物を観察することが可能となるため、本発明のシートをブリスターパッケージの外装体に好適に使用することができる。ポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂は相溶性に優れるため、これらから形成されるポリ乳酸系樹脂積層シートは低ヘイズのシートとすることができる。さらに本願発明では、中間層を設けることでシートの外観欠陥も低減しているため、低ヘイズ性に非常に優れたシートとすることができる。
本発明のポリ乳酸系樹脂積層シートは、主に耐経時性の観点から、延伸シートとしてもよく、その場合は、二軸延伸シートとすることが好ましい。
延伸シートを得る場合は、インフレーション法、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法などの既存の延伸シート製造法により行うことができるが、成形性と耐熱性を両立するシートの配向状態を制御しやすいこと、また、製膜速度を高速にできることから逐次二軸延伸法が好ましい。
次に、ポリ乳酸系樹脂積層シートを製造する方法を具体的に説明する。
本発明におけるポリ乳酸系樹脂組成物であるポリ乳酸を主体とするポリマーは、次のような方法で得ることができる。原料としては、L−乳酸またはD−乳酸の乳酸成分を主体とし、前述した乳酸成分以外のヒドロキシカルボン酸を併用することができる。またヒドロキシカルボン酸の環状エステル中間体、例えば、ラクチド、グリコリド等を原料として使用することもできる。更にジカルボン酸類やグリコール類等も使用することができる。
ポリ乳酸を主体とするポリマーは、上記原料を直接脱水縮合する方法、または上記環状エステル中間体を開環重合する方法によって得ることができる。例えば直接脱水縮合して製造する場合、乳酸類または乳酸類とヒドロキシカルボン酸類を好ましくは有機溶媒、特にフェニルエーテル系溶媒の存在下で共沸脱水縮合し、特に好ましくは共沸により留出した溶媒から水を除き実質的に無水の状態にした溶媒を反応系に戻す方法によって重合することにより高分子量のポリマーが得られる。
また、ラクチド等の環状エステル中間体をオクチル酸錫等の触媒を用い減圧下開環重合することによっても高分子量のポリマーが得られることも知られている。このとき、有機溶媒中での加熱還流時の水分および低分子化合物の除去の条件を調整する方法や、重合反応終了後に触媒を失活させ解重合反応を抑える方法、製造したポリマーを熱処理する方法などを用いることにより、ラクチド量の少ないポリマーを得ることができる。
以下に本発明のブリスターパッケージの外装体に使用される無延伸のポリ乳酸系樹脂積層シートを得る場合、さらにはポリ乳酸系樹脂積層シートのテンター式逐次二軸延伸を行う場合の好ましい製膜方法を示すが、本発明は、かかる製膜方法に限定されるものではない。
ポリ乳酸系樹脂とポリ(メタ)アクリレート系樹脂を性状に応じた計量装置を用いて、層A用、層B用、層C用として、それぞれ所定の比率で、独立した別々の二軸押出機に供給する。二軸押出機としては、ポリ乳酸系樹脂とポリ(メタ)アクリレート系樹脂を未乾燥で供給可能であるため、ベント式二軸押出機を好ましく用いることができる。供給されたポリ乳酸系樹脂とポリ(メタ)アクリレート系樹脂は、溶融粘度に応じて150〜300℃で溶融し、ダイ外またはダイ内で複合化し、例えばTダイ法によりリップ間隔2〜3mmのスリット状の口金から金属製冷却キャスティングドラム上に、直径0.5mmのワイヤー状電極を用いて静電印加して密着させ、無配向キャストシートを得る。
金属製冷却ロールの表面温度の好ましい範囲は0〜30℃であり、より好ましい範囲は3〜25℃であり、さらに好ましい範囲は5〜20℃である。金属製冷却ロールの表面温度をこの範囲に設定することで良好な透明性を発現できる。
延伸シートを得る場合は、こうして得られた無延伸キャストシートを加熱ロール上に搬送することによって縦延伸を行う温度まで昇温する。昇温には赤外線ヒーターなど補助的な加熱手段を併用しても良い。延伸温度の好ましい範囲は80〜95℃であり、より好ましくは85〜90℃である。このようにして昇温した未配向シートを加熱ロール間の周速差を用いてシート長手方向に1段もしくは2段以上の多段で延伸を行う。合計の延伸倍率は1.2〜3.5倍が好ましく、より好ましくは1.5〜3.0倍である。
このように一軸延伸したシートをいったん冷却した後、シートの両端部をクリップで把持してテンターに導き、幅方向の延伸を行う。延伸温度は75〜90℃が好ましく、より好ましくは80〜85℃である。延伸倍率は1.2〜3.5倍が好ましく、より好ましくは1.5〜3.0倍である。
シートの幅方向の性能差を低減するためには、長手方向の延伸温度よりも1〜15℃低い温度で幅方向の延伸を行うことが好ましい。
さらに必要に応じて、再縦延伸および/または再横延伸を行ってもよい。
次に、この延伸シートを緊張下または幅方向に弛緩しながら熱固定する。主にシートに熱寸法安定性を付与する観点、また同時にシートに含有しているラクチドを飛散させラクチド量を低減させる観点から、好ましい熱処理温度は100〜160℃であり、より好ましくは120〜150℃である。時間は0.2〜30秒の範囲で行うのが好ましいが、特に限定されない。弛緩率は、幅方向の熱収縮率を低下させる観点から1〜8%であることが好ましく、より好ましくは2〜5%である。熱固定処理を行う前にいったんシートを冷却することがさらに好ましい。
さらに、シートを室温まで、必要ならば、長手および幅方向に弛緩処理を施しながら、シートを冷やして巻き取り、目的とするポリ乳酸系樹脂積層シートを得る。
上記のような製造方法を採用することにより、本発明のブリスターパッケージの外装体に使用されるポリ乳酸系樹脂積層シートを得ることができる。
続いて、上述したポリ乳酸系樹脂積層シートを使用したブリスターパッケージに関して説明する。
ポリ乳酸系樹脂積層シートを用いて、本発明のブリスターパッケージに用いられるドーム部が形成された外装体を成形する方法は、特に限定されないが、生産性の点で真空成形、プレス成形が好ましい。
真空成形としては、汎用の成形機を用いることができる。例えば、熱板もしくは熱風などのヒーターを用いて60〜150℃、好ましくは65〜120℃の温度でポリ乳酸系樹脂積層シートを加熱し、そのシートを金型温度30〜150℃、好ましくは40〜100℃に設定した金型に密着させると同時に、金型内を減圧することで成形を行い、ブリスターパッケージに用いるドーム部が形成された外装体を得ることができる。
プレス成形としては、汎用の成形機を用いることができる。例えば、熱板もしくは熱風などのヒーターを用いて60〜150℃、好ましくは65〜120℃の温度でポリ乳酸系樹脂積層シートを加熱し、そのシートを金型温度30〜150℃、好ましくは40〜100℃に設定した雄型と雌型からなる金型に密着して、加圧、型締めすることで成形を行い、ブリスターパッケージに用いるドーム部が形成された外装体を得ることができる。
本発明のブリスターパッケージは、台紙と、商品を収容するためのドーム部が形成された外装体とからなり、ドーム部に商品を収容した状態で外装体を台紙に固着したブリスターパッケージである。そして外装体は、上述した少なくとも5層から成るポリ乳酸系樹脂積層シートを用いて形成される。
外装体と台紙は、例えば台紙の周縁部に接着剤を塗布し固着したり、台紙の周縁部をヒートシールにより熱融着して固着する。
本発明のブリスターパッケージに使用される台紙としては、特に限定されないが、紙、合成樹脂シート、ラミネート紙などを挙げることができる。
本発明のブリスターパッケージにより、外装体のドーム部に収容される商品は、特に限定されず、商品としては芳香剤、文房具、乾電池などを挙げることができるが、商品としては特に歯ブラシが好ましく用いられる。
上記外装体に形成されるドーム部は、収容する商品の大きさや形によって、適宜変更することができる。なお、本発明のブリスターパッケージにより、好適に収容される商品は歯ブラシなので、ドーム部としては歯ブラシを収容可能なサイズなどに加工することが好ましい。
また上記のポリ乳酸系樹脂積層シートは、ブリスターパッケージの外装体として、図1や図2などの形状に成形される。なお、図1および図2においては、歯ブラシ用ブリスターパッケージの例を示すが、本発明は歯ブラシ用のブリスターパッケージに限定されるものではない。以下、本発明に係るブリスターパッケージの詳細を更に添付の図面に基づき説明する。
図1に示す本発明の第1の実施形態に係る歯ブラシ用ブリスターパッケージは、図3に示した従来品の構成のブリスターパッケージと比較して、パッケージ下端部の台紙中央部に位置する箇所に切欠き部9が設けられ、該切欠き部9の幅方向(切欠き巾)の間に歯ブラシが設置される。
該切欠き部9の巾(切欠き巾)は、歯ブラシ柄巾の110〜300%の範囲内であることが好ましく、さらには120〜200%の範囲内がより好ましい。切欠き巾を、歯ブラシ柄巾の110〜300%の範囲内とすることで、歯ブラシ用ブリスターパッケージが落下してそれによる衝撃を受けた際に、ブリスターパッケージの外装体部分が割れることを効果的に抑制できるために好ましい。
さらに該切欠き巾は、台紙の横巾に対して40〜90%の範囲内であることが好ましく、さらには50〜80%の範囲内がより好ましい。切欠き巾を、台紙の横巾に対して40〜90%の範囲内とすることで、歯ブラシ用ブリスターパッケージが落下してそれによる衝撃を受けた際に、ブリスターパッケージの外装体部分が割れることを効果的に抑制できるために好ましい。
なお、実際の歯ブラシのサイズを考慮すると、具体的な切欠き巾としては20〜25mmであることが好ましい。
切欠き部の切欠き深さは、台紙の縦巾に対して1〜10%の範囲内であることが好ましく、さらには3〜8%の範囲内がより好ましい。切欠き深さを、台紙の縦巾に対して1〜10%の範囲内とすることで、歯ブラシ用ブリスターパッケージが落下して衝撃を受けた際に、ブリスターパッケージの外装体部分が割れることを効果的に抑制できるために好ましい。
なお切欠き巾とは、歯ブラシ用ブリスターパッケージに使用される台紙の横方向(台紙の短軸方向)と同方向を示すものとする。また切欠き深さとは、歯ブラシ用ブリスターパッケージに使用される台紙の縦方向(台紙の長軸方向)と同方向を示すものとする。
切欠き巾が歯ブラシ柄巾の110〜300%の範囲内から外れたり、切欠き巾が台紙の横巾に対して40〜90%の範囲内から外れたり、切欠き深さが台紙の縦巾に対して1〜10%の範囲内から外れると、ブリスターパッケージが落下したときに、落下による衝撃のために、歯ブラシ柄が外装体の歯ブラシ柄下端受け部8に割れを生じさせやすく、耐落下衝撃性が低下しやすくなることがある。
例えば、歯ブラシ柄巾13mm、台紙の横巾33mm、台紙の縦巾230mmのとき、本発明のブリスターパッケージは切欠き巾20〜25mm、切欠き深さ8〜10mmが好ましく用いられる。
また、本発明のブリスターパッケージの好ましい態様は、歯ブラシ柄下端受け部8を、図1に示すような台形形状とし、歯ブラシ柄を2点で支持したものである。図1の歯ブラシ用ブリスターパッケージは切欠き部を設けたことで、ブリスターパッケージが落下したときに、歯ブラシ柄が、外装体の歯ブラシ柄下端受け部8に与える衝撃を和らげることができる。そしてさらに、歯ブラシ柄下端受け部8を図1のような台形形状とすることによって、歯ブラシ柄が外装体の歯ブラシ柄下端受け部8に与える衝撃を、歯ブラシ柄下端を支える2箇所に分散し、外装体の歯ブラシ柄下端受け部8が割れるのを防ぐことができる。なお、歯ブラシ柄下部受け部8の形状は、図1に示すような台形に限定されるものではなく、例えば図4に示すような三角形状、あるいは五角形状、六角形状であってもよい。
ブリスターパッケージが落下した際の衝撃を和らげるのに有効な、別の好ましい例として、図2に示す本発明の第2の実施形態に係る歯ブラシ用ブリスターパッケージがある。図2に示すブリスターパッケージは、図3に示す従来の構成のブリスターパッケージと比べて、パッケージ下端部の台紙中央部に位置する箇所に切欠き部9を設け、該切欠き部において、切欠き巾の間に歯ブラシが設置されている。そして図2に示すブリスターパッケージの有する、図1や図3に示すブリスターパッケージとの大きな特徴は、ブリスターパッケージの外装体の歯ブラシ柄下端受け部8に、図示するような円形などの凹み10(商品である歯ブラシ方向への凹み)を設け、該円形の凹みが、歯ブラシ柄の吊り下げ用穴7を支持したものである。
なお、ブリスターパッケージの外装体の歯ブラシ柄下端受け部8が有する凹みは、前述のような円形には限定されず、該凹みによって、歯ブラシ柄を支えることができれば特に制限されない。
また、外装体の歯ブラシ柄下端受け部に設けられた凹みが支えるのは、歯ブラシ柄の吊り下げ用穴には限定されず、歯ブラシ柄に穴を有さない歯ブラシであっても、歯ブラシ柄に凹みがあれば、外装体の歯ブラシ柄下端受け部が有する凹みにより支えることが可能である。
図2に示す第2の実施形態に係る歯ブラシ用ブリスターパッケージの切欠き形状は、第1の実施形態と同様であり、該歯ブラシ用ブリスターパッケージは切欠き部を設けたことで、落下したときに、歯ブラシ柄が外装体の歯ブラシ柄下端受け部8に与える衝撃を和らげることができる。そしてさらに、歯ブラシ柄下端受け部8に円形の凹み部10を設け、該凹みが歯ブラシ柄の吊り下げ用穴7を支持したことで、歯ブラシ柄が外装体の歯ブラシ柄下端受け部8に与える衝撃を凹み部10によって吸収し、外装体の歯ブラシ柄下端受け部が割れるのを防ぐことができる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、以下の実施例により限定されるものではない。
[測定及び評価方法]
実施例中に示す測定や評価は次に示すような条件で行った。
[測定及び評価方法]
実施例中に示す測定や評価は次に示すような条件で行った。
(1)ブリスターパッケージ落下衝撃性評価方法
実施例や比較例のブリスターパッケージを、0℃×24時間養生後、0℃の雰囲気中で落下テストを行った。そのテスト結果を表2に示す。
実施例や比較例のブリスターパッケージを、0℃×24時間養生後、0℃の雰囲気中で落下テストを行った。そのテスト結果を表2に示す。
落下テストは、各形態のブリスターパッケージの歯ブラシ柄を下側にして、表2の落下衝撃性評価に記した各高さから落下させたときのブリスターパッケージの外装体のドーム部割れ有無を判定(試験回数7回)し、その生存率(=割れ無しサンプル数/全サンプル数7個)を求め、以下の基準にて判断した。
○:生存率が70%以上
△:生存率が30%以上70%未満
×:生存率が30%未満
(2)ブリスターパッケージ耐熱性評価方法
実施例や比較例のブリスターパッケージを、各設定温度の恒温槽に24時間入れたときのブリスターパッケージの変形を目視にて評価した、以下の基準にて判断した。
○:70℃で変形なし
△:65℃で変形ないが、70℃で変形あり
×:65℃で変形あり
(3)外装体の植物度
外装体に使用したポリ乳酸系樹脂積層シートの、各層のポリ乳酸系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂の含有割合(重量%)、層構成、ならびに厚み比から、樹脂積層シートの樹脂組成物全体に対するポリ乳酸系樹脂の含有割合(バイオマス度)を求め、以下の基準にて判断した。
○:バイオマス度が60%以上
△:バイオマス度が50%以上60%未満
×:バイオマス度が50%未満
実施例1
層A用として、ポリ乳酸(PLA−1)とポリメチルメタクリレート(PMMA−1)を0:100の比率で、また層B用として、ポリ乳酸(PLA−1)とポリメチルメタクリレート(PMMA−1)を10:90の比率で、また層C用として、ポリ乳酸(PLA−1)とポリメチルメタクリレート(PMMA−1)を95:5の比率で、それぞれ独立した別々のベント式二軸押出機に供給し、口金温度を230℃に設定したTダイ口金より共押出し、静電印加方式により、10℃に冷却したキャスティングドラムに密着させ冷却固化し、層A/層B/層C/層B/層Aが10:5:70:5:10、厚み0.25mmの無延伸シートを作製した(このシートをシート1とする)。
○:生存率が70%以上
△:生存率が30%以上70%未満
×:生存率が30%未満
(2)ブリスターパッケージ耐熱性評価方法
実施例や比較例のブリスターパッケージを、各設定温度の恒温槽に24時間入れたときのブリスターパッケージの変形を目視にて評価した、以下の基準にて判断した。
○:70℃で変形なし
△:65℃で変形ないが、70℃で変形あり
×:65℃で変形あり
(3)外装体の植物度
外装体に使用したポリ乳酸系樹脂積層シートの、各層のポリ乳酸系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂の含有割合(重量%)、層構成、ならびに厚み比から、樹脂積層シートの樹脂組成物全体に対するポリ乳酸系樹脂の含有割合(バイオマス度)を求め、以下の基準にて判断した。
○:バイオマス度が60%以上
△:バイオマス度が50%以上60%未満
×:バイオマス度が50%未満
実施例1
層A用として、ポリ乳酸(PLA−1)とポリメチルメタクリレート(PMMA−1)を0:100の比率で、また層B用として、ポリ乳酸(PLA−1)とポリメチルメタクリレート(PMMA−1)を10:90の比率で、また層C用として、ポリ乳酸(PLA−1)とポリメチルメタクリレート(PMMA−1)を95:5の比率で、それぞれ独立した別々のベント式二軸押出機に供給し、口金温度を230℃に設定したTダイ口金より共押出し、静電印加方式により、10℃に冷却したキャスティングドラムに密着させ冷却固化し、層A/層B/層C/層B/層Aが10:5:70:5:10、厚み0.25mmの無延伸シートを作製した(このシートをシート1とする)。
得られたシート1の各層の組成と厚み比率を表1に示す。
シート1で用いたポリ乳酸系樹脂およびポリ(メタ)アクリレート系樹脂について示す。
〔ポリ乳酸系樹脂〕
PLA−1:
D体含有割合3.7〜4.8mol%、PMMA換算の重量平均分子量19万のポリ乳酸樹脂。
〔ポリ(メタ)アクリレート系樹脂〕
PMMA−1:
ポリメチルメタクリレート(住友化学製“スミペックス”HT50Y 流動性:14g/min)
次に、上記により採取したシート1を用いて、以下の方法により図1に記載のサイズのブリスターパッケージを実施例1のブリスターパッケージとして作製した。
〔ポリ乳酸系樹脂〕
PLA−1:
D体含有割合3.7〜4.8mol%、PMMA換算の重量平均分子量19万のポリ乳酸樹脂。
〔ポリ(メタ)アクリレート系樹脂〕
PMMA−1:
ポリメチルメタクリレート(住友化学製“スミペックス”HT50Y 流動性:14g/min)
次に、上記により採取したシート1を用いて、以下の方法により図1に記載のサイズのブリスターパッケージを実施例1のブリスターパッケージとして作製した。
まず外装体の作製のために、図3に記載の市販の歯ブラシに用いられている外装体の内側に石膏を流し込み、オス型を作製し、その後、ヤスリおよびサンドペーパーを用いてオス型のドーム部を本発明品1の形状(図1の形状)に修正した。
巾320mm、長さ460mm、厚さ0.25mmの前記シート1の枚葉サンプルを、先の石膏により作製したオス型を備えた成光産業(株)製小型真空成形機フォーミング300X型にて成形(シート予熱温度115℃、予熱時間15秒)し、外装体を得た。
そしてこの外装体のドーム部に、歯ブラシを充填し、台紙の周縁部に接着剤を塗布した後、外装体と台紙を固着して、本発明の実施例1のブリスターパッケージを得た。
なお台紙としては、紙を用い、台紙のサイズは横巾:33mm、紙巾:230mmとした。
歯ブラシとしては、柄巾が13mmのものを充填した。
接着剤としては、コクヨ製ポリウレタン系多用途接着剤を用いた。
実施例1のブリスターパッケージは、表2に示すように落下衝撃性、耐熱性ともに良好であった。
実施例2〜8、比較例1〜4
実施例1において、各層を構成するポリ乳酸系樹脂、ポリメチルアクリレート系樹脂、および各層の厚み比率を表1のように変える以外は、同様の方法によって、シート1〜4を作製した。
実施例2〜8、比較例1〜4
実施例1において、各層を構成するポリ乳酸系樹脂、ポリメチルアクリレート系樹脂、および各層の厚み比率を表1のように変える以外は、同様の方法によって、シート1〜4を作製した。
次にこのようにして得られたシートを、表2に記載のシートを使用する点、およびオス型の作製の点を除いては、実施例1と同様にして、ブリスターパッケージを作製した。なお、オス型の作製方法は以下である。
表2に記載の「ブリスター歯ブラシ柄受け部形状」が「発明品1」と記載された実施例および比較例は、実施例1と同様にしてオス型を作製し、該オス型を用いて外装体を作製した。
表2に記載の「ブリスター歯ブラシ柄受け部形状」が「発明品2」と記載された実施例では、まず外装体の作製のために、実施例1と同様にして市販の歯ブラシに用いられている外装体の内側に石膏を流し込み、オス型を作製し、その後、ヤスリおよびサンドペーパーを用いてオス型のドーム部を本発明品2の形状(図2の形状)に修正した後、該オス型を用いて外装体を作製した。
表2に記載の「ブリスター歯ブラシ柄受け部形状」が「従来品形状」と記載された比較例では、まず外装体の作製のために、図3に記載の市販の歯ブラシに用いられている外装体の内側に石膏を流し込み、オス型を作製し、該オス型を用いて外装体を作製した。
このようにして得られた実施例2〜8、比較例1〜4のブリスターパッケージについて、落下衝撃性評価、耐熱性評価を行った。
結果は表2に示すように、実施例2〜6のブリスターパッケージは耐落下衝撃性は良好であったが、比較例1〜4は耐落下衝撃性が悪く実用に供し得なかった。
上記のテスト結果から明らかなように、従来品に比べて本発明品のほうが格段に耐落下衝撃性に優れていることが確認された。落下高さが高いほど、従来品と比べ発明品の効果は大きくなる。
本発明のポリ乳酸系樹脂積層シートを用いたブリスターパッケージは、透明性、バイオマス度が高いことから、耐熱性、耐衝撃性が要求される歯ブラシ以外の各種商品用ブリスターパッケージに好ましく用いることができる。
1 外装体
2 台紙
3 歯ブラシ
4 ドーム部
5 周縁部
6 歯ブラシ柄
7 歯ブラシ吊り下げ用穴
8 歯ブラシ柄下端受け部
9 切欠き部
10円形の凹み
2 台紙
3 歯ブラシ
4 ドーム部
5 周縁部
6 歯ブラシ柄
7 歯ブラシ吊り下げ用穴
8 歯ブラシ柄下端受け部
9 切欠き部
10円形の凹み
Claims (9)
- 台紙と、商品を収容するためのドーム部が形成された外装体とからなり、ドーム部に商品を収容した状態で、外装体を台紙に固着したブリスターパッケージにおいて、
外装体が、少なくとも5層から成るポリ乳酸系樹脂積層シートを用いて形成され、
該シートが、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物からなる層A、層B及び層Cを有し、かつ、該層A、該層B、該層Cが、以下の条件を満たし、かつ、層A/層B/層C/層B/層Aの層構成で積層された、ブリスターパッケージ。
7≧Xa(PLA)≧0、30≧Xb(PLA)≧10、100≧Xc(PLA)≧95
ただし、
Xa(PLA):該層Aを構成するポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物の総量(重量)に対するポリ乳酸系樹脂の含有量(重量%)
Xb(PLA):該層Bを構成するポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物の総量(重量)に対するポリ乳酸系樹脂の含有量(重量%)
Xc(PLA):該層Cを構成するポリ(メタ)アクリレート系樹脂とポリ乳酸系樹脂組成物の総量(重量)に対するポリ乳酸系樹脂の含有量(重量%) - 前記商品が歯ブラシであることを特徴とする、請求項1に記載のブリスターパッケージ。
- ブリスターパッケージ下端部の台紙中央部に切欠き部を設け、
該切欠き部において、該切欠き部の巾(切欠き巾)の間に歯ブラシが設置され、
該切欠き巾が、歯ブラシ柄巾の110〜300%の範囲内であることを特徴とする、請求項2に記載のブリスターパッケージ。 - ブリスターパッケージ下端部の台紙中央部に切欠き部を設け、
該切欠き部において、該切欠き部の巾(切欠き巾)の間に歯ブラシが設置され、
該切欠き巾が、台紙の横巾に対して40〜90%の範囲内であることを特徴とする、請求項2または3に記載のブリスターパッケージ。 - ブリスターパッケージ下端部の台紙中央部に切欠き部を設け、
該切欠き部において、該切欠き部の巾(切欠き巾)の間に歯ブラシが設置され、
該切欠き部の切欠き深さが、台紙の縦巾に対して1〜10%の範囲内であることを特徴とする、請求項2から4のいずれかに記載のブリスターパッケージ。 - 前記外装体が、歯ブラシ柄下端部の凹みまたは穴を支える、凹みを備えたことを特徴とする、請求項2から5のいずれかに記載のブリスターパッケージ。
- 前記ポリ乳酸系樹脂積層シートが、以下の条件を満たすことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のブリスターパッケージ。
40≧Ya≧20、30≧Yb≧10、70≧Yc≧50
ただし、
Ya:シートの総厚みに対する該層Aの総厚み比率(%)
Yb:シートの総厚みに対する該層Bの総厚み比率(%)
Yc:シートの総厚みに対する該層Cの総厚み比率(%) - 前記ポリ(メタ)アクリレート系樹脂が、ポリメチルメタクリレートであることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載のブリスターパッケージ。
- 前記ポリ乳酸系樹脂積層シートを構成する樹脂組成物全体に対するポリ乳酸系樹脂の含有量が、50〜75重量%であることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載のブリスターパッケージ。
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- 2007-10-29 JP JP2007280044A patent/JP2009107649A/ja active Pending
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