JPH01104265A - 医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物および医療用具 - Google Patents

医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物および医療用具

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JPH01104265A
JPH01104265A JP62261646A JP26164687A JPH01104265A JP H01104265 A JPH01104265 A JP H01104265A JP 62261646 A JP62261646 A JP 62261646A JP 26164687 A JP26164687 A JP 26164687A JP H01104265 A JPH01104265 A JP H01104265A
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chloride resin
acid
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永井 博史
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窪田 好記
Yoko Tamura
容子 田村
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物および医
療用具に関するものである。詳しく述べると本発明は、
極めて高い安全性を有しかつ血液と接触した際に溶血を
起こさせることのない医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成
物および医療用具に関するものである。
(従来の技術) 現在、血液保存容器またはその他の医療用具としては、
その成形性、柔軟性、透明性、耐熱性および低価格性の
良好さゆえに、軟質塩化ビニル樹脂製のものが広く使用
されている。ところでこのように医療用として用いられ
る軟質塩化ビニル樹脂は、通常可塑剤としてジー2−エ
チルヘキシルフタレー)−(DOP>を用いている。
しかしながら、−/fflにフタル酸エステル系の可塑
剤は移行性が大きいため、例えば上記のような軟質塩化
ビニル樹脂を血液と接触させると、血液中にジー2−エ
チルへキシルフタレートが溶出してくることが知られて
いる(医器学 54 221 (1984) )。この
ジー2−エチルへキシルフタレートは、血小板の凝集能
を抑制する事が報告されており(日本輸血学会雑誌、 
28(3)  282  (1981))、例えばこの
ような軟貨塩化ビニル樹脂製の保存容器を用いて血液を
保存した場合、輸血の際に保存血と共にジー2−エチル
へキシルフタレートが体内にはいる虞れのあることは、
血小板機能への影響の面から問題のあるものであった。
このような問題を解決するなめに、ジー2−エチルへキ
シルフタレートを含まない材質の使用が検討されたが、
このようにジー2−エチルへキシルフタレートを含まな
い材質を用いて構成された保存容器に血液を保存すると
、保存中に赤血球が溶血してしまうことが明らかとなっ
た。この原因を調べたところ、これは、ジー2−エチル
へキシルフタレートに溶血抑制効果があるためである(
ブラッド6461270〜 (1984) [BIoo
d 6461270− (1984) ] )というこ
とがわかった。つまり、従来のジー2−エチルへキシル
フタレートを可塑剤として配合した軟質塩化ビニル樹脂
により構成した血液保存容器で血液を保存した場合には
、血液中に溶出してきたジー2−エチルへキシルフタレ
ートが赤血球の溶血を抑制していたものである。
このような理由から、生体に対するジー2−エチルへキ
シルフタレートの作用を危惧しながらも、医療容器を構
成する医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物としては、ジ
ー2−エチルへキシルフタレートを配合した軟質塩化ビ
ニル樹脂が用いられているのが現状である。
(発明が解決しようとする問題点) 従って、本発明は、新規な医療用軟質塩化ビニル系樹脂
組成物および医療用具を提供することを目的とする。本
発明はまた、赤血球に対する保存性に優れる医療用軟膏
塩化ビニル系樹脂組成物および医療用具を提供すること
を目的とする。本発明はさらに生理的安全性の高い医療
用軟質塩化ビニル系樹脂組成物および医療用具を提供す
ることを目的とする。本発明はさらにまた、オートクレ
ーブ滅菌可能な耐熱性、高い透明性、柔軟性および加工
性を有する医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物および医
療用具を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上記諸目的は塩化ビニル系樹脂、可塑剤、ならびに i)2個以上のエステル結合を有し、 ii)上記エステル結合につながる1価の炭化水素基の
うち少なくとも2つは互いに炭素数の異なる鎖式炭化水
素基であり、 iii)上記1価の炭化水素基のうち少なくとも1つは
炭素数3以下または13以上の炭化水素基であるが、す
べての1価の炭化水素基が炭素数3以下の炭化水素基と
なることまたは炭素数13以上の炭化水素基となること
はなく、さらに、iv)上記1価の炭化水素基の少なく
とも1っが分岐構造を有し、かつまた、 ■)分子量が1000以下である カルボン酸エステル化合物を含んでなることを特徴とす
る医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物により達成される
本発明はまた可塑剤10〜45重景%お重量上記カルボ
ン酸エステル化合物1〜30型巣%を含有するものであ
る医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物を示すものである
。本発明はまた上記カルボン酸エステル化合物が2個の
エステル結合を有するものである医療用軟質塩化ビニル
系樹脂組成物を示すものである。本発明はさらに上記カ
ルボン酸エステル化合物がジカルボン酸エステルである
医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物を示すものである。
本発明はまた上記カルボン酸エステル化合物のエステル
結合につながる1価の炭化水素基の1つが炭素数3の炭
化水素基であり、他方が炭素数8〜20の炭化水素基で
ある医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物を示すものであ
る。本発明はまたジカルボン酸エステルの酸部分がマレ
イン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、イタコン
酸、セバシン酸、ドデカン2酸またはオキサル酢酸残基
である医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物を示すもので
ある。本発明はさらにまた上記カルボン酸エステル化合
物が、イソプロピル2−エチルヘキシルマレエート、イ
ソプロピルデシルマレエート、イソプロピルイソトリデ
シルマレエート、イソプロピルテトラデシルマレエート
、およびインプロピルミリスチルマレエートからなる群
から選ばれたものである医療用軟質塩化ビニル系樹脂組
成物を示すものである。本発明はまた可塑剤が低溶出性
のものである医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物を示す
ものである。本発明はさらに可塑剤が1−リアルキルト
リメリテート、ジノルマルアルキルフタレート、テトラ
アルキルピロメリテートからなる群から選ばれたもので
ある医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物を示すものであ
る。本発明はさらに可塑剤がジノルマルデシルフタレー
トである医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物を示すもの
である。本発明はまた可塑剤がトリオクチルトリメリテ
ートである医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物を示すも
のである。
上記諸口的はまた、塩化ビニル系樹脂、可塑剤、ならび
に i)2個以上のエステル結合を有し、 ii)上記エステル結合につながる1価の炭化水素基の
うち少なくとも2つは互いに炭素数の異なる鎖式炭化水
素基であり、 iii)上記1価の炭化水素基のうち少なくとも1つは
炭素数3以下または13以上の炭化水素基であるが、す
べての1価の炭化水素基が炭素数3以下の炭化水素基と
なるまたは炭素数13以上の炭化水素基となることはな
く、さらに、iv)上記1価の炭化水素基の少なくとも
1つが分岐構造を有し、かつまた、 ■)分子量が1000以下である カルボン酸エステル化合物を含んでなる軟質塩化ビニル
系樹脂組成物により実質的に構成されることを特徴とす
る医療用具により達成される。
本発明はまた可塑剤10〜45重量%および上記カルボ
ン酸エステル化合物1〜20重量%・を含有するもので
ある医療用具を示すものである。本発明はまた上記カル
ボン酸エステル化合物が2個のエステル結合を有するも
のである医療用具をしみずものである。本発明はさらに
上記カルボン酸エステル化合物がジカルボン酸エステル
である医療用具を示すものである。本発明はまた上記カ
ルボン酸エステル化合物のエステル結合につながる1価
の炭化水素基の1つが炭素数3の炭化水素基であり、他
方が炭素数8〜20の炭化水素基である医療用具を示す
ものである。本発明はさらにジカルボン酸エステルの酸
部分がマレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸
、イタコン酸、またはオキザル酢酸残基である医療用具
を示すものである。本発明はさらにまた上記カルボン酸
エステル化合物が、イソプロピル2−エチルヘキシルマ
レエート、イソプロピルデシルマレエート、イソプロピ
ルイソトリデシルマレエート、イソプロピルテトラデシ
ルマレエート、およびイソプロピルミリスチルマレエー
トからなる群から選ばれたものである医療用具を示すも
のである。本発明はまた可塑剤が低溶出性のものである
医療用具を示すものである。本発明はさらに可塑剤がト
リアルキルトリメリテート、ジノルマルアルキルフタレ
ート、テトラアルキルピロメリテートからなる群から選
ばれたものである医療用具を示すものである。本発明は
さらに可塑剤がジノルマルデシルフタレートである医療
用具を示すものである。本発明はまた可塑剤がトリオク
チルトリメリテートである医療用具を示すものである。
本発明はさらに血液収納用容器であることを特徴とする
医療用具を示すものである。本発明はさらにオートクレ
ーブ滅菌に耐え得るものである医療用具を示すものであ
る。
(作用) しかして、本発明の医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物
は、軟質塩化ビニル系樹脂組成物中に、i)2個以上の
エステル結合を有し、 ii)上記エステル結合につながる1価の炭化水素基の
うち少なくとも2つは互いに炭素数の異なる鎖式炭化水
素基であり、 iii)上記1価の炭化水素基のうち少なくとも1つは
炭素数3以下または13以上の炭化水素基であるが、す
べての1価の炭化水素基が炭素数3以下の炭化水素基と
なることまたは炭素数13以上の炭化水素基となること
はなく、さらに、iv)上記1価の炭化水素基の少なく
とも1つが分岐構造を有し、かつまた、 ■)分子量が1000以下である カルボン酸エステル化合物を添加してなることを最大の
特徴とする。驚くべきことに上記のごときカルボン酸エ
ステル化合物は、ジー2−エチルへキシルフタレートと
同様な赤血球溶血防止作用を有し、また一方、ジー2−
エチルへキシルフタレートとは異なり、血小板凝集能を
抑制する作用は認められないことが見出された。さらに
上記のごときカルボン酸エステル化合物は塩化ビニル系
樹脂との相溶性も十分なものであることから、該エーテ
ル化合物を配合すればジー2−エチルへキシルフタレー
ト以外の他の可塑剤、特により安全性の高いかつ低溶出
性の可塑剤を使用しても、血液と接触した際に赤血球に
対する保存性の良好な軟質塩化ビニル系樹脂組成物を得
ることができることになる。すなわち、該軟贋塩化ビニ
ル系樹脂組成物が血液と接触した場合、樹脂組成物中よ
り溶出移行してくる該エーテル化合物の働きにより赤血
球の溶血が防止され、一方、ジー2−エチルへキシルフ
タレートのように血小板凝集能抑制するような物質が溶
出するとはないために、生体に対する安全性に優れかつ
赤血球に対する保護作用に優れたものとなるものである
。これゆえ本発明の医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物
は、医療用具の素材として適したものであり、また該素
材を用いて成形された成形物は、その優れた安全性、加
工性、柔軟性、透明性、耐熱性を有するがゆえに医療用
具として用いた場合にその効果を遺憾なく発揮でき、特
に血液などの体液と接触するような医療用具の場合、そ
の効果は顕著である。
以下、本発明を実施態様に基づきより詳細に説明する。
本発明に係る医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物におい
て使用される塩化ビニル樹脂としては、塩化ビニルの単
独重合体の他にポリ塩化ビニリデン、塩化ビニルを40
重置火以上、好ましくは65重重量以上、最も好ましく
は75重量%以上含有する他の共重合し得る単量体との
共重合体等があり、その平均重合度は400〜3,00
0、好ましくは600〜2,700、最も好ましくは8
00〜1,700である。塩化ビニルに対する共単量体
としては、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、酢
酸ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、スチレン、ビニル
トルエン、ビニルピリジン、アクリル酸、アルキルアク
リレート(例えばメチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレ
ート、2−エチルへキシルアクリレート等)、メタクリ
ル酸、アルキルメタクリレート(例えば、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、2−エチルへキシル
メタクリレート等)、アクリロニトリル、メタクリレー
トリル等がある。また、塩化ビニルlmには、スチレン
−アクリロニトリル共重合体、スチレン〜メタクリロニ
トリル共重合体を配合することができる。
また本発明の医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物おいて
用いられる可塑剤としては、安全性が高く、さらに好ま
しくは低溶出性のものが望まれ、例えば、ジノルマルオ
クチルフタレート、ジノルマルノニルフタレート、ジノ
ルマルデシルフタレート、ジノルマルウンデシルフタレ
ート、ジラウリルフタレート等のジノルマルアルキルフ
タレート類、トリ2−エチルへキシルトリメリテート、
トリノルマルオクチルトリメリテート等のトリアルキル
トリメリテート類、テトラ2−エチルへキシルピロメリ
テート等のテトラアルキルピロメリテート類などが挙げ
られ、特に好ましくはジノルマルデシルフタレートおよ
びトリオクチルトリメリテートである。本発明の医療用
軟質塩化ビニル系樹脂組成物において、これらの可塑剤
は可塑剤の種類によって異なるが通常10〜45重量%
、好ましくは15〜35重量%配合される。可塑剤量が
10重量%未満であると得られる組成物は柔軟性に欠け
、一方45重呈%を越えるとブリード現象が生じる虞れ
があるためである。
しかして、本発明の医療用軟雪塩化ビニル系組成物中に
は、 1)2fl1以上のエステル結合を有し、ii)上記エ
ステル結合につながる1価の炭化水素基のうち少なくと
も2つは互いに炭素数の異なる鎖式炭化水素基であり、 iii)上記1価の炭化水素基のうち少なくとも1つは
炭素数3以下または13以上の炭化水素基であるが、す
べての1価の炭化水素基が炭素数3以下の炭化水素基と
なることまたは炭素数13以上の炭化水素基となること
はなく、さらに、iv)上記1価の炭化水素基の少なく
とも1つが分岐構造を有し、かつまた、 ■)分子量が1000以下である カルボン酸エステル化合物が配合される。この力)レボ
ン酸エステル化合物は本発明の医療用軟質塩化ビニル系
組成物において溶血防止剤として作用する。すなわち本
発明の医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物よりなる製品
に、血液が接触した際に、該組成物中より溶出移行した
該カルボン酸エステル化合物が赤血球に対して保護作用
をもたらすのである。
本発明に係わるカルボン酸エステル化合物としては、上
記のi)〜V)の条件を満すものである限りにおいて、
以下に述べるように、多価カルボン酸と1価アルコール
との王ステル化合物および1価カルボン酸と多価アルコ
ールのエステル化合物の双方が含まれるが、好ましくは
、多価カルボン酸と1価のアルコールのエステル化合物
である。
該カルボン酸エステル化合物において、エステル結合に
つながる1価の炭化水素基のうち少なくとも2つは互い
に異なる炭素数の鎖式炭化水素基であるとするのは、い
ずれの炭化水素基も同じ鎖長を有するものであると、溶
血抑制作用が生じるものではなく、また上記1価の炭化
水素基のうち少なくとも1つは炭素数3以下または13
以上の炭化水素基であるが、すべての1価の炭化水素基
が炭素数3以下の炭化水素基となるまたは炭素数13以
上の炭化水素基となることはないものであるものとする
のは、すべての1価の炭化水素基の炭素数が3以下同士
または13以上同士であると塩化ビニル系樹脂との相溶
性がなくなり、また赤血球に対する保護作用もなくなっ
てしまい、一方、すべての1価の炭化水素基の炭素数が
4以上12以下の範囲のものであると、血小板の?a集
能が阻害されてしまう恐れがあるためである。さらに、
上記1価の炭化水素基の少なくとも1つが分岐構造を有
するものとするのは、いずれの1価の炭化水素基も直鎖
状のものであると塩化ビニル系樹脂との相溶性および溶
血抑制効果が低下するおそれがあるためである。またこ
のカルボン酸エステル化合物において分子量を1000
以下とするのは、分子量が1000を越えるものである
と固体状となり塩化ビニル系樹脂との相溶性がなくなり
樹脂組成物中への均一な分散が困難になるためである。
加えてこのカルボン酸エステル化合物のエステル結合に
つながる1価の炭化水素基を頷式炭化水素基とするのは
、分子構造中に環状構造が含まれていると血小板の凝集
能を阻害する恐れがあるためである。
このようなカルボン酸エステル化合物が多価カルボン酸
と1価アルコールとで構成される場合においては、酸部
分は、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸
、α−ケトグルタル酸、オキサロ酢酸、クエン酸、イソ
クエン酸、セバシン酸、ドデカン2酸などの炭素数2〜
12、好ましくは4〜6の鎖状多価カルボン酸の残基で
、また各アルコール部分は、例えば、メチルアルコール
、エチルアルコール、プロピルアルコール類、ブチルア
ルコール類、アミルアルコール類、ヘキシルアルコール
類、ヘプチルアルコール類、オクチルアルコール類、ノ
ニルアルコール類、デシルアルコール類、ウンデシルア
ルコール類、ラウリルアルコール類、トリデシルアルコ
ール類、ミリスチルアルコール類、ペンタデシルアルコ
ール類、パルミチルアルコール類、ヘプタデシルアルコ
ール類、ステアリルアルコール類、ベヘニルアルコール
類などの炭素数1〜22、好ましくは1〜20の鎮状1
価アルコールの残基で構成されうる。
このようにカルボン酸エステル化合物が多価カルボン酸
と1飼アルコールとで構成される場合においては、多価
カルボン酸残基よりなる酸部分の多価の炭化水素基は(
分岐状または直鎖状の)飽和炭化水素基であっても不飽
和炭化水素基であってもよく、またこのような炭化水素
基中に特性基として水酸基を含むものであってもよい。
一方、1価アルコール残基よりなる各アルコール部分の
1価の炭化水素基も飽和炭化水素基であっても不飽和炭
化水素基であってもよい。
さらにこのようなカルボン酸エステル化合物が多価アル
コールと1価カルボン酸とで構成される場合においては
、アルコール部分は、例えば、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、1−ジエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、1.2−
ブタンジオール、1.3−ブタンジオール、1.4−ブ
タンジオール、2.3−ブタンジオール、グリセリンな
どのような炭素数2〜12、好ましくは炭素数2〜6の
多価アルコールの残基で、また各酸部分は、例えば、ギ
酸、酢酸、プロピオン酸、イソプロピオン酸、酪酸、イ
ソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、
インカプロン酸、エナント酸、イソへブタン酸、カプリ
ル酸、イソカプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ペラル
ゴン酸、インペラルゴン酸、カプリン酸、インカプリン
酸、ウンデシル酸、インウンデシル酸、ラウリン酸、イ
ソラウリン酸、トリデシル酸、イントリデシル酸、ミリ
スチン酸、インミリスチン酸、ペンタデシル酸、インペ
ンタデシル酸、パルミチン酸、インパルミチン酸、ヘプ
タデシル酸、イソヘプタデシル酸、ステアリン酸、イソ
ステアリン酸、ノナデカン酸、インノナデカン酸、アラ
キン酸、イソアラキン酸、アクリル酸、クロトン酸、イ
ソクロトン酸、ウンデシル酸、オレイン酸、エライジン
酸、ソルビン酸、リノール酸、リルン酸、アラキドン酸
などのような炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜1
・8の脂肪酸の残基で構成され得る。このようにカルボ
ン酸エステル化合物が多価アルコールと1価カルボン酸
とで構成される場合においては、多価アルコール残基よ
りなるアルコール部分の多価の炭化水素基は(分岐状ま
たは直餌状の)飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水
素基であってもよく、まなこのような炭化水素基中に特
性基としてエーテル酸素を含むものであってもよい。一
方、1価カルボン酸残基よりなる各酸部分の1価の炭化
水素基も飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基で
あってもよい。
このようなカルボン酸エステル化合物のうち、溶血抑制
効果のより優れたものとしては、2個のカルボン酸エス
テル結合を有するもの、さらに望ましくは、ジカルボン
酸エステルが挙げられる。
特に、このような化合物群においてエステル結合につな
がる1価の炭化水素基の1つが炭素数3の炭化水素基で
あり、他方が炭素数8〜20の炭化水素基であるものの
効果は顕著である。さらにジカルボン酸エステルの場合
においては、酸部分の2価の炭化水素基が、例えば、マ
レイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、イタコ
ン酸、セバシン酸、ドデカン2酸またはオキサル酢酸残
基などのような炭素数2〜12の炭化水素基であること
が好ましく、最も好ましくは、一般式(I>、HC0O
R’ \ / if             (I )/ \ HC00R2 (但し、式中、R1は炭素数1〜3、好ましくは、炭素
数3の鎖式炭化水素基、またR2は炭素数8〜20、好
ましくは、炭素数8〜16の鎖式炭化水素基であり、か
つR1またはR2の少なくとも一方は分岐構造を有する
ものである。)で表されるマレイン酸エステル化合物で
ある。。
一般式(I>で表される化合物としては、具体的には、
例えば、イソプロピル2−エチルヘキシルマレエート、
イソプロピルデシルマレエート、イソプロピルイソトル
イブシルマレエート、イソプロピルテトラデシルマレエ
ート、イソプロピルミリスチルマレエートなどが好まし
く含まれる。
このようなカルボン酸エステル化合物は、本発明の医療
用軟質塩化ビニル系樹脂組成物において1〜30重景%
重量り好ましくは3〜15重景%重量される。すなわち
該カルボン酸エステル化合物の配合量が1重量%未満で
あると赤血球の溶血を抑制する作用が十分とならず、一
方30重量%を越えると軟質塩化ビニル系樹脂組成物の
物性を低下させる虞れがあるからである。
さらに本発明の医療用塩化ビニル系樹脂組成物には必要
に応じて、安定剤兼補助可塑剤としてのエポキシ化大豆
油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ化植物油類、安定
剤としてのカルシウム、亜鉛等とステアリン酸、ラウリ
ン酸、リシノール酸、ナフテン酸等との金属石鹸類、そ
の他、滑剤、酸化防止剤などが配合され得る。安定剤兼
補助可塑剤としてのエポキシ化植物油の配合量は、3〜
10重量%、より好ましくは6〜9重量%であり、また
安定剤としての金属石鹸の配合量は0.05〜3重量%
、より好ましくは0.1〜1.5重量%である。
本発明の医療用塩化ビニル系樹脂組成物の成形方法とし
ては、従来の塩化ビニル系樹脂組成物に関して用いられ
ている方法、例えばカレンダー成形、押出し成形、プラ
スチゾル成形等のいずれの方法によっても成形可能であ
り、また接着法としても高周波融着、熱融着、超音波融
着等が可能である。
本発明の医療用具は、塩化ビニル系樹脂、可塑剤および
上記のごとき i)2個以上のエステル結合を有し、 ii)上記エステル結合につながる1価の炭化水素基の
うち少なくとも2つは互いに炭素数の異なる鎖式炭化水
素基であり、 iii)上記1価の炭化水素基のうち少なくとも1つは
炭素数3以下または13以上の炭化水素基であるが、す
べての1価の炭化水素基が炭素数3以下の炭化水素基と
なることまたは炭素数13以上の炭化水素基となること
はなく、さらに、iv)上記1価の炭化水素基の少なく
とも1つが分岐構造を有し、かつまた、 ■)分子量が1000以下である カルボン酸エステル化合物を含んでなる軟質塩化ビニル
樹脂組成物より実質的に構成されるものであり、優れた
安全性、加工性、柔軟性、耐熱性等の諸物性を有するも
のであって、特に赤血球の溶血に対する抑制作用が優れ
たものである。従って、本発明の医療用具としては、血
液バッグ等の血液収納用容器、カテーテル、輸血セット
、血液回路などの血液ないし体液と接触する医療用具が
好適に含まれるが、また前記仄療用具用包装容器、錠剤
等の薬剤用包装容器なども含まれるものである。
つぎに図面を参照しながら、血液バッグを例にとり、本
発明による医療用具の一実施悪様を説明する。すなわち
、第1図は血液バッグを示すものであり、複数個のピー
ルタブ付き排出口1および連結用排出口2を備えた上記
軟質塩化ビニル系樹脂組成物製の採血バッグ3は、その
周縁部4を高周波加熱あるいはその他の加熱手段により
ヒートシールされており、また該採血バッグ3の内部空
間5に連通ずる上記軟質塩化ビニル系樹脂組成物製の採
血チューブ6が連結されている。また、前記採血チュー
ブ6の先端に設けられた針基7には穿刺針8が取付けら
れ、この穿刺針8にはキャップ9が取付けられている。
さらに前記採血バッグ3の連結用排出口2には先端の連
結針16により連結された連結チューブ17が設けられ
、この連結チューブ17には分岐管15を介して、ピー
ルタブ付き排出口10を備え上記軟質塩化ビニル系樹脂
組成物製の同様に周縁部11をヒートシールされた第1
の子バツグ14の内部空間12に連通ずる上記軟質塩化
ビニル系樹脂組成物製の連結チューブ13が連通され、
またさらにこれらの連結チューブ17および13には、
分岐管15を介して、ピールタブ付き排出口18を備え
上記軟贋塩化ビニル系樹脂組成物製の同様に周縁部1つ
をヒートシールされた第2の子バツグ23の内部空間2
0に連通ずる上記軟質塩化ビニル系樹脂組成物製の連結
チューブ22が連通されている。
この二連式の血液バッグはクローズドシステムで採血さ
れた血液を成分分離することが可能である。すなわち、
まず献血者の静脈に穿刺された穿刺針8より採血チュー
ブ6を通り採血バッグ3内に所定量の血液が採血される
。採血完了の後、採血バッグ3は遠心処理にかけられ血
液は上層の多血小板血漿と下層の血球層とに分離される
。次に採血バッグ3より上層の多血小板血漿を押し出し
連結チューブ17および13を通して第1の子バツグ1
4に多血小板血漿を移す。多血小板血漿が入れられた状
態で第1の子バツグ14はさらに遠心処理にかけられて
、上層の濃縮血小板と下層の乏血小板血漿とに分離され
、上層の濃縮血小板は第1の子バツグ14より押し出さ
れて連結チューブ13および22を通り第2の子バツグ
23へと移されるものである。このように採血された血
液が遠心処理により成分分離されて各血液バッグに保存
されるというように、血液成分が長時間血液バッグおよ
びチューブに接触しても、上記したように各血液バッグ
およびチューブを構成する本発明の軟質塩化ビニル系樹
脂組成物は赤血球保護効果に優れまた血小板の凝集能を
阻害することもないので安全でかつ有効な成分輸血を可
能とするものである。
以上は血液バッグを例にとって説明したが、その他の体
液保存容器、カテーテル、輸血セット、血液回路等の医
療用具、ならびに前記医療用具用包装容器、錠剤等の薬
剤用包装容器などについても同様に上記の軟質塩化ビニ
ル系樹脂組成物により好適に構成されるものである。
本発明による医療用具は、その使用前に滅菌処理される
が、滅菌処理法としては、エチレンオキサイド滅菌、オ
ートクレーブ滅菌などが用いられ、好ましくはオートク
レーブ滅菌が用いられる。オートクレーブ滅菌において
は、医療用具は通常的121°Cで約60分間処理され
るが、上述したように本発明の医療用具はこのようなオ
ートクレーブ滅菌処理条件に耐え得る十分な耐熱性を有
するものである。
(実施例) 以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明する
実施例1〜3 第1表に示すような組成を有する軟質塩化ビニル樹脂組
成物を150℃で5分間ロール混練した後、押出機を用
いて0.41TIm厚のシートに成形した。得られたシ
ートを2枚重ね合せて所定部を高周波シールすることに
より20m1容のミニ血液バッグを作製した。該バッグ
にヘマトクリット値約70%に調整したヒトCPD加濃
厚赤血球液(以下CRCと称する。)約20m1を分注
し、4℃で4週間静置保存した。その後、血漿ヘモグロ
ビン濃度をTMB法(クリニカル ケミストリー 23
749〜(1977)[Cl1n、  Chem、  
23 749〜(197γ)コ )で測定した。またC
RC中への溶出物の濃度を静置保存後のCRCを0.5
ml取出しこれにイソプロピルアルコール5mlおよび
ジエチルエーテル5mlを加え撹拌後、1500Xgで
10分間遠心処理し、上澄を蒸発乾固させ1mlのアセ
トニトリルに溶解させた後これを高速液体クロマトグラ
フで分析することにより測定した。結果を第2表に示す
比較例1〜3 第1表に示すような組成を有する軟質塩化ビニル樹脂組
成物を用いて実施例1と同様なミニ血液バッグを作製し
、血漿ヘモグロビン濃度の変化および溶出物濃度を調べ
た。結果を第2表に示す。
(以下余白) ヤ  ヤ  亨  二へ 第2表に示す結果から明らかなように、本発明に係る軟
雪塩化ビニル面脂組成物を用いた場合(実施例1〜3)
においては、可塑剤としてDnDPを用い血液中にほと
んど何も溶出しない場合(比較例3)と比較して溶血が
低く抑えられており、可塑剤としてDOPを用いた場合
(比較例2)と比較的近い値を示した。
参考実験 以下の手順で血小板の樋能回復実験を行なった。
まず、メタノールにイソプロピルデシルマレエート20
0001)l)fflを溶解した溶液(参考例1)、メ
タノールにイソプロピルテトラデシルマレエート200
00 ppmを溶解した溶液(参考例2)、メタノール
にイソプロピルデシルイタコネート2o o o o 
ppmを溶解した溶液(参考例3)、メタノールにジー
2−エチルへキシルマレニーI・20o o o pp
mを溶解した溶液(対照例1)、メタノールにジー2−
エチルへキシルフタレート200o o ppmを溶解
した溶液(対照例2)、メタノールにジノルマルデシル
フタレート20000 CDIIIを溶解した溶液(対
照例3)、および何も添加していないメタノール(ブラ
ンク)を用意した。これらの溶液をそれぞれヒト乏血小
板血漿に1/100景となるように添加し、この乏血小
板血漿2mlをヒト多血小板血漿1mlに加えさらにタ
イロード[Tyrode]液(1μM  PGEI 4
xlO°3単位/ ml、アビラーゼ、3 、5■/m
l B SAを含む)を添加しなf&37℃で90分間
インキュベートした。この後、血小板を洗浄しくレグラ
ンドら、ヨーロピアン ジャーナル オブ バイオケミ
ストリー142. 465 (1984)  [Leg
rand et al、、 Eur。
J、 Biochem、 142. 465 (198
4) ] ) 、アビラーゼ21tgタンパク質/ m
l添加タイロード[TyrOde]/BSA液(0,2
mM  Ca(12,1mMMgCD2.5mM  H
EPES 、3.5mg/m1BsAを含むタイロード
液、PH7,35>に再浮遊し、0.2■/ mlフィ
ブリノーゲン存在下50μM  ADPおよび10μg
 / mlコラーゲンに対する最大凝集率をアゲリコー
ダ−(京都第一科学■製)を用いて測定しな。結果を第
3表に示す。
第3表に示すようにジー2−エチルへキシルフタレート
(対照例2)および本発明の軟質塩化ビニル樹脂組成物
に配合されるカルボン酸エステル化合物とはエステル結
合につながる1価の炭化水素基の構造の異なるジー2−
エチルヘキシルマレエート(対照例1)には血小板の凝
集能回復に対する抑制作用がみられる。これはジー2−
エチルへキシルフタレートおよびジー2−エチルヘキシ
ルマレエートが体内に入った時に血小板機能を阻害する
可能性があることを示唆するものであり、医療用軟質塩
化ビニル樹脂組成物中に配合することがあまり適当でな
いことを示すものである。これに対し、イソプロピルデ
シルマレエート(参考例1)、イソプロピルテトラデシ
ルマレエート(9考例2)およびイングロビルデシルイ
タコネ−1・(参考例3)、ならびにジノルマルデシル
フタレート(対照例3)にはこのような抑制作用は認め
られず、より安全性の高い物置であるといえることから
、本発明に係る軟質塩化ビニル系樹脂組成物が血小板に
与える影響も少ないことがわかる。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明は塩化ビニル系樹脂、可塑剤
、ならびに i〉2個以上のエステル結合を有し、 ii)上記エステル結合につながる1価の炭化水素基の
うち少なくとも2つは互いに炭素数の異なる鎖式炭化水
素基であり、 iii)上記1価の炭化水素基のうち少なくとも1つは
炭素数3以下または13以上の炭化水素基であるが、す
べての1価の炭化水素基が炭素数3以下の炭化水素基と
なることまたは炭素数13以上の炭化水素基となること
はなく、さらに、iv)上記1価の炭化水素基の少なく
とも1つが分岐構造を有し、かつまた、 ■)分子量が1000以下である カルボン酸エステル化合物を含んでなることを特徴とす
る医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物であるから安全性
に優れかつ従来のジー2−エチルへキシルフタレートを
可塑剤として用いた軟質塩化ビニル系樹脂組成物と同様
に赤血球の溶血抑制作用ならびに高い成形性、柔軟性、
透明性、耐熱性等の諸物性を有し、従来用いられている
成形法、例えばカレンダー成形、押出成形、プラスチゾ
ル成形等のいずれの方法によっても成形可能であり、ま
た接着法としても高周波融着、熱融着、超音波融着など
を採用でき、医療用具、殊に血液収納用容器などのよう
な血液と接触する医療用具の素材として最適なものであ
る。さらに本発明の医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物
において可塑剤10〜45重量%および上記カルボン酸
エステル化合物1〜30重量%を含有するものである場
合、また上記カルボン酸エステル化合物が2個のエステ
ル結合を有するもの、より望ましくは、ジカルボン酸エ
ステルであり、さらに上記カルボン酸エステル化合物の
エステル結合につながる1価の炭化水素基の1つが炭素
数3の炭化水素基であり、他方が炭木数8〜20の炭化
水素基である場合、さらにジカルボン酸エステルの酸部
分がマレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
イタコン酸、セバシン酸、ドデカン2酸またはオキサル
酢酸残基であるさらに望ましくは上記カルボン酸エステ
ル化合物が、イソプロピル2−エチルヘキシルマレエー
ト、イン10ビルデシルマレエート、イソプロピルイソ
トリデシルマレエート、イソプロピルテトラデシルマレ
エート、およびイソプロピルミリスチルマレエートから
なる群から選ばれたものである場合、加えて可塑剤が低
溶出性のもの、望ましくはトリアルキルトリメリテート
、ジノルマルアルキルフタレートおよびテトラアルキル
ピロメリテートからなる群から選ばれたもの、より好ま
しくはジノルマルデシルフタレートまたはトリオクチル
トリメリテートである場合には、安全性、溶血抑制作用
ならびにその他の諸物性が一層優れたものとなる。
本発明はまた、塩化ビニル系樹脂、可塑剤、ならびに i)2個以上のエステル結合を有し、 ii)上記エステル結合につながる1価の炭化水素基の
うち少なくとも2つは互いに炭素数の異なる領式炭化水
素基であり、 jij)上記1価の炭化水素基のうち少なくとも1つは
炭素数3以下または13以上の炭化水素基であるが、す
べての1価の炭化水素基が炭素数3以下の炭化水素基と
なることまたは炭素数13以上の炭化水素基となること
はなく、さらに、1v)−F記1価の炭化水素基の少な
くとも1つが分岐構造を有し、かつまた、 ■)分子量が1000以下である カルボン酸エステル化合物を含んでなる軟質塩化ビニル
系樹脂組成物により実質的に構成されていることを特徴
とする医療用具であるから、安全性に促れ、かつ赤血球
に対する溶血抑制作用を示すものであって、特に医療用
具が血液収納用容器などのように血液と接触し得るもの
である場合に6、血液成分を変成させる虞れもなく極め
て優れた医療用具であるといえる。さらに本発明の医療
用具において、該医療用具を実質的に構成する軟贋塩化
ビニル系樹脂組成物が可塑剤10〜45重量%および上
記カルボン酸エステル化合物1〜30重量%を含有する
ものである場合、また上記カルボン酸エステル化合物が
2個のエステル結合を有するもの、より望ましくは、ジ
カルボン酸エステルであり、さらに上記カルボン酸エス
テル化合物のエステル結合につながる1価の炭化水素基
の1つが炭素数3の炭化水素基であり、他方が炭素数8
〜20の炭化水氷基である場合、さらにジカルボン酸エ
ステルの酸部分がマレイン酸、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、イタコン酸、セバシン酸、ドデカン2酸ま
たはオキプル酢酸残基であるさらに望ましくは上記カル
ボン酸エステル化合物が、イソプロピル2−エチルヘキ
シルマレエート、イソプロピルデシルマレエート、イソ
プロピルイソトリデシルマレエート、イソプロピルテト
ラデシルマレエート、およびイソプロピルミリスチルマ
レエートからなる群から選ばれたものである場合、加え
て可塑剤が低溶出性のもの、望ましくはトリアルキルト
リメリテート、ジノルマルアルキルフタレートおよびテ
トラアルキルピロメリテートからなる群から選ばれたも
の、より望ましくはジノルマルデシルフタレートまたは
トリオクチルトリメリテートである場合には安全性、溶
血抑制作用、ならびに耐熱性、透明性、柔軟性などのそ
の他の点でより優れた医療用具となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の医療用具の一実施例を示す正面図であ
る。 3・・・採血バック、 6・・・採血チューブ、13.
17.22・・・連結チューブ、14・・・第1子バツ
グ、23・・・第2子バツグ。 特許出願人     テルモ株式会社 花王株式会社

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)塩化ビニル系樹脂、可塑剤、ならびにi)2個以
    上のエステル結合を有し、 ii)上記エステル結合につながる1価の炭化水素基の
    うち少なくとも2つは互いに炭素数の異なる鎖式炭化水
    素基であり、 iii)上記1価の炭化水素基のうち少なくとも1つは
    炭素数3以下または13以上の炭化水素基であるが、す
    べての1価の炭化水素基が炭素数3以下の炭化水素基と
    なることまたは炭素数13以上の炭化水素基となること
    はなく、さらに、iv)上記1価の炭化水素基の少なく
    とも1つが分岐構造を有し、かつまた、 v)分子量が1000以下である カルボン酸エステル化合物を含んでなることを特徴とす
    る医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. (2)可塑剤10〜45重量%および上記カルボン酸エ
    ステル化合物1〜30重量%を含有するものである特許
    請求の範囲第1項に記載の医療用軟質塩化ビニル系樹脂
    組成物。
  3. (3)上記カルボン酸エステル化合物が2個のエステル
    結合を有するものである特許請求の範囲第1項または第
    2項に記載の医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物。
  4. (4)上記カルボン酸エステル化合物がジカルボン酸エ
    ステルである特許請求の範囲第3項に記載の医療用軟質
    塩化ビニル系樹脂組成物。
  5. (5)上記カルボン酸エステル化合物のエステル結合に
    つながる1価の炭化水素基の1つが炭素数3の炭化水素
    基であり、他方が炭素数8〜20の炭化水素基である特
    許請求の範囲第3項または第4項に記載の医療用軟質塩
    化ビニル系樹脂組成物。
  6. (6)ジカルボン酸エステルの酸部分がマレイン酸、コ
    ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、イタコン酸、セバシ
    ン酸、ドデカン2酸またはオキサロ酢酸残基である特許
    請求の範囲第4項または第5項に記載の医療用軟質塩化
    ビニル系樹脂組成物。
  7. (7)上記カルボン酸エステル化合物が、イソプロピル
    2−エチルヘキシルマレエート、イソプロピルデシルマ
    レエート、イソプロピルイソトリデシルマレエート、イ
    ソプロピルテトラデシルマレエート、およびイソプロピ
    ルミリスチルマレエートからなる群から選ばれたもので
    ある特許請求の範囲第1項〜第6項のいずれかに記載の
    医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物。
  8. (8)可塑剤が低溶出性のものである特許請求の範囲第
    1項〜第7項のいずれかに記載の医療用軟質塩化ビニル
    系樹脂組成物。
  9. (9)可塑剤がトリアルキルトリメリテート、ジノルマ
    ルアルキルフタレート、テトラアルキルピロメリテート
    からなる群から選ばれたものである特許請求の範囲第1
    項〜第8項のいずれかに記載の医療用軟質塩化ビニル系
    樹脂組成物。
  10. (10)可塑剤がジノルマルデシルフタレートである特
    許請求の範囲第9項に記載の医療用軟質塩化ビニル系樹
    脂組成物。
  11. (11)可塑剤がトリオクチルトリメリテートである特
    許請求の範囲第9項に記載の医療用軟質塩化ビニル系樹
    脂組成物。
  12. (12)塩化ビニル系樹脂、可塑剤、ならびにi)2個
    以上のエステル結合を有し、 ii)上記エステル結合につながる1価の炭化水素基の
    うち少なくとも2つは互いに炭素数の異なる鎖式炭化水
    素基であり、 iii)上記1価の炭化水素基のうち少なくとも1つは
    炭素数3以下または13以上の炭化水素基であるが、す
    べての1価の炭化水素基が炭素数3以下の炭化水素基と
    なることまたは炭素数13以上の炭化水素基となること
    はなく、さらに、iv)上記1価の炭化水素基の少なく
    とも1つが分岐構造を有し、かつまた、 v)分子量が1000以下である カルボン酸エステル化合物を含んでなる軟質塩化ビニル
    系樹脂組成物により実質的に構成されることを特徴とす
    る医療用具。
  13. (13)可塑剤10〜45重量%および上記カルボン酸
    エステル化合物1〜30重量%を含有するものである特
    許請求の範囲第12項に記載の医療用具。
  14. (14)上記カルボン酸エステル化合物が2個のエステ
    ル結合を有するものである特許請求の範囲第12項また
    は第13項に記載の医療用具。
  15. (15)上記カルボン酸エステル化合物がジカルボン酸
    エステルである特許請求の範囲第14項に記載の医療用
    具。
  16. (16)上記カルボン酸エステル化合物のエステル結合
    につながる1価の炭化水素基の1つが炭素数3の炭化水
    素基であり、他方が炭素数8〜20の炭化水素基である
    特許請求の範囲第14項または第15項に記載の医療用
    具。
  17. (17)ジカルボン酸エステルの酸部分がマレイン酸、
    コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、イタコン酸、セバ
    シン酸、ドデカン2酸またはオキサル酢酸残基である特
    許請求の範囲第15項または第16項に記載の医療用具
  18. (18)上記カルボン酸エステル化合物が、イソプロピ
    ル2−エチルヘキシルマレエート、イソプロピルデシル
    マレエート、イソプロピルイソトリデシルマレエート、
    イソプロピルテトラデシルマレエート、およびイソプロ
    ピルミリスチルマレエートからなる群から選ばれたもの
    である特許請求の範囲第12項〜第17項のいずれかに
    記載の医療用具。
  19. (19)可塑剤が低溶出性のものである特許請求の範囲
    第12項〜第18項のいずれかに記載の医療用具。
  20. (20)可塑剤がトリアルキルトリメリテート、ジノル
    マルアルキルフタレート、テトラアルキルピロメリテー
    トからなる群から選ばれたものである特許請求の範囲第
    12項〜第19項のいずれかに記載の医療用具。
  21. (21)可塑剤がジノルマルデシルフタレートである特
    許請求の範囲第20項に記載の医療用具。
  22. (22)可塑剤がトリオクチルトリメリテートである特
    許請求の範囲第20項に記載の医療用具。
  23. (23)血液収納用容器であることを特徴とする特許請
    求の範囲第12項〜第22項のいずれかに記載の医療用
    具。
  24. (24)オートクレーブ滅菌に耐え得るものである特許
    請求の範囲第13項〜第23項のいずれかに記載の医療
    用具。
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