JPH0110896Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテレビジヨン受像機に使用されるフラ
イバツクトランスに関する。

従来のフライバツクトランスのコアの締め付け
及び保持の仕方として例えば第１図のように構成
したものがある。この従来例において、１は高圧
コイル、低圧コイル等が収納される絶縁ケース、
２，３はそれぞれ第１コア、第２コアであつて、
該第１コア２、第２コア３の一方の端面同志が前
記ケース１の外部でコアギヤツプスペーサ４を介
して接合され、前記第１コア２、第２コア３の他
方端面同志はケース１に設けられた中空部（図示
せず）で同様に接合されている。そして第１コア
２及び第２コア３の締め付け保持のためにコ字型
のスクリユー５を第１コア２及び第２コア３に設
けられた溝に嵌め込むとともにホルダー６を用い
ナツト７で締め付けていた。

しかしながら、この保持方法は部品点数が多
く、またコアに溝を設ける必要からコアの有効断
面積が減少する欠点がある。

このため、第２図の如く基部８から二股に切欠
部８ｃにより分かれ、それらの両締付部８ａ，８
ｂが第１コア２′及び第２コア３′に対して均等に
弾性作用が働らき、締め付け保持するコンプレツ
シヨンリング９を用いたフライバツクトランスが
あるが、この場合コンプレツシヨンリング９をコ
ア接合部に装着するときその装着すべき位置がず
れて、例えば一方の締付部がコアギツプ１０上に
位置するように装着されると、第１コア２′と第
２コア３′の径が異つている場合に保持力が小さ
くなる欠点がある。

本考案は上記各従来例の欠点を解消するように
工夫されたものである。

以下、図面に従つて本考案を説明する。

第３図は本考案の実施したフライバツクトラン
スの側面図を示しており、１１は高圧コイル、低
圧コイル等が収納される合成樹脂製の絶縁ケース
であつて、従来とは異なりこの絶縁ケース１１に
第１コア１２と第２コア１３の外側の端面同志が
接合される部分を保持する保持部１４を一体に設
けている。このように保持部１４をケース１１の
特定の位置に設ければ、コアギヤツプ１９が常に
保持部１４の中央に設けられる。前記保持部１４
は第４図の如く第１コア１２及び第２コア１３と
嵌合するようにコアの断面形状と同様な中空部を
なすように形成された筒状体を成しており、この
場合、保持部１４の平面形状が円形となつている
ので当然嵌合されるコアの断面も円形である。ま
た、第１コア１２と第２コア１３の端面同志は比
較的硬化が速い強力接着剤を介して接合されてい
る。前記保持部１４内面に設けられた凸部１５，
１５（当接部）は、コア挿着時にそれぞれのコア
１２，１３に独立して圧接するようにして強固に
固定するようにしたものであり、またこれはコア
の径のバラツキによるコアずれをも防止してい
る。

尚、第５図、第６図及び第７図は本考案の他の
実施例を示す要部斜視図であつて、第５図の保持
部１６は筒状体を、その軸方向に切り欠いてスリ
ツト１６ａを形成し、コアを弾性的に挟持し得る
ようにしている。第６図の保持部１７は第５図の
ようなスリツトに連なるようにして筒状体の円周
方向に切欠き、２つの腕部１７ａ，１７ｂを形成
して、丁度、従来のコンプレツシヨンリングのよ
うに腕部１７ａ（当接部）が第１コア１２を締め
付け、腕部１７ｂ（当接部）が第２コア１３を締
め付けるようにしているので、第１コアと第２コ
アが異径であつても常に一定の保持力が得られ
る。第７図の保持部は第６図のものの改良型であ
つて第１コア１２と第２コア１３とをそれぞれ独
立した一対の腕部１８ａ，１８ｂ（当接部）で弾
性的に保持するようになつている。また上記第５
図、第６図及び第７図の実施例では筒状体の径を
コアの径よりも少許小さくするとともに筒状体の
両端面部分にはテーパーを設けてコアの挿入を容
易にしている。

以上説明した通り、本考案のフライバツクトラ
ンスは絶縁ケースに第１、第２コアの一方の端面
同志が接合される接合部を保持する保持部を設け
たので、従来の比しコア保持のための材料及び組
み立て工数が大幅に削減されコスト的に有利であ
るとともに保持部の位置が固定しているので従来
のコンプレツシヨンリングのような装着ミスによ
る保持作用の劣化を招く虞れもない。また、保持
部内面に第１、第２コアのそれぞれに当接する凸
部を設ければ、更に強固にコアの保持が行える。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はそれぞれ異つた従来例を示
す側面図である。第３図は本考案のフライバツク
トランスを示す側面図であり、第４図はその要部
を示す平面図である。第５図、第６図及び第７図
はそれぞれ本考案の他の実施例を示す要部斜視図
である。 １１……絶縁ケース、１２……第１コア、１３
……第２コア、１４，１６，１７，１８……保持
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) コイルが収納される絶縁ケース本体外部で第
   １、第２コア１２，１３の一方の端面同志が接
   着剤により接合されるフライバツクトランスに
   おいて、 前記ケース本体に一体に設けられ、前記第
   １、第２コア１２，１３の前記一方の端面同志
   が接合される接合部を保持する保持部１４，１
   ７，１８と、 この保持部１４，１７，１８に設けられ、前
   記第１、第２コア１２，１３にそれぞれ当接す
   る当接部１５，１５，１７ａ，１７ｂ，１８
   ａ，１８ｂと、を備えることを特徴とするフラ
   イバツクトランス。 (2) 前記保持部１６，１７，１８は筒状体を成
   し、且つ弾性を付与するためその軸方向にスリ
   ツト１６ａが設けられていることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のフライバ
   ツクトランス。